January 19, 2009

簡保の宿は不良債権の処理の筈だ!

 あらゆる意味で、麻生総裁ひきいる自由民主党は古い昔の自民党に戻り始めている。麻生総理はそれをポカンと見ているだけで、ハドメをかけようともしない。

 例えば、最近の鳩山総務相が簡保の宿の売却に待ったをかけている問題など、全く本筋をはずした議論なのに放置したまま、正しい議論に戻そうともしない。このことは、メディアも同罪、そもそも簡保の宿はどういう経緯で売却するのか、しなければならないのか、を完全に忘れたかのような報道をしている。

 鳩山総務相の意見はおおよそこんなところだろうか? (彼はあえて本筋の議論をせず、巧妙に大衆世論をミスリードしようとしている。)

(1) 70箇所ものかんぽの宿を一私企業に一括して売却するのは好ましくない。
→ これだけを聞かされたら、反対する理由はないけれど。

(2) 資産価格が落ち込んでいる今の時期に、急いで売却するのは適切ではない。
→ これも、このことに限って言えば、その通りである。

(3) オリックスの宮内義彦会長は規制改革会議の議長を務めており、郵政民営化による資産処分にかかわるのは「できレース」的である。
→ これが大衆を扇動するのにもっとも効果的になっている。どのようにかかわったのかを言わずに、何かあるように思わせている。(翔年はオリックスに何の肩入れもするつもりはありませんが、ずる賢い政治家のこういう言動が大嫌いなだけ))

 翔年は根本問題を避ける議論はしない。政治家は故意に本筋を触れない議論をするし、マスコミはややもすると本筋を忘れた議論をわぁわぁ騒ぎ立てるが、たいていそういう議論は間違っている。

 そもそも簡保の宿の売却はどうして必要になったのか? この議論をまず思い出しておこう。

(1)かんぽの宿は、今でも年間約50億円の赤字を計上している。民営化に当たって、これを廃止・売却するのは当然のこと。不良債権は早期処理しなければ、会社の存続が危うくなる。一括売却であれ、個別売却であれ、早期処理が最優先の課題である。

(2)そのことを念頭に置けば、資産価値が落ちており時期が悪いというのは、経営的には間違った判断になる。毎年50億の赤字を垂れ流している現状を放置して、資産価値の回復を待つ余裕などないのだ。不良資産の売却をここで先送りすることは、また国民に迷惑をかける心配につながる行為だ。何のための民営化だったのか全く忘れた議論をし始めている。

(3) オリックスの会長がこの売却のどこに不正にかかわったのか? 誰も指摘していない。売却は一般入札で行われており、これが厳正に行われていたのなら、鳩山総務相の異論は全くの言いがかりになる。鳩山総務相はこの点でのみクレームをつける権限を持つが、不正があったとは言えないので、自分の権限を越えた現地視察とかのパフォーマンスに走っているように見える。

(4)不良資産を何時売却するべきかの判断は経営者が判断すべき事項である。市場や経営を知らない政治家が民間の経営判断に口出しすることは許される事ではない。このことだけでも、鳩山総務相の言っていることは間違っているのに、その上政府の政策決定に民間人が参加できないようにする(政治家と官僚で物事を決める)意図がありありと見える。それは古い自民党に帰ることだ。古い自民党に戻ろうと画策する古い体質の政治家が麻生政権では跋扈し始めていることを注意しておきたい。

(5)完全民営化されたかんぽ生命保険は、他の民間企業と同様に保険業法が適用される。民間の保険会社でホテル業を営んでいる所があるだろうか? ないはずです。なぜなら、ホテル業のリスクが金融の本業に影響を及ぼすことがあってはならないという、いわゆるリスク遮断という根本的な理由があるから。

 上に見てきたように、麻生総務相の最近の言動は正論抜きの大衆扇動を狙っているとしか見えません。国民はこんな目くらましにだまされてはなりません。





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この記事へのコメント
dickholyさま

お久しぶりです。こちらこそお世話になりました。
援護射撃、ありがとうございます。
とうとう白紙撤回までいってしまいましたね。入札に瑕疵があったのかなかったのか、ハッキリさせないまま、白紙に戻すのは、政治家の横暴を許したことになります。入札の許認可権限で、こういうことをさせるのは間違っていると思います。(日本郵政は現在100%お株を政府が保有しているとしても)

それにしても、日本郵政もオリックスも、経営者は腰抜けですね。毅然とした説明をしようという気概がない。これでは政治屋の鳩山総務相に勝てません。

ただし、白紙に戻し、売却を遅らせ、その結果、売却額+営業赤字+利子負担で、オリックス一括売却より日本郵政の財務内容がより悪化した場合は、鳩山総務相に責任を取って貰いましょう。(かれがどんな男か最後まで見届けましょう)



それはそうと、今年も米国でお会いできますか? 

Posted by ユリウス at February 17, 2009 10:59
アメリカ囲碁大会で碁やテニスにお世話になったものです。その節はありがとうございました。
本件についての書き込みがありませんことと、最近趣味仲間とか、近所のヒトと話しをすると簡保の宿を安くたたき売りすぎるとかの意見が多いので意外に思ったしだいです。
本件についてはユリウスさんの考えに賛成です
私が強調したいのは個人の住宅ではないので、建設コストではなく利益をあげられるか否かで、判断されるべきということでした。
それから年金福祉事業団で建設された豪勢な大型リゾート施設に泊まったことがありますが、辺鄙な地域だったためか宿泊客はほとんどいませんでした。結局何百億円かで立てたのがタダ同然で売られたとのことでした。
しかし、マスメディアが騒がなかったので、関心をあまり引かなかっただけだと思います。今回のことを問題にするならもっと限りなくゼロ円に近い値段で売った事例との比較もすべきだと思う。
納豆を倍量を食べられば痩せられるという、非論理的な説でもテレビで報道すれば多くのヒトが納豆を買いに走り店頭からなくなってしまう構図と本質的には同じだと思います。
多額の赤字をだしているし、本業とは関係ない事業なので、いつまでも保有する選択が一番悪い選択だと思います。今回の件はキャンセルになったので、透明性を高めてもう一度値段競売すべきと思います。

Posted by dickholy at February 15, 2009 21:12