February 07, 2010

小学五年生の囲碁棋士誕生 −藤沢里菜さん

 わが国の囲碁界に久しぶりに明るい話題を提供してくれたのは藤沢里菜ちゃん(11歳)、なんと小学五年生のプロ棋士が誕生した。
 11歳6カ月でプロというのは、謝(しぇい)依旻(いみん)女流3冠(女流名人、女流本因坊、女流棋聖)の14歳4カ月を大きく更新し、わが国では男性を含めても趙治勲二十五世本因坊の11歳9カ月を抜く最年少記録だそうだ。これから我々はちゃん付けでなく、尊敬を込めて「里菜さん」と呼ばなくてはならないだろう。

 里奈さんには世界を見つめて大きく羽ばたいていただきたいと願う。



藤沢里菜さん(11才)   photo by 朝日新聞
藤沢里菜

 以下は毎日新聞からの引用。
最年少棋士・藤沢里菜さん「タイトル目指し頑張る」
 「うれしい。2敗した時は駄目だと思った」。囲碁棋士として史上最年少での入段を決めた藤沢里菜(りな)さん(11)は、緊張した面持ちで戦いを振り返った。日本棋院(東京都千代田区)で6日に開かれた2010年度棋士採用試験女流本戦。9人による総当たりリーグ戦の最終日で、藤沢さんは勝ち、6勝2敗で打ち終えた。全対局が終わって3人が6勝2敗で並んだが、序列の差で藤沢さんの入段が決まった。

 6歳で囲碁を覚え、自宅近くの囲碁道場に通って元アマ本因坊、洪(ホン)マルグンセムさん(28)らの指導を受けた。アマチュアの大会で数々の実績を上げ、昨年4月、プロ棋士となるため日本棋院の院生となった。学校が終われば道場に直行する、囲碁ざんまいの生活。グングンと腕を上げ、3回目の挑戦で夢をかなえた。「これからは、女流タイトル目指して頑張りたい」と抱負を語る。
 身長150センチ。表情にはあどけなさがいっぱい。
 祖父の秀行名誉棋聖は重厚な棋風で知られたが、「私は厚みより地の(実利を取る)タイプ。祖父の碁も、あまり並べたことがない」。ようやく笑みがこぼれた。【金沢盛栄】