March 13, 2009

珍説・毛ものがたり

 翔年はややハゲ頭である。もうずっと前のことになる。髪の毛が薄くなり始めた頃、竹内久美子著「シンメトリーな男」の中に「女はハゲが嫌いだ」という強烈なメッセージを読んで、ガッカリさせられたことがあった。

 その本には、OL、3,000人に対して行ったアンケート調査で、ハゲが「嫌い」が半数以上であると数字をあげて言い切った後、ハゲが「気にならない」は、つまりこれはかなり「嫌い」寄りの答だと強引に決めつけて、女性の98.5%はハゲが嫌いであると結論つけてあった。
 さらに、その嫌いな詳細理由は「(ハゲは)スケベだから」と追い討ちをかけて、世の男たちの反論を封じてあった。

 そして女がハゲを嫌うのは、「若くない男の子供はいらない!」という自然の摂理のサインなのだということだった。


 ところが、先日古本市で手に入れた西沢爽著「雑学猥学」に、竹内説と真っ向から対立する説が書いてあった。この本はハゲで苦しんでいる男性への福音の書である。謹んで引用する。

「ハゲを笑うヤツは、猿が人間を見て軽蔑するようなもので、救いようのない無知である。人類の歴史とは脱毛の歴史なのだ。(中略)世界的な皮膚医学の権威者、ドイツのホフマン博士は、神経系統の中心である脳髄が発達するほど頭髪は微弱になる。つまり頭をつかうほど人間はハゲる。ことに近来、文明社会の高度の発達はますますそれに拍車をかけ、やがて人類は無毛の時代に入るであろうと言っている。」

 なかなか説得力がありますナ。

 こんな実験結果も上の説を後押しするはずだ。
「猿の頭の皮の一部分を切り取って縫いちぢめる。つまり頭皮がピーンと張った状態にすると、毛がどんどん抜けはじめる。これをゆるめてやると脱毛が止まって新しい毛が生えてくる。(中略)いいかね、中身が少なくて頭の皮のたるんでいるヤツにハゲはない。」
 
 なかなか論理展開もいい感じだ。

 さらに、ハゲを礼賛して、こんな勇ましい事まで書いてある。
「まさにハゲとは、高度の文明人の象徴なのだ。毛モノとか毛ダモノとは毛のある動物を言うのだぞ。」

 翔年は、正直なところ、ここまで言って委員会? と思った。勘が働いたので、ヒョイと裏表紙をめくって著者プロフィールを見た。何のことはない。顔の面積が増えて、頭の面積が縮小状態にある西沢先生の写真を見つけた。舌鋒が鋭すぎるのはこのせいだと納得した。
西沢爽

 それなら「翔年の蓄えている髭やその他の体毛はどうなるの? 無毛になる時代がくるの?」という疑問が当然湧いてくるが、著者は「あれは脳髄の発達とは全く関係が無い」とそっけない。


 さて、ここからは毛髪以外の体毛の話です。ツマラン話にもう少し付き合ってみようという方だけ、「続きを読む」をクリックして先へお進みください。
 「八百屋お七」の物語では、彼女は16歳の時に、放火の罪で火あぶりの刑に処せられたことになっている。当時は15歳までは刑を引き下げる寛典があったのに、覚悟したお七は年やら何やら、正直に答えたらしい。さて、お七はお白洲で何を答えたのか?
 江戸の川柳がこれを伝えている。

正直に お七生えたと 申し上げ

 お奉行所もなんとか助けたいと思ったらしいが、生えていたのでどうにもならなかったとも、別の川柳は伝えている。

生えたので お七どうにも 許されず

 これでも、現代人は15歳、16歳の違いがよく理解できないかもしれない。ダメ押しといこう。

時候たがえず 十六の 春に生え

※恋人に会いたい一心で放火した「お七火事」は天和2年12月28日、駒込の大円寺から、江戸の下町のほとんどを焼け野原にしたという。いや、これは間違いと言う説もあって、翔年はどちらが正しいのか判断できません。

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