October 15, 2004

タックスイーター(5) 役所の形式主義

仕事が遅い、効率が悪い、サービスが悪いのが「お役所仕事」といわれている。これらは心がけの悪い役所勤めの人たちがタックスイーターである姿です。ところがこれとは全然別のタックスイーターがいる。これをサービスと言えるかどうか分りませんが、住民の立場にたって、やさしく書類の書き方を教えてくれたり、書く内容にまで立入って指導してくれたりする役所の方がいらっしゃる。

例えばあなたが子供会活動とか地域の何らかの活動の幹事さんになって、役所に補助金か何かの申請に行ったとしましょう。窓口の親切なその方のいうとおりに書くと補助金が簡単に貰えたりします。
「こんな活動をなさったら、この他にもこんな補助がでますよ」といわれて、出来もしない活動計画を書いたとしても、「後でこのような報告書を出していただければ大丈夫ですよ」と励まされて、形だけの活動報告を出したら、打ちでの小槌じゃないけれど、結構な補助金が今まで以上にもらえた経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

生活保護を受ける時には、よく知りませんが、預貯金とか自宅で使っている道具類等も詳細に記載して、生活の困窮状態を説明しなければならないそうです。親切なお役所の方は貯金は何万円以下、冷蔵庫は持っていても書類に書かない方がベターとか教えてくれるとか。

翔年は非常に小さなお役所の親切を書きましたが、これらは悪い「お役所の形式主義、書類主義」です。書類の形さえ整えれば嘘でも何でもOKなのです。形が整ってさえいれば実態がどうであれ、書類審査した者は責任を問われることはありません。上の例でも、冷蔵庫がある家庭には生活保護は出せないと決められているから、冷蔵庫は書かないようにと指導してくれるのです。この手口は役所の内外を問わず、形式主義のある所、どこででも使われています。

補助金を得た住民には喜んでもらえる、役所の予算は消化できる、役人は書類を審査したり、窓口指導したりと忙しく働いて、上司からも「アイツはよくできる」と評価されるのです。みんなハッピーです。そのかわり税金はたくさんいります。それで翌年はもっと大きな予算を組まなければなりません。そのためには中央官庁に陳情に行かねばなりません。中央官僚に顔の聴く国会の先生にお願いしなければなりません。先生の口利で中央の役人と一席設けて、自分の市が如何に住民サービスのための予算が必要かを聞いてもらう。勿論、手ぶらと言うわけにいきませんから、飲み食い代金、交通費、先生へのお礼等は役所の必要経費のアッチコッチの端に「書類上問題がないように」うまく書くのは勿論です。(先生へのお礼の最大のものは何と言っても選挙の時の違法な役所ぐるみの選挙応援です。

このようにして、次年度はやり方を覚えた住民はやってもいない活動を作文しては補助金を貰うようになります。官僚、議員の他に住民というタックスイーターがまた一匹増えると言うわけです。
かくして、政界、業界、官界、地域住民のどこにも、タックスイーターは凄い繁殖力で増え続けるのです。

白状しますが翔年もある活動でタックスイーターになったことがあります。Aさんから「下剤を考えろ」と言われてますが、タックスイーターに効く下剤を考えたら、最初に腹をくだすのは自分かも知れません。

次回はタックスイーター退治を皆さんと考えていきたいと思います。




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