November 25, 2016

「サピエンス全史(上)、(下)」 -独創的なズシリと重い本-

 いやぁ、今年一番の収穫になりそうな素晴らしい本に出会いました。
 
タイトルは   「サピエンス全史(上、下)」  "Sapiens"  

サブタイトルは 「文明の構造と人類の幸福」 "A brief History of Humankind"  

作者は    ユバル・ノア・ハラリ     Yuval Noah Harari

翻訳者は   柴田裕之
 河出書房新社(2016/9/30初版発行、1,900円×2)


サピエンス全史001
 
 上巻の「目次」のすぐ後に、こんな「歴史年表」が何の説明もなく示されます。今まで、こんな歴史年表は見たことがありません。(笑) なんと興味深い年表でしょう。

135億年前  物質とエネルギーが現れる。物理現象の始まり。
        原子と分子が現れる。化学現象の始まり。
45億年前   地球という惑星が形成される。
38億年前   有機体(生物)が出現する。生物学的現象の始まり。

600万年前  ヒトとチンバンジーの最後の共通の祖先。
250万年前  アフリカでホモ(ヒト)属が進化する。最初の石器。
200万年前  人類がアフリカ大陸からユーラシア大陸へ広がる。
          異なる人類種が進化する。
50万年前   ヨーロッパと中東でネアンデルタール人が進化する。

30万年前   火が日常的に使われるようになる。
20万年前   東アフリカでホモ・サピエンスが進化する。

7万年前   認知革命がおこる。虚構の言語が出現する。
        歴史的現象のはじまり。ホモ・サピエンスがアフリカ大陸の外へ広がる。
4万5000年前   ホモ・サピエンスがオーストラリア大陸に住みつく。
        オーストラリアの大型動物が絶滅する。
        ホモ・サピエンスが唯一生き残っている人類種となる。
3万年前    ネアンデルタール人が絶滅する。
1万6000年前  ホモ・サピエンスがアメリカ大陸に住みつく。
        アメリカ大陸の大型動物相が絶滅する。
1万3000年前  ホモ・フローレシェンシスが絶滅する。
        ホモ・サピエンスが唯一生き残っている人類種となる。

1万2000年前   農業革命が起こる。植物の栽培化と動物の家畜化。永続的な定住。
5000年前   最初の王国、書記体形、貨幣。多神教。
4250年前   最初の帝国--サルゴンのアッカド帝国。

2500年前   硬貨の発明--普遍的な貨幣。
          ペルシャ帝国--「全人類のため」の普遍的な政治的秩序。
        インド仏教--「衆生を苦しみから解放するため」の普遍的な真理。
2000年前  中国の漢帝国。地中海のローマ帝国。キリスト教。
1400年前  イスラム教。
500年前  科学革命が起こる。
        人類は自らの無知を認め、空前の力を獲得し始める。
        ヨーロッパ人がアメリカ大陸と各海洋を征服し始める。
        地球全体が単一の歴史的領域となる。
        資本主義が台頭する。
200年前  家族とコミュニティが国家と市場にとって代わられる。
        動植物の大規模な絶滅が起こる。

今日  人類が地球という惑星の境界を超越する。
      核兵器が人類の生存を脅かす。
    生物が自然選択でなく知的設計によって形作られることが多くなる。

未来  知的設計が生命の基本原理となるか?
      ホモ・サピエンスが超人たちに」取って代わられるか?




 さて、前後しましたが「目次」には以下のような独創的な項目がずらずらっと並んでいます。目をくぎ付けにされますね。

第1部 認知革命
 第1章 唯一生き延びた人類種 → サピエンスです

 第2章 虚構が協力を可能にした → 見知らぬ人どうしの協力

 第3章 狩猟採集民の豊かな暮らし → 原初の豊かな社会

 第4章 史上最も危険な種 → サピエンスはあらゆる生物のうちで最も多くの動植物種を絶滅に追い込んでいる。「私たちの祖先は自然と調和して暮らしていたと主張する環境保護運動家を信じてはならない。」とは著者の主張です。


第2部 農業革命
 第5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇 >→食料の総量は増やしたが、
より良い食生活や、より長い余暇には結びつかなかった。むしろ人口爆発と飽食のエリート層の誕生につながった。
 ホモ・サピエンスの身体はリンゴの木に登ったり、ガゼルを追いかけたりするように適応していたが、石を取り除いたり、水桶を運んだりする農作業に向いていなかった。人類の脊椎や膝、首、土踏まずにそのつけが回された。古代の骨格を調べると、農耕への移行のせいで、椎間板ヘルニアや関節炎、ヘルニアといった多くの疾患がもたらされたことが解る。そうだったのか、目からウロコです。
 
 第6章 神話による社会の拡大

 第7章 書記体系の発明 >→ 文字と数字をデータとして記録する。

 第8章 想像上のヒエラルキーと差別

第3部 人類の統一
 第9章 統一へ向かう世界 → 歴史に方向性があることを示唆している。

 第10章 最強の征服者、貨幣

 第11章 グローバル化を進める帝国のビジョン → 多くの人が特定の民族や国籍の人としてではなく、人権を擁護して全人類の利益を守ることが政治の指針であるべきと考えるようになってきた。どのような独立国であれ、地球温暖化を単独で克服できない。しかし、現時点の世界は政治的にバラバラ。

 アメリカ次期大統領のトランプ氏の政策は、アメリカ一国の繁栄を目指すものが多いが、地球規模の歴史的視点の欠如、理想主義の欠如が感じられます。

 明らかに大きな歴史の流れに反しているように見えます。
 


常識を覆されたり、新しい物事の見方を教えられた箇所を矢印(→)でちょっと補足説明しました。この本で示されたように、ホモサピエンスはもっともっと視野をもっと広げてグローバルな視点で、地球文明を考える時期に来ているのではないでしょうか?


サピエンス全史002


 現在、下巻の50ページあたりを読んでいます。読了したら、またこの続きを少し書き足したいと思ってます。


 この本をある友人に見せながら、「もうすぐ読み終わるので、お貸ししましょうか?」と言ったら、「いいえ、今日帰りに買いますから」という力強い返事でした。(笑)

 また、「もの言う翔年」の読者のお一人、あるBloggerさんは「教団X」を読まれた読後感の後に、「 また、ズシンとくる本、教えてください。」と書いておられた。これをお勧めしたい。







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