September 06, 2004

人生のセイムスケール

玉川和正氏によれば『建築の世界では、新しい建物を計画する際、よく知られた古今東西の建物の平面図や立面図を同じサイズ、スケール(縮尺)で並べて空間の大きさや高さ、そしてコンセプトを比較するセイム スケールというプレゼンテーションの方法がある』そうだ。このような空間の比較からの類推であろうか、氏は人生の時間(人の生涯)の長さで「人生のセイムスケール』をという発想をされたという。
art random - 人生のセイムスケール


それで『古今東西・老若男女の「存在と精神の系譜」を編年体でも、アイウエオ順でも、概念別でも、分野別でも、地域別でもなく、かといって恣意的な序列や順序、ランキング形式でもない、この世に存在した生涯日数のみで再配置してみるというもの。それにによって絶対的歴史年やジャンルの枠を飛び越える』という信念のもとに、全くの個人で世界の人物を生涯日数で1500人が配列されている。これは偉人伝ではないので、忠犬ハチ公とかトキのキンとかサルの次郎も取上げられているので面白い。
最も短い人生は加藤秋雪(6年2ヶ月)というダウン症の男の子だ。続いて平家一門と共に壇ノ浦の海の藻屑となった安徳天皇(6年4ヶ月)と続く。

最後のページをかざるのは何と大漢和辞典の編纂者として高名な諸橋轍次先生(99年6ヶ月)と小説家の野上弥(彌)生子(99年10ヶ月)だ。諸橋先生は大修館書店刊の「論語の講義」とう名著で翔年は大変お世話になっている。先生のご長命には正直、驚いた。

このスケールはこんな見方もできる。例えば翔年は今63歳だ。63歳の所を見ると、数学者のフェルマー、電気磁気学のギルバート、それに天文学のハッブルが上っている。もし、今年死んだらこの人たちとシンクロする。
来年ならビッグバンのガモフや人智学のシュタイナーがいるから、ここも魅力があるなぁ。これから先が楽しみだ。

このセイムスケールを見ていると改めて時の流れの無限性を悟らされる。悟った人は何歳であろうと、長く生きることを目指すのではなく、より充実した人生を目指すのではないだろうか。

辞世の歌を二つどうぞ。

ついに行く道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思わざりしを    
在原業平

友みなのいのちはすでにほろびたりわれの生くるは火中の蓮華    川端康成

火中の蓮華=ありうべからざること。仏教用語。



最後のページを見誤りました。
正しくは116年1ヶ月と15日生涯の
本郷かまと(Kamato Hongou)さんでした。
あんまり長命なのでついうっかりと見逃していました。
この記録はなかなか破られないのではないでしょうか?

この記事へのコメント
たま 様
 
吉田松陰先生のことでしたら、何とかなるのではないかと調べてみました。他の読者の方にも先生のことは知っていただきたいと思って項を改めて、本日のエントリー記事にしました。生没年が二つある謎は解けたと思います。後は、たま様のご判断におまかせします。
Posted by ユリウス at September 27, 2004 16:25
ユリウスさん教えて下さい。
長年、吉田松陰の生没年月日が特定できず困っていました。
「29年1ヶ月と5日の生涯」となっておりますが、生年月日と没年月日を教えて下さいませ。
「かくすればかくなるものと知りながら巳(ヤ)むに巳まれぬ大和魂」吉田松陰
「ついに行く道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思わざりしを」在原業平
「友みなのいのちはすでにほろびたりわれの生くるは火中の蓮華」川端康成
もそれぞれ「人生のセイムスケール」に納めさせていただきました。ご了承下さい。


Posted by たま at September 27, 2004 07:08
玉川和正 様
私のことまで書いていただいて恐縮しております。
あなたのライフワークのお手伝いができてうれしく思っています。
Posted by ユリウス at September 17, 2004 11:11
おはようございます。今朝、ユリウスさんから情報を頂いた古屋信子(077)を更新しました。いままで生没年不明群に入っていましたが、しかるべき場所に安置できました。ユリウスさん本当にありがとうございました。ご高覧下さい。
明日は、ユリウスさんからリクエストいただいた神谷美恵子さんをお届けします。
Posted by 玉川和正 at September 17, 2004 06:31
玉川和正 様

登場人物が1500人を突破ですね。素晴らしいです。
「人生のセイムスケール」の楽しみ方を考えていきたいと思っています。
さて、昨日、神谷美恵子さんの年譜と吉屋信子さんの略歴はBBSで送らせてもらいました。
よろしくお願いします。
Posted by ユリウス at September 17, 2004 01:10
情報提供・リクエストありがとうございます。励みになります。
古屋信子について私はよく存じ上げませんので略歴もわかりましたら教えて下さい。
お手数ですがBBSにてお願いいたします。
神谷美江子さんも近々ぜひ登場していただきます。
ちなみに今朝、登場人物が1500人になりました。
Posted by 玉川和正 at September 16, 2004 06:38
玉川和正 様

こちらこそありがとうございます。「人生のセイムスケール」は思わぬ発見があるので大変楽しく、これからも活用させていただきます。年をとるのが楽しくなります。
最後のページのハバ・レジャと老子は信憑性でどうかと感じたもので、勝手に116歳の本郷かまとさんと書かせていただきました。他意はございませんので悪しからず。それからついでにと言っては大変失礼ですが、二つお願いがあります。

1 吉屋信子さんが生年不詳になっていますね。
私の知っている情報(主として田辺聖子さんの「ゆめはるか吉屋信子」)では
吉屋信子の生年:明治29年(1896年)1月12日
死亡年月:昭和48年7月11日午前11時10分 鎌倉の惠風園胃腸病院にて死去
死因:直腸癌と発表された。
戒名:紫雲院香誉信子大姉
薫三等瑞宝章受賞
です。
よろしければ、彼女をセイムスケールのしかるべきところに入れていただきたいです。あっ、それからアイウエオ検索にも入れていただくよう、よろしくお願いします。

2 私のエントリーのJune 17の後半に紹介した「神谷美恵子」さんは是非人生のセイムスケールに入れていただきたい方と思っております。この方のことはまとめてBBSでお願いした方がいいですね。
Posted by ユリウス at September 12, 2004 14:49
「人生のセイムスケール」を取り上げてくださってありがとうございます。
これからもときどき立ちよってください。bbsにて新登場人物を毎朝お届けしています。
御意見・感想・リクエスト・新たな情報などなどbbsにて送っていただけたら幸いです。
ちなみに、最後のページは、123年?の生涯 ハバ・レジャと125歳とされている老子です。ではでは-----。
Posted by 玉川和正 at September 11, 2004 07:02
高野 様

刻を忘れて遊び呆けるのが三昧境。
わが「いきいき塾」も時計は外してあります。
よく似たことを考えつくもんですなぁ。


かくすればかくなるものと知りながら巳(ヤ)むに巳まれぬ大和魂

と詠み、安政の大獄で刑死した吉田松蔭先生は29年1ヶ月と5日の生涯。
先生からは人生の長さや結果(成果)を超えた魂の燃焼があることを
教えていただきました。


Posted by ユリウス at September 08, 2004 11:23
 私は20歳の頃から人生1万日として考えていた。「今から30年間を1万日とすれば、1m差しの、目に見える1个10日間に当たる。僅かこの1週間でこの1个消え去った。」そう思ったとき、焦燥感に駆られていた。
 やがて、時間を超えて考えるように至ったとき、時計の秒針、分針を外してしまった。
 悠々の境地は「時間よ、ざま見やがれ!」と気分が良かったものだ。

 今日、人生の時間(人の生涯)の長さで「人生のセイムスケール』をという発想に接したとき、何か謎を解かれたような爽やかかな気分になっていた。
 
今からは 1个1日かも知れない。もっと長いかも、短いかも・・それはアングルの違い、Same scale が永遠の謎「刻」を解決してくれている。

     高野圭介記
 

Posted by 高野圭介 at September 08, 2004 09:18