February 26, 2014

ドイツ政府、毅然とした態度を示す -対中国(習近平の見学拒否)


 ベルリンのブランデンブルク門近くに「ホロコースト記念碑(Denkmal fur die ermordeten Juden Europas、虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑)がある。
ホロコースト記念館


 中国の習近平主席は、三月下旬にドイツ、フランス、オランダ、ベルギーの四カ国を訪問する予定である。そのついでというか、これさいわいにと言うべきか、歴史を正しく直視する(笑)という宣伝に忙しい集金兵(いや間違いました)習近平が、ベルリンの「ホロコースト記念碑」見学を希望したところ、ドイツ政府が拒絶したという情報がある。この情報は「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成26年2月26日(水曜日)通巻第4161号で教えてもらいました。情報源は香港『明報』、2月25日だそうです。

 それによると、醜近平(すみません、変換ソフトの調子が悪くて)がこの記念碑に献花を申し出たところ、ドイツは「反日キャンペーンに利用される」として拒否したというのです。

 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」のその部分を引用させてもらいます。

「明らかにこの訪問を利用して日本非難の政治利用をする目的があり、政治的にいかがなものか。中国は『ドイツは戦争の謝罪と補償を済ませたが、日本は謝罪していない』ことを世界に向けて効果的に宣伝につかう懼れが強いため、他方で日本との関係を重視するドイツ側が断固拒絶している」とドイツ情報筋の話として前掲の香港紙『明報』が伝えた。 

 
 読者のみなさん、この情報に接してどのような感想をお持ちになりましたでしょうか?


 翔年はこのようなドイツ政府の中国に対する毅然とした態度に、感謝の気持ちと信頼感が湧くと共に、ドイツ政府に尊敬の念すら抱きました。
 さらに、このようなニュースを伝えた「香港のウオールストリートジャーナル」とまで言われるクオリティ紙『明報』にも、同様の気持ちを持ちました。(紙面は中立的で決して北京よりではないそうです)

 このような気持ちは、何も我が国の窮状を擁護してくれたからだけではありません。ドイツ政府は中国当局から「ドイツは深刻な謝罪と誠意ある補償をしたが、日本は安倍首相が靖国参拝をしているようにドイツに比較すると謝罪は軽く誠意がない」と煽てられているまさにその時に、醜近平の献花を拒否するという、大所高所からの判断をしたからです。
 ドイツはユーロ安に乗じて、近年中国との経済的結びつきを強めてきましたから、この決断にはかなりの経済的リスクがあるにも拘わらず、ドイツ国内でキチンと議論をして判断したのは高く評価したいと思います。


 蛇足かも知れませんが、ドイツ(をはじめヨーロッパ諸国)では中国の人権侵害への批判が強い。でもこれまで経済的リスクを勘案してか、メルケル首相は対中国の人権侵害批判を弱めていました。でもそういう態度では、理屈っぽいドイツ国民の支持を得られないのかも。

 我々日本人もそういうドイツ国民の大人の態度を学びたいと思います。
 
 このニュースどおり、醜近平は記念碑に献花ができず、日本誹謗の宣伝ができなかったら、喜ばしいことです。面子を大事にする醜近平のこれに対するリアクションにも注目したいと思います。人物の器の大きさが分るチャンスの一つにはなるでしょう。
 それにしても、我が国の新聞を始めとするメディアは、このニュースを報じませんね。情報に対する感度が鈍いのでしょうか? ガセネタかどうか、吟味しているのでしょうか? 


日本人、杉浦千畝のビザ発給によりユダヤ人6000人が助かった美談

ユダヤ人を救った杉原千畝の手書きのTRANSIT VISA
杉原手書きのビザ

(1) リトアニアのカウナス領事館に赴任していた外交官、杉原は、ナチス・ドイツの迫害によりポーランド等欧州各地から逃れてきた難民たちの窮状に同情。外務省からの訓令に反して、大量のビザ(通過査証)を発給し、およそ6,000人にのぼる避難民を救った。

(2) 1998年当時の宗教大臣バルハフティクのインタビュー(1998/5/25)
実際には、日本政府の許可なしであったことを私たちが知ったのは、1969年に杉原氏とイスラエルで再会した時である。杉原氏が訓命に背いてまで、ビザを出し続けてくれたなんてことは、再会するまで考えられなかったので、とても驚いたことを覚えている。杉原氏の免官は疑問である。日本政府がすばらしい方に対して何もしていないことに疑問を感じる。賞を出していないのはおかしい。表彰していないのは残念である。杉原氏を支持している方は多くいるが、私は20年前から、日本政府は正式な形で杉原氏の名誉を回復すべきだといっている。しかし日本政府は何もしていない。大変残念なことである。-エルサレム郊外でのインタビュー-


 大戦中に、こういう日本人がいたことを我々は誇りに思います。この歴史事実から学ぶことは多いのではないでしょうか? 
 歴史に学ぶ事は大切ですが、「これが正しい歴史認識」と声高に叫ぶ政治家達は、何か他の目的があるのでしょう? さもなくば歴史を前にして、謙虚さの欠如がはなはだしいですね。
 



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