March 03, 2014

アジアのリーダーを間近に見れば… - 習主席、朴大統領、安倍首相 -

 このところ、日本海は波が高い。それは大陸方面から暴風が吹いてくるから。尖閣諸島(釣魚島)、竹島(独島)、安倍首相の靖国参拝などに象徴されているように、領土問題から第二次世界大戦後の精神のあり方にまで、問題はますます拡大され、現代の三人のリーダーではどうにも収拾がつかない様相を呈してきている。

 翔年はこの問題に物申すにあたり、とりあえず3人のリーダーを身近によく見たいと思いました。見る視点は、まず政権を勝ち取るまでの経緯と、国際的な政権評価にしました。



-習近平主席
習近平主席(1953年1月生れ):
 中国共産党の第4世代の最高指導者であった胡錦濤の後任として、2012年より第5代中国共産党中央委員会総書記、第6代中国共産党中央軍事委員会主席、2013年より第7代中華人民共和国主席、第4代中華人民共和国中央軍事委員会主席を務め、中華人民共和国の最高指導者の地位にある。
 若い時の経歴は父・習仲勲が批判された文化大革命において反動学生とされ、1969年から7年間、陝西省延川県に下放された。1974年に中国共産党に入党、下放された同地で生産大隊の党支部書記を務めている。1975年に国家重点大学の清華大学化学工程部に入学。1979年に大学卒業後は、順調に権力の階段を上がったように見えます。
→ 文化大革命で大変苦労したことが想像できる。74年に共産党に入党を決断して、自らの人生を切り開いたのではないでしょうか?

中国への国際的評価の一端:
(1) 今月欧州4カ国を訪問する際、ベルリンの「ホロコースト記念碑」見学と献花を希望したところ、ドイツから拒絶された。(香港『明報』、2月25日)
→ 日本のメディアは報じないから、詳しいことは分りませんが、ドイツは「反日キャンペーンに利用される」として拒否したらしい。
 例えて言えば、訪問客が来て先祖の仏壇の前で手を合わせてくれたはいいが、ついでにその場で昔の親しい友人の悪口を言うような礼をわきまえぬ振る舞いをする人物として、ドイツ人から嫌われたようです。日本人なら、ひとの家で共通の知人の悪口を口汚く言うなどという非礼はしないでしょう。
(2) ちょっと旧聞に属しますが、スペインは裁判所命令で江沢民元国家主席に、法輪功弾圧、臓器摘出強制の容疑で「逮捕状」をだしています。
(3) スペインは胡錦涛前主席に対しても「チベット人虐殺」容疑で取り調べを行うと発表しています。
(4) フランスは天安門事件では人権侵害を楯に戦闘的に中国を弾劾しました。
→ ドイツ、スペイン、フランスなどヨーロッパ諸国の価値観は我々日本人も共感できるのではないでしょうか。勿論、独裁政治の中国の主席は価値観が全く違うので、尊敬の対象にはなりえません。



パク・クネ韓国大統領
朴 槿惠(1952年2月生れ):
 保守のハンナラ党代表、セヌリ党非常対策委員会委員長を経て、2012年韓国大統領選挙で、2013年2月25日に韓国史上初の女性の第18代大統領に就任。
 1998年に行われた国会議員補欠選挙(大邱広域市達城郡)に当選し政界入りし、ハンナラ党副総裁など党要職を歴任。
 2004年3月23日、韓国では39年ぶりの女性党首としてハンナラ党の代表に就任した。同年4年の総選挙でも達城郡の選挙区から当選。この選挙では大統領弾劾を可決したハンナラ党に対する国民の批判が集まり惨敗が予想されていたが、朴槿恵の知名度と人気で惜敗に食い止め「ハンナラ党のジャンヌ・ダルク」と呼ばれた。
 第5代〜第9代大統領である朴正煕(パク・チョンヒ)と陸英修(ユク・ヨンス)の長女として生まれ、高校卒業後、西江大学電子工学科に進学した。大学では中国語も専攻している。首席で卒業後、フランスのグルノーブル大学に留学。留学中の1974年8月15日に文世光事件が発生し、母親の陸英修が暗殺された。急遽留学先のフランスから帰国し、父のファーストレディー役を務めた。そして5年後、またしても彼女を悲劇が襲う。1979年、朴正煕暗殺事件で父は金載圭(キム・ジェギュ)KCIA長官に暗殺されてしまう。言語に絶する人生ですね。

国内の評価
(1) 昨年7月の朴大統領の国政運営に対する国民の支持率は63%)に達している。
→ 国民の高支持率は日本に対する強硬な発言が寄与しているように、翔年には見えます。あまり日本たたきにいつまでも頼っていると、韓国の経済が上手くいかなくなったときに、足元が危うくなる心配があると見ています。

国際的な評価の一端
(1) 朴大統領は玄副首相を主要国首脳会議などの国際会議に積極的に参加させて、アベノミクス大批判を行いました。これは円高ウォン安の維持を目論んだご都合理論と見破られたようでした。
 → だからでしょうか、ほとんどの会議出席国の賛同は得られなかったのでした。公式な国際会議の場で、このような我田引水型の理屈の表明は無視される運命にありますね。勿論、尊敬の対象にはなれません。
国際評価と国内評価は必ずしも一致しないので、「ハンナラ党のジャンヌ・ダルク」が「韓国のジャンヌダルク」と呼ばれるようになるか、見守っていきましょう。



安部総理
 スミマセン。我が国の安倍首相のことを書くスペースと時間がなくなりました。


 私事ですが、明朝、関空からスペイン旅行に発ちますので、続きは後日(12日以降)とさせていただきます。

 唯、一つだけ、翔年は中国人と韓国人だけでなく、世界に対して日本人としてどうしても恥ずかしいと思っていることがあります。
 それは我が国は「東京裁判」で戦勝国の裁きを(やむなく)受け入れはしましたが、日本人自らが自国の戦争責任者を裁かずに済ませてしまったことです。ようするに敗戦で呆然としてしまって、正面から戦争責任問題を正視することなく、「きれいに水に流して」追及をしないまま、国の再興に国民一丸となって走り出してしまったことです。
 このような過ぎ去った過ちを「水に流す」、「あいまいなままにしておく」、「とことん考えない」、という、大阪弁で言えば「まぁ、ええやおまへんか」というような、日本の文化特性が国際社会ではなかなか受け入れられないので、今後も茨の道は覚悟しておく必要がありますね。このことについては、いずれキチンと自分の考えを申し上げたいと思っています。
 



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