March 11, 2009

凄い! 将棋の有吉九段

 将棋の有吉道夫九段の趣味の一つが囲碁であることから、ご(碁)縁ができて、翔年は親しくおつき合いしている。2月20日に先生からこんなお話を聞きました。

(有)「私は最近、NHKやら雑誌やら、将棋の世界の外側から沢山の取材を受けてます。最長老の将棋指しとして、ある意味では羽生さんより興味をもたれています」
(翔)「存じてます。若い人との対局は大変でしょうね」
(有)「私は若いときから将棋に打ち込んできました。将棋の技術や知恵はかなり身につけているはずです。この知識を生かして若い新しい力に何処まで戦えるか、ということを自分の課題にしています。いわば実験台ですね。今度の順位戦は最後の戦いになるかも知れません。相手は20歳台の若者です。勝つか負けるか、それは分かりません。どうしても勝たなければならないというものでもありません。自分の持っているもの全てを、次の対局にぶつけるだけです」

 ”火の玉流”の異名を持っておられる有吉九段が、こう静かに語られるのを聞いて大変感銘を受けました。

有吉九段(2/20)  Photo by iPhone
有吉九段を囲んで


 そして昨日、現役最年長棋士、有吉九段(73)が関西将棋会館で行われた順位戦C級2組最終戦で、高崎一生四段(22)に見事勝利を収め、同組の残留を決められた。翔年は剣が峰の戦いという事を知っていたので、有吉九段になんとか勝って欲しい思っていた。うれしくてたまらない。(もし負ければ3勝7敗で、65歳定年の年齢制限があるフリークラスに落ちる可能性があり、31日付で自動的に引退となるところでした)

 昨年、対局した後のお話では、「来年には引退する。引退したら趣味の碁をもっともっと打ちたい。いきいき塾へで、もどこへでも呼んで下さい」とおっしゃっていたが、どうやら引退は先に延びたようです。

 囲碁仲間では有吉九段を負かすのは、普通の相手を負かすのとは訳が違う。一勝の価値は大きいので、もっとご一緒に碁を打ちたいのだけれど、こうなれば有吉九段がお元気でどこまで順位戦で頑張られるのか、最後まで応援したい気持ちで一杯です。碁打ちの有吉ファンは相当数います。


※有吉九段:岡山県備前市出身、大山康晴十五世名人門下。順位戦A級通算22期、タイトルは棋聖1期、平成13年には1000勝達成。



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