December 31, 2009

改憲論議 −鳩山総理のコメントに思う

 時事通信によると
鳩山由紀夫首相は26日午後、アール・エフ・ラジオ日本の番組収録で、憲法改正について「心の中に、ベストな国の在り方のための憲法を作りたい気持ちはある。議論することは議会人としての責務ではないか」と述べ、意欲を示した。具体的テーマとしては「必ずしも9条というわけではなく、地方と国との在り方を大逆転させる地域主権という意味での改正をやりたい」と語った。
 首相はもともと改憲論者として知られ、かつては「自衛軍」の保持などを柱とする改憲試案をまとめたこともある。ただ、民主党の衆院選マニフェスト(政権公約)は、改憲に関して「慎重かつ積極的に検討」と記しているだけで、首相も就任後、憲法改正問題に言及したことはなかった。

とある。※アール・エフ・ラジオ=フジサンケイグループの放送局 

 首相の「改憲論議」に関して、翔年は言いたいことが山ほどある。我々は時代にマッチしていない憲法の下に生きているのだ。国民的な改憲議論を始めるのに早すぎるということはない。来年は折にふれて取りあげていきたいテーマだ。

 第一に民主党は政権を撮る前にこの問題をもっと論議して煮詰めて、マニフェストにハッキリ書いておくべきであった。(党内の意見がまとまらないので議論ができないのが実情では情けない)

 第二に憲法論議を始めるのなら、どのような形の国をめざすのか、せめてアウトラインを国民に提示すべきと考える。そのことを先送りしたまま、「地方と国のあり方を大逆転させる地域主権という意味での憲法改正」をやりたいなんていう話は本末転倒だ。首相は一本太い筋を通した論点を提示しないと、リーダーシップの発揮は難しいだろう。(枝葉の小出しではダメ)

 第三に憲法の第一章(第一条から第八条まで)は「天皇」について「日本国民の統合の象徴であて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基ずく」と書いてある。続く第二章(第九条)が「戦争の放棄」であって、「武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」とうたっている。
 首相の例にあげた地方自治に関してはようやく第八章(第九十二条から九十五条)に出てくる。首相が「地方と国との在り方を大逆転させる地域主権という意味で改憲をやりたいのなら、まず与党の中で、国民によく見えるところで堂々と議論をやっていただきたい。そこで首相の指導力を発揮していただきたいと切に願う。

 このような大問題はそもそも論から始めなければならない。そういう意味で翔年のスタンスの大枠を記しておきたい。(今後、議論を深めていくためには、誰であれそれを示さなければ議論は始まらない)

 天皇のお世継ぎ問題にしても天皇制の議論がなければならない。普天間基地の移設問題にしても、武力の威嚇を躊躇しない中国、台湾、北朝鮮、韓国、ロシアなどの隣国に対して、自国の領土と国民の生命・財産をどのように守っていくのかを、うやむやな論議で終わらせてはならない。嫌でも議論を深めなければならない。
 平和外交をするにせよ、わが国の元首が誰であるのかさえもハッキリしないような、あいまいな憲法では、国際的なリーダーシップなど発揮のしようがない。


(1)天皇制から共和制に移行すべき。
→ 血統のみをよりどころとした象徴天皇は時代にそぐわない。「伝統」を盾に、「継承権は男のみ」と論じるのは醜い。
 「すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由および幸福の追求にたいする国民の権利については、公共の福祉に反しないかぎり、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」という現憲法の表現は論旨が非常にすっきりしている。これなら人類が到達した普遍的な価値と等しいので、小学生に教えてもちゃんと理解できるし、長じて立派な国際人となれる。第一章はこの価値観と相容れない。

(2)自衛権、軍隊保持は明記すべき。
→ 軍隊を持たず、テロとも戦わない、国際的な不正義が横行しても、非を唱えない(特に対中国)というような国家は、どのような方法で国と国民の財産を守るのだろう。傭兵を雇うしかない状態で正義は貫けない。そんな国と同盟を結ぼうとする国は探しても出てこないだろう。

(3)上位概念の「国」があるかぎり「地域主権」は原理的にありえない。
→ 国際社会における国家としての存立にかかわる事務、全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動は「地域主権」で為すことはできまい。首相のいう「地域主権」て一体何? シッカリ説明していただきたいものだ。


 民主党も自民党もこういう国家観の大枠を論じた上で、ある程度決めて、「主要な政策について一致団結し、政権を目指す集団」として再編成して貰いたい。それができないようでは、いつまで経っても立派な「政治主導」の政治はできません。国際的なリーダーシップなんてとんでもない。


この記事へのトラックバックURL

この記事へのコメント
奈良のO様

天皇制の議論をするとき、年寄りだけでやってはなりません。次代を背負う若い世代も対等に(人数、識見等)議論に参加してもらいましょう。

林檎は芯から腐るように、国も中枢部から腐敗臭が出るのはよくないです。無責任国家になってしまった一番の原因は、戦争責任を日本国民が自ら論じることなく、ウヤムヤにしてしまったことです。(戦勝国に都合よく裁かれただけ)リーダーが自ら責任をとらない風潮が眼に余ります。

国民に大して、甘い言葉ではなく、真の目指すべき方向を熱く説くリーダーを待望しています。

国が「親苦労する、その子楽する、孫家を売る」ようなことになっては大変です。
Posted by ユリウス at January 06, 2010 23:55
 共和制賛成ですが,疑似神格化の天皇制は偽善・疑似万引き国家の現実がある限りなくならないのではないかと考えます.真に神格化されたあとに共和制ができるであろうと考えます.闇献金・脱税がばれなければ済むは,国家をダメにしている.真の神格化は国民にあり.生きていける勇気ある国民が神格化しない限り日本はますますダメになる.
 道路はこれから陥没が多発します.上下水道整備に公共税は確実に上がります.事故も相当起こります.子供手当などにはそれ以上にバック税が生じます.教育改革も大事です.おしゃべり携帯・朝シャン娘は金と資源の無駄使いです.子供手当はさほど有効ではなく,教育者は身近な家庭にある.学校先生は自らの思想をクビになるから話さない.若者は青春の臭いを勘違いしないよう願う.勇気ある国民,何も兵隊になれではない.頼るばかりに真の幸せな国家は生まれはしないと思っています.
Posted by 奈良のO at January 06, 2010 21:32
奈良のOさま

道路など、生活密着関連は地域にまかせるのは賛成です。
「地域主権」という言葉はその意味するところを明確にしなければならないと考えます。
Posted by ユリウス at January 02, 2010 15:31
地域主権は道から考えてもらいたいです.
手に負えない道(国道)を地方に任せ,新規と簡易補修を国がやろうです.
地方首長の予算獲得がこれでは地方が豊かになりません.
公務能力レベルの低い地方から改革すべきと中央改革がここで行き詰まっているのが見えます.一方民間同志の能力比べに余裕がない.ここに焦点をあてるべきと考えています.
Posted by 奈良のO at January 01, 2010 18:19