July 07, 2013

米国の囲碁撮影チームが京都へ -The Surrounding Game-

 3日(水)の夜遅く、米国の囲碁映画製作チームの三人(Will,Cole,Colin)をJR高槻駅へ迎えた。その日、彼らは関西棋院で結城十段のインタビューを終えてから、東大阪市にある大阪商大の宿泊研修施設(TTSセンター)にとって帰り、荷造りし、大きな荷物を担いで予定より大幅に遅れて高槻に到着した。

映画製作の目的
 このチームはアジアで生まれた囲碁の不思議な面白さと素晴らしさとを、映画にして世界中の人達に知ってもらおうと言う壮大な計画jを持っているのだ。既に昨年、中国と韓国での取材と撮影は終えており、先月中旬に日本にやってきた。東京で取材をした後、井山裕太五冠のインタビューや関西棋院の見学取材等、大阪の仕事を済ませ、4日(木)はこれぞ日本といえるような日本らしい映像を求めて京都の寺社を巡りたいという希望だった。
映画のタイトルは"The Surrounding Game" と名づけられています。

 翔年は米国、ニューヨーク在住のMr. Peter Almenia(いきいき塾に来たことあり)から、京都でサポートしてくれと頼まれていた。彼らとはメールで3日、4日のいきいき塾の宿泊と京都市内を車で案内することを決めただけで全くの初対面だったが、とりあえず東山仁王門の寂光寺に電話をいれて映画撮影の了解を取っておいた。

寂光寺の本堂
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「寂光寺」はこんなお寺
 顕本法華宗の本山。顕本法華宗(けんぽんほっけしゅう)は、日蓮を宗祖とし、日什を派祖とする、法華宗系の宗派。
名僧・日海を輩出し法華宗の発展に大きく寄与。日海は当時碁技に優れ敵手がおらず、織田信長から名人と称揚された。日海は塔頭の本因坊に住んでいたことから、後に「本因坊算砂」と号した。この寺は本因坊算砂、本因坊算悦、本因坊道悦、本因坊道策の墓所でもある。


本因坊の墓所
本因坊の墓所

翔年はこのお寺のオープンな大きな心に非常な感銘を受けました。
(1) 車は仁王門からすっと入れて、境内の空いているスペースに自由に駐車できる。無料で何の規制もなし。勿論拝観料も不要。
(2) 境内は勿論、屋内のどこも自由に撮影が許された。三脚の使用も許された。読者よ、京都にこんなお寺が今でもあるのです。大抵の観光寺はカメラの三脚使用禁止、屋内の撮影は禁止など、禁止、禁止、禁止の規制だらけなのに。
(3) 寺宝
 ・ 法華経8巻  
 ・ 竹雁図 
 ・ 四季図屏風
 ・ 初代算砂日海上人肖像画
 ・ 囲碁狂歌
 ・ 近衛関白公拝領碁盤
 ・ 碁器



好きなところで自由に納得がいくまで撮影
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撮影チームの大満足顔     Photo by 大川副住職
撮影チーム寂光寺にて 
もてなしの心に感服。
A  住職と副住職の大川氏が境内や屋内の寺宝を説明していただいた。英文のパンフレットがないので、古い英文の説明文をあらかじめコピーして用意していただいていた。
B 昨年の本因坊戦7番勝負第一局の対局場がそのままの状態で保存されていた。撮影チームはなにやらイメージが浮かんだらしい。そしてあろうことか、僧衣の住職と作務衣の副住職に碁盤の前に座ることをお願いしたのだ。さすが、オープンマインドの寂光寺、なんのこだわりもなく、お二人はごく自然に突然の俳優の役をサラリとこなされたのでした。それも同じ動作を2回も3回も、ギャラ無しで。(笑) 
C 写真の満足顔がよい映像が撮れたなによりの証でしょう。



彼らの選んだ京都の名所   
 あらかじめ英語版Wikipediaから平安神宮、京都御所、銀閣寺、詩仙堂、三千院、三十三間堂、金閣寺、竜安寺等をプリントアウトしておいて、彼らに何処に行きたいか聞きながら3箇所選ばせたところ、三千院、詩仙堂、金閣寺と決まった。

苔むした緑のジュータンの三千院の庭
苔むした三千院の庭
A 三千院は彼らのイメージにピッタリだったらしい。大変喜んで土砂降りの雨の中、身体もカメラも濡れるのを厭わず、撮影に没頭した。彼らのイメージとは緑豊かな自然、その中の寺院の建築物と庭園にあるらしかった。大原の里とコケに覆われた三千院の庭を激賞していた。
 ただし、ここは屋内の撮影は禁止、屋外も三脚の使用は固く禁じられた。手撮りのみ許可なので、重い撮影用の三脚等の機材は運び込んだものの無用の長物となった。雨の中、観光客もまばら、三脚を使っても他の観光客の通行に邪魔になるなることもないのに、杓子定規のダメ一点張りだった。


B 詩仙堂は時間の関係で残念ながら割愛しました。


C 金閣寺
16時30分から17時までの30分しか時間が取れなかった。ここでも映写用の三脚を持っていたので、くどいほど使用の禁止を要請された。翔年が不満そうな顔をすると、世界遺産の所はどこでも三脚の使用禁止は常識だと高圧的な説教をされた。お寺の境内で起こることは全てお寺の姿勢であり、寺のトップの責任であると思う。金閣寺も三千院も観光客の管理にはたいそう熱心だが、もてなしの心は微塵も感じ取れなかった。
坊さんは庶民に金のかからない「顔施」を説く、「愛語」を説く。しかし、自分達の境内がこのありさまではどうだろうか、足元に顔施も愛語の心も絶無ではないか。


仏教の言う「無財の七施」をおさらい
(1) 慈眼施(ジゲンセ): 優しいまなざしで人に接する。
(2) 和顔施(ワガンセ): にこやかな顔で接する。
(3) 愛語施(アイゴセ)、言辞施(ゴンジセ): やさしい言葉で接する。
(4) 身施(シンセ)、捨身施(シャシンセ): 自分の身体でできることを奉仕する。
(5) 心施(シンセ)、心慮施(シンリョセ): 他のために心を配る。
(6) 床座施(ショウザセ): 席や場所を譲る。
(7) 房舎施(ボウジャセ): 自分の家を提供する。
我々は寂光寺さんで七施を全ていただきました。感謝してもし過ぎることはありません。
撮影チームにこの仏教の教えを伝えられなかったのは返す返すも残念でした。(彼らはきょう離日した)英語の上手い表現を探しておかなければならない。後でメールで伝えなければいけない。


彼らの言動から感じたこと
 若いアメリカ人は仏教の知識は乏しかったので、仏像にはあまり関心がないようでした。
 反対に、緑の豊かな日本というイメージを抱いており、大原の里、三千院の庭、南丹市八木町の「いきいき塾」から京都に向かう京都縦貫道からの景色やいきいき塾から高槻へ至る山越えの道中の山里の景色は彼らの芸術心をそそるらしく、何度も車を停めては撮影していました。
 また、木と紙と土でできた日本の古い伝統的な建物にも強い関心を示していました。彼らの国の歴史が200年余だから、余計に古い良きものに価値を見出しているように見えました。



The surrounding Gameの彼らのウエッブサイトはここです。 活動資金の援助を募っています。


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