June 19, 2016

京都鉄道博物館 -大人も十分楽しめた!

 小3の鉄道博士?の孫にせがまれて、学校の創立記念日の17日(金)に4月のオープンした「京都交通博物館へ行った。

 蒸気機関車から新幹線まで貴重な車両を50両以上も見ることができた。勿論、見るだけではなく、SLに乗れたし、いろんな体験ができるように工夫されており、大人も十分楽しめた。 

 塩小路は元々機関区のあった場所で、今も在来線とつながっており、引き込み線で展示車両の入れ替えが簡単にできる構造になっていて、また新しい車両をみに来ようという気にさせる博物館だった。

 三階のスカイテラスからは、新幹線も在来線も指呼の間にあって、ジオラマ以上の迫力ある眺望でした。


※クリックすれば拡大して読めます。
京都交通博物館京都交通博物館2京都交通博物館、凛士





シネマの名匠と旅する「駅」

 三階の「図書資料室」は前もって予約が必要で、断念せざるを得なかった。大切な資料が閲覧できるのだろうけど、このルールはちょっといただけない。大不満です。

 次回は来る前に忘れないように予約しよう。実は翔年は中学生のころは鉄道模型ファン(Oゲージ)だったので、どんな関連資料があるのか確かめたかった。

 その代わりと云うわけでもないが、売店で「シネマの巨匠と旅する「駅」臼井幸彦著を買った。
 デヴィッド・リーン監督の「旅情」のラストシーンなど、よくもまぁ調べたものだと感心するほど、映画の中のシーンの駅の実名が明らかにされている。自際に撮影に使われた駅と映画の中の駅とことなるのもあるが、こういう細部に至るまで、著者は調べ上げている。
 
 こんな映画の楽しみ方もあったんだ。(笑)







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May 12, 2016

ガンの治療に一筋の光! -免疫薬のオプジーボ-

 旧聞に属すことなのでちょっと気はずかしいのですが、「文芸春秋五月号」の特集記事「最新医療に乗り遅れるな」に、京大名誉教授の本庶佑(ホンジョ タスク)先生と評論家の立花隆氏の対談が掲載されている。

 翔年は抗がん剤治療は原理的に強烈な毒性をもって正常細胞も壊すので、この治療には否定的な気持ちを持っている。が、ニポルマブという新薬は大いに期待できると信じます。医学にまったく素人ですが、期待するに十分な根拠があると思うので、そのことだけ記しておきます。


文芸春秋201605

 ます記事のタイトルは「がんを消す免疫薬の真実」で、対談は下の三つの柱の構成です。

1. 抗がん剤との比較実験で圧勝
 本庶先生のチームが発見した「PD-1」は人間の持つ免疫細胞の表面にあって、免疫細胞に「攻撃ストップ」を命じるブレーキのような働きを持つ分子だという。

 がん細胞というヤツは免疫細胞からの攻撃を受けるとこのブレーキを踏む分子「PD-L1」を出したり、他のまだ未知の仕組みで免疫細胞をストップさせる巧妙な技をもっているらしい。がん細胞が生き残るための戦略なのでしょうね。

 だが、先生もさるもの、もし免疫細胞にブレーキがかからないようにすれば、がん細胞は困るのではないかと考えたのです。そしてブレーキを踏めないようにする返し技を開発された。(笑)
 それがニボルマブという新薬です。免疫ブレーキを解除するメカニズムとすばらしい臨床試験結果(これまでの薬との比較)の詳細は文芸春秋の記事をご覧ください。

 事実だけ記載します。
 ・ 2014/7月; メラノーマ(悪性皮膚がん)の治療薬としてニボルマブは厚生労働省から薬事承認を受ける。

 ・ 9月; 「オプジーボ」として発売される。

 ・ 12月; 胃がんと血液のガン(ホジキンリンパ腫)の薬事申請。

 ・ 現在; 世界でニボルマブの臨床試験が約二百種類も進められている。その中には胃がんも喉頭がんも、膠芽腫(脳腫瘍のなかで最も悪性)も、卵巣がんも入っている。いろいろながんに効く可能性があるという点がこれまでの薬と違う

 問題点; 薬が効く人には非常によく効くのに効かないひとには効かない? これは患者本人の免疫力を活用する薬だと考えれば十分納得がいく。免疫にも個体差があって、免疫力の強い患者と弱い患者がいることは間違いないのですから。今後、事前に効く患者と効かない患者の見分けがつけられたら申し分ありませんね。

 翔年は今まで免疫療法は効かないという通説がひっくりかえされたと確信しました。

2. 偶然の発見から世界的新薬へ
 本庄先生のご専門は「免疫」です。免疫には生まれたときから備えている「自然免疫」と特定の異物の刺激に応じて攻撃すべき相手を記憶していく「獲得免疫」の二種類がある。人間は後者をつくれるので、非常に高度な防御システムが出来上がっている。ですから、細胞のコピーミスでおこるがん細胞はできたらすぐに免疫系に殺されると考えられている。

 ところががんのヤツもさるもの、免疫系の力を抑え込む仕組みをどこかの時点で獲得しているのです。それが先ほど述べたブレーキです。

 ところがどっこい、学者先生は偉い! 本庶先生は24年前にこれらの仕組みにかかわっているPD-1を(偶然に)発見されていたのです。凄いことですね。 偶然に発見されたエピソード、複雑な免疫系の興味深いストーリィ、研究と実験中に示された先生の慧眼などは、とっても面白いので全部割愛(笑)して「文芸春秋」にゆずります。


3. 厚労省と製薬会社は時代遅れだ
 こういうテーマが好きな攻撃型マスコミ関係者、評論家、識者?はたいへん多い。巧みに大衆に迎合しながら、相手のミスを徹底的に叩いて、大衆の不満を煽ったり、大衆の快感をくすぐる書き方のうまい人も多い。あまり好きになれません。(笑) で、敢えてこの項目については書きません。


 替わりに、医学の進歩に期待の持てそうな分野を列挙します。

1. 免疫系と神経系、或いは免疫系と代謝系というこれまで別の制御システムととらえてきたものが、実はつながっているらしいことが分かってきた。もっと生命体系全体を広くみる医学に立ち返ってほしい。

2. 本庶先生によると「糖尿病や大腸炎、リウマチなど原因がわからず治療法が見つからなかった難病には、実は自己免疫疾患が多い」ことが分かってきたらしいです。
 
3. したがって、「今後、免疫系の治療薬が登場してくる可能性は大いにある」そうですから、期待しましょう。


 最後の最後、先生がご不満に思っておられるこのことだけは書き忘れてはならない。
「『ウオール・ストリート・ジャーナル』(2012/6/2)がトップ記事として『人類とがんの長い戦いに終止符を打つ期待の最新研究が始まった』と報じました。全然話題にしなかったのは、日本のマスコミだけでしたね。」
本庶先生のお小言、キツイ一発でした。(笑)




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February 16, 2016

「サイエンス入門 機↓供廖-驚くほどわかりやすい-


リチャード・ムラー著、二階堂幸彦訳「サイエンス入門  供
サイエンス入門

この本の原題は"Physics and Tecnology for Future Presidents"(未来の大統領のための物理と技術)です。要するに、著者は現代社会は科学と技術に支えられており、未来のリーダー、とりわけ国家の指導者は物理学の原理と言うか基礎を十分理解理解した上で、社会的・政治的な様々な問題に対処して欲しいという気持ちから、プリンストン大学の文化系学生を対象にした講義の内容を書籍したものです。

 翔年はこの著者の考えに大賛成です。核兵器にしろ、原子力発電所の安全性にしろ、大気汚染問題にしろ、我が国のマスコミの論点は根本的な理論や技術論をさっさと飛び越えて、感情的議論に走っている傾向過多なのを危惧しています。

 正しい知識を得る努力をしないで、政治的意図をかくして不安心理を煽る政治家や自己の発言力を増すために敢えてある事象のみを過大に評価している評論家諸氏に引っかきまわされて、右往左往する社会は未成熟で、いずれは他国から乗じられる心配すらあります。

原子力平和利用について言えば、我が国初めての原子力船「むつ」は1974年試験航行中に放射線漏れを起こしたために、母港を日本中の港から拒否され、ほとんど何の貢献もせずに廃船に追い込まれました。
 → 事故の政治利用、放射線と放射能の違いすら明確にしない論評、それを理解できない大衆のお祭りみたいな大騒ぎでした。翔年は廃船する必要はなかったと今でも思っています。

 今また、高速増殖炉「もんじゅ」がナトリウム漏れ事故で廃炉に追い込まれています。
 技術は失敗から多くのことを学び進歩するのに、それを許さない世論が十分な議論を抜きに早々と形成されてしまうのは残念でなりません。これはリーダー層にも問題があるのではないでしょうか?

目次:
第1講 エネルギーと仕事率と爆発の物理
第2講 原子と熱
第3講 重力と力と宇宙
第4講 原子核と原子炉と原子爆弾
第6講 電気と磁気
第7講 波---UFO、地震、音楽など → 最近、アインシュタインの最後の宿題、「重力波」が観測されて報じられたばかりですね。





サイエンス入門

 ほとんど数式を使わず、文系大学生のだれにでも分かるように講義された内容です。
とは申せ、翔年は物理や技術の根本から理解したいと願っているので、いろんな書を手元において参照したり、ネットで検索したりして読んでいます。そんな楽しみ方をしていますので、読書スピードは上がらず、まだ「サイエンス入門供廚砲箸蠅かったばかりです。

目次:
第8講  光
第9講  不可視光
第10講 気候変動
第11講 量子物理学
第12講 相対性理論
第13講 宇宙





斉藤勝裕著「周期表につよくなる!(配置や属性から見えてくる元素と構造と特性)」
周期表に強くなる

 一番よく参照した本はこれでした。
水平,リーベ僕の船 → 原子番号1〜10 → H,He,Li, Be,B,C,N,O,F,Ne

最近、原子番号113番の元素を日本人が命名する権利をえたことが話題になりました。








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September 28, 2014

不思議な物体? -オーストリアの浜辺に-

 不思議な物体がシドニー(オーストリア)の浜辺に大量に打ち上げられて、オーストラリア人を驚かせているそうです。
 とにかく、「謎の物体」をご覧下さい。

謎の物体???謎の物体?

 日本人には「まりも」みたいに見えますね。ちょっとデカ過ぎますか?
 いずれにしても浜辺に一夜にして打ち上げられたのは事実のようです。

 地元の人々はいまだかつてこのような物体を見たことがなく、「エイリアンの卵」、「エイリアンの毛玉」、「日本の苔がまるまって玉になった?」など、様々な憶測が飛び交っているそうです。

※1 まりも: 球状集合体を作ることで知られている淡水性の緑藻の一種。日本では「マリモ」、英語では "Cladophora ball” もしくは "Lake ball" と呼ばれているとか。北半球の淡水湖で見られる。

※2 「カラパイア」さんから情報をいただきました。ありがとうございました。
詳しくはここをご覧下さい。Youtubeもみられますよ。



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June 17, 2014

不思議な心と脳と身体の治癒力  -プラセボ効果-

 この本を読んで、読者に是非ご紹介したいと思った。ディーパック・チョプラ、ルドルフ・E・タンジ共著、村上和雄監訳、大西英理子訳、保育社刊の「SUPER BRAIN(スーパーブレイン)」である。
 副題に「脳に使われるな、脳を使いこなせ、最高の人生をあきらめない心のパワー」とあるし、帯には「読んだその時から人生が変わる。アルツハイマー病研究の世界的権威タンジ博士とウエルビーイング分野の第一人者チョブラ博士が提案する最高の人生を約束する脳の使い方」とあって、更に三人の識者がこんな推薦をされている。

鈴木章(北海道大学名誉教授、ノーベル化学賞受賞者): "Boys, Girls and the Aged be Ambitious!" 脳をうまく使い続ければ、実現しない夢はないと確信する」
茂木健一郎(脳科学者): 本書を読めば、自分の脳をより活かし、もっと生きやすくなる素晴らしい力を獲得できる
村上和雄(筑波大学名誉教授): 人は心の持ちようを替え、遺伝子のON・OFFを切り替えれば、一生涯進化し続けられる

★大脳生理学の本と思って買ったが、ちょっと違った。肉体に命令を発している自分の脳を如何に使いこなすかが書いてある。昔から「病は気から」と言われているが、これを信じられない方にも一読をお薦めしたい本です。プラセボ効果については翔年も子供のころに変な(良くない)経験をしている。最後にご紹介します。★




 大脳生理学や心理学や医学的知見に関して、素人があれこれ言うより、本書表紙の折り返しに上手くまとめた文章があるので、それを抜き書きします。
 「本書は、健康や幸福、そして魂の成長へと導く、新しく革命的な「脳の使い方マニュアル」である。(中略) 脳と言う”1300グラムの宇宙”について新しい見地を示し、活用されていない潜在能力について専門的観点から解明する。(中略) 最先端の研究とスピリチュアルな洞察を融合させることによって、あなたの脳の持てる力を制限する世にはびこった迷信を払拭する。そしてスーパーブレインを得る方法を、次のように教えてくれる。
・ 脳に使われるな、脳を使おう
・ 健康な脳のために理想的なライフスタイルを構築しよう
・ 加齢のリスクを減らそう
・ 心と体の良い関係を使って、幸福とウエルビーイングを増進しよう
・ 悟りの脳を呼び覚まそう。そうすれば極上の幸福が待っている!
・ 物忘れ、うつ症状、不安、そして肥満といった誰もが直面する問題を克服しよう

 あなたの脳は、信じられないくらいの自己治癒力をもち、つねに変化している。脳と自分とに新しい関係を構築すれば、生活は変えられる。脳は、自然が私たちに与えてくれた最古の贈り物だ。(以下略)」


 さて、「プラセボ効果」をご存知だろうか。プラセボとはラテン語で「喜んでいたします」という意味だそうである。心と体の治癒力について最も研究されているのがこの「プラセボ効果」だと言う。
 これを分りやすい例え話で示そう。医師が患者に、この薬はよく効きますよ、と保証した上で強力な薬を渡すと、患者の症状は、医師の言葉通りに軽くなる。ところが実際には、医師が処方したのは無害で不活性な砂糖の錠剤であった。(特筆すべきことに、この効果は薬に限った話ではない。信じ込めるものなら何でも、プラセボとして作用する可能性がある) なぜ、どうやって、患者は回復したのか? 回復しろ、と心が体に命令したからだ。そのためには最初に、もう直ぐ治るのだ、と心に納得させなければならない。

 なんだ、昔おばちゃんが「病は気から」といっていたこととおなじじゃないかと思われた読者もいらっしゃると思います。諺にも「鰯の頭も信心から」がありますし、どんな宗教も「信じるものは救われる」ですね。(笑)
 現在の医学では身体がもつ複雑な治癒システム(免疫細胞、炎症、ホルモン、遺伝子、その他を組み合わせて調和させる)を助けはするが、実際に治癒力が起こる方法については未解明らしい。
 
 それでも、砂糖の錠剤が病気に効く訳がないので、治癒力は精神と脳と肉体(細胞)間のつながりにあると推測してもあながち見当違いではないと思う。

 翔年はあまりいい子どもでなかったので、こんなマイナスのプラセボ効果を起こした経験者です。(もう時効だからお許しいただきたい)
 田舎の小学校の高学年くらいの時のことです。この頃の子どもは野山を駆け回って遊んでいました。山には漆(ウルシ)が自生しており、それに腕などが触れると子どもはみんな皮膚が赤くただれて痒くてたまらなくなったから、特に漆の木には注意するようになっていた。ただし、かぶれ方にはかなり個人差があった。翔年は漆に強いほうでひどくかぶれないのは悪童どもはよく知っていた。
 人の虚をついたり、冗談で嘘をいって人を騙したりするのが得意だった翔年は、その頃色白で特に漆に弱い女の子にいたずらをした。後ろから二の腕に柿の葉を「ウワー、うるしだぞ!」叫んで強く押し付けて、女の子を嘘の漆の恐怖で泣かせてしまったことがあった。ところがしばらくすると、女の子の腕に本物のあかいかぶれができてきてビックリしました。このことがあってから、このいたずらはしなくなりましたけど。
 この現象も「病は気から」の証明かもしれない。今流行のアレルギー反応も弱い人はますます弱くなり、TVが「明日のスギ花粉の飛散状態は最悪です」と行った途端、鼻や喉がムズムズする人もいると聞く。

 脳が恐れに支配された状態では、体に対するネガティブなメッセージが効力を持つのかもしれない。一日も早く医学が進歩を遂げ、精神と脳と体の関係が解明され、だれでも自然治癒力が強化できる方法が早く発見されることを願って止まない。

 翔年は「人と動物との相性」や人と人との相性(chemistry)などという、今の科学jでは未解明な分野も、大脳生理学や動物行動学や心理学などの領域に脳と精神の関係が更に解明されることによって進歩するに違いないと思っています。




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May 28, 2014

体にいい油、悪い油 -最近の研究結果より-

 翔年は「植物油は健康的だが、動物の脂や鉱物性の油は体に悪い」と思い込んでいた。「文藝春秋6月号」に最近の研究結果にもとづいた新しい知見がまとめられていた。今までの常識とちょっとズレタところもあるので、記録しておきたい。大櫛陽一東海大学名誉教授の談話より。

良い油
 一例をあげれば、リノール酸はコレストロールや血圧を下げる作用があるから健康にいいとされていたが、最近の研究では必ずしも健康にいいとは言えないという。取りすぎると、心臓病、脳卒中、ガン、アレルギー疾患などが増えるという。
 それで日本脂質栄養学会はリノール酸を減らす栄養指導をするように提言しています。こういう見解を聞くと今までの情報は一体なんだったんだと言いたくなりますね。つい最近も、高血圧の基準が変わったばかりですけど…。

 ということで、脂肪酸の種類と特徴をリストにして、現状より増やすものを↑、減らすものを↓、現状維持を→、摂取してはいけないものには×をつけておきます。(現在の知見です、また変わるかも知れません)

↑ 飽和脂肪酸: 血液中の中性脂肪を増やす。
  含まれる食材: 豚脂(ラード)、牛脂やバター、牛肉、豚肉、鶏肉
  〇 長寿老人のインタビューで好きな食べ物に「肉類」をあげる方が結構いらっしゃいますね。納得です。

↑ αリノレン酸:  体内でEPA、DHAを合成する。血流を促す。がん細胞の炎症を抑える。血圧を下げる。
  含まれる食材: 青じそ、えごま、葉野菜、しそ油、えごま油、亜麻仁油など

↑ EPA/DHA: 動脈硬化予防、心疾患予防、がん細胞の炎症を抑える。抗アレルギー
  含まれる食材: うなぎ、まぐろ、ぶり、さば、はまち、さんまなど。

→γ-リノレン酸: 血糖値を下げる、血圧を下げる、血流の流れをよくする。
  含まれる食材: 海藻類

→アラキドン酸: 免疫力をたかめる、血圧の調整
  含まれる食材: レバー、タマゴ、魚介類の胆

↓ オイレン酸: 腸の働きをよくし、便秘を予防
  含まれる食材: オリーブオイル、キャノーラ油、綿実油

↓ リノール酸: コレストロール、血圧を下げる。αリノレン酸のEPA,DHEへの変換を阻止する。
  含まれる食材: 紅茶油、ひまわり油、大豆油、コーン油、ごま油

× トランス脂肪酸: 血管の炎症を性を高める。心臓病のリスクを高める。
  含まれる食材: マーガリン、ショートニング、スナック菓子など
 

 翔年は思う。上のリストは脂肪酸が体によい働きをするかどうかという視点からまとめたものですから、体によいからといってそれを頑張って食べなくてもいいではないか。食事はすべからく多種類のものを調理して、偏りをしないようになるべく満遍なくたべるのがいいのだと思う。偏食が一番イカンと信じます。この方針で生活しておれば、どんな新しい知見の発表があろうと、「ああ、そうですか」と笑ってすませられます。
 例えば翔年は発がん性があるといわれているワラビもおいしくいただくし、マーガリンも食します。神経質に考えないで、おおよその最近の研究結果を知って、それにあんまり反したことをしなければいいのではないでしょうか? このエントリーの趣旨に必ずしもピッタリしていませんが、その程度のこととお考え下さい。




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April 11, 2014

コヒーはアルツハイマー病の予防になる  -コーヒー好きに朗報-

 これはまた大変面白い研究結果が「加齢神経生物学」の専門誌に掲載された。翔年は自他共に認めるコーヒー好きなので、今までにもコーヒーの効能については色んな説を読んでますが、今回はアルツハイマーの予防にカフェインの効果があることが実証されたというものです。

 独仏の研究チームによると、マウス実験では、アルツハイマー病患者の脳細胞の働きを妨げるタウタンパク質の凝集をカフェインが抑制した。この実験では人間が一日あたり2杯のコーヒーを飲んだ量で効果があったそうだ。
 翔年は一日1杯〜3杯のコーヒーを楽しんでいるし、脳細胞もマウスと同程度だろうから、アルツハイマーには罹らなくてすみそうでうれしい。(笑)

 今までに集めたコーヒーが体によいという説を項目のみ列挙しておきます。
(1)二日酔いに効く
(2)筋肉疲労に効く
(3)善玉これストロールの機能を高める
(4)血栓をつくりにくくする不思議な作用がある
(5)糖尿病の予防になる
(6)がん細胞を抑制する
(7)脂肪肝を抑制する

 コーヒーは薬ではないので、上にいう効果は微々たるものなのでしょう。でも、人類が長い年月のあいだ嗜好品として飲み続けてきたのがコーヒーです。
 研究に待つまでも無く、どんな動物にも備わっている身体を守るための能力が「これは身体にいい」と感じ取っていたのかも知れないですね。


 コーヒーにはこんなこと以外にもいいことが一杯あります。

コーヒーへ誘う小さな下心    奈良楽甫

コーヒーを飲めば知性がよみがえり    千里

結構なコーヒーでした茶の師匠     秀弥


 詳しい実験結果の記事は下にあります。 



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March 30, 2014

イソギンチャクは半分動物で半分植物?  -ウイーン大学の研究-

 イソギンチャクは動物と聞いていました。 が、このほどウイーン大学の研究によって、半分動物で半分植物であることが分ったそうであります。

 あわてて、イソギンチャクの分類をWikipediaで調べてきました。確かに動物界とありました。
   Photo by Wikipedia
イソギンチャク


界 : 動物界 Animalia
門 : 刺胞動物門 Cnidaria
綱 : 花虫綱 Anthozoa
亜綱 : 六放サンゴ亜綱 Hexacorallia
目 : イソギンチャク目 Actiniaria


これ以降は「カラパイア」 さんの記事のお世話になりました。


研究を伝えるニュース解説はこちら。(英語、3分20秒)
YouTube でどうぞ!  http://youtu.be/fx5u5tYaSpY

 半分動物で半分植物であると言う理由は「刺胞動物は典型的な動物の遺伝子を制御するのに、植物に似たシステムを採っている。その制御される遺伝子はイソギンチャクや私達に共通してあるもの」であると分ったからということです。

 またある学者は、イソギンチャクと人間とハエの祖先は基礎的な神経系と口と消化管を持った単純な形をした生き物であったのではないかと推測されているそうです。



 余談ながら、最近、6歳の孫(男児)がワニ等の爬虫類やうつぼかずら等の食虫植物など、ちょっと変わった動植物に大変興味を持ってきました。ジイジも楽しくそれに付き合っております。




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March 12, 2014

STAP細胞狂想曲を時系列で読み解く -思い込みか、錯誤か、それとも?-

 「STAP細胞『大変革』世界が興奮、米指導教官も賞賛」(朝日新聞)という大きな見出しが新聞各紙の一面に躍り、多くの日本人が「やったー!」と大喜びしたのが1月30日だった。(30日付英科学誌ネイチャーに発表)

 翔年もiPS細胞の山中教授に続く若い研究者の大発見を喜ぶとともに、あまりにも簡単な方法{マウスの細胞に弱酸性の刺激を与えるだけ}で、どんな組織にもなれる細胞(STAP細胞)が出来るとはまさに自然界の不思議を見たと思うとともに、世界中の研究者の盲点をついた素晴らしい発見だと本当に嬉しかった。

 ところが、時間が経つにつれて、この研究成果に色々な角度から疑問が呈されたり、論文の画像に別の画像が紛れ込んでいるのを指摘されたり、他人の論文の文章丸写し箇所が発見されたりして、今では何がなんだか分らない状態になってきた。


 幸いなことに、翔年はSTAP細胞に多大の関心を抱いていたため、メディアが報じた記事を手元に残していた。素人が複雑な事項や事象(大事故や大詐欺事件や大錯誤の積み重なり)に切り込み読み解くには、「時系列的に事実を並べて、自分の頭で考えるしかない」ので、今回の「STAP細胞狂想曲」にも当てはめて見たいと思います。このBlogの読者はまた「時系列」かと笑われることを承知の上です。(笑) でも、お付き合い下されば、何かが見えてくることは請け負います。


STAP細胞の時系列的狂想曲(1/30〜3/11)

1月30日
  STAP細胞「大変革」世界が興奮、米指導教官も賞賛(朝日新聞)。
「iPS細胞とは違う方法で、万能細胞の作成に成功した理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方晴子ユニットリーダーらの研究論文が英科学誌ネイチャーに発表されたことを報道各社は伝えた。」
→ このときから、日本のメディアは「STAP細胞」を「万能細胞」という簡略な表現にしたが、翔年は本来のSTAP(Stimulus Triggered Acquisition of Pluripotency)を正しく「刺激惹起性多能性獲得」と日本語表記すべきだったと思う。なぜなら、万能細胞ではないのだから、厳密な科学用語を分りやすくしすぎて、全然別の概念を与えてしまってはならない。(後の混乱でこの意味するところはあきらかになります)

2月06日  
  論文の共同執筆者(14人)の一人、ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授が5日、万能細胞(STAP細胞)の可能性がある細胞の顕微鏡写真を公表した。
→ 翔年は「可能性がある細胞」という表現にあれっと思った。何故理研の小保方さんから自らのチームが作製したあたらしいSTAP細胞の写真の提供がないのだろうとも。


2月10日
 共同研究者の東京女子医大・大和雅之教授「未解明の生命現象が解決する可能性がある。例えば、がん細胞の根源とされるガン幹細胞は突然変異とストレス(刺激)の組み合わせでできるのかもしれない。」
→ 翔年はこの説に膝を打って納得しましたよ。この時は。

 慶応大・岡野栄之教授のコメント
(1) 「核移植・遺伝子導入に続く第三の多能性技術として発展する期待を示したのは大きな成果だ。(以下略)「同じ条件で刺激を与えれば、だれでもSTAP細胞を作ることができるかどうか、再実験で確かめる必要がある。」
→ あれっ、ネイチャー誌の論文はまだ再現実験の必要があるの? と翔年は驚きました。14人の共同執筆者がいて、それはないだろうと。なぜなら、理化学研究所が世界に向かって研究成果を発表したのだから、当然再現実験は終わっているのは自明のことと信じていたから。もう一つ、ネイチャー誌は論文を掲載するにあたって「査読」という作業を行ったはず(科学技術誌では当然のこと)だから、岡野先生は変なことをおっしゃってるなぁとこの時は思った。

(2) 「複数の細胞の塊として胎盤を含む多能性が示されたが、単一の細胞で多能性を持つかどうかも検証すべきだ。(移植せずに体内で再生医療の実現を記者にきかれて)理論的にはあるかもしれないが、生物の体はさまざまな刺激を受けているにもかかわらず、なぜ恒常性がたもたれているのかという疑問も湧く。」
→ この二つのことは、今思えば小保方論文の弱点をついていたのだと思い当たる。岡野先生は研究者として至極当然のことをきちんとおっしゃっていたのです。

iPS細胞の山中教授の声明
(1)「STAP細胞については最大限協力したい。」
(2)「iPS細胞はSTAP細胞よりがんリスクが高いなどとする3つの誤解がある。
 → 山中先生は理研チームの成果があまりにも過大に評価されていることにブレーキをかけておられるように見えるが、先生の目から見たら、小保方チームの細胞に対する理解や知見、科学的事実確認の幼稚さに一抹の不安を感じられていたのではないでしょうか? (特に多能細胞であるiPS細胞の最新の研究成果を知らなすぎる)


2月17日 
 共同執筆者の山梨大、若山照彦教授が記者に研究の役割について語った。
(1)「小保方さんはハーバー大学留学中の平成20年にSTAP細胞の研究に着手。22年7月、作った細胞の多能性を判定してほしいと、当時理研発生・再生科学総合研究センターにいた私を訪ねてきた。」
(2)「人工多能性細胞(iPS細胞)は遺伝子操作で初期化を行うが、小保方さんは外的な刺激で実現しようとしていた。これは当時の常識に反しており、誰も信用せず引き受けなかった。それで私に直談判してきた。」
(3)「出来るはずがないと思ったが、常識を超えたい気持ちがなければ新しい偉大な成果は絶対にうまれない。成功すればハーバード大に勝つと思った。」
(4)「小保方さんは、毒素を与えたり栄養を不足させたり、さまざまな刺激でSTAP細胞を作った。私はそれをマウスの受精卵に注入して胎児に育てた。(細胞は紫外線を当てると緑に光るように加工してあるので、多能性があればマウスの体が光るはず) 
(5)「23年11月、マウスの胎児に紫外線をあてると全身が緑色に光った。ありえないことが目の前でおき、小保方さんと二人で口もきけないほど驚いた
→ 研究の経緯からSTAP細胞の成功確認まで、全て正直に真実を語っておられると思います。

2月25日
 ネット上の「Open ブログ」の記事
(1) 「STAP細胞は、真実でもなく、捏造でもなく、ただの誤認だった
→ あるブロッガーの卓抜な推測記事です。興味のある方は読んでみてください。翔年は科学技術は事実を論理で追認する(裏付ける)ことだと思っているので、この時はもう少し事実を確かめてから、推理したいと思いました。(このOpenブログは今もドンドン追加記事がアップされています)


3月2日
 STAP細胞論文に他論文と酷似箇所 -実験手順-が2005年に発表された論文とほぼおなじであることが報じられた。
→ なんというのでしょうか、論文の不備があれこれ指摘されており、なんか嫌な予感がしてきました。


3月3日 
 日本分子生物学会の大隈典子理事長(東北大教授)は上のような問題について「本学会としては大変憂慮している」、「可能な限り迅速に状況の正確な報告を公表するとともに、今後の規範となるような適切な対応を取ることを期待する」との声明を出した。
→ 至極当然な声明と思います。

3月5日
 理化学研究所はSTAP細胞の作製手順を記載した英文の資料を研究所のHP等で公開した。それによると「STAP細胞の作製には特別な操作が必要」だという。それによれば
(1)マウスのリンパ球は新鮮なほどよく
(2)雌より雄の方が成功率が高い
(3)リンパ球に赤血球が混ざると成功率が落ちる
加えて
(4)論文発表後、STAP細胞の再現実験に成功したと発表した。
→ これらは素人が聞いても、論文発表以前か発表と同時にすべき事項に思えます。理研はその他の指摘されている疑問点には答えていないのは何故なのでしょうか?

3月10日
 別研究の画像と酷似した画像が見つかったと報じられる。また、科学誌ネイチャーの広報担当者は取材に対して「当該論文に関して現在調査を行っている」と答えている。
→ ネイチャー誌の査読が甘かったことは明らかです。

     
3月11日
 大手新聞各社の報道
(1)ハーバード大医学部は事実関係を独自に検証する方針を明らかにした。
(2)共同執筆者の山梨大若山教授が所属する共同執筆者に「STAP論文の撤回」を提案した。理由は「STAP細胞の根幹にかかわる大事なところで疑問が出てきた」からという。
(3)理研の広報室長は「論文の取り下げを視野に検討している」とし、「14日に外部の有識者を交えた調査委員会が途中経過を報告する方針」と発表した。
→ どうやら、論文は取り下げる方向にあるようです。時系列の記事を読んでいただいた読者もおおよその落としどころは感じられたのではないでしょうか。


 翔年はこんなこと(国際的な大騒ぎ)になった責任は理化学研究所の幹部の杜撰な研究管理、研究論文の取り扱い英科学誌ネイチャーの査読不十分にあると思います。


科学技術の研究において失敗はつき物でしょう。関係する分野の研究者は再現実験を通じて、
(1)何が問題であったのか
(2)誤認や過誤はなかったのか、あったとしたらそこを正したらどうなるのか
(3)刺激の条件について更に条件を変えながら、STAP細胞が作製できる道筋をなんとしても見出していただきたいと切に願っています。
(4)もし、今回の論文において失敗が明らかになったとしても、くれぐれも小保方ユニットリーダーに責任の大半を押し付けるような愚は犯さないようによろしくお願いします。

 このBlogでは常に、科学者であれ、政治家であれ、一見不利に見えようとも、「正直」をよりよい戦術として採用して欲しいと思っています。

 



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October 25, 2013

宇宙を考える -時間軸を縮小して-

 歳をとると時間軸があいまいになって、10年前のことでもボンヤリしてしまい、出来事の前後がハッキリしなくなることがしばしば起こる。翔年は若いときから、日常生活のスケールに比べて桁違いに広い面積とか、桁違いに大昔の出来事とかは、何百万エーカーとか10億年前とか言われてもピンとこないことがよくあったから、これがなおさらひどくなったのかもしれない。
 だから面積とか体積とかを、何かよく知っているものと比べて甲子園の何倍とかプール一杯の水というように、工夫した説明をきくと分ったような気になる。

 下のYouTubeは137億年前の宇宙誕生を時間軸をうんと縮小して説明してくれる。ビッグバンが10年前とすると、大昔の出来事がすごく身近に起こっていることに驚くが、感覚的にはこれの方が理解しやす。

宇宙誕生(ビッグバン)からの時間軸(英語版、約7分)
" target="_blank" title="">詳しくはここKHAN Academy






宇宙誕生 : 137億年前 → 10年前
地球誕生 :   45億年前 → 3.3年前
恐竜絶滅 :    6千5百万年前 → 17日前
人類発生 :       3百万年前 → 19時間前
現代人の始祖:       20万年前 → 80分前
キリスト誕生:         2千年前 → 46秒前
アメリカの独立宣言:      234年前 → 5秒前


 10年前というとなんだか身近に感じられる。でもそうするとアメリカの独立宣言や憲法で保障された民主主義がなんと5秒前になってしまう。しかも法律や議会制度や民主主義は国単位のものがほとんだだから、これでは国と国との利害の調整はうまくできない。5秒前にできたばっかりですからできなくても仕方がない。(笑)

 現代の喫緊の課題は地球環境、エネルギー、食料、人口問題などをグローバルな視点から議論を尽くし、利害調整の国際法を作り上げていかなければならない。国境を越えた思想と知恵による強制力を持つ法体系が臨まれる。これができないなら、この水の惑星には悲惨な未来しかない。




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September 10, 2013

睾丸の大きさと育児参加に関連あり -大きいほどよくない-

 昨日、性別決定の新たな遺伝子のことを書いた。その関連で性役割についても触れた。たまたま、本日のAFPBBNewsが睾丸の大きさを比較した研究で
1 「睾丸の大きい男性が常に良い父親でないとはいいたくないが、我々のデータからは、そうした男性の方が、子どものおむつの取り換えや入浴、食事の支度、医者へ連れて行くといった子育てへの参加が少ない傾向がうかがえる」
2 「人類が繁殖努力に注ぐエネルギーは限られており、生殖か子育てのどちらか一方に注がれる」
3 「育児にエネルギーを注ぐほど生殖能力は下がるし、またその逆もいえる」
という米国の興味深い研究結果を伝えている。

 まず、下の記事をお読み下さい。その後で翔年の物言いも聞いていただきたい。

 このAFPBBNewsはBCな話だと思う。BCな話とはBiologially Corret(生物額的に正しい)だということ。ところがこのニュース記者は科学記事なのに、睾丸が大きいとか小さいとかいうだけで、どれほどの差異があるのか、体重比率で大きさを比較したのかどうかなど、数字を使って記事を書いていないので、単なるお話になってしまっているのが残念である。

 翔年はもう少し話に尾ひれをつけて、数字を示しながら科学的な味付けを試みたい。
 

竹内久美子著「BC!な話、 日高敏隆著「人間はどこまで動物か」
性の不思議004


 人類の最も近くに生息するカラスの睾丸のことを、例によって竹内久美子著「BC!な話」で教えて貰った。

A群 体重の割りに睾丸が大きく、繁殖期のつがいが密集してすを作る、そしてメスが頻繁に交尾し、オスがメスをあまりしつこくガードしないタイプ。ガードしないという事はメスの浮気を許すと読み替えてもらって結構。
ミヤマガラス  体重534g  睾丸17.67g(体重比3.3%)
コクマルガラス 体重234g  睾丸5.10g(2.2%)


B群 体重の割りに睾丸が小さく、繁殖期のつがいがばらばらにしか巣をつくらない、メスがあまり交尾しない、しかしオスはメスをしっかりガードするタイプ。
アメリカガラス 体重756g  睾丸1.14g(0.2%)
イエガラス   体重290g  睾丸1.199g(0.7%)


 何故こんなにも睾丸の発達ぐあいに差があるのか? 科学者は浮気(EPC=extra-pair copulation)の回数に目をつけた。鋭い。A群はメスが頻繁に交尾するとはいうものの、すべて夫婦間であるとは限らないと見破ったのである。ということは、読者ももうおわかりであろう。彼女の夫もまたEPCに出かけているという訳。彼等はメスをガードしていてはEPCにでかける暇がなくなってしまうからじゃないのかな?(笑) 
 ただし、留守中におこったであろう事態で自分の遺伝子ののコピー(子ども)ができなくなっては困るので、頻繁な交尾によって防ごうという戦略をとっているのである。
 それでは、ミヤマガラスの方がコクマルガラスより睾丸比率が大きいのはなぜか? それは巣が接近しすぎていることにある。隣の家が近いということはEPCの機会が高まるということか。(笑)

 B群のカラス達はつがいが巣を分散させてつくる。そしてつがいがそれぞれ独自の、少なくとも直径数百メートルにも及ぶ縄張りを持っているから、A群のような事態は起こらないし、する必要もないから、睾丸が発達しなかったというわけ。


 さて次は、人類のつがいの場合は、どうなっているか? である。 つまり戸籍上の父親と生物学上の父親が一致しないケースがどんな割合で、どんな状況下で起こっているか調べた記録がある。調査の結果はたいていの場合、せいぜい数%どまりであった。

 ところが、イギリスの北西部と南部の高層アパートでは20%〜約30%という高い数値だった。

 イギリス人だけのこととかたずけられないために、フランスではこんな質問をした調査データがある。
Q 過去1年間に二人以上のパートナーと交渉を持ちましたか?


A群 住宅の立て込んでいるパリなどの都会で「ウイ」と応えた人の割合
    男性: 18.2%
    女性: 10.4%

B群 隣の家と距離のある田舎の人でウイと応えた人の割合
    男性: 10.4%
    女性: 4.1%

 結果はカラスの行動も人類の行動も似ていると言わざるを得ない。(笑) そうなるとカラスの四種と同じように類人猿三種と人間の睾丸の体重比率が知りたくなるのが人情というもの。こういうことなら、科学者に抜かりがあろうはずはありません。資料によって示そう。
チンバンジー   体重 44.3kg  睾丸 118.8g(0.27%)
人間        体重 65.7kg  睾丸 40.5g(0.06%)
オランウータン  体重 74.6kg  睾丸 35.3g(0.05%)
ゴリラ       体重 169.0kg  睾丸 29.6g(0.02%)

 チンバンジーは身体が一番小さいのに睾丸は群を抜いて大きいことにご注目あれ。カラスのA群といい勝負だ。


 この物語もいよいよ最終段階に指しかかってきた。ダメ押しとして、一回の射精あたりの精子数を見ておこう。
チンバンジー   6億3000万個
人間        2億5300万個
オランウータン   6700万個
ゴリラ         5100万個

 チンバンジーが他を圧倒、ゴリラは控えめであることは変らない。が、人間とオランウータンとの間は大きな開きが生じている。人間はチンバンジーと似た事情があるのだろうか。ゴリラはどこが違うか?
1 睾丸が体外にぶら下がっているのはチンバンジーと人間
  これは精子競争が激しいために精子をより長い期間生きながらえさせておくための冷温保存機能だと考えられる。体外に陰嚢がでているし、陰嚢にはヒダという冷却フィンの仕掛けがある。

2 チンバンジーは複数のオスと複数のメス、そして子ども達からなる百頭くらいの集団で暮らしているが、オスとメスに特定の関係がない。メスは発情すると「来るものは拒まず」方式である。この事態にオスの遺伝子は危機を感じ、精子の製造能力を高めるざるを得なくなっているのだ。

3 ゴリラはシルバーバックと呼ばれるオスが複数のメスとその子ども達を引き連れてハレムを形勢しているからオスのライバルはいない。問題があるとすれば、それはハレムの防衛である。ハレムを持たない若いオスがメスを奪おうと狙っているから。防衛には腕力が物を言う。ゴリラのオスは睾丸を発達させる代わりに体を発達させたのである。

4 数字がゴリラとチンバンジーの間にある人間とオランウータンは、オスとメスとに一定の関係がありながら他方ではそうではに部分がある。それらの状況は睾丸の対体重比や射精精子数がチンバンジーとゴリラの中間であるという現象によく反映されている。

 こういうお話が竹内久美子さんが言う「BC!な話」である。まだまだ興味ある物語は尽きないが、今回はここまでとします。


※精子競争: 自分の精子で卵を受精させようとする雄個体間の競争。交尾したのち雌の生殖口を交尾栓でふさいだり、トンボ類のように交尾後もつながったままで飛行して、他の雄の精子の進入を防いだり、カワトンボ類のように先に交尾した雄の精子を掻き出したりといった行動を指す。このほか、霊長類の優位雄がより大きな精巣を発達させることも、精子の量が多いほど受精の確率が高まるので、精子競争の一種と考えられる。



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September 09, 2013

性別決定のあらたな遺伝子 -日本の研究チームが確認-

 6日の読売新聞に遺伝子研究の新しい発見が報じられていた。6日発売の米科学誌サイエンスの論文を見なければ詳細は分らないが、記事だけでもわくわくするような大発見だ。それはX・Y性染色体以外の染色体にも性別の決定に欠かせない遺伝子があることを確認したことである。それも日本の京都大や理化学研究所などの研究チームが発見したのだ。

読売新聞の記事(クリックして拡大すれば読めます)
新性決定遺伝子


 受精の段階で細胞核にXとYの染色体が一本ずつあればオスに、X染色体が2本だとメスになると長い間信じられてきた。ところが発生過程のマウスの実験で、XでもYでもない第6染色体にある遺伝子「Jmjd1a」を働かないようにするとY染色体を持っていても約6割が子どもを生むことを、立花誠(京大準教授)らが確認した。
 発生過程の出来事は、ほんのちょっとしたプログラムのタイミングの遅速で思いがけない結果となるものがあるが、これもその一つなのかも知れない。それにしてもX・Y染色体以外が性の決定に関与しているとなると、研究の方向によっては、またまた変な遺伝子操作が今後問題になることもあるかも知れにない。
 今後、この遺伝子「Jmjd1a」の続報が得られたら、また書きます。


 
 知的好奇心を刺激する本は世の中にたくさんある。「性」に関して言えば、地球上の全ての動物は自分の遺伝子のコピーをいかに増やすかという遺伝子の論理で生きている。極端なことを言えば、あらゆる動物はこの目的達成の為にのみ行動していると言える。これにまつわるちょっと面白そうな話を、我が本棚から取り出しておすそ分けしよう。


1 男はなぜ髪の毛がハゲるのか?

ところで、何故か男の頭髪は中年ななるとハゲはじめる。この目的はハッキリ言うと「女に嫌われ、女を遠ざけるため」である。これは遺伝子の陰謀であるらしい。長くなるがこれだけは書かずにはいられない。
 男の精力の強さは勿論男性ホルモンの強さと関係がある。百も承知の遺伝子は強い男なら多くの子どもを持っているはずと判断し、中年を過ぎるとあまり女に好かれないようにサインを出す。何故こんな余計なことをするのか? それはあんまり多く子どもを作らせたら、男の扶養能力をオーバーしてしまって、できるだけ多くのコピー(子ども)を作るという本来の目的が危うくなるからである。頭髪の欠落はその有効な手段に過ぎない。
 ハゲの嫌いな女は遺伝子の命ずる信号に従っているだけなのに、ハゲを気にする男は遺伝子の作為が理解できていないから、無駄な抵抗を必死になってしているのである。(笑)

竹内久美子著「男と女の進化論」、「浮気で生みたい女たち」
性の不思議001

2 哺乳類のメスの排卵方式には「自然排卵」と「交尾排卵」がある。例えばネコ科は常に交尾が引き金となって排卵が起きる「交尾排卵」方式である。これは「自然排卵」に比べて理にかなっていると思う。
 一方、我々人類は「自然排卵」なので、悲しいかな、男には排卵日が分らない。とすれば遺伝子の目的からして、無闇矢鱈に交尾するしかない。(笑)

3 植物の花は美しいものが多い。人の目をひくし、きれいな花を見て「慰められる」と言う人も多い。ところが植物の花をよく観察してみれば、そんなきれいごとではとても語れない。他の生物との激しい生存競争に打ち勝って生き延びるための大事な生殖器官なのだから。



ローワン・フーパー著 調所あきら訳「脳とセックスの生物学」、岩科 司著「花はふしぎ」
性の不思議002

4 生物学的に見ればほとんど全ての種において、生殖に振り向けるエネルギーの大部分は
オス: メスを惹きつけ交尾することに費やされる。
メス: 強いオスを求め、産み そして子どもを養い育てることに使われる。

 こういうことをハッキリ書くと、最近では性役割を決め付けるなと反撥する方は多い。妻が働いている間に子どもの世話をする主夫はどんどん増えていますよと。それはそれで結構なこと。反対する理由はありません。でも、男には乳首はあっても授乳はできません。(笑)

5 人類の性別による身長差は何故生じているのか? 女は背の高い男を好み、男は小柄な女を選ぶ傾向があるからである。
男: 平均より背の高い男の方が配偶者と子どもを獲得しやすいという英国の長期追跡データーがある。
女: 性的成熟期に達すると性ホルモンが働いて、骨端線(長い骨の両端)を閉鎖する。一般的に背の低い女性は高い女性よりも早く成熟期に達している。背が低い女は多産であることを男は(潜在意識的に)理解しているかららしい。

 読者よ、それ以外の理由をご存知なら教えて下さい。


 


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April 01, 2012

スーパーアース -おおいに生命の可能性あり-

 AFPBBのニュースによると、欧州南天天文台は生命の存在する可能性がある地球に似た惑星が、銀河系には数百億個存在するという推計結果を28日に発表した。発表が先月28日なので、この情報はエイプリルフールとは無関係です。
まずは驚くべきニュースをお読みください。
 このニュースはこれまでの知見を大きく踏み出しているのではないか。いままでにも生命が存在する可能性のある地球に似た惑星はあるはずと天文学者は言っていたし、僕たちも数ある星の中にはたまたま生い立ちや恒星との距離等が地球とよく似た条件の星があっってもおかしくないと漠然と思っていた。
 ところが、今回の発表は資料によれば、こんなに具体的なのが驚きです。
1 観測した赤色矮星の40%に対してスーパーアースの存在を確認
2 銀河系には約1600億個の赤色矮星が存在することから、銀河系だけで数百億個ものスーパーアースが存在
3 地球から30光年以内にあるスーパーアースは約100個と推定


 これはもう漠然とした可能性の予想ではなく、確信をもった科学的推論なのせはないでしょうか。 (参考)
1995年にペガスス座51番星にて系外惑星が発見されて以来、観測された系外惑星の多くは木星質量前後の巨大ガス惑星であった。しかしその後技術・精度の向上に伴って土星、さらには海王星クラスの低質量惑星が次々と発見され、2005年以降は地球の数倍程度とみられる惑星も報告されるようになってきた。 これら地球の数倍程度の低質量惑星は、低質量で低温でも気体の水素やヘリウムのようなガス惑星特有の大気を長期間引き止めるだけの重力にも乏しく、表面は岩石若しくは氷で構成されていると考えざるを得ない。ただし、なおも地球質量の数倍以上という重さから、スーパー・アース(巨大地球型惑星)と呼ばれるようになった。 スーパー・アースの起源としては、従来の地球型惑星の形成説だけでなく、ガス惑星の大気が中心星からの放射によって剥ぎ取られたという説[1] などがあり、現在研究が進められている。また、太陽の数分の1以下の低質量恒星である赤色矮星での発見が相次いでおり、今後の重要な観測ターゲットとして専門家から注目されている。 また井田茂教授は、惑星の構成物質に氷が多く含まれ、なおかつ中心星に近い場合は惑星全域が海に覆われた「オーシャン・プラネット(海洋惑星)」となる可能性も指摘している。
(アストロアーツ『月刊星ナビ』2007年9月号)

主なスーパー・アースの例 by wiqipedea
グリーゼ876d:質量の下限値が地球の6倍。赤色矮星の系で他に2つの巨大ガス惑星も観測される。
OGLE-2005-BLG-390Lb:地球の5倍。重力レンズ観測法で発見。約2天文単位の距離を公転する。
グリーゼ581星系:赤色矮星と4個の低質量惑星から構成される。惑星bは海王星クラス。
グリーゼ581c:下限値が地球の5倍で第3惑星。当初、ハビタブルゾーン内を公転と推定されるも、後に軌道が外れていると判明。
グリーゼ581d:下限値が地球の7倍で第4惑星。惑星cに代わりハビタブルゾーンを公転すると発表される。
グリーゼ581e:下限値が地球の1.9倍と、ドップラーシフトによる観測ではこれまでで最小質量。高温な第1惑星。
MOA-2007-BLG-192Lb:地球の1.4倍(発見当初は3.3倍と推定されていた。)でこれまでの系外惑星では質量が最小。名古屋大学が加わるMOAによって重力レンズ観測で発見される。主星が褐色矮星。
CoRoT-7b: ヨーロッパによる観測衛星COROTによってトランジット法により発見。後にドップラー法でも確認され、直径が地球の1.7倍、質量は4.9倍、密度が地球とほぼ同じ岩石惑星であることが確定した。
ケプラー22b:NASAのケプラー探査機によってトランジット法により発見。太陽と同じG型主系列星系でハビタブルゾーンを公転すると発表された初の惑星。
  
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December 28, 2011

指あるいは手の考察(その2) −BC!

 友達迄公開という設定で書かれているBlog(日記風)に、「手」についてこんな事が書いてあった。チョット気になる記述だった。その部分だけ無断引用します。

A(仮名)さんのBlogより。
どうしてだろう。
普通、人を思い出す時、眼を思い出すことは、度々ある。言葉を思い出す事もある。
状況を思い出すこともある。
でも、手を思い出す人はあまり居ないのではないか。


 かつて、2006年7月11日、翔年はこのBlogで「指あるいは手の考察」を書いたことがあった。ここです。

 当時のBlog友達、Kompfさんはそのエントリーの中で、「私の周囲にも『男性の手が好き』」という女性が多いのです」とハッキリコメントされているし、Aさんも「手」に強い関心をお持ちのようだ。翔年からみるとみなさん無意識の内に正しい選択をされているように見えます。

 こういう女性の話を聞くと、やっぱり竹内久美子さんのBC説が俄然光を放ちはじめる。動物行動学がご専門の竹内さんはよく「BC!な話」を持ち出される。BCとはBiologically Correctの略で、意味はよい子孫を残そうとする個体にとって「生物学的に正しい」選択をしたという文脈で用いられる。特に男性と女性の問題を生物学的にオスとメスの関係としてBCの眼で俎上にのせて論じると、浮気すらも正しい行為(BC)だという判定になるのが面白い。それもオスではなくて、メスにとって正しい行動と判定するところが、大変ユニークなのです。ちょっと脱線した。「手」に戻ります。(詳しくは竹内先生の本を読んでください)

竹内久美子さんのBCな話が満載の本
BCな話001

 竹内説によれば男でも女でも「うつくしい手」に魅かれるのはBCなのだそうだ。何故かというと発生学的に見て、卵が細胞分裂によって胎児になる様を想像してください。最初に目や頭ができてそれからだんだん胴体ができてきて、最後に手足の指が出来上がるのですね。(おたまじゃくしもそうですね)竹内先生はこの複雑な成長プログラムが最後まで完璧に遂行できた個体は、左右の均整がとれ(シンメトリー)、指まで完璧な形になるんだと言われる。もし、成長過程で何らかの問題が生じたら、必ず形状に変な影響が出るはずだから、男でも女でも、健全な子孫を残したいなら、魅力的な手の異性を見つけてパートナーにするのがBC(生物学的に正しい)なのだと。翔年は発生学的に最後までキチンと正しくプログラムが働いて出来た個体は、遺伝的にその性質を受け継いでいるはずだから、よい子孫を残せる可能性が高くメデタシメデタシということなのだなと納得してます。



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December 26, 2011

直近の我が国の地震発生の現状 −2011/1/1〜2011/10/15

 地質に大変お詳しい奈良・東京のO様から下記のようなコメントを12月19日のエントリーにいただきました。翔年はちょっと斜めに構えて地震を見ており、あんまり不安を煽りたくないと思いました。O様との地震談義の箇所のみ引用した後で、ネット上で見つけた直近の我が国の地震発生状況をお目に掛けたいと思います。このレポートは事実を集めたものであり、そこから何を読み取るかはあなた次第です。翔年はいつも言っていますように「起こる可能性のあることは起こる」と冷静に考えています。


2011/12/23 奈良・東京のO様のコメント1
来年1月8日は、比較的規模の大きい地震を予測しています.3/11から210日周期とその半分の105日周期でまあ大きな地震がありました.前からこの周期を考えて難を避けてきました.8日には地震来ないように祈ってはいますが.


2011/12/25 翔年のコメント
地震の原因がプレートの移動などによる地殻に蓄積されたストレスであるとすれば、周期説はうなずける理論ですが、日にちまでも予測できるほどの精度があるとは思えません。地震国では地震はたえまなく発生しているのですから、たくさんの予測を出す人ほど当たる確率は高まるでしょうが……。


2011/12/25 奈良・東京のO様のコメント2
おっしゃるとおり、予測の精度はまったくないです.ただスケジュールのため自分なりに何らかの「安心感」を求めているだけで、関西にいて外れれば運が良かった、当たれば悪かった.関東方面にいたときは、この逆の思いの日程調整のみです.ところで、6/23岩手震度5弱(この前後に群発2〜4)、10/5熊本5強(この半日前に長野・岩手方面の群発2〜4)でした.
予測日の数日前後は関西にいる日程とする自己流のおまじない(笑)です.

 

 ここにStory Monarchさんがネットにアップされている素晴らしい地震レポートがあります。今年1月1日から10月15日までの日本周辺に発生した地震の発生地点、規模、時刻、発生頻度などを、YOUTUBEに上手にまとめられています。決して不安を煽るものではなく、事実を丹念に集めて素晴らしいレポートになっており、翔年は大変感銘を受けました。読者の皆さんも最後までご覧いただければありがたいです。(全部見ると約9分かかります)

東北地方太平洋沖地震 発生地点・規模・時刻分布図 ここをクリック→ http://youtu.be/QGH08OyQXg4


 奈良・東京のO様、お読みになっていたら、このレポートにコメントをお願いします。どうかよろしく!



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September 11, 2011

新種猿人の化石発見 −道具の歴史が変る?

 2008年に南アフリカで発見された「セディバ猿人(Australopithoriecus sediba)」の化石を詳しく調査したところ、この猿人がすでに道具を作っていた可能性があることが分かったと言う。人類の祖先の「道具の歴史」は、これまで考えられていたよりも、さらにさかのぼる可能性が出てきたらしい。  道具を使い始めたことで、手の指の巧みな動きが必要になり、それが大脳の発達を促したと言うのが、文化人類学の教えるところだから、このニュースの興味は尽きません。  今のところ下記の情報しかないので、とりあえずAFPBBNews より記事を転載させてもらいます。   
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June 28, 2010

むべの実 - むべなるかな

mube-pic02
 滋賀のT氏の奥さんから「むべ」という食べ物(果物?)のことを聞いた。翔年は「むべ」という植物があることすら知らなかったので、例によって本やネットで調べてみた。

 まず、何時もお世話になっている青木繁伸氏の「植物園」  の記事から。

ムベ(郁子): アケビ科
暖地の山地に生える常緑つる性植物です。
果実はアケビ,ゴヨウアケビ(五葉通草),ミツバアケビ(三葉通草))に似ていますが,熟しても裂開しません。暗紫色に熟し,果肉は甘く,食べられます。
和名にあてられている漢字はおもしろいですね。「いくこ」さんという女性名と同じです。
※通草=アケビとよむ。



mube_4mube_3
 また、別のネットの記事をまとめて2,3ピックアップする。

〇 春に白い花をつけ、秋に長さ7〜9センチほどの鶏卵より大きい楕円形の実を結ぶ。むべを割ると半透明の粘りのあるゼリー状の果肉と種が詰まっている。
とろ〜っとした実はほんのり甘く素朴な味が楽しめる。

〇 蒲生野北部に位置する奥島山に自生し、蔓(つる)の長さが十五メートルにもなる常緑性低木。一名トキワアケビと呼ぱれるようにアケビとよく似ている。違うところは、アケビは冬になると葉が落ちてしまうのに対して、むべは一年中緑を保つ。
また、アケビの実は熟すと割れて、白い果実があらわれるが、むべの実は開くことはない。そのために実に虫がつかないので喜ぱれ、庭に植えられることも多い。
長寿を祝う贈り物に最適の果実である。
また、この木の葉は、幼木のときは3枚、その後5枚、実が成る頃には7枚になるので、「七五三の縁起木」ともいわれている。

〇 「むべ」という字は「くさかんむり」に「奥」という字、「薁」と書く。「むべ」が奥津島に産する事から、明治の頃よりこの字を当てている。古くは「郁子」と書かれている。漢文式に書けば「宜乎」と書き(古語のようです)、「なるほど」の意味があるとは意味深長。

〇 何故この「宜」を「ぎ」とか「よろしき」のように読まずに「むべ」と読むのか?
この由来とは。

 昔、天智天皇が近江八幡市の方へ行幸されたとき、老夫婦に長寿の秘訣を尋ねたところ、この地で秋に採れるこの果実を食するからですと答えた。それに対して天智天皇が「むべなるかな」と云われたのが始まりとされている。(ホンマカイナ?)
 「ムベ」が先なのか、「むべなるかな」が先で「ムベ」になったのか、よく分かりませんが、いずれにしても、植物の「ムベ」が関係しているのは確かですね。近江八幡市では、かなり最近まで、「ムベ」を皇室に献上していたという話もある。

※ぎ【宜】=[音]ギ(呉)(漢) [訓]むべ うべ よろしい、程よくかなっているの意。熟語は「機宜・時宜・辞宜・適宜・便宜」等。


  読者の中で、もうちょっと掘り下げた?話をお望みの方は、「続きを読む」をクリックしてください。

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April 07, 2010

コンピュータが将棋連盟に挑戦状!

 ITmedia NEWS によると、このほど、情報処理学会はコンピュータ将棋を引っさげて、日本将棋連盟に挑戦状を突きつけたという。

コンピュータ将棋の挑戦状(4月2日付け)
コンピュータ将棋の挑戦状

画像をクリックして拡大してご覧下さい。
日付が4月2日なので、エイプリルフールではないです。



 
 この挑戦状に対し米長将棋連盟会長は「いい度胸をしているとその不遜な態度に感服つかまつった次第」と文書で応諾したそうだ。
 コンピュータ将棋の対戦相手は清水市代・女流王位に決まったというから、俄然面白くなってきた。

 清水女流王位には申し訳ないが、翔年はコンピュータ将棋が勝つと予想する。対戦までに清水女流王位の棋譜をコンピューターに教えることもできるし、複数のコンピュータを並列処理する上手いソフトを組めば、人間には到底及ばないほど深い読みが可能になる。中盤で少々コンピューターが不利になっても、必ずや終盤に逆転するものと予想しておこう。

 いずれ将棋名人がコンピュータと対戦せざるを得なくなる時代が来ると思われる。そして、そう遠くない日に名人がコンピュータに負けるだろう。

 かつて、IBMのコンピュータ(ディープ・ブルー)がチェスの世界名人(カスパロフ)に勝ったが、あれから10年ほどの間に将棋のプロに挑戦できるほど、将棋ソフトが強くなったとは……。

 ありがたいことに、我が愛好する囲碁がこのような事態になるのは、もう少し先になるはずだ。なぜなら、将棋の読みは「深さ」に対し、囲碁の読みは「間口の広さ」だ。深読み競争なら、人間よりコンピュータが優れているから。



  
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November 13, 2009

銀河で次々と生まれる星の画像


星の誕生
 米航空宇宙局(NASA)が11日、ハッブル宇宙望遠鏡が今年5月に撮影した、星が誕生する様子を映した画像を公開した。星が消滅するのは何となく分るのですが、「星が生まれる」というのは、もう一つピンときません。
 こちらの本文をよくお読み下さい。

関連雑学1 M83&M51について
 フランスの天文学者メシエ(1730-1817)は彗星の発見に関心があった。ぼんやりした天体をみつけ、やったと思うが移動せず、ぬか喜びをよくした。
 そこで、これらまぎらわしい天体、102個のリストを作った。そして、この方が重要な発見だった。
 M13は百万個の恒星からなるヘラクレス星団、M31は5千億のアンドロメダ大星雲。


関連雑学2 宇宙にある物質について
 地球上の物質は、99%が炭素、水素、窒素、酸素からなる。銀河系の星の基本元素も同じ。
 ノーベル賞を受けたウォルド教授は「地球上で生化学を学んでおけば、よその星でも通用する」と言っている。他星に生命が存在していても、化学的性質は基本的に同じと考えられている。

※「アシモフの雑学コレクション」を参考にしました。
  
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April 08, 2009

モンシロチョウの性

 春になると花が咲き、その花に蝶が舞う。梅や桜の花もいいが、春風にのって花のまわりを飛び回る蝶は春の舞台に舞うダンサーのようだ。

 生命誌研究館の庭の桜
生命誌研究館の桜


様々なこと思い出す櫻かな    芭蕉

蝶に会ひ人に会ひ又蝶に会ふ   深見けん二


 昨日、読売新聞夕刊コラムで、生物学者の池田清彦先生の「メスの流儀」を見つけた。おかげで、忘れかけていたモンシロチョウの興味深い習性を想い出した。

 それは
「モンシロチョウのメスは基本的に生涯に一度しか交尾しない。(中略)メスの生殖器には受精嚢という袋がついていて、オスからもらった精子を、生きたままかなり長期間ここに貯えておくことができるのである。一度交尾すれば、体内のすべての卵を受精させるのに十分な数の精子が得られるので、それ以上交尾する必要がないのだ」
ということ。
 合理的と見るか、ドライすぎると感じるかは、それこそ、人さまざまだろう。


 蝶を観察していると、一匹のメス蝶に数匹のオスが追いすがっている光景を見かけることがある。オスが余っているのだ。これはオスが交尾の回数を知るカウンターをもたないからだろうと翔年は思っている。
 はたして
「交尾が済んだメスは、オスが近づいてくると尻を高く持ち上げて、交尾拒否の姿勢をとる。モンシロチョウの交尾の姿勢は遺伝的に決まっているので、こうなるとオスはあきらめるほかはない」
らしい。やっぱりそうか。あぶれたオスは相当数いるんだと納得。 

交尾拒否の姿勢 Photo by Wiqipedia
モンシロチョウの交尾拒否姿勢

 納得はしたけれど、同情心もちょっと湧く。同性として「オス君、交尾の体位を工夫してごらん」とアドヴァイスしたい。

 ところが、この拒否姿勢をよく見ると翅をひろげている。これは「死の擬態」かも知れない。何のために? 死んだメスでは仕方がないとオスを諦めさせるために。もしそうなら、翔年のアドヴァイスは何の役にもたたない。

閉じし翅しづかにひらき蝶死にき   篠原 梵


 池田先生のお話には凄いオチがついていて、またまた、びっくりした。精子をなぜ貯めるのかという主目的は
「受精嚢に貯えてある精子を吸収して栄養にするためという説が有力だ」
という。何のことはない。メスは子供を作るためにオスを利用するだけではなくて、ついでに栄養補給もたくらんでいるというのだ。サプリメントに利用するとは……。

 ここまで読んで、「メスの流儀」なるタイトルをつけた先生の深謀遠慮に気がついた。先生は蝶にことよせて、男は「胡蝶の夢」のようなロマンチスト、女は子供のため(自分のため)せっせと貯金するリアリストといいたかったに違いない。

※胡蝶の夢=荘子からきている故事で、夢に胡蝶となり、百年花に遊んだことをいう。


蝶のレストラン Photo by 生命誌研究館
蝶のレストラン

 ところで、「蝶のレストラン」が高槻市内にあるのをご存知だろうか? 生命誌研究館の屋上にある「食草園」には「パピヨンのレストラン」というしゃれた名前がつけられているので、モンシロチョウのみならず、美食家の蝶がたくさん集まってくると聞いている。
  
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January 16, 2009

薬指が人差し指よりも長い人 −金融とレーダー向き?



 AFPのニュースによると、12日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)に、「薬指が人差し指よりも長い人は金融トレーダー向き」という研究成果が発表されたという。

 翔年は記事が目に入ると同時に、キーボードに置いていた我が手をじっくり観察しましたよ。結果はハッキリ薬指の方が長かった。決して金融関係に強いとは思わないけど……。

 時々、このようなセンセーショナルな形で科学記事がマスコミにのることがある。が、こういう知見は以前からあったことなので、ニュースはそれほど驚く事ではない。この手の話は全て人間が胎児期に、アンドロゲン(男性ホルモンの一種)をよく浴びたか浴びなかったに起因するという結論から引き出されているのだから。

例えば 
(1)男性は薬指が人差し指より長い人が多いが、女性は同じかちょっと薬指が短い人が多い。
→ 確かめた事はありませんが、アンドロゲンにさらされた量が多い男の指がより発達することはありうる。なぜ薬指かは分かりませんが・・・。

(2)薬指が長い女性はレスビアンやバイセクシャルが多い。
→ これもアンドロゲンで説明できそう。

(3)A quick look at the lengths of children's index and ring fingers can be used to predict how well students will perform on SATs, new research claims.
Kids with longer ring fingers compared to index fingers are likely to have higher math scores than literacy or verbal scores on the college entrance exam, while children with the reverse finger-length ratio are likely to have higher reading
→ ここでは薬指の長い子どもは数学の成績がよい。反対に人差し指の長い子どもは国語(文学や言語)の成績がいいといっている。これも指の長さと「男脳」と「女脳」とを対比させての結論のように見えます。(ただし、これは外国の話、日本ではどうでしょう?) 

 そうだからと言って、「アンドロゲンは巨額の金融取引に必要な集中力と反射作用を改善する」との言説は、ちょっと牽強付会にすぎるのではないでしょうか? (男は集中力、女は持続力と言う説があるにせよ)

 それよりも「手」で面白いと思ったのは、2006年7月11日のエントリーでも書いたけれど、男の手の美しさに惹かれる女性が大勢いるという説。竹内久美子さんの本に詳しく書いてあるが、ようするにこういう事だそうだ。
 発生学的に見ると、人間の胎児の成長プロセスの一番最後の段階で手の指が完成する。ということは、手の指が均整がとれて美しければ、その胎児の発育は順調であったという証明になる。女は健康な遺伝子をもっている男をそういう測りで見つけ出していることになる。

 傍証:Blog仲間のKompfさんはかつてこんなことを書いておられました。
『このDVDは、ゴルトベルクを弾くグールドの、素晴らしく美しい指の動きを見るためのもの。私にとっては、フェティッシュなものだ。』 
   
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October 10, 2008

日本人のノーベル賞、連日の快挙(なんと4人も)

 ノーベル物理学賞を3人が受賞したというニュースで日本人の喜びが最高潮に達したその翌日、また日本人がノーベル化学賞を受賞したという嬉しいニュースが続いた。

 最初に、3人の経歴と受賞理由をキチンとみておきたい。ただし、素粒子論という理論物理学の最先端の話なので、論文が発表されてから35年〜47年経っているけれど、一般人には何年経っても理解する事は困難だ。ここは新聞解説程度の概念を理解して、素直に偉業とされる独創的な研究を賞賛するしかありません。
 変なはなしですが、我々はピカソの絵には分からんとか何とか言って文句をつけることがありますが、理論物理学など科学の分野では、分からないのは自分が悪いと素直に思いますね。


ノーベル物理学賞受賞者
南部陽一郎(1921年生れ):東京帝国大学理学部卒、現シカゴ大名誉教授、70年に米国籍をとる
受賞理由:素粒子物理学と核物理学における自発的対象性の破れの発見
→ 研究が発表されてから47年経っての受賞。

小林誠(1944年生れ):名古屋大大学院理学研究科修了、現高エネルギー加速器研究機構享受、
益川敏英(1940年生れ):名古屋大学大学院理学研究科修了、現京都産業大教授
お二人の受賞理由:クォークの世代数を予言する対象性の破れの起源の発見
→ 研究が発表されて35年経っての受賞。

  受賞理由にあるように三人は素粒子の一般的な考え方「標準理論」の基礎になった業績が独創的だったと評価されたものだという。

 
 学問の業績は先人の業績の上に積み上げるものだとはよく言われることですが、この三人の成功の源には下の日本人の水脈が滔滔と流れていたのです。新聞が書いてない物理学の源流に繋がる人脈は興味深いので、記しておきたい。


1 ボーア博士、仁科芳雄博士
→ 湯川秀樹先生の自伝には「仁科先生の講義は単なる量子力学の解説ではなかった。先生は、ボーア博士を中心とする、当時、最も優秀な理論物理学者の、全体にただよっていたコペンハーゲン精神を、私たちに伝える媒体でもあった。(中略)そればかりではなかった。仁科先生その人に私はひかれたのである。」と書いてある。いわゆる恩師ですね。 翔年の世代で自然科学系の方は大学でボーアの原子模型を学んだと思う。このニールス・ボーア博士がコペンハーゲン大学の理論物理学研究所所長であった時、世界各国から優秀な人材がボーア博士を慕って集まっていた。ここで学んだ日本人学者の一人が仁科博士だった。

2 湯川秀樹博士、朝永振一郎博士
→ 湯川博士は朝永博士を「真理への旅路の同行者」であったと回想されている。二人は仁科博士の影響を強く受けられている。二人ともノーベル物理学賞を受賞された。

3 坂田昌一博士
→ 湯川博士の初講義を大阪大学で聞いた学生が坂田昌一博士、その後、朝永博士の下で研究に従事。この方が今回の南部陽一郎シカゴ大学御世教授の恩師だという。
ここから後は新聞が伝えるとおり。

4 南部陽一郎
→ 小林、益川両受賞者の恩師である。

5 小林誠、益川敏英
→ この下にも多くの俊秀が集まっていると信じる。


 一方、ノーベル化学賞受賞の下村脩(1928年生れ):長崎医科大学付属専門部卒、2001年、米ウッズホール海洋生物学研究所上席研究員を退職。
受賞理由:緑色たんぱく質(GFP)の発見と開発

 こちらは、オワンクラゲの体内から紫外線が当たると緑色に光るたんぱく質を発見した。その後は特定のたんぱく質にGFPで印をつけ、細胞を壊さないでたんぱく質の動きを追う事ができるようになったという。
 理論物理学と違ってこちらは実際的で実に見える研究なので、新聞記事もカラーで一般人にも分かりやすく解説してくれている。ユニークな研究による発見は大変面白い。

オワンクラゲ捕獲大作戦(左から3人目が下村博士)
くらげ大作戦 
 
 大作戦のこの写真は大変愉快ですね。下村博士の号令下、奥さん、二人の子どもさん、アシスタントを総動員して、くらげを一匹ずつ網ですくってバケツに入れたのだという。
 下村博士はこうして、合計10万匹のくらげを捕獲したというから、もうびっくり。こういう努力には頭を下げるしかありません。





  
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April 21, 2008

二足のわらじ−俳句と微生物研究の飴山實

 玉川和正氏(たまさん)のライフワーク「人生のセームスケール」(略して「人セム」)に、時々人物のリクエストをしてバイボ(Biographic Box)に納めてもらっている。

 先ごろ、俳句で高名な飴山實氏が日本を代表する微生物学者であることを知って、人セムにリクエストした。ところが、リクエストの後、氏の学者としての情報を集めようとしましたが、あんまり見つけることが出来ませんでした。俳句の業績に比べてあまりにもアンバランスに感じたものです。
 多分、たまさんも情報収集に苦労されるのではないかと思ったので、中西貴之著、技術評論社刊「へんな細菌すごい細菌」から、飴山先生の学者の側面に光を当ててまとめておくことにしました。

飴山實
飴山實:1926年、小松市の醤油醸造家に生まれる。1950年、京都大学を卒業後、大阪府立大学農学部助手、静岡大学助教授、山口大学教授、関西学院大学教授を歴任され、わが国の応用微生物研究の楚を築く。この間、醗酵食品の要であう酢酸菌の分離同定に尽力されるとともに、遺伝子資源として酢酸菌株の保存・整備の中心人物として活躍さる。
1968年、パスツールが報告した酢酸発酵を世界で始めて酵素化学的に解明、この功績は国際的に極めて高く評価されている。また、酸化細菌の研究中、酸化還元酵素の新しい補酵素PQQを見つけ、さらに哺乳類にもPQQがあることを発見。PQQには細菌の生育作用があるので、これを用いて様々な物質の工業的発酵生産性を著しく高めることに成功。
1988年、「酢酸菌の生化学的研究」で日本農芸化学会功績賞を受賞。

 翔年は学者先生であることは知っていましたが、これほどのご経歴の大化学者とは知りませんでした。俳句のご高名の影に科学者が隠れてしまっていたようなことになっていたのかもしれません。

 好きな俳句を少し抜いておきます。

水の香の早乙女といますれちがふ

この峡の水を醸して桃の花

残生やひと日は花を鋤きこんで

年酒して獅子身中の虫酔はす

うつくしきあぎととあへり能登時雨



最後の句、あぎととは顎のこと。翔年も若い頃、能登でうつくしいあぎとに会ったことがある。お話もしました。その人は関西で焼き物の勉強をされてから、能登に帰って、夫婦で焼き物の店を出しておられた。やきものの作品にも、お人柄にも、何ともいえない品を漂よわせていた人でした。あの店は今もあるのだろうか?
  
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April 04, 2008

遺伝子が惜しい? 欲しい??

 最近、中年のある女性グループでこんなことが話題になったと耳にした。グループの従兄弟にあたる方が天才なんだという話。どれぐらい天才かというと、三歳頃には身の回りにある英語やローマ字で書かれたものは何でも意味が理解できたという凄い早熟ぶり。また、音楽的センスもすばらしく、ピアノを習うとすぐに相当のレベルで弾けるようになったし、長じてフランスに留学してからは、学ぶだけでなく、フランス語で講義できるのだそうだ。これだけ聞けば只者じゃないことは確かだ。誰だって会ってみたいと思う。

 それにそのいとこは独身だというからたまらない。女性グループではその男性が独身でいるのは何故か? 理由は何? 従兄弟なら、本人に聞いたらどう? 聞いてみてよ! と話は相当盛り上がったそうです。
 ちょっとはしたないような気もしますが、まぁ要するに、このままでは「遺伝子が惜しい!」、「何とかならないの?」と言うわけ。

 生臭い話はこれぐらいにして、以下は遺伝子のサイエンスの話。単純に考えると、このままの状態で時が経つと、彼の遺伝子は次の世代に残らないように思える。翔年は素晴らしい遺伝子のもらい手が出てきて欲しいと思うが、よくよく考えてみると、独身を続けたとしても、彼には自分の遺伝子を残す戦略があるのです。

一つは女性の誰かにコッソリ受け取ってもらう方法。このやり方は誰でも大体分かる。
もう一つは2人の兄弟か8人のイトコの為に献身的につくす方法。

 後者はちょっと詳しい説明が要る。
 遺伝子のみに注目すると、兄弟とは1/2の確立で遺伝子を共有しているし、イトコなら1/8ですね。簡単にいうと、かれの遺伝子は8人のイトコの中に分散されて宿っているのです。例えば父方、母方のイトコを4人ずつ招集すれば、天才と目されている彼の遺伝子が揃う可能性があるということ。

 このことはJ・B・S・ホールデンという天才学者(イギリス人)が発見したことだと、竹内久美子さんの著書「そんなばかな!」に書いてある。ホールデンは生涯に2度結婚し、いずれの場合も子を熱望したが、ついに得られなかった。年齢的にもう無理だと悟った頃のこと、ロンドンの中心街のパブでこう叫んだそうだ。「二人のキョウダイか八人のイトコのためなら、私はいつでも命を投げ出す用意がある!
 これは子を思う親の気持ちと全くおなじですね。

 親→子→孫 という直系ルートばっかり目が行くと、自分で繁殖できない個体は行き止りの失格者のように見えるが、実はそうではない、ということをホールデンは教えてくれている。

  
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October 17, 2007

科学フォーラム「21世紀の若者が担うものー科学・教育・大学」

 2007年ノーベル受賞者を囲むフォーラム「21世紀の創造」の一環、科学フォーラム滋賀「21世紀の若者が担うものー科学・教育・大学」に立命館大学びわこ・くさつキャンパスに行ってきた。

ノーベル受賞者:
江崎玲於奈(現横浜薬科大学長)   1973年ノーベル物理学賞
トルステン・ウィーゼル(現米ロックフェラー大名誉教授)1981年ノーベル生理学・医学賞
利根川進(現マサチューセッツ工科大教授)  1987年ノーベル生理学・医学賞

コーディネーター:立命館大学谷口教授

フォーラム立命館大学

 講演は利根川先生が「脳と記憶」、トルステン・ウィーゼル先生が「科学の創造と教育」、江崎先生が「サイエンスの心」を話された。最高の頭脳が学生や一般人にも理解できる言葉で興味深いことを話された。

 これらの詳しいレポートは10月24日の読売新聞に掲載されるそうなので、翔年は耳に残ったことをかいつまんで記録しておこう。

 
 利根川先生の次々と新しい分野の研究に突き進まれる姿勢と、衰えを知らない活力には大変感銘を受けた。特に若い人たちに向かって
1 自分の世界の他に大きな世界があることを知れ 
2 自分の意見をハッキリいう
3 批判する
4 ディスカッションする
5 学業成績以外にリーダーシップやリスクテーキングの精神が大事
などを強調された。

 ウィーゼル先生の主旨は 
1 教育は環境である。教師は物事をどう考えるか、その考え方を導いてくれる。問題点を見つけ、解決策を考えるのは自分である。
2 現在、生物学は生命科学に収斂してきているので、専門知識を持ったメンバーが集まってチームで研究する時代になった。
ということだった。
 ちなみに、先生は中曽根首相(当時)の提唱で始まった国際ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP)の事務局長だという。


 江崎先生の有名は逸話。
1 小さな会社の若造がトンネルダイオード(江崎ダイオード)を雑誌に発表しても、日本では誰も相手にしてくれなかった。たまたまベルギーで万博があり、同国の個体物理学会で発表する機会があり、ショックレー博士が「素晴らしい」と評価してくれた。そうしたら、日本でも認められた。(この類いの話はいくらでもある)
 
2 ソニーの給料が3万円、アメリカのIBMに移ったら、18倍の54万円の給料に跳ね上がったという。江崎先生はお金のことまでズバリおっしゃるから偉い。自由に研究をやらせてくれて、この給料なら、実力のある人は誰だってアメリカに行く。(日本ではいまだに格差はいかんとか、どうたらこーたら言う人が多い。)

3 日本では評価したがらない。正当な評価がなされない。アメリカと言う国はそこのところは、かなり出来ていると言われた。だから優秀な人材がアメリカに集まる。



特筆事項:
フォーラムが始まる前の数十分、BGMはアンドレ・ギャニオンの曲が流されていた。この環境音楽はフォーラムの雰囲気を静かに醸成するのに効果があった。始まる前から会場は静かで、知の講演会に相応しかった。

  
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August 13, 2007

アメリカの蛍と日本の蛍

 ミラースビル大学の広いキャンパスはリスや蝉の他、蛍もいた。ところがこの蛍、日本の蛍とはまるで様子が違う。

 まず、生息地には水辺は見当たらない。ひろびろとした乾燥した芝生の中に住んでいる。少し暗くなると、芝生から20〜30センチほど飛び上がり、1メートルばかり低く飛んですぐ降りる。飛んでいる間、微かに光っているが芝生に下りると光らないからどこにいるのか分からない。

 夜行性の蛍では、おもに配偶行動の交信に発光を用いていることはよく知られている。発光によって異性と交信するのなら、日本の源氏ボタルなどはよく光るし、高く飛ぶので好都合に思われるが、芝生の上を這うように飛ぶアメリカの蛍は、果たして異性に信号を送ることに成功するのかどうか心配になる。大変シャイな蛍でした。昔の大和なでしこみたい。

 人間の世界では、日本人がシャイで、アメリカ人は概して積極的な人が多いのに、蛍の世界ではそれが逆転しているのが大変面白い。


蛍を詠っている五句、日本人の繊細なこころが余情をもって詠われていて好きです。

ゆるやかに着て人と逢ふ蛍の夜     桂信子

何もかも話したき夜の蛍かな    五所平之助

人揺りてこころ問ひたき蛍の夜    美智子

蛍とりくれし少女にをんなの香     桜坡子

蛍火やいだかれてゐる息づかい    北さとり


おまけ

身にしみて物を思へと夏の夜の蛍ほのかに青引きてとぶ   与謝野晶子
  
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June 04, 2007

過密社会から超過密社会へ −ある実験

 カール・セーガン、アン・ドルーヤン著「はるかなる記憶」に、こんなネズミの実験について述べた箇所がある。

はるかなる記憶

 心理学者ジョン・B・カルホーンの実験では、ネズミを一定の大きさの檻に入れ、それが一杯になるまで繁殖させた。個体の密度は極めて高くなるが、食物は全個体に十分いきわたるようにしてあった。

 何が起こったと思いますか? 下の引用部分を慎重に読んでいただきたい。

「個体数が増えると、異常な行動が目立ってきた。授乳中の母ネズミが子ネズミを拒絶したり、捨てたりするようになった。子ネズミは痩せ衰えて死んでしまう。食事は普通に与えられているのに、子ネズミの死体はよってたかってガツガツ貪られる。一匹のメスに兆した興奮や衝動は非情にも、他のメスから集団内のオスへと広がっていく。異常出産が増加し、多くのメスが出産時や、その直後の併発症で死ぬ。さらに込み合ってくると、自分や子供たちのために上手に巣をつくる習性や能力が失われる。風変わりな巣は素人の作品としか思えず、もはや役に立つはずもない。」

 また、心理学者はオスにこんな兆候を認めている。(四つのパターンがある)
1 攻撃的で優位なオス、「最も正常な状態」を保っているが、時に「凶暴」さを示す。
2 同性愛の傾向を強めるオス、性的関心を成獣のオスや雌雄の幼獣に向ける。第一のオスから執拗な攻撃を受ける。
3 ほとんど攻撃性を示さないオス。完全に社会性を失って、「夢遊病者にでもなったかのように集団内をうろつく」。
4 「探針」と呼ばれるオス。極めて活動的で性的関心が強く、両性愛や子供食いの傾向もある。


 ネズミとヒトは違うのを承知の上で、ヒトを都会に詰め込めばどういうことになるか予想してみよう。カール・セーガンの予想です。

「街中での喧騒や家庭内暴力児童虐待や遺棄、母子の死亡率の急上昇、強姦精神異常同性愛や過剰性欲、同性愛者への迫害、疎外、生きる目標や基盤の喪失・・・・。その中で、本来なら簡単にできるはずの作業が、だんだん出来なくなっていく。こうしたことは、確かに十分ありそうだ。」

 この本は10年前に翻訳出版されたもので、翔年の愛読書の一つですが、今読みかえしても、この箇所は十分衝撃的です。漠然とではありますが、都市の過密状態は問題だと思っていても、わが国は効果的な手を打っていません。それどころか、土地の高度利用などと言って、過密化を推し進める政策さえ採用している。満員電車の異常さは解消される見込みはない。

 もう少し経ったら「ネズミとヒトは違う」と胸を張って言える人はいなくなるのではないでしょうか?


 そして、都市だけでなく、地球そのものが人口過剰になったら?
 予兆はあちこちに見えています。人類はこの傾向を食い止めることができるのでしょうか。それとも、16世紀の政治哲学者ホッブスの予想を受け入れざるを得ないのでしょうか?

「全世界が過剰な住民をもった場合は、
全ての中での最後の救済は戦争であって、
それは各人の勝利か死を与える。」

  
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May 17, 2007

達成年齢

 「達成年齢(Age of achievement)」とは心理学用語らしいが、詳しいことはしらない。知りませんが、翔年は昔から「達成年齢」に大きな関心を持っていた。

 確か湯川秀樹先生だったと思いますが、物理学の発見は若いときに限ると随筆に書いておられたことがあるし、数学の発見は早熟な天才でなくてはできないという説を唱えておられた数学者先生もおいでになったように記憶している。そして、このことは世間も認めているように見えます。

 学問の世界でなくとも、例えば将棋の世界では、名人位を取るのは谷川浩司さんや羽生さんのように、大変若い棋士が棋界の頂点を極める。世間もそれを当たり前のこととして認めている。だから、たまに年配の棋士がタイトルを取ると、中年の星などといって大きな話題になる。

 だが、よく似たゲームの囲碁においては、かつてはそう思われていなかった時期があった。
 昭和40年に若い林海峰が名人戦の挑戦者に躍り出た時、全盛期の坂田さん(栄男)はこういう意味のことをマスコミに語った。「将棋は勝敗が決するまでの手数が少ない。せいぜい100手で決まる。そこへ行くと、囲碁は息が長いゲームで、250手以上の手数で勝敗が決まることが多い。将棋は若い天才的な棋士が、新しい戦法を編み出したら天下を獲れるが、囲碁は山あり谷ありのマラソンゲームだから、技術だけの勝負ではなく、全人間的な力が要求される。」
 これは若いときから天才的なヒラメキに優れ、囲碁のワザでは第一人者であると仲間から認められておりながら、どちらかと言えばワザはそれほどではないとされ、非力の高川(秀格)と揶揄されていた人に、本因坊位9連覇をゆるしてきたのが鬼才坂田の痛恨事だったのでしょう。
 苦節10年、ようやく自らの力で本因坊位をもぎ取った坂田が、その実績を引っさげて、自らの体験による自信が言わせた言葉と翔年は感じた。「人間的な器の大きさで、若い挑戦者などに負けるはずがない」と。
 
 ところが意外なことに、大方の見方や坂田の自信に反して、23歳の若武者、林海峰が坂田から名人位を奪取したのです。これには世間もびっくりした。

 それ以後、日本の碁界も世界の碁界も、10代、20代の天才棋士が天下を獲っていることが多いので、坂田の言もちょっと色褪せてしまったし、世間も今では将棋も碁も、同じように若い天才棋士達の天下だと認識している。


 このように、若い天才が活躍しやすい分野もあれば、かなり人生の経験を積まないと大した業績を上げられないような分野もあるから、人生は面白い。

俳句的

 外山慈比古著「俳句的」という随筆集にこんなことが書いてあります。
「達成年齢とは最高の業績を上げるのは大体何歳かというのに着目した研究結果である。」

数学:20代終わりから30代前半がピーク。
物理学:数学とほぼ同じ見当。
経済学:40代、50代にならないとその人の最高の業績は生まれにくい。
哲学:50代以後に達成年齢が来る。
抒情詩:25歳前後。(キーツが26歳で亡くなって、文学史上屈指の詩人)
小説:30代から40代
俳句:何歳か分からないが、抒情詩の詩人とは明らかに違う。達成年齢は相当高いと思われる。

 皆さんはどんな感想をお持ちでしょう?

 達成年齢の高低はスポーツの種類にもありますね。競泳や女子体操などは達成年齢が低いようですし、マラソンや野球やゴルフはやや高いように思います。

  
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February 18, 2007

自分の眼で見て考えよ −先生の教え

 尊敬している中村桂子先生の生命誌研究館から「季刊生命誌52」が送られてきた。中に大阪大学名誉教授柴岡弘郎のこんないいお話が載っていた。

生命誌52

1 中学生の時、レンコンに穴があるのはどうしてかと先生に質問したら、「君がメガネをかけている理由は、君が教えてくれればわかるが、レンコンは聞いても答えてくれないから、穴が開いている理由は分からない」と言われました。

2 高校生の時は、「牧野植物図鑑」の向日葵(ヒマワリ)の説明に「太陽ニ向ヒテ廻ル事ナシ」とあるのが気になり、「ヒマワリは廻るんでしょうか」と普段は怖い顔をしている先生に尋ねました。すると急に明るい顔をされて、「どうだ、キミ見てみんか」と逆に問われたのです。

 こういう理科の先生は得がたい、ありがたい先生だと思う。 多くの先生は「本を読みなさい」とか「図鑑を見たら」とか「インターネットで調べてごらん」とか、安易な指導をしているのではないだろうか。


 柴岡教授は「本を読んだり人に尋ねることだけが知識を得る方法ではない、そう気づいて、世界中の全てが先生であり友達であると思ってなんでも自分で見る、確かめるようになりました」と述懐されている。


「自分の眼で確かめる」、「自分の頭で考える」は、学問をする人だけでなく、人間にとって基本的な大切なことだと思う。

 特に、自分の眼で見て、自分の頭で考える習慣は現代人には必須だ。
 この基本さえシッカリマスターしておれば、「振込め詐欺」に簡単に引っかかったり、TVの「あるある大発見」に騙されて右往左往することはないはず。「あるある」のTV局は下請けの下請け(孫請け)がやったことはチェックのしようがないと言っているらしいが、もし、そうだとしたら、TV局はなんと「ないない頭」が集まっているところだろうと思う。考える力が弱いために判断を放棄しているのであれば、公共の電波を扱う当事者能力の欠如と認定せざるを得ない。

 株式市場には「相場のことは相場に聞け」という有名な格言がある。反対に「早耳の耳だおれ」や「筋の耳打ちは信頼するな」という格言もあるように、手っ取り早い情報を鵜呑みにするのではなく、相場を自分の眼で見てよく観察して判断せよということ。
 もっとも、いくら眼を凝らしてみても、何も見えてこないときもありますが。


※1 ヒマワリを観察すると、花が咲き切るまでは、日中は東から西に廻り、驚いたことに日が沈んだ後も複雑に動いて日の出前に東を向いたそうです。そして、植物が日に向かって伸びるのは、光に反応して葉で作られる成長ホルモンの働きによること、これらのホルモンが、茎の細胞にある微小管と呼ばれる細胞骨格の向きを変えて、細胞が伸張する方向を決めていることを突き止められたのだそうです。(柴岡先生談)

※2 生命誌は申し込めば無料で自宅に送付してもらえます。

追記
※3 牧野富太郎の随筆集『植物知識』の「ヒマワリ」にはまったく逆のことが書いてあるのに気がついた。
「世人は一般にヒマワリの花が日に向こうて回るということを信じているが、それは全くの誤りであった。先年、私が初めてこれを看破し、「ヒマワリ日に回らず」と題して当時の新聞や雑誌などに書いたことがあった。」

※4 翔年は柴岡先生が正しように思いますが、自分の眼で確かめたわけではないから自信はない。どなたか、キチンとした判断材料をお持ちの方はいらっしゃらいますか?

  
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February 11, 2007

結晶性知能

 坂口俊之氏と阿川佐和子さんの対談集、「モテたい脳、モテない脳」の最後の方に、「『結晶性知能』は20歳からずーっと伸びていくんです。今の脳科学では、そのピークは60歳といわれています。」と坂口先生が述べている。翔年はたいへん興味をそそられた。

モテる脳、モテない脳

 本には「流動性知能」と「結晶性知能」のグラフが示されている。
 
 「流動性知能」とは新しい場面での適応力のことで、知能指数(IQ)とほぼ同等の能力であるので、15歳から60歳に向かって下降をたどる。
 新しい言語の習得とか、新しい楽器の演奏技術等の習得とかは、幼児期から小学生ぐらいまでの間に、子供が驚くべき吸収力を発揮するのを、子供を育てた親はみんな知っている。人間はみんな10歳ぐらいまでは神童なのだ。大抵は20歳すぎれば唯の人になってしまうが、それがこのグラフの示している意味なのだろうと納得。脳の神経細胞は8歳から減る一方で、50歳以降になると、その衰えははっきり出てくると書いてある。記憶力や単純な計算能力は20歳がピークであることは言われなくても、経験上そんなものだと納得する。

 ところがその後に、老人にとって夢のようなありがたい説が展開されていてうれしくなる。
 「結晶性知能」とは知識・経験を高度に適用した判断力・総括力のことで、これは20歳からずーっと伸びていくという。それでグラフは20歳から右肩上がりに書いてある。これは具体的に何によって証明されるのか、興味津々で読む。
 「心理テストで分かる」と言われてもあまり納得できないが、「物理的に脳の重さで分かる」といわれればちょっと納得する。結晶性知能が伸びる人の脳は重くなることが分かってきたらしい。何故か? 神経細胞は死んでいく過程にあるのに、神経細胞が豊かになる、すなわち、ネットワークが複雑化していくので、脳は重くなるのだという。(脳の重さをどうして測るのか知りたいがこの本には書いてなかった)実際に神経細胞の密度が15歳、20歳並の人が確認されている。さすがに生きている人の脳を調べることはできないので、たまたま事故でなくなった人のものなんだそうだけど。

 作家の村上龍が「26、27歳の『コインロッカー・バイビーズ』の頃がピークだと感じたけれども、メタファーが頭に浮かんで、それを文章にしていくときの演算速度がすごくはやかったんですね。コンピュータに喩えると、ハードディスク(知識量)はそれほど大きくないけれども、メモリー搭載量は大きいというか。文章が浮かんでくる速度が全然違う。年をとるにしたがって、ハードディスクは大きくなるけれども、メモリーは磨り減ってくる。」と語っているのはこのことと大いに関係があると思う。


 さて、この説を我が趣味の世界の囲碁に当てはめて考えてみた。
 「結晶性知能」かどうか分からないけれど、経験的に囲碁の技能などもそういう能力によっている部分があるような気がする。アマチュアの県代表クラスの打ち手には、70歳を越えても、相当高い棋力を維持されている人が大勢いらっしゃる。計算力(読みの力)が若いときと同じとは行かないだろうが、形勢判断や今までの経験による総合力で戦う力を維持されているのだろうと推察している。
 翔年の場合、退職後5年の間、サラリーマン時代より熱心に囲碁をやった。それかあらぬか、最近ちょっと棋力が充実してきたような気がしている。記憶力や読みに頼るだけでなく、「結晶性知能」が強化されているのだとしたら、これほどうれしいことはことはない。

 最近、脳を鍛えると称して、年老いてから、単純な計算や漢字のテストなどをゲーム機を用いてやってている人達がいるが、翔年に言わせれば、そういうのは若い時期にやるべき訓練のように思う。

 みなさん、『老いては碁にしたまえ!
 うまくいけば、神経細胞が豊かになります。
  
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