January 10, 2012

根本から考える(4) −税金(その3)

 税金のことについて、昨年12月2日のエントリ−「根本から考える(1) −税金」で「ローマ人の物語」からヒントを得て、所得税を10%として、富める者も貧しい者も等しく課税したなら、我が国の今年度の税収(所得税、法人税、消費税など全てを含む)41兆円を13兆円も上回る税収が入ることを書きました。税は生命と財産を法と権力によって国家に守って貰うかわりに、国民が国家に納める安心料だという素朴だけれど全うな考え方だと思います。
 そしたら、その後、大前研一氏の「ニュースの視点(1月6日)」で、米国の大統領候補のハーマン・ケイン氏のタックスプランと大前氏の税金試案があることを知りました。翔年の税金一律10%案も、あながち的外れでなかったと意を強くした次第です。

1 ハーマン・ケイン氏(共和党大統領候補)の「9−9−9タックスプラン」
 これは所得税、法人税、消費税を9%に統一しようとする案です。
 勿論、現行の消費税も法人税も大幅に下がるというのですから、かなり思い切ったプランだと思います。(ただし、9%という計算しにくい数字は翔年は好みません)


2 大前研一氏の「ダブル10+20」案
 これは所得税、消費税を10%に、法人税を20%にするという案です。
 そうすると、現行の3大税収(所得税、消費税、法人税)は約49兆円ですが、
 この試案を採用するだけで2009年度の租税総額約75兆円をカバーできる計算になるそうです。


 どちらの案もかなり思い切ったスッキリした税金の提案で、翔年は大きな魅力を感じます。このような分りやすい税金議論が起こってきたことは喜ばしいことではないでしょうか? これなら、国民のだれでも判断できますね。

 このような税収の話と政府の大きさを議論すれば、大きな政府を目指す政治家なのか、小さな政府を目指す政治家なのか、色分けも可能になりますし、それが政治家が政策でまとまるきっかけになって、政界再編成が進めば言うことありません。

野田総理
 民主党の進める社会保障と税の一体改革では、所得税の最高税率を40%から45%にするそうです。お金持ちの肩を持つわけではありませんが、翔年は税の取れるところから取ろうという考えには賛成できません。地方税を含めると所得の50%以上の税金を納めなければならなくなるのですから。前のエントリー「根本から考える(2) −税金(2)」でも書きましたように「働く意欲を減殺し、税を納めるより、社会保障給付を受けるように誘導しているような税制」を改めたり、「税金の補足率の極端な不公平」を改善しようともしないで、無駄を省くことや、役人の人件費削減を後回しにして、増税論議をしていいものかどうか、疑問をもって国会の論議を見守っています。

 ちなみに、米国の所得税の最高税率は35%だそうです。
 我が国は福祉国家故に税金が高いと評判の北欧の
スウェーデン   約56%
デンマーク    約55%
に税金の重さが近ずいています。翔年はこういう大きな政府は反対です。小さな政府の元で、国民は自由で(と言うことは大金持ちの存在も許しつつ)、かつ金持ちでなくても豊かな気持ちで暮らせる活力ある社会を目指す政治家を応援したいと思っています。
 
 税金論議は今後まだもう少しさせてもらいます。

 
いつも『もの言う翔年』を読んでくださりありがとうございます。
お陰さまで「政治評論」も「囲碁」もそれなりのランキングに入っております。
コメントをいただいたり、ランキングがそこそこにとどまっているのを励みにBlogを書いております。
お暇なときに見て行ってください。
にほんブログ村 政治ブログ 政治評論へ
にほんブログ村
にほんブログ村 その他趣味ブログ 囲碁へ
にほんブログ村


この記事へのトラックバックURL

この記事へのコメント
奈良・東京のO様

民主党は政策を同じくする党員の集まっている政党ではありません。党の綱領もなしに、数だけ集めた烏合の衆の党だったということではないでしょうか。
誰それが悪いというより、党の指導者達(小沢、鳩山、菅)が悪いことはハッキリしていますね。
政策を決めようとする度に、党内がガタガタして党の分裂騒ぎになります。政権を取る前に、どんな国を如何なる政策で実現しようとするのか、党内で徹底的な議論を怠った咎がいま噴出しているように見えます。

小生はいづれ英国の元首相、ブレアのことを書きたいと思っています。彼のようなヴィジョンをもった実行力の伴った政治家がでてきてくれることを期待しているからです。

Posted by ユリウス at January 15, 2012 21:54
確かに.結局なんら反省なしでサヨナラ現政権ですか.誰らがわるいんですか.
Posted by 奈良・東京のO at January 15, 2012 20:58
奈良・東京のO様

国債の評価は市場が下すものですから、国の財政規律が緩んでいると見られたらつけこまれます。我が国が歳入よりも大きな額の国債を発行をしている状態を続けているのはどう見ても異常です。実態を改善しない限り、いずれ暴落に見舞われるのではないでしょうか? 分らないのはそれが何時かということだけです。

来年度の予算案では表向き借金を減らしたように見えるように付け替えが行われています。しかし、借金は借金です。こんな目くらましのような姑息な手段は何の効果もないでしょう。

Posted by ユリウス at January 15, 2012 15:21
翔年様

世界から見た日本の国債評価が悪化してはならないと思っています.財源確保のための手段は、世界からみて未だ余裕があると考える消費税の増税は進めなくはならないと考えます.これに見合う政治改革は必須であり,まず公務員優遇の確実な見直しを実行すべきで,失業対策や生活保護者削減を確実にと考えます.またマル経思想に攪乱されない外交も重要な政因と思います.
Posted by 奈良・東京のO at January 15, 2012 08:28