December 29, 2008

日本の食糧問題を考えよう

 11月に発表された内閣府の世論調査によれば、国民の9割以上が将来の食糧に不安を持ち、食糧自給率を高めるべきだと考えている。翔年もそう思う。
 ところが、このような国民の期待に反して、食糧行政のそもそもの大本の政治は、驚くべき無策振りを示している。

(1)食糧政策の貧困 −無能、無策の政治家達−
最近の農林水産省の大臣の首を、安倍内閣の時代から並べてみます。

(安倍内閣の農水大臣)
2006/09/26 松岡利勝
2007/05/28 若林正俊(臨時代理)
2007/06/01 赤城徳彦
2007/08/01 若林正俊(環境大臣兼任)
2007/08/27 遠藤武彦
2007/09/03 甘利 明 (臨時代理)
2007/09/04 若林正俊
(福田内閣の農水大臣)
2007/09/26 若林正俊(福田内閣で再任)
2008/08/02 太田誠一
2008/09/19 町村信孝(臨時代理)
(麻生内閣の農水大臣)
2008/09/24 石破 茂

 何たることでしょう。驚くべき事に、何と2年間に、延べ11人の農水大臣が次から次へと任命されています。名前をみて、大臣のスキャンダルや無能な大臣の顔を重い浮かべる方もあるでしょう。翔年はそれらを一つ一つ数え上げる気力が湧いてきません。
 これがわが国の食糧行政をあづかるトップの姿です。任命したのは、政治の最高リーダーの総理大臣、就任してたった1年で、その任にあらずとして政権を投げ出した安倍、福田総理です。

 会社だったら、社長がこれだけ変わってはまともな経営はとても出来ないでしょう。倒産しなかったら奇蹟です。任命した総理大臣はど根性の欠如した人物で、政権の維持すらできない短命内閣だったのですから、もう国がむちゃくちゃな状態にあるということです。情けない。


(2)食糧自給率 
 農水省の発表している各国の食糧自給率は次のようです。

カロリーベース(2003年度)
オーストラリア    237%
カナダ        145 
アメリカ       128
フランス       122
スペイン        89
ドイツ         84
スエーデン       84
英国          70
日本          40     
(2007年度も日本は40%で変わりません)

 上は全ての食糧をカロリーに置き換えて計算しています。さらに、穀物だけの自給率を見るとわが国は24%と極端に低くなっています。そして、世界の穀物貿易のなかで、日本の輸入は全体の13%を占めており、世界最大の輸入国となっています。
 わが国の食糧自給率の低さについては、識者から安全保障の観点から、古くから指摘されているにも係わらず、何の政治的決断もなされずに、下げ続けております。これを由々しき問題と言わずして何といいましょう。


(3)数式から見えない問題あり
 そのうえにこんな問題もあります。翔年は今まで、この農水省発表の数字を鵜呑みにしていましたが、この数字自体、こんなことでいいのかと新たな疑義が生じきました。

 煩を厭わず、まず数式を書いておきます。

総合食糧自給率(カロリーベース)=一人一日当たり国産供給カロリー/一人一日当たり供給カロリー
={(国産+輸出)×供給カロリー÷人口}/{(国産+輸入−輸出)×供給カロリー÷人口}
=1016Kcal/2551Kcal×100
=40%


 上の数字で、分母の供給カロリーは2551Kcalのうち、約700Kcalはコンビニの売れ残りやファミレスの食べ残しなどで廃棄されているといいいます。カロリーの4分の一以上がロスとなっているというのですから酷いもんです。こういう問題は誰が誰に指摘すべきなのでしょうか?
 数式も、消費態度も、改善しなくてもいいことなのでしょうか?
 
 農業政策をあずかる農水省の無策ぶりに加えて、一方の消費社会はレストランで贅沢三昧して食べ残し、さらにコンビニで売れ残しては廃棄処分にしているのです。こういう状況を是としているかぎり、食糧安全保障などという高度な政策は議論する価値が薄いのかもしれません。

 国の安全保障は軍事力だけで達成きるものではなく、食糧やエネルギーや外交による国際貢献に拠るところも大きいと思われますが、わが国の現状はそのどれもが体をなしていないのではないでしょうか? 

 国の根本にかかわることでありながら、この体たらくでは、何の提言も出来ません。年の瀬にわが身のふがいなさを感じつつ筆を置きます。


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この記事へのコメント
>日本ではこれらを解決すべき「政治危機」が本質
その通りだと思います。

やり遂げるべき事はこんなことでしょうか?
1 政策の違いによる政党の再編をはやく行う。
2 それは多分「大きいな政府」と「小さな政府」になる。ならざるを得ない。
3 憲法改正は避けて通れない。これは国論を二分しても問うべき政治問題である。政治家だけでなく、言論界も庶民を巻き込んで徹底的な議論をすべき。
4 政治家、官僚、財界人、いわゆる「政・官・業」の利権構造はぶっ壊すべし。政権交代ができれば、達成されやすい状況が出来する。
5 若い人たちが政治を身近に感じ、政治に参加したくなるような状況をつくる。

 
Posted by ユリウス at December 31, 2008 22:46
 翔年 さま
経済や農政危機もさることながら日本では本質的に「政治危機」だとの入力中にミスってしまいました、ご免なさい。(ダブれば失礼)
11月にはベトナムはハノイにいました。 凄い発展がみて判ります、東京オリンピック当時を彷彿とさせてくれます。

欧州系・日系企業関係者からは、中国は都度賄賂や袖の下を当然のように要求してくるし、またグローバルスタンダードが殆ど通じないのでいずれ戦略拠点から外し、アジア諸国(ベトナム・シンガポール・マレーシアなど)へ移転を具体的に計画中。 中国は当面需要が見込めるので一生産拠点として位置付けを確保し、政変等があれば即刻引き揚げる・・といった言葉が聞かれました。  正しく正論でしょうね・・・

何人の政治家がその事実を知っているでしょうか?  連中に聞かせてやりたい言葉だったと思っています。来年もよろしく・・・    
桂木俊介
Posted by 桂木俊介(Isoda) at December 31, 2008 21:01
翔年 さま
今年も早大晦日、1年が毎年早くなっている感じがします・・(こちらの年の所為かも??)
いつも楽しい記事を有難うございました。来年も益々の健筆をふるってください、期待しております。

経済危機・ご指摘の食料危機のみならず、日本ではこれらを解決すべき「政治危機」が本質ではないかと思います。  
政治の世界では「私は辞めます」と言っても、議員としての年収は(手当を含め)4千万円を超えます。 サラリーマンなら辞めれば即刻収入なしの世界です。だから甘い汁を吸いに、2世3世議員が横行しています。
彼らの多くは官僚の書いた文章をそのまま読んでいれば、一時凌ぎは出来るからでしょうね、キット。

戦後からの体制を思い切って変える私達の努力も必要なんでしょうね・・・
桂木俊介
Posted by 桂木俊介(Isoda) at December 31, 2008 20:45
takehara 様

馬鹿げたものにも、レベルはありますね。
最後(日本)と最初(中国)のは、seriousで笑えません。


Posted by ユリウス at December 31, 2008 10:53
ユリウス様、

こんにちは。子供に買った、食事の際にテーブルの上で使う個人用のプラスティックマットが家にあります。たまたまそれは、世界についていろいろ書いてあります。つまり、子供が、ご飯を食べながら、世界が学べるというところでしょうか。その中に、こんなことが、

Wackiest Laws of the World

In China, families are only allowed one child.
In England, you're not allowed to kiss in London movie theaters.
In Finland, you must be able to read to get married.
In Iceland, the only dogs allowed are seeing-eye dogs.
In Micronesia, men can not wear neckties.
In Japan, you can only eat or buy Japanese rice.


最後の所、やっぱりおかしいですね。こんなことを、アメリカの子供たちに知ってほしくないです。
Posted by Takehara at December 31, 2008 03:17