September 20, 2010

コンピュータ VS 清水市代女流王将 −将棋界注目の一戦

 4月7日のエントリー「コンピュータが将棋連盟に挑戦状!」を書きました。このエントリーはその後の状況です。

コンピュータvs清水市代
 コンピュータ将棋ソフトとプロ棋士との対戦が来る10月11日に行われます。いよいよ面白くなってきました。日本将棋連盟のHPにこう告示されています。

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 この度、日本将棋連盟は社団法人情報処理学会からのコンピュータとの対局を求める挑戦状に対し、女流棋士会ファンクラブ「駒桜」主催で10月11日(月・祝)、東京大学にて清水市代女流王将が対局を行うこととなりました。 対局当日は東京大学内で大盤解説会を開催いたします。

平成22年10月11日(月・祝)開場12時 開始13時

対局者: 清水市代女流王将 VS あから2010
平手一番勝負 振り駒

持時間:各3時間(チェスクロック使用)切れたら1分

場所:東京大学本郷キャンパス 工学部2号館(東京都文京区本郷7-3-1)

対局室:3F「電気系会議室2」(撮影時以外、入室不可)
大盤解説:1F「213大講義室」

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「日本情報処理学界公式コメント」
 情報処理学会では学会創立50周年記念事業として「トッププロ棋士に勝つためのコンピュータ将棋プロジェクト」を立ち上げ、去る平成22年4月2 日、日本将棋連盟にコンピュータ将棋とトッププロとの対局を望む挑戦状を送り、日本将棋連盟がこれを受けて、この秋に女流トッププロとコンピュータ将棋との特別対局を下記のとおり実施する運びとなりました。持ち時間などの対局条件等の詳細は決定後、改めて発表いたします。
 この度の対局は、本プロジェクトとしてのスタートラインで、今後順調に行けば徐々に対戦相手のレベルを上げて、数年内にはタイトルホルダーとの対戦に進んでいけるものと想定しております。今回はその口火を切る女流トッププロ棋士との真剣勝負になります。
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左から米長会長、清水女流王将、白鳥情報処理学会長
米長、清水、白鳥

 これはわくわくする試みですね。
 より興味を増すために、ちょっとコンピュータソフト「あから2010」のアウトラインを書いておきましょう。(これも将棋連盟のHPにあります)

「対戦コンピュータあから2010とは」
1 情報処理学会の「トッププロ棋士に勝つ将棋プロジェクト」特製システムです。

2 阿伽羅(あから)は10の224乗という数を表わし、将棋の局面の数がこの数に近いことに因んで命名された。

3 ハードウエア部は東京大学クラスターマシン:
Intel Xeon 2.80GHz, 4 cores 109台
Intel Xeon 2.40GHz, 4 cores 60台
合計 169台 676 cores

4 バックアップマシン:4プログラムそれぞれについて1台ずつ
-CPU: Xeon W3680 3.33GHz 6cores
-Memory: 24GB (DDR3 UMB ECC 4GBx6)

5 ソフトウエア部の構成:国内トップ4プログラムによる多数決合議法
これは合議マネージャーソフトが4つのプレイヤープログラムに局面を渡し、ソフトから指し手を受け取り、もっとも多い手を指し手として決定するものです。

6 開発:電気通信大学伊藤毅志研究室&保木邦仁
プレイヤー1:「激指」開発:激指開発チーム(鶴岡慶雅、横山大作)
プレイヤー2:「GPS将棋」開発:チームGPS(田中哲朗、金子知適ほか)
プレイヤー3:「Bonanza」開発:保木邦仁
プレイヤー4:「YSS」開発:山下宏


 素人判断ですが、翔年はコンピュータが勝つと予想しています。(清水さん、ごめんなさい)
 皆さんはこの試みをどう思いますか?
 どちらが勝つと思いますか?

※(ヒント)
1 オセロゲームでは人間はコンピュータソフトに絶対勝てません。
2 チェスは1997年5月、チェスの世界チャンピオン、カスパロフ氏とIBM製コンピューター「ディープブルー」が対戦し、ディープブルーが2勝1敗3引き分けで世界チャンピオンを破りました。(もう人間はコンピューターの敵ではありません)
3 将棋はコンピュータソフトが進歩を遂げ、プロの牙城にひたひたと迫っています。
4 囲碁はいまのところ、アマチュア高段者ならコンピュータソフトに勝てます。

追記(9/25)
 予想投票用紙を左のコメント欄(Recent Comments)の下に用意しました。理由をつけて投票してもらえば楽しいですね。


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この記事へのコメント
たま様

おっしゃる展開はありうるのではないでしょうか?
でも、結果は反対になると見ています。
コンピュータが千日手を回避したために、清水女流王将が優位に立ち、そこから戦いは一進一退となり、終盤戦にうつる。
詰め筋の読みは人間には盲点があるのに対し、あから2010にはありません。長手数の詰めをものともせずに読んで、丹念に読みきって、結局あから2010が勝つという想定です。
Posted by ユリウス at October 09, 2010 16:55
ボクは「コンピューターが合議制で千日手を回避し、そのために清水さんが勝つ」というほとんどあり得ない展開を予想する者です。
Posted by たま at October 09, 2010 14:03
坂田大吉さま

こんばんは!
将棋の神様のような物凄いお名前にちょっとびびっています。(笑)
ソフトの力量をキチンと評価なさった上で、それでもなお清水王将に投票するとおっしゃるのは
男気? それとも勝負手? 

勝敗もさることながら、将棋の内容が興味津々です。
小生はコンピュータが中盤まで互角に戦って終盤を迎えたなら、凄まじい読み力で勝つと思っています。

勝敗予想投票用紙はどうぞご自由にお使いください。
あなたのBlogは将棋の強い方が多いでしょうから、投票結果がどうなるか、これも面白い展開になるのではないでしょうか?

いずれにしましても、11日の対局が楽しみですね。





Posted by ユリウス at September 28, 2010 21:45
はじめまして。
おもしろそうなアンケートに記載されていたリンクから、こちらのブログにたどりつきました。
棋力は、認めたくはないのですが、あから2010の方が上のような気がします。
数年前に公開対局(世界コンピュータ将棋選手権のエキシビジョンマッチ)で「激指」など、単体の思考ルーチンを相手に、女流のトップよりも強いと思われるアマ名人達が負けている事実もあるからです。
家庭用のPCで市販の将棋ソフトを使ってもプロ並みの棋力なのに、今回は人間の想像を遥かに超えた、モンスターとしか表現できないあのマシーンで、最先端の思考ルーチンを起動させるわけですから、かなりやばいです。(あれで動かせば、囲碁のソフトも相当強くなりそうです)
しかし、手が広く構想力が問われる序盤はコンピュータの場合、人間が作った定跡手順を指すだけのただのモノ真似野郎です。そんなもので勝っても、本当に人間に勝ったことになるのかやや疑問だったりします。
そういうわけで、完全に話が矛盾しますが、ぼくは清水女流王将に一票です。理由はそれが多くの将棋ファンの願いであり、ぼくもその1人だからです。根拠などありません。清水女流王将の勝ちなのです^^!
ところで、「勝敗予想投票用紙」をぼくのブログで使わせて頂いてよろしいでしょうか^^?
Posted by 阪田大吉 at September 28, 2010 16:42
さかぐち さま
STakehara さま
みなみな さま

ちょっと盛り上がりそうなので、予想投票用紙を用意しました。
左カラムのコメント欄の下にあります。
奮って投票下さい。
まってます。(^^♪
Posted by ユリウス at September 25, 2010 11:55
いいですね。それでは、私が負けたら、すしかステーキか、お好きなものをどうぞ。
Posted by STakehara at September 25, 2010 11:23
STakeharaさま

絶対に?
ならば、昼メシかけましょうか。
来年のコングレスで特別ランチとかでどうですか。
結果がたのしみです。
Posted by ユリウス at September 25, 2010 11:08
ユリウス様、

私は、絶対に、プロの楽勝だと思います。アマが4人相談しながらやっても、プロに勝つのは無理でしょう?結果が楽しみですね。
Posted by STakehara at September 25, 2010 10:56
さかぐち様

お久しぶりです。
おっしゃるように囲碁の終盤は完全にデジタルです。
でも序盤の数十手はほとんどアナログ、将棋よりアナログかもしれません。
将棋は飛車、歩などそれぞれの駒に性能差があるのに対して、碁石はどの石も何処へ着手してもいいので、コンピュータは考える手掛かりが少ないのですね。だから、序盤はアナログ的にパターンで評価するしかありません。

勝敗に昼メシ、かけましょうか?
清水さんが勝ったら、珈琲つき昼メシおごります。
反対ならおごって!


Posted by ユリウス at September 22, 2010 22:05
かたのの風狂 由 です、ご無沙汰しています。
さて、今回の清水市代女流王将 VS あから2010対局の記事、実施されると聞くと 面白い・CPU対人間一寸可哀想 複雑な感じがします。将棋はアナログ囲碁は将棋よりデジタル、みたいな気がします。
だから囲碁VsCPUには、違和感が少ないと思います。将棋は坂田三吉が代表のような、浪花節の要素が私には感じられてなりません。
しかし、興味津々です。清水市代女流王将勝って欲しい。失礼しました。 
                      
Posted by さかぐち at September 22, 2010 18:18