January 06, 2015

地球の未来を暗示 -人口爆発-

 この写真を見ればアフリカの貧困など多くの課題を突きつけられた気がします。そして眼前の写真からはなれて冷静になったとき、地球上の我々人類の問題として捉えなおすことができます。要約してしまえば

1. 人口問題
2. 食料問題
3. エネルギー問題
4. 地球環境問題


のたったの4っつ? でしょうか。 解決は容易ではありません。これらのグローバルな問題解決には、国連も先進国も開発途上国も、どこの国も無力です。 最重要課題の人口問題については、抑制するルールすらありません。我が国は小子化担当相をおいて「産め!」、「産んだら〇〇をあげます」と躍起になっています。

   まずはアフリカの現実の一端を写真でじっくりご覧下さい。車にとっても、地球にとっても、人間は担いきれないお荷物なんですね。



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January 05, 2014

どちらが恐いか?  現状のネオニコチロイド系農薬と被爆100ミリシーベルト/月  

 「科学は狂信と迷信に対する最良の解毒剤である」  -アダム・スミス(経済学者)-

 本来、科学的知見に基づいて「考察」され「判断」され「対処」されるべき事柄が、そうではなくて政治的集団の圧力や扇動家によって大衆が右往左往することで、マスコミに取り上げられるかどうかで、本来国民の命と財産を守る使命を持つ国の施策がゆがめられているのを見るのはつらい。すでに我が国はそういう国になっているようです。


 最近のネオニコチロイド系農薬の場合を考えてみたい。例によってマスコミ報道を時系列でならべてみます。

2013/09/23(毎日新聞)
 
「(松阪市の県病害虫)防除所は県下全域に病害虫発生予察注意報を発令し、予防を呼びかけている」
 「防除所によると、大量発生の兆しがみられるのは、主にチャバネアオカメムシとツヤアオカメムシ。8月中旬以降増加し、松阪市と御浜町の県施設内の調査地点で平年の5・7〜2・5倍の発生が確認されている。今後は果樹園の被害が拡大する可能性がある。(中略)カメムシの早期発見に努め、農薬で防除してほしい。」

→ 最近の科学的知見と全く正反対に、人間の神経系統に悪影響をおよぼす可能性には目をつぶって、カメムシを退治して、果物の被害を守るよう呼びかけている。もっと農薬をバラまけと。
 県の害虫防除所としては致し方ない措置だとしても、県や国の大所高所からの判断は、この時もこれ以降も全然ありません。国民に向かって何のコメントもしません。

2013/12/18(AFPBBNews & ライブドアニュース)
  「欧州食品安全機関(European Food Safety Authority、EFSA)によると、ネオニコチノイド系殺虫剤の「アセタミプリド」と「イミダクロプリド」は人間の発達中の神経系統に影響を及ぼす可能性があるという。
 また、EFSAは許容されるばく露に関する現在の指針の一部は、発達神経毒性を防ぐための十分な保護策にはならない可能性があるため、引き下げるべきとの結論に達したとも述べている。」

 → ネオニコチノイド系殺虫剤をめぐるこのような関連性が専門機関から指摘されるのは今回が初めてでした。
 ただし、EUは昨年から、ミツバチ個体数の劇的な減少の原因となっており、食用作物の受粉を脅かしているという懸念から同系殺虫剤3種の使用を禁止していた。予防原則による好判断です。このような先見性ある政策を我が国の省庁にも望みます。
 我が国でもミツバチの大量死は確認されているのに何故か何の対策もとられていません。農薬は野放し状態。

2013/12/28(毎日新聞の地方版)
 東日本大震災からの農業の再生と生態系の復活をテーマにした「3・11北上地域農業復興会議勉強会」が栗原市志波姫で開かれ、NPO法人「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議」(東京都)の水野玲子理事が「新農薬ネオニコチノイドが日本を脅かす」の題で基調講演した。
 水野理事によると、ネオニコチノイド系農薬は有機リン系農薬に代わる殺菌、殺虫剤として1990年代から国内を含め世界的に普及。農薬メーカーは「低毒性」とするが、欧米で相次いだミツバチ大量死の最大の関与要因とみなされている。近年は赤トンボやスズメなど他の生き物の大幅減少にも関わっているとされる。
 → AFPニューと同趣旨のことが、10日遅れて毎日新聞の地方版に掲載されました。
 我が国ではネオニコチノイド系農薬ははカメムシ防除など水田、果樹、野菜栽培で広く使われている。農水省は現在でも使用法や基準を守れば問題ないとする立場である。翔年は大問題ありと考えます。

2014/01/02 21:00(共同通信 & 日経Web)
 ミツバチへの悪影響が懸念されているネオニコチノイド系農薬のうち2種類が、低濃度でも人間の脳や神経の発達に悪影響を及ぼす恐れがあるとの見解を、欧州連合(EU)で食品の安全性などを評価する欧州食品安全機関(EFSA)がまとめたことが2日、分かった。(中略)
 EFSAはEU各国にアセタミプリドのADIを3分の1に引き下げ厳しくすることなどを勧告。イミダクロプリドは現在のADIで問題ないとして引き下げる必要はないとした。また他のネオニコチノイド系農薬を含め、子供の神経の発達に対する毒性の研究を強化し、関連データを提出するよう求めた。
 日本の東京都医学総合研究所などは2012年に発表した論文で、2種類の農薬は微量でも脳内のニコチン性アセチルコリン受容体という物質を興奮させる作用があることを、ラットの培養細胞を使った実験で確認。人間の脳の発達に悪影響を及ぼす可能性があると指摘した。この研究は、今回のEFSAの見解でも重視された。
→ EUと違って、我が国の場合は研究の成果が直ぐに規制官庁によって判断され、国民のために生されるように機能していない。


2014/01/03(共同通信 & 沖縄タイムス)    
 ミツバチへの悪影響が懸念されているネオニコチノイド系農薬のうち2種類が、低濃度でも人間の脳や神経の発達に悪影響を及ぼす恐れがあるとの見解を、欧州連合(EU)で食品の安全性などを評価する欧州食品安全機関(EFSA)がまとめた。
 その2種類とはアセタミプリドとイミダクロプリド。EFSAは予防的措置として、アセタミプリドについて1日に取ることができる許容摂取量(ADI)を引き下げるよう勧告した。
→ おとそ気分の時期にしては、大ニュースです。人間の脳や神経の発達に悪影響があるのですから。ですが、フランスのAFPの記事から半月遅れのニュースです。それにたいして、 農水省からコメントはありません。



今までの翔年の判断と今後の取り組み
1 翔年は農薬については色々と問題が多いと感じて、1993年より有機農業を推進する希望をお持ちのH氏を応援してきました。当初6反に過ぎなかったH氏の「丹波ハッピー農園」は、今では3町歩以上の水田で無農薬米をご夫婦で生産をしています。無農薬、無施肥の農業はコストが高くつくので、ハッピー農園のお米の値段は生産者が決めます。当初から消費者は生産者の言い値で購入するというやり方で、H氏をサポートしています。

2 ミツバチの大量死について、このBlogの記事
2009/09/09 『ミツバチの減少、携帯電話の電波が原因か?』
 タイトルは「電波が原因か?」としていますが、当時の翔年の独自判断で記事中では疑わしいのは「 携帯電話の電波」と「 除草剤(農薬)」とをあげています。「ダニ」、「ウイルス」、と「気候変動」説は否定し、上の二つの研究成果を待ちたいと書いています。5年前の記事ですから、推論はまぁまぁと認めてください。(笑)

3 環境問題にたいする中国政府の誠意のない態度に関する情報収集。
 過去に鳥インフルエンザ問題ではカラスの勝手でしょと言わんばかり、毒入りの餃子では日本で注入されたと強弁した。また最近、PM2.5汚染で騒いでいる日本や韓国に対して、中国の排出物は無関係、両国は自分の国の排出物で騒いでいると環境問題の責任者がコメントを出している。
 日本のメディアはこれをほとんど伝えないし、政府も毅然としたコメントを出さない。情けないことです。
 今後、この種の中国関係の情報は、ネットや独自の情報源によって少しでも多く収集したいと考えています。いずれ、地球環境問題として、農薬や工場排出物質による汚染問題、食品の安全問題が人類にとっての大問題になるのはまちがいのないことですから。



 信を好みて学を好まざれば、其の蔽や賊なり。   -論語-
(信を好んで学を好まないと、条理をわきまえずに物事をやぶり損なう弊害に陥る)
 この訳だけでは意を尽くさない恐れがあるので、もう少し敷衍します。
 学問教養による調整を経ない限り、盲目的な信義は過度の深刻な弊害を生む。孔子は「信」という徳目でさえも、広い見識がないと美徳とならないと言っています。

 ネオニコチノイド系農薬のように、現在も大量に生産されており、世界中の果樹園や農場に今も大量にバラまかれている科学物質と自然災害が原因で事故を起こした原子力発電所から飛散した放射性物質と、どちらが自然環境、ひいては人間に悪影響を及ぼすかは、データを駆使して十分研究され、評価されなければならないと思います。そして、安全に関してはあくまでも科学的知見に基づいて、知的に判断されるべきと考えます。例え異質なものであっても、どちらがどのくらい人類の健康や環境に悪影響があるのかを推量できなければ、有効な対策はとれないのですから。
 (2013/04/26の「確率を使わない損失余命について -放射線リスクを寿命で表す」を読んでいただければ、だれでもおおよその見当はつくと思います) 

 我が国で放射能汚染に対して風評被害をおこしてまで大騒ぎする人達が、上の農薬問題では何の行動もおこさないのは不思議です。決して騒げといっているのではありません。あれか、これかというあまり賢くない思考法ではなくて、あれも、これも俎上に乗せた上で、科学的に総合判断をして欲しいと翔年は願っています。

(参考)
アセタミプリド (acetamiprid) は、ネオニコチノイド系殺虫剤であり、昆虫神経のシナプス後膜のニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、神経の興奮とシナプス伝達の遮断を引き起こすことで殺虫活性を示す。






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June 16, 2013

太陽光発電実績報告(2012/3-2013/2) -39万円稼ぐ-

 昨年「いきいき塾」に設置した太陽光発電設備の実績報告です。


1 計画と実績の比較(2012/04-2013/03)

(1) 実績 発電量 9,417kwh     売電金額 398,412円(売電量9,486kwh)          
(2) 計画 発電量 9,939kwh     売電金額 400,000円
(3) 計画比(%)   94.7%               99.6%

太陽光という天候に左右される自然エネルギーです。発電実績で94.7%の未達は誤差の範囲でしょうか。
実績発電量は暦日の4月1日から一年間の発電量ですが、売電は関西電力の検針日(3/22)から一年分で、実績とは若干の日にちのズレがあります。
また、いきいき塾は毎月2,3日の利用のため、照明と冷暖房の電気消費量はごくわずかです。(照明、暖房とも主に夜間消費)


2 太陽光発電の月別稼ぎ額(関電からの振込み額)

4月   34,104円
5月   46,074
6月   36,834
7月   38,472
8月   55,944 ←最大
9月   38,010
10月  29,862
11月  27,006
12月  16,002 ←最小
1月   21,000
2月   19,404
3月   35,700
合計  398,412円

稼ぎは天候に左右されます。今年の五月分の稼ぎ額は、なんと61,362円(4/23-5/27検針)でした。



3 設備資金回収は11年 

(1) 設備総工事費(パネル+機器+工事) 472万円
(2) 政府補助金                  -48万円
(3) 投資金額の回収年      10.7年 (424/39.8)
    
10年で回収する計画でしたが、この1年の実績で判断する限り、11年を要するみたいです。
今後、パネルの劣化による効率低下やメンテナンス費用が発生したりすると、もう少しかかるかも知れません。
いずれにしましても、固定価格買取制度(このケースでは42円/kwh、10年間)による高額買取に支えられている発電であることは間違いありませんね。
自然エネルギーの買取制度先進国ドイツでは、自然エネルギー発電の増加にともなってその負担額が膨大になっており、この制度の見直し機運(全量買取しない、単価引き下げ等)が出てきています。普及が進めば遅かれ早かれ、わが国もそうならざるを得ないでしょう。


4 発電所の概要

シャープのパネル(メーカー資料) 
太陽光パネル001

運転開始日: 2012/01/21

所在地: 南丹市八木町室河原上持尾7

電気出力: 9.984Kw (関電との契約は9.5KW)

多結晶太陽電池モジュール: (ND156AA 64枚、シャープ製)

附属設備: パワーコンディショナー(JH-G1C4P,JH-L1C3P,シャープ製)

政府より補助金: 約47万9千円(4800円/Kw)

売電単価: 42円/Kwh(法律により10年間関電が購入するという契約)

工事施工業者: (有)住マイル環境サービス


屋根上の太陽光発電パネルは、南向き、東向き、西向きに設置している関係上、東西に向いているパネルは年間で5%程度効率低下する。
また、設置場所の京都府南丹市八木町は山間部の盆地にあるため霧が発生しやすい地形です。特に冬季は午前11時をすぎても太陽は霧に霞んで見えないときがあります。太陽光発電にふさわしい地域ではありません。







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April 25, 2012

根本から考える(8) -人口減少問題はない

 この地球上に人口減少問題はありません。あるのは人口増大問題の深刻さです。2011年10月31日、国連人口基金は世界人口が70億人を突破したことを発表しました。これだけの人口を養うために水や食料やエネルギーをどのように確保して分配するかという大問題が目の前に横たわっています。このまま人口爆発が続くと、2030年には80億人、2050年には90億人に達すると推定されています。

今や地球は人であふれかえっている、定員オーバー、この列車は動きません Photo by Sifter
超満員

 それにもかかわらず、わが国は少子化担当大臣をおいて、生めよ、増やせよ、育てよと政府が号令をかけ、子育て支援だ、なんだ、かんだといって、バラマキ政策を実行している。問題を自国のことに限定し、極めて目先の解決を目指すとこのように全体の問題とは正反対の行動をとる間違いに陥る。わが国にとって人口減少が社会問題であるにしても、政策の選択が間違っていると思います。

 翔年はこういう呪縛から脱したいと考えて3月3日に『根本から考える(5) -エネルギーから食料不足、人口過剰問題へ-』を書き、3月7日に『根本から考える(6) -水の惑星が水不足?-』 を書いたのでした。

 「文芸春秋」五月号に生物学者の本川達雄東工大教授が「生物学からみた人口減少問題」と題してわが国の人口と食料について卓見を述べておられる。
「生物学者としては人口減少を歓迎したい。なにせ食料自給率四割なのだから、自前で養えるのは五千万人、自給している分だって、化学肥料や農業機械に頼って作っており、それらは輸入した化石燃料に依存している。自前の資源だけで農業をやるとするれば、養える人口はもっと少ない。」
「エコロジカルフットプリントという指標がある。資源消費量と、自然の生産能力を比べたものだが、この指標によれば、日本人は自国の自然の生産能力の約七倍もの資源を使っていることがわかる。」

 翔年は『エコロジカル・フットプリント』に興味をもって調べてみました。
「ビジュアル雑学図鑑」によると、「エコロジカル・フットプリント」とは消費物の生産と廃棄のために必要な土地の広さで表したもので、たとえば日本人一人当たりのバイオキャパシティは0.6ghaなのに、4.1ghaの土地を必要としているというのです。4.1÷0.6=6.8≒7と言う訳ですね。
 同じように地球全体でエコロジカル・フットプリントを見るとバイオキャパシティは1.8gha、対してフットプリントは2.7gha。2.7÷1.8=1.5、つまり現在の地球人の生活の維持には地球一個ではたりなくて1.5個がないと暮らして行けないのです。70億人の現状ですらこれですから、80億人、90億人になったら、これは悲惨を通り越していると想像して胸を痛めております。

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March 07, 2012

根本から考える(6) -水の惑星が水不足?-

3月3日のエントリー「根本から考える(5) -エネルギーから食料不足、人口過剰問題へ-」で食料不足の要因の一つに水不足をあげました。今回は地球規模の水不足問題を根本から考えます。

水の惑星
 我々の住んでいる地球は「水の惑星」と言われているとおり、水が大量にある星であることは間違いありません。早い話が、海は陸地の倍以上の広さがあるのですから。だったら、地球上の水の実態はどんなことなっているのでしょうか? 調べてみました。


1 地球上の水はどこにある?
 ・ 地球上にある全ての水 約13.85億立方km
 ・ 海水など  約13.49億立方km(97.4%) ← ほとんどが海にある塩水です。
 ・ 淡水  約3600万立方km(2.6%) ← 淡水はこれだけ!

2 淡水のうち人間が使えるのは?
 ・ 氷河 約2750万立法km(淡水の76%)
 ・ 地下水 約820万立方km(淡水の22.8%)
 ・ 河川、湖沼の水 17万8700立法km(淡水の0.8%)  ←人間が使える水はたったこれだけなんです。地球上の全水量のわずかに0.01%です。

 水の惑星に住んでいながら、全ての水のわずかに0.01%しか人間は使えないのですね。
 その水は広い海から毎日大量に蒸発している。その大半は雨となって海に降り注ぎますが、一部は水蒸気のまま陸上の大気中に運ばれ、そこで陸上で蒸発した水分と合わさって、雨(一部は雪)となって陸に降ります。陸に降った雨は河川となって海に戻って、ありがたいことに循環しています。この凄い量の循環水のごくごく一部、おこぼれぐらいしか人間は利用できないことがおおよそ理解できました。

 それで、わが国でも昔から水田に引く水争いは絶えなかったし、今も「水利権」として、水の使用権が農民に残されているのでした。
 わが国のように地球上で最も湿った地域に位置していれば、降雨量が多いので水不足はそれほど顕在化していませんが、他の国々では大変らしい。そして結局のところ、水不足が灌漑用水不足をまねき、食料不足に直結しているのですね。

 中国、インド、米国の三カ国の合計穀物生産量は世界の約半分ですが、この三カ国以外の穀物生産国も含めてほとんどの国で収穫量を増やそうと灌漑用の井戸を掘った。水がでなくなると、なおも深い井戸を掘った。その無結果、世界の20の国々で、地下水位が低下して、井戸が枯れつつある状況になっている。日本人は地下水は降雨によって定期的に補給されると考え勝ちですが、米国やサウジアラビアや中国の帯水層は化石帯水層といって大昔に蓄えられたもので、雨水で涵養されないので、水を汲み上げてしまうと灌漑ができなくなる性質を持つ。そして今や、水不足のために灌漑面積がすでに減り始めて、世界的な食料不足の時代が眼前に見えてきたというわけです。


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March 03, 2012

根本から考える(5) -エネルギーから食料不足、人口過剰問題へ-

世界の人口動態(地球は満員御礼状態です、縦軸は人口、横軸は年)  by 国連人口白書
(画像をクリックして拡大してご覧ください)
世界の人口動態

 ようやく世の中の論調が原子力発電所の安全問題からエネルギー問題にシフトしてきた。

 一方の極に、原子力は人類が制御できないほど難しい技術であるから、何が何でも原子力発電所は造るべきでない、運転すべきでないと言う人達。そしてその人達の意見によって、古い非効率な火力発電所で地球資源の化石燃料、重油、LNG、石炭をドンドン燃やして、「ほら、原子力がなくてもやっていけるじゃない」という。「これから自然エネルギーの太陽光発電や風力や地熱やメタンハイドレートなどの利用して発電すれば、大丈夫だ。」と楽観的に語る人も。

 やや小さい声ながら、もう一方には無資源国の日本は輸入エネルギーの依存度を下げなくては未来は描けない。同じ電力量を得るためには核燃料(廃棄物を含む)の500万倍の化石燃料(廃棄物を含む)が必要なことをどう考えるているのか。「ついこの間まで、温暖化ガス排出削減が地球環境のためにどうしても必要だと叫んでいた人が、一夜にしてCO2排出問題を忘れてしまうとはあきれて物がいえません。」と非難する人達。「ほら、いわんこっちゃない。電気料金の値上げがせまってきた。」と。


 翔年は当面の課題としてはわが国の原子力発電は容認するべきと考えますが、それでも「野放図に原子力発電所を作るのはちょっと待って!」といいたい。放射能が怖いからではありませんが、グローバルな視野に立つと、全面的な推進派にはなれません。
 それは、もう少し根本の問題に踏み込んで長期に地球環境問題を考えて見ると、推進派が適正な経済成長(3%程度)を前提にして、人間社会の発展を指向しているところに違和感を感じるからです。

 確かに経済成長がなければ、現代社会を動かすパワーは出てこないでしょう。成長がなければ失業者が街にあふれかえるという主張も肯けます。では失業者を吸収するだけの経済成長を達成すればそれでうまく行くかと考える時、大きな疑問が浮かび上がります。

 それは地球上にいる人類の数です。現在地球上に生息している人類は約70億人ですね。国連の人口推計によれば、世界の人口は、1分に137人、1日で20万人、1年で7千万人、増えているそうです。(世界中で、1年に6千万人が亡くなり、1億3千万人が産まれます)70億人の中、飢餓と栄養不良を抱えている人々の数は10億人(14%)を超えており、これが増え続ける傾向にあることが何といっても大問題でしょう。宇宙船地球号はもう定員一杯なのでは?

 何故大問題なのか? 大抵の人は社会が貧しいからと考えるかも知れませんが、それは正解では無いと言わざるをえません。70億の人口を養うだけの食料が不足しているのですが、その主な原因は水不足(灌漑用水が不足)と耕地面積不足と気候変動(不作)なのです。各国が経済を成長をさせても、毎年7千万人もの人口増があっては、2025年には世界の人口は80億人に達してしまいます。今でも不足している食べ物がもっと逼迫する状況を考えるとぞっとします。

 わが国は食料自給率が低すぎます。食料安全保障の議論は喫緊の課題でしょう。災害対策より、少子化対策より、何より最優先課題のはずです。政府には少子化担当という専任の大臣がいて、人口増の施策を策定していますが、極めて目先のローカルな問題に見えてしまいます。世界のリーダーであるわが国は、少子化を食い止め高齢化社会を乗り切ったことによってではなく、地球の人口減少対策を提案し、それに率先して資源(人、金、物)を投入したことによって称えられなくてはならないと思います。それにはまず人口爆発の抑制と食料増産のための教育からはじまる長い道のりに第一歩を踏み出すことではないでしょうか。


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December 24, 2011

落ち葉の始末 −今、昔

 先日、塾の大掃除をしていた時のことです。庭の落ち葉の始末をしていて、今と昔では落ち葉かきの楽しさが随分違うなという感を抱きました。


落ち葉かきの前後の様子、 まだ木には枯葉が散り残っています。12月21日時点。 
落ち葉落ち葉清掃後


 庭の落葉樹の落ち葉は毎日少しずつハラハラと落ちて、ほっておくと木々の周りに凄い量がたまります。上の写真は小さな低木落葉樹の蝋梅ですが、それでも木の周辺は葉っぱで埋まっていました。(大木のモミジなどはもっと凄い量でしたのに写真を撮るのを忘れました。)

初冬の落ち葉焚きの情景、「焚き火だ!焚き火だ!」と子供たちがどこからともなく集まってくる風景がが目に浮かびます。
焚くほどは風がくれたる落ち葉哉   一茶

木の葉たくけぶりの上の落ち葉かな  暁台


落ち葉の山

 落ち葉をかき集めるとこんなになります。これを一度に家庭ゴミとして出せば、市からお叱りを受けます。当然です。それを避ける方法は二つ、お金を出して、ゴミをトラックに積んで引き取って貰うか、コンポストにいれるか、写真みたいに積み上げておいて、自然に朽ちるのを待って堆肥にするかです。いずれにしても、お金を用意するか、処理の場所を確保して時間をかけるかしなければゴミは敷地からなくなりません。


 昔は違いました。落ち葉だけでなく不要になった竹であんだ駕籠や木製の壊れた家具などは個人のゴミ焼き場で処理し、有機灰にして田んぼや畑に返しました。大量のゴミの場合は冬の田んぼに小山のように積み上げて、すべて燃やして灰にして、ハイお終いでした。落ち葉を燃やす時、母が必ずサツマイモを用意し焼き芋にして、大人も子供もおいしくいただいた懐かしい想い出があります。落ち葉焚き焼き芋がセットになった記憶です。街で育った方は石焼芋でしょうが、田舎育ちの翔年は藁や落ち葉で焼いた焼き芋です。田んぼで大焚き火をした後などは、灰の余熱で焼き芋を焼きましたよ。

甘藷(イモ)焼けてゐる藁の火の美しく   高浜虚子

「藁の火の美しく」は実際にそのとおり、キレイなやや黒ずんだ赤の藁灰でしたね。
焼き芋=「栗よりうまい十三里」と言われる。その訳は九里(クリ)+四里(ヨリ)=十三里


 今は野焼きが禁じられています。実をいうと、いきいき塾のある田舎で、落ち葉や枯れ木を燃やしてもほとんど誰の迷惑にもなりません。ただし、不要になった塩化ビニールやその類の化学物質を燃やさなければ…。問題はこれをキチンと守れない人たちがいることが大問題なのです。
 有機農業を生業にしているH氏は化学物質の害を嫌というほど知っていますので、農薬を使わず低収穫に甘んじて農業を続けています。そういう農業を応援している翔年も化学物質が燃えるとダイオキシンなど猛毒が発生することは知っているので、そんなことはしません。でも市条例で規制されているので仕方ありません。掃除の後で焚き火をしたり、焼き芋を焼いたりした、昔のような楽しい団欒は望むべくもありません。


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December 13, 2011

翔年は10Kwの発電所長  ー 太陽光発電設備

 大げさなことを言うようですが、翔年は来春に発電所長になります。たった10Kwの発電所。場所は「いきいき塾」、方式は太陽光発電システム、そのための工事が今日から始まりました。新年には発電開始する予定です。 塾では電気はあまり使わないので、余った電気は関電に売ります。と言うことは、電気に色はつけられないので何処で使われるのか分かりませんけど、ひょっとしたら関西にお住まいの読者が使っていただいているかもしれません。(笑)

シャープの太陽電池モジュール(屋根置型)

太陽光パネル001

発電所の概要
所在地: 南丹市八木町室河原
電気出力: 9.984Kw (10Kwを超えると住宅用と認められないので抑えました)
発電電力量(予想): 9939kwh(南丹市は冬季の天候は曇りが多くて発電に適さない、屋根の東面、西面にも設置している等の要因でやや効率が悪い)
多結晶太陽電池モジュール: (ND156AA 64枚、シャープ製)
附属設備: パワーコンディショナー(JH-G1C4P,JH-L1C3P,シャープ製)
政府より補助金: 約47万9千円(4800円/Kw)
売電単価: 42円/Kwh(法律により10年間関電が購入するという契約)
工事施工業者: (有)住マイル環境サービス

  おおよそ、以上のような計画です。これは机上計算なので、実際に発電をして見ないことには、予想通りの発電量が得られるかどうか分かりません。一年後には実際の発電量、発電コスト等、ご参考迄に、ここにアップ致します。



関西電力のお願い資料(今冬はかなり厳しそう)
節電パンフ001

  翔年は福島第一原子力発電所の事故原因の詳細報告書やその後の検討結果も見ないで、脱原発を叫んだりしません。しかし、世論が自然エネルギー(太陽光発電、風力発電、波力発電、バイオマス燃料発電、地熱発電)を求める気持ちは十分理解してます。ですが、それら自然エネルギーは使い勝手が良くない上に、コストが高くつくことも知っています。更に重要な鍵は電気エネルギーは他のエネルギーに比べて、人間にとってとても使いやすいので、脱原発を叫ぼうが、自然回帰を志向しようが、人々は電気の使用をなかなか止める訳にはいかないのです。ならば、その適正な組合せを冷静に考える事が我が国のエネルギー政策にとって一番肝要なことではないかと考えます。(勿論原子力発電のリスクは不断の努力によって技術的に押さえ込みを図ります)

いずれエネルギー政策についても、地球規模を視野にいれた根本からの議論をしたいと思っています。



いつも『もの言う翔年』を読んでくださりありがとうございます。
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February 07, 2011

花粉症が治った! −補遺−

 1月28日のエントリー「花粉症が治った!」に、読者からアドバイスやらご忠告やらご質問やらをいただきました。以下に簡単にまとめておきます。

1 H氏からの「免疫力向上」のアドバイスと疑問点の指摘
 〇よく運動する
 〇ストレスをすくなく
 〇よく笑う
 Y氏の見解では翔年は三つともできているとのこと。ただし、加齢による免疫反応の低下で花粉症が治ったとするのは「?」だそうです。

2 Yさんからの忠告(TVからの情報だそうです)
 〇ここ2年ほど花粉の飛散量が少なかった
 〇今年は例年にもまして飛散量が多い
 〇花粉症はいったん発症したら、一生治らない
 治ったと思って油断したらアカンというご忠告でした。、けど、何も対策はしてないのだから、今年どうなるか見守るしかありません。今日現在までのところ、花粉症の症状はでていません。
 一生治らんとは思えません。TVの情報は鵜呑みにはできませんね。

3 X氏からのご質問
 〇花粉症の原因は複合だから、「空気汚染」、「ストレス」、「加齢現象」以外の考えられる要因は何かないのか?

 ようく考えてみると、今まで生活態度として翔年はこんなことに気をつけてきたので、これも要因として上げていいかも知れません。(これが花粉症に効くといっている訳で はありません)
(1) 科学物質をできるだけ体内にいれない。できるだけ自然なものを。
  ・「完全無農薬、有機肥料のみで耕作した米を食べる」 これは7年以上継続。
  ・「アルカリ還元水を飲む」=水道水の塩素を直接体内にいれない。10年以上継続。
  ・「歯磨き用品の厳選」毒性のある成分は嫌。10年以上継続
  
(2) 現代医学を盲信しない。特に「薬」、薬は毒でもある。
  ・「抗生物質の使用を控える」 よく効くから反作用を恐れる。
  ・「ステロイド剤は使わない」 同上。症状を抑えるだけの薬は嫌い。

(3)全身の皮膚を鍛える。これは子供の頃、祖父から教わったもの。  
  ・「ザラザラの健康タオルで全身を擦る」 風呂に入った時実行、7,8年継続。  
  ・「薄着の励行」 もの心ついたころから継続。現在も手袋、マフラー不使用。
 身体を鍛えるといえばつい筋肉を鍛えることと思いがちですが、祖父は薄着や乾布摩擦や冷水摩擦を奨励していました。何がなんでも孫を身体堅固にしたかったらしい。お相撲さんが冬に裸でいても風邪をひかないのは分りやすい実例ですね。翔年は皮膚を鍛えると、ひょっとして、ついでに粘膜も鍛えることになるんではないか? と思っています。


 花粉症と言う現代医学で解決できないものが、何故治ったのか、今なお不思議でなりません。因果関係など何も分らないど素人ですが、治ったというめずらしい症例として記録にとどめておきたいと思いました。

(参考)2009年3月24日に「花粉メール???」をエントリーしています。2年前までは、確かに花粉で悩んでいました。
  
Posted by mtmt0414 at 12:21Comments(0)TrackBack(0)

January 28, 2011

花粉症が治った!

 理由はわからない。が、とにかく花粉症が治った。
 翔年は40〜50代はひどい花粉症(アレルギー性鼻炎)に悩まされつづけていたのに、退職して4、5年経った頃から、花粉症が少しづつ軽くなりはじめ、気がついたら完治していた。今ではほとんど目の痒み、鼻づまり、鼻水、喉の炎症(アレルギー性咽喉頭炎)などで悩まされることは全くなくなった。


顕微鏡で見たスギ花粉
杉花粉の電子顕微鏡写真

こんなイガイガが目や鼻や口に入ったら、粘膜は反応せざるを得ませんね。




 でも、でも、医者にもかからず、薬も使わず、何もせずに馬齢を重ねていただけで、かってに治ったのは何故だろうか? それが分らない。不思議でならない。

 素人判断では、三つの環境要因が関係しているのではないかと考える。
(1)空気汚染の環境から逃れた?
 サラリーマン時代は、東京や大阪の中心部に勤務していたので、排ガスを始めとする都市公害の影響を受けていたと思う。退職後は近郊住宅地にいて、必要な時に都心部に出かけるだけだから、空気汚染の環境に曝される時間はめっきりすくなくなった。

(2)ストレスが少なくなった?
 仕事にストレスはつきもの。人生に適度のストレスは必要だと認めるけれど、たいていの努め人にとって、仕事の上のストレスは結構重い。
 
(3)肉体の老化によって、身体の抗体反応が鈍くなった?
 アレルギー反応は生体の正常な反応らしいから、加齢に伴って外部環境にたいして鋭敏な反応ができなくなったと考えてもいいのではないか?  「蛙のたたり」(12/29エントリー)ではなく、「老いの恵み」と思っている。何はともあれ、ありがたいことではある。



花粉とぶ季節と云へり杉木群(コムラ)凄まじき生殖の思ひ遂ゐむ 朝井万砂子

けぶること松に習ひて杉の花       鷹羽狩行

 松には松の、杉には杉の事情があるようです。「ヤメロ!」とは言えませんね。

 今年は花粉の飛ぶ量が大変多いらしい。
 みなさん、お大事に!
  
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September 09, 2009

ミツバチの減少、携帯電話の電波が原因か?

 携帯電話の電波がミツバチを混乱させ、死に追いやっている。自然界のバランスは微妙なものだから、こういうことは十分ありうるのではないか? 元の記事はここにあります。


 今年の春、ミツバチの大量死が読売新聞に載った。その記事では原因が不明ということだった。
 今回、インドの研究者によって携帯電話に使われるギガヘルツ帯の電波がミツバチに悪影響があることが明らかになったという。電波は電磁波である。ミツバチは飛行方向の認識に何らかの地磁気を利用しているはずだから、ミツバチが巣に帰る方向がわからなくなることは起りうると思う。この研究は注目に値する。

 ミツバチが減少すると蜂蜜が高騰するだけではない。草花や果物の花にはミツバチの助けで受粉している種がある。この影響は想像を絶するほど大きいのではないか?

 とはいうものの携帯を手放すわけにはいかない。どうする?
 この研究の先が早くしりたいですね。


情報の追加(9/10)
コメント欄にhayashi toshioさんから「ウイルス説もある」と情報を寄せていただきました。
いろんな説があるので、情報の整理をしておきます。

○ 正式な名称は「ミツバチの群崩壊症候群(colony collaps disorder)」

○ ミツバチの減少が報告されている国
1 北アメリカ
2 スイス
3 ポーランド
4 日本

○ 原因説は多数あって、今のところ不明
1 ダニ
2 ウイルス
3 除草剤
4 気候変化
5 電磁波

(翔年の考え)
 ミツバチが巣箱に戻らないという観察に注目します。ミツバチは病気ではなく、方向感覚が何らかの原因で擾乱されているのではないかと思いました。この解釈にピッタリな研究結果は「電磁波説」です。

 もう一つ、除草剤も疑わしいですね。
 この二つは人間が自然界にないものを持ち込んだので、絶滅まで行く心配がありますね。

ダニ説やウイルス説だったなら、ミツバチの個体があるところまで減少すると、個体数は自然に回復するのではないかと考えて、今のところ重視していません。

気候変化説は何ともいえませんね。「なんでも気候変動のせいにする」説は翔年は取りたくありません。

○農水省は「みつばちの減少に関する調査研究」の募集をしています。

もっと情報を集めておいて、新しい研究結果を待ってまたご報告したいと思います。


※電磁波に関心を持った方のために
1 電磁波(でんじは)は、空間の電場と磁場の変化によって形成された波(波動)のこと。電界と磁界がお互いの電磁誘導によって交互に相手を発生させあうことで、空間そのものが振動する状態が生まれて、この電磁場の周期的な変動が周囲の空間に横波となって伝播していく、エネルギーの放射現象の一種である。電磁放射とも呼ばれる。

2 空間そのものがエネルギーを持って振動する現象であるため、波を伝える媒体となる物質(媒質)が何も存在しない真空中でも伝わっていく。電磁波の電界と磁界が発生する振動方向はお互いに直角であり、また電磁波の進行方向もこれと直角である。基本的には空間中を直進するが、物質が存在する空間では、吸収・屈折・散乱・回折・干渉・反射などの現象が起こる。さらに、重力場などの空間の歪みによって進行方向が曲がることが観測されている。

3 真空中を伝播する電磁波の速度は、観測者がどのような方向に、どのような速度で動きながら測定したとしても、一定の値 299,792,458 m/s(約30万キロメートル毎秒)になるため、真空中の光速度と呼ばれて、最も重要な物理定数のひとつになっている。
 この光速度不変の原理を基にしてアインシュタインが特殊相対性理論を構築し、それまでの時間と空間の概念を一変させた。

4 一方、物質(媒質)中を伝播する電磁波の速度は、真空中の光速度を物質の屈折率で割った速度になり、例えば、屈折率が2.417のダイヤモンドの中を伝播する光の速度は、真空中の光速度の約41%に低下する。ところで、電磁波が、異なる屈折率の物質が接している境界を伝播するとき、その伝播速度が変化することから、ホイヘンスの原理により屈折が起こる。これを利用したものにレンズがあり、メガネやカメラなどに大量に使われている。なお、物質の屈折率は、電磁波の波長によって変化するのが普通で、これを分散と呼ぶ。虹が7色に見えるのは、太陽光が霧などの微小な水滴を通るとき、波長が長い赤色よりも、波長の短い紫色の方が、分散によってより大きく屈折するためである。

5 最近、NHKのTV番組で年寄り(眼球が濁っている)は読書などをするとき、暖色系の光(赤に近い)の方が、寒色系(青に近い)よりもよりくっきりと見えるという経験を放映していた。これは寒色系の光だと、眼球の中の濁り(不純物)による乱反射が起こって、文字が読みづらくなるのである。光の波長を理解しないとわけのわからない現象に見える。


  
Posted by mtmt0414 at 19:19Comments(8)

May 14, 2006

成長の限界は明らか

 毎年、「地球白書」を出し続けている米地球政策研究所理事長のレスター・ブラウン氏の「地球を読む」が今朝の読売新聞に掲載されている。

地球白書

 現在の地球文明はこのまま進めば環境を維持できるものではないと言い続けている氏の説には、キチンとした数字の裏づけがある。

 状況はますます悪化の方向にある。その大まかな数字の幾つかを拾って、我々はどうすればいいかを考えるよすがとしたい。


1 森林破壊、砂漠化、地下水の減少、土壌の侵食、漁獲の激減、気温の上昇、万年氷の融解、破壊的な暴風雨の増加など、人間に起因する環境変化によって、地球規模の経済は徐々に損なわれている

2 中国の基本的な資源の消費量が米国を越えた

3 食料部門の穀類と肉類の消費量が米国を上回った。食肉は米国の2倍近くになった。

4 エネルギー部門の石炭消費も米国を上回っている

5 中国経済が年率8%で成長し続けたら、2031年に個人所得が現在の米国並みになる。(さまざまな制約のため、こうはならないだろうが・・・)

6 もしその時点で、個人の資源消費量も米国並みなら、現在の世界の穀類総収穫量の3分の2相当を推定14億5千万の中国の人口が消費することになる。

7 紙類の消費量も、現在の世界総生産量の2倍になる。地球上の森林は消滅に向かう

8 米国と同じように、中国人の4人のうち3人が車をもてば、車の総数は11億台になる。現在の世界の総台数8億である。

9 石油はどうなるか。日量9900万バレルが必要になるが、現在の世界総生産量は日量8400万バレルであう。

10 更に目をインドに転じると、2031年の予測人口は中国を上回るのである。これらの数字から、誰の目にも石油と使い捨て経済が成立しないことは明白となっている。

11 その上に、「米国の夢」にあこがれる30億人の途上国の人々が続いているのです。


 翔年は思う。今現在、地球環境問題の舵取りが出来る、グローバルな権限を持った組織(たとえば世界連邦)はないのだから、各国政府と各国の国民がそれぞれ取り組みをはじめなければ、地球環境の悪化によって、いかなる社会も存続を許されなくなる事態が出来する。

 中国に焦点をあてて見ましたが、これは中国の成長が怪しからんと主張するものではありません。むしろ、反対に、中国にみならず、途上国の貧困を根絶するためには、経済の発展は不可欠であります。もしそうだとすると、米国や我国や欧州の先進諸国は、使い捨て経済からの脱皮を自らの意思によって、決断しなければいけない時期にさしかかっていると思わざるを得ません。
 さまざまなところで、色々な取り組みや試みが始められてはおりますが、まだまだ十分とは申せません。

鳩山由紀夫著、「『成長の限界』に学ぶ」
成長の限界に学ぶ
 わが国の政治家で、グローバルな視点で本を書いているのは民主党の鳩山幹事長しか、翔年は知りません。この本は2000年4月に出ましたが、残念ながら力足らずで、ほとんど反響はありませんでした。


地球環境保護と人間の健康を最優先し、持続可能な社会の在り方を志向するライフスタイルを目指すLOHASという運動などが、世界中でもっと盛んになるといいのですが。

※LOHAS = Lifestyles Of Health And Sustainability
  
Posted by mtmt0414 at 21:43Comments(0)TrackBack(0)