December 17, 2012

自民党の圧勝 - 新政権に望むこと

選挙結果(Web刊、日経新聞より)
選挙結果 

 第46回衆議院選挙は、自民党の圧勝(119→294)、民主党の惨敗(230→57)、新しい第3極(維新11→54、みんな8→18))の芽がでて終わりました。

 選挙とはつくづく消去法で選ぶものなんだと実感しましたね。自民党が魅力溢れた党に再生したとは思いませんが、民主党には入れたくない人が多かったのではないでしょうか。
 翔年は「脱原発」や「卒原発」を呪文のように唱える一派がそれほど躍進しなかったことに安堵しています。原発に依存するにせよ、依存しないにせよ、2,3年かけて長期のエネルギー政策のシュミレーションを行い、次期政権には国民に将来のわが国の姿をキチンと示した上で判断を下すよう求めたいと手思っています。

「エネルギー政策」
 話が飛びますが、マイクロソフトの創業者にして、「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」のオーナー、ビルゲイツ氏は原子力について、日本人に向かってこう語っています。(WiLL紙より)
「エネルギーとはまさに全ての人間活動の中枢に位置しているものであると考えています。財団の仕事や貧困層(の生活改善)に専念するようになって、私は技術革新によって彼等の生活を改善できる可能性に注目するようになりました。」
「新しいイノベーション(技術革新)を展開させていくには実際のところ、非常に長い時間が必要となることを考慮すると、イノベーター(革新者)に対するインセンティブ(刺激)により、新しい取り組みに十分な財源を供給することが難しくなる事態もよく起こります。」
「原子力分野における試みに関しては、設計の革新的改良のレベルは、期待されるほど早いペースでは進展し得ない。」
「私がはっきりと認識しているのは、原子力にはとてつもない可能性があるということです。」
「私は将来の原子炉は、米国は勿論、フランス、日本、さらにインドや中国やその他、多数の先進国の技術を融合して設計されるようになると考えています。」


 エネルギーに関して、グローバルな視点、技術の進歩、貧困層の生活改善にまで目配りし言及しているのはさすがと敬服します。
 翔年は「知性なき安全至上主義」は嫌いです。物には両面があるからです。メリット、デメリットの比較考量がなければ、ただの夢物語かそれこそ神話にすぎませんから。


「経済政策」と「年金・医療改革」
 デフレ脱却のための経済政策は大切です。これは難問で翔年には正解が見えません。安倍自民党総裁の言う金融政策で上手くいくとも思えません。日銀の独立性を損なうような法改正はして欲しくありません。
 世界経済の中の日本という位置づけで、経済政策の立案には日本人の知恵の結集をはかっていただきたいと思います。バラマキ政策やバラ色の未来を描くよりもむしろ、国民に現実認識を促し、痛みを伴う改革を説く誠実な政治家の出現を願っています。TPPはその試金石になると思います。

「(人生に)お金よりもっと大切なものがある。問題は唯一、それら全てにお金がかかるということだ。」
There are more important things (in life) than money --- the only trouble is they all cost maney.


「安全保障問題」
 中国や韓国との領土問題は直ぐに片付けようとすると失敗します。北朝鮮問題もやっかいです。しかし、国民の感情的な「愛国心」に訴えすぎても危険です。適切な外交政策はグローバルな視点を抜きにしては語ることはできません。経済領域のみならず、軍事・安全保障や文化、情報、テクノロジー、エコロジー等多次元的なレベルで進むのがグローバル化だからです。国家としての境界内の国土は守るとしても、その他の領域では国際社会の一員として、信頼され、尊敬される政策を国として持つべき時がきたのではないでしょうか。
 「感情的愛国主義」も「知性なき平和至上主義」も翔年は嫌いです。この問題こそ、国民的議論が必要だと思います。国の安全保障問題の議論を深めていけば、必ず憲法問題にゆきつくはずです。第3極を交えた国会論戦に期待します。


 
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この記事へのコメント
確かに原理原則を大切にするところがドイツ人らしいですね。日本人は彼等の論理的な思考法を少し見習うべきかも知れませんね。
決断すべきときに決断できず、ずるずると先延ばしをしていくことは日本の政治の特徴ですが、誇るべきことではないと思います。
Posted by ユリウス at January 01, 2013 22:17
ドイツの選択で潔いと思ったのはイラク戦争で米国の誘いに中ソの選択同様に断った事ですね。当時暖炉の前でブッシュが消沈してがっかりしていた姿がTVに流されましたが今でも鮮明に思い浮かびます。日本もあの位の勇気が欲しい。その為に日本は見直さなければいけない部分が安全保障を始として沢山有ります。
Posted by 大阪の行者  at December 31, 2012 13:16
大阪の行者 様

悲しいのは僕の言葉ではなく、命を懸けて戦うことをすべて放棄している国柄で良しとする現状でしょう。
今、命をかけるといくら言っても、戦う制度がないわけですから、現実認識の甘い軽々しい言葉としか受け止められません。
中国と対峙したとき、わが国は何ができますか? 
確かに自衛権はありますが、その権利を発動する仕組みは現在のところありません。現状でできるのは精神的拒否だけだと思っています。

おっしゃるように生まれた所を愛する気持ちは誰にもあるでしょう。でもそれはあたりまえの「郷土愛」レベルのこと。その先のことは近代国家であるかぎり、憲法でキチンと定めていなければならないと信じます。郷土愛レベルの愛国を煽ることは、国を間違った方向に動かす心配がありますから。

わが国が戦後処理で誤ったのは、戦争責任者を今に至るまで日本人自身が裁かなかったことですね。ドイツではドイツ人自身でナチスの幹部を裁きました。だから現在のドイツは謝罪外交をしなくて済んでいます。諸外国に対して卑屈な外交はしません。この違いは大きいです。

国論を二分するかもしれませんが、それでも憲法改正の根本を、そもそも論からはじめなければならないと思っています。





Posted by ユリウス at December 24, 2012 11:52
>小生は今のところ、その覚悟が持てません。

ネットと言えど、余りに悲しい事を言わないで下さい。
好き嫌に関わらず我々は日本国に生まれ育ってきて現在生きて暮らして子供も生み育てています。我々が日本国の為に命を掛けられずにどうして我々の子孫の安泰を願えますでしょうか?現行に不満は山ほど有りますが我々の知恵と勇気を諦めない行動力に変えて訴え続けなければいけないと思います(笑)

>小生は国防に関して国民一般の意識が低すぎることの方がもっと問題ではないかと思います。

これは明らかに教育の問題も含めた政治に原因が有ります。外国に行くと何処でも子供の頃から国防や愛国心に関する教育は当然ながら凄いものが有ります。日本だけですよこれだけノー天気な国は、若い人なんか「日本が戦争をしたの?何時?何処と?」なんて平気で言うからね。本当びっくりしますよ。一年に一日ぐらい記念日ではなく国民全員で改めて国防を意識するような日を設けるべきで、その日は我々大人が子や孫に「お前のおじいさんは南方で戦死したし、親戚のおばあさんは爆撃で亡くなったんだ」と普段は言わない事を言って聞かさなければいけないと思いますね。

日本は過去の過ちが原因で油断すれば必ず近隣諸国から手痛いしっぺ返しを食らいますからね。日本に現実味が無く極めておかしいのは未だに世界で唯一「スパイ防止法」も無い事です。おとぎばなしやお花畑気分もいいとこなのですよ。これを政治が決めずにどうしますか?自民党が今度こそ真剣に国と国民の為の政治を行って欲しいと願わずには居られません。
Posted by 大阪の行者 at December 21, 2012 23:57
大阪の行者さま
「軽んじられてはならない」というご意見はその通りだと思います。でも、既にわが国は周辺国から軽んじられている存在ではないですか? 現状は「半独立国」の状態と認識しています。(米国の庇護の下にある)

小生はそのために、憲法改正の際に「国のありかた」に関して国民の間で議論を沸騰させるべきと思っているのです。

そもそも論でいけば、「国を守る」ということは、究極的には「国のために命を投げ出す」ということですね。小生は今のところ、その覚悟が持てません。
なぜか? 孫や子供の為にこの国の存続を願うことはあっても、「この国を守るために命を捨てるか?」と問われたら「ハイ!」と正直なところ答えにくいのです。象徴天皇の為に命を捨てたいという国民もいないでしょう。
多くの国民がハイと応えられるような「高い次元の国の理想」がないからですね。

自衛隊の兵器は最新のものを装備していますし、それなりの訓練は受けていますが、今まで、何か事があったときに、官邸まで情報が早く正確に伝わらなかったり、判断ミスがあったりしました。これでは実戦ではかなり心もとない。それに情報の管理も甘いし、インテリジェンス機能も十分ではありません。まだまだ、相手に恐れられる存在(軍隊)にはなっていないと思います。

政治家の質の低下はおっしゃるとおりです。が、小生は国防に関して国民一般の意識が低すぎることの方がもっと問題ではないかと思います。一国平和主義やとにかく戦争はごめんと言う方、反対に中国や韓国を黙らせろと声高に叫ぶ人達、このようなレベルの議論だけをいくらしても、国際政治の場で役立ちません。
国防は国民の義務であり、死を賭して義務を果たすためには、未来に輝く美しい日本という国が描かれていなければならないのではないでしょうか?


Posted by ユリウス at December 21, 2012 15:40
憲法はこれでも良いと思いますが、外国から“日本は戦えない国だ”と軽んじて見られる事は絶対にいけません。しかしもっといけないのは紙に書いただけのもの(憲法)を口実に米国への他力本願や日本国民に戦う意欲を削いで拉致被害者の救出や無謀に侵略された国土に近付いただけの漁民を銃撃で殺害されても見て見ぬ振りをして来た政治家の悪行です。国民が“けしからん”と騒げば申し訳程度の行動で何時も決まって相手国に意味不明の言葉で「いか〜ん」と言うだけでした。日本の政治家は国と国民の為に働くのではなく自分の為に国民から搾取する為だけに働いているのです。その証拠に他国から国民が拉致されても残酷に殺されても助けもせずに(然るべく仕事もせずに)その間給料だけは取り続けていて「国民の期待に添えない自分にその資格はありません」と言って辞職した者は一人も居ないのです。党派や何処が政権を取るかの問題ではなく政治家そのものの基本や資質が体を成してないと思います。子供の教育を…なんて偉そうに言ってないで政治家自身が真なる国民の声で再教育を受けるべきです。
Posted by 大阪の行者  at December 21, 2012 10:40
大阪の行者 様
選挙制度が小選挙区に変わったお陰で、政権をとったからと言ってもう昔の自民党には戻れないと思いますよ。戻ったと国民が判断すれば、4年で政権を追われることが政治家は身にしみて分ったでしょうから。(笑)
問題は憲法改正ですね。どんな形になるか分かりませんが、改正への手続きは進むと思っています。
1946年11月3日に公布され、翌年の5月3日に施行された「日本国憲法」は、時代の進歩に取り残されており、これ以上むちゃくちゃに拡大解釈してやっていくのはよくないです。(限界にきています)60年以上も先送り、先送りをやってきたのですから。
一般には9条が争点になるような議論が多いですが、それも含めて
1 天皇制(自然消滅、その先は共和制か)
2 自衛権(国を守る真の意味、何を守るのか、なかなか難しい)
3 国際貢献(諸外国から尊敬され、誇りを持てる国になれるか)
4 国民の権利と義務(表裏一体であるべき)
など、国の形を決める法律なのですから、国民はこぞって、そもそも論から勉強を始めるべきだと思っています。(「9条を守れ」とだけ唱えるような幼稚な議論は卒業しなくちゃ)
今後、このBlogでも折に触れて論じていきたいです。

Posted by ユリウス at December 20, 2012 20:58
民主党には期待倒れでがっかりしましたが、今度は自民党と聞くだけで金権政治・利権政治が頭に浮かび暗くうっとしいです。野田さんの場合は駄目でしたが、では安倍さんは今回の選挙で“出来る事しか言いません”と言いながらした公約は今後実現されるのでしょうか?近年特に政治家の嘘が蔓延したせいか信用できなくなっています。憲法改正など自民党と日本維新の会とみんなの党が改正を賛成していましたので多数が取れるであろうし言葉通りなら国会での段取りは出来るはずですから、その後は国民投票まで突入するべしですが果たして本当に期待して大丈夫でしょうか?
Posted by 大阪の行者 at December 20, 2012 17:55
奈良・東京のO様
関西は自民票? 大阪府の小選挙区では自民党の当選者は0人ですよ。そのかわり維新は強かった。
まぁ、関西の他の府県は、民主党が自壊して自民党の圧勝になったと見ています。
Posted by ユリウス at December 18, 2012 13:48
貴司様
そうですね。政策の決定にはあらゆる角度からの理性による検証が絶対に必要ですね。
恐いから廃止という感情論だけの論は政策にはなっていません。
おっしゃるように、安全保障についても、根本からこの国のあり方を含め、国民的議論が深まることを期待します。憲法解釈の変更や憲法改正も当然視野に入るでしょう。
Posted by ユリウス at December 18, 2012 12:46
翔年様
師走なのに迎春ブログに感じました.典型的欧米天才の経済力視点は30年でベーシック・DOS・ウインドウズの革新技術から把握されます.大正・昭和初期の親らの生活習慣を振り返れば、確かに日本人思考は高度化していると思えます.次世代の役割は残っていますので、税の有効活用、有効投資、環境保全を政権者に願います.
余談ですが、関東人は全般に都政に維新票、国には自民票が多かったようです.これは江戸っ子独自の文化力に基づいていて、関西の半数は自民票重視と思えました(総選感想).ちなみに、小職は維新1本でした.
Posted by 奈良・東京のO at December 18, 2012 07:39
地球の環境面(化石燃料の消費低減による二酸化炭素排出の抑制)からも、原発稼動は有効な手段とおもいます。
安全保障については自衛隊をきちんと日本軍とすべきとおもいます。
(なんら力の背景無しで、話合いだけで国家間の平和は保てないでしょ  う。)
Posted by 貴司 at December 17, 2012 19:14