April 25, 2012

根本から考える(8) -人口減少問題はない

 この地球上に人口減少問題はありません。あるのは人口増大問題の深刻さです。2011年10月31日、国連人口基金は世界人口が70億人を突破したことを発表しました。これだけの人口を養うために水や食料やエネルギーをどのように確保して分配するかという大問題が目の前に横たわっています。このまま人口爆発が続くと、2030年には80億人、2050年には90億人に達すると推定されています。

今や地球は人であふれかえっている、定員オーバー、この列車は動きません Photo by Sifter
超満員

 それにもかかわらず、わが国は少子化担当大臣をおいて、生めよ、増やせよ、育てよと政府が号令をかけ、子育て支援だ、なんだ、かんだといって、バラマキ政策を実行している。問題を自国のことに限定し、極めて目先の解決を目指すとこのように全体の問題とは正反対の行動をとる間違いに陥る。わが国にとって人口減少が社会問題であるにしても、政策の選択が間違っていると思います。

 翔年はこういう呪縛から脱したいと考えて3月3日に『根本から考える(5) -エネルギーから食料不足、人口過剰問題へ-』を書き、3月7日に『根本から考える(6) -水の惑星が水不足?-』 を書いたのでした。

 「文芸春秋」五月号に生物学者の本川達雄東工大教授が「生物学からみた人口減少問題」と題してわが国の人口と食料について卓見を述べておられる。
「生物学者としては人口減少を歓迎したい。なにせ食料自給率四割なのだから、自前で養えるのは五千万人、自給している分だって、化学肥料や農業機械に頼って作っており、それらは輸入した化石燃料に依存している。自前の資源だけで農業をやるとするれば、養える人口はもっと少ない。」
「エコロジカルフットプリントという指標がある。資源消費量と、自然の生産能力を比べたものだが、この指標によれば、日本人は自国の自然の生産能力の約七倍もの資源を使っていることがわかる。」

 翔年は『エコロジカル・フットプリント』に興味をもって調べてみました。
「ビジュアル雑学図鑑」によると、「エコロジカル・フットプリント」とは消費物の生産と廃棄のために必要な土地の広さで表したもので、たとえば日本人一人当たりのバイオキャパシティは0.6ghaなのに、4.1ghaの土地を必要としているというのです。4.1÷0.6=6.8≒7と言う訳ですね。
 同じように地球全体でエコロジカル・フットプリントを見るとバイオキャパシティは1.8gha、対してフットプリントは2.7gha。2.7÷1.8=1.5、つまり現在の地球人の生活の維持には地球一個ではたりなくて1.5個がないと暮らして行けないのです。70億人の現状ですらこれですから、80億人、90億人になったら、これは悲惨を通り越していると想像して胸を痛めております。

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この記事へのコメント
翔年様
地球の水は循環型システム(Dooge.A著)にある深部岩石圏より地表,海,湖沼,河川を経て大気圏で繰り返されていますように,常に一定と考えるべきで,この内人類が得られる淡水はごく僅かです.おっしゃるとおり,人口が増え続ければ,生存するために水戦争が起こることになります.歴史を遡ればこの戦争はすでに幾つもあり,今もこの戦争に直面していると十分考えられます.一方,石炭,石油資源は確実に減少し,かつ乱暴な消費により地球破壊を加速している.人類の活動整備が急務を知って,国連環境計画 (UNEP)がありますが,どんなものなのでしょうか.
Posted by 奈良・東京のO at April 27, 2012 11:38
奈良・東京のO様

国連はあまりにも多くの問題を扱っているので、何という組織の誰が解決すべき問題の包括的な優先度を決めているのか、僕にはさっぱり分かりません。眼前の国際紛争や飢餓や人権問題等喫緊の課題があまりにも多くて、それを解決するには今の国連はあまりにも非力で、問題が発生するたびに右往左往しているのが現状ではないでしょうか。

ご指摘の「国連環境計画(UNEP)」のHPを見ましたら、この組織の優先課題は「廃棄物管理(Waste Management)」と「水と衛生(Water and Sanitation)」の二つだと書いてありました。そしてこの問題解決のための技術的支援をしている見たいですね。実施の意思決定はそれぞれの国家にまかされています。(独立国家だから当然?)

今、本当に必要なのは環境問題についての技術的支援だけでなく、各国に強制力をもって環境破壊の軽減策を実施させる機関ではないでしょうか?
Posted by ユリウス at April 27, 2012 12:50
翔年様

地球を守ってあげたい.少し論点から外れると思いますが,松任谷由美(旧姓荒井)にこの歌があるように,守ってあげられないでは次第に自然破壊,人類破滅に進むと思えます.1997年より我が国では毎年3万人の自殺者が続いていて,犯罪も含めて教育,警察,企業活動,加えて政治活動などにおける対処に「形式論者の人口増加」を懸念します.また,自殺者を世界規模でみますと,データのないアフリカを除くと,旧ソ連系各国,中国,韓国,日本に多く,北・中南米や欧州に少ない.持論ですが,前者は環境意識の高い国+サンバやジャズの伝統お祭りに熱心な民族との違いのような気がします.
Posted by 奈良・東京のO at April 29, 2012 06:12
奈良・東京のO様

環境意識の高低と自殺率を結びつけるのは無理があると思います。
北米やヨーロッパの率が低い背景には宗教の教義が関係しているはずですが、これですら推論に過ぎません。
Posted by ユリウス at May 01, 2012 23:51