August 21, 2009

マニフェストは本当に政権公約なのか?

 読売新聞朝刊の大見出しが「民主300議席超す勢い」、小見出しが「自民激減、公明は苦戦」だった。選挙はやって見ないと分からない部分があるものの、どうやら帰趨が見えてきたようだ。だが、このことはもう少し選挙戦が進むのを待って、選挙直前に論じることにしたい。

 さて、翔年は民主党のマニフェストを丹念に読んでみたが、「5つの約束」が本当にできるのかと言う疑問を持った。自民党のマニフェストも一応読んだ。こちらは「安心」、「活力」、「責任」だと言うが、ちょっと待てと言いたい。
 
 政権を担ってきた政党(自民党、公明党)は前回の選挙で国民の前に示したマニフェストが達成できたのか、できなかったのか、自ら評価をまずするべきであろう。その反省の上に立って、今回のマニフェストが作られてしかるべきだと思う。
 ところが、自民党のHPの何処にもそれがない。達成できたのはこれ、できなかったのはこれとこれ。そして、達成できなかった政策の原因分析がされていなければならないのに、何を勘違いしたのか、小泉元首相の政策(前回選挙のマニフェスト)を批判する文言が溢れている。バカバカしくて読めない。
 政権党(自民党)が国民の前に約束したマニフェストの自己評価もせずに誤魔化し、今また新しくマニフェストであれこれ、国民に餌をばら撒いている現状を見るとき、わが国のマニフェストによる選挙は「まったく馬鹿げた書きもの」を国民に示しているにすぎないと思ってもそんなに間違いではない。

 なぜ、こういうことになるのか? 自民党も民主党も政策で党が結束していないから、党として国の将来像を示すことがかなわず、その代わりに国民の身の回りの身近なことばかり、それも細かいことばかり訴えることになる。そういうくだらない議論が多すぎる。 内政しか議論しない政党であってはならない。もっとグローバルな視点で国を守る気概を持ち、世界に発信できる政治家、政党を望む。

 翔年は自民党も民主党も党を解党して二大政策集団(政界再編)ができることを願うものである。最近、みんなの党の渡辺喜美が記者に語ったこの談話に期待する。
「理想は自民も分裂、民主も分裂だが、世の中理想通りにいかない。選挙結果を踏まえて現実的な判断をしたい。政権交代の起爆剤になりたい。最短だと来年の参院選で(政界再編が)完成することもあり得るが、長引くこともある。政界再編は早ければ早いほどいい。」


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この記事へのコメント
遅れた投稿で済みませんが引き続き、ほかの項目でも投稿させていただきます。

マニフェストを無視してはいけませんができない場合が出るのは当然と考えます。社会情勢は刻々と変化しており、対応できない場合はキチンと説明すればよいと考えている。
アメリカのような政権交代がある国と違って、今回の民主党は結党以来第一党になったこともなかったので、官僚からの情報提供は限定的なものであり、全体像を把握したときは判断が変わって当然と考える。
Posted by dickholy at September 23, 2009 17:04
奈良のOさま

いよいよ民主党政権の誕生ですね。細川さんの時は小生も選挙運動などで係わっていたので興奮しましたが、今回は冷静に見ています。

当面は組閣のプロセスと政治改革の道筋がどのように示されるのか、注目しています。


Posted by ユリウス at September 02, 2009 00:16
戦争を知らない子供たちも当選となり、安易に開国の言葉を耳にしました.
聖職(政職)をしっかりお願いしたい.小職が気になる格差は、今まで地元有力議員の傘下で成長した財閥企業で働く従業員の頭の悪さ、質の低さであって何ら自己改革、企業教育もなされていない.相手のすきをついて金をとることを合法的にやっている.契約書云々というなら、こちらも対抗できる.こちらは「おまえら、契約書という言葉で消費者を脅かすな!そこまでいう前に誠実に職務を全うしなさい」と言っています.本当に馬鹿を沢山見ます.一般的に技能をみにつけるには時間を要する.これは組織の在り方にも安易な合法に頼らず、善意・高質な企業活動に精力を注いでもらたい.公務の在り方も同様に不正出勤、税泥棒を滅して本来あるべき公務の姿を正してもらいたく存じます.
Posted by 奈良のO at August 31, 2009 21:52
奈良のOさま

いつもご意見をありがとうございます。
二大政党がバラマキ政策を競うのではなく、国のあり方を国民に問う姿勢をもっとハッキリ出して欲しいと思っています。

格差については、文明が進めば進むほど格差は大きくならざるを得ないと考えます。
努力をすることなく、格差が生じたからケシカラン、という意見にくみしたくありません。
スポーツ界に例えると、100mを9秒台で走る人と20秒台でやっとの人が現実に存在します。(ルール上、何の問題もありません)
小生は9秒台の人のそこに到る努力を認め、賞賛したいと思います。
Posted by ユリウス at August 24, 2009 09:59
着眼大局,着手細心(勝海舟の維新前).
次の勝利者は維新でないと思えます.
HPでは失業者データ等を隠し,今大変な事態を放置しています.
みんなが主役.あらゆるところで「みんなが主役」が維新と確信しております.格差は金持ち貧乏のみならず,あらゆる技能格差が歴然としてきました.




Posted by 奈良のO at August 22, 2009 22:21