February 20, 2011

早春 −角ぐむ水仙と白梅一輪

 翔年は冬から春に向かうこの季節が好きです。まだ、冬なのですが、日の光がキラキラひかり、木々は眠っているように見えて、春の準備をおこたりなくやっています。
 昨日は「いきいき塾」の例会日でした。塾の庭も、周りのたんぼも、野山も、冬の中の春の気持ちになっているようでした。


角ぐむ水仙  photo by iphone 2011/2/19
角ぐむ水仙


早春の庭をめぐりて門を出でず   高浜虚子

塾の庭に春のきざしを求めてあちこち探索しました。目に見える春は角ぐむ水仙と梅の3輪だけでした。桜の蕾はまだ小さくて固くて、「準備中」の札がかかってました。



梅一輪   photo by iphone 2011/2/19
梅一輪

手のひらを添え白梅の蕾検る  大野林火

※検る=見る読むのでしょうか? 探梅の気分でしょうね。
俳句では「探梅」は冬とされているけど、翔年の気分は春です。

咲きそむる梅のひとえだの匂ひより心によもの春ぞみちぬる  伏見院



塾の周辺の野山をながめていますと、懐かしい「早春賦」が胸に浮かびました。

「早春賦」 吉丸一昌作詞 中田章作曲
春は名のみの 風の寒さや
谷の鶯 歌は思えど
時にあらずと 声も立てず
時にあらずと 声も立てず

氷融け去り 葦は角ぐむ
さては時ぞと 思うあやにく
今日も昨日も 雪の空
今日も昨日も 雪の空

春と聞かねば 知らでありしを
聞けば急かるる 胸の思いを
いかにせよとの この頃か
いかにせよとの この頃か


ちょっと難しい言葉がありますね
。 ※賦(フ)=文体の性格としては漢詩と散文の中間のようなものを言うそうです。早春賦は立派な詩と思いますが…
角(ツノ)ぐむ=芽吹くこと。例えば葦(あし)・薄(すすき)などが芽吹く時に使う。水仙に使ってもいいでしょう
あやにく=あいにく。


音楽の好きな方は坂本明佳さんの歌をどうぞ!



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