November 23, 2008

また改革の後退だ

 Yomiuri Onlineによると、政府はまた改革をズルッとずらせた。

 政府が2009年度に設置を予定していた国家公務員の幹部人事を一元管理する「内閣人事局」について、設置が10年度以降に先送りされる見通しとなった。

 省庁間の調整が進んでいないことに加え、新組織の規模など具体的な制度設計が遅れ、年末の予算編成に間に合わないためだ。

 政府首脳は22日午前、「09年度中の設置は極めて難しくなった」と記者団に明らかにした。甘利行政改革相が、近く麻生首相と会談して、最終決定する。


 今年6月に施行された国家公務員制度改革基本法は、「縦割り行政」の打破をめざし、施行後1年以内をめどに、内閣人事局を内閣官房に新設するための関連法案を提出するよう定めているにも拘わらず、自民党の怠慢と霞ヶ関の各省庁が反対しているため、先へ進めることが出来ないのだという。

 そもそも、自民党の各派閥が「福田総理、福田総理」と雪崩を打って担いだ時から、「改革」という言葉こど残ってはいたが、改革の意気込みはどこにも見られなくなっていた。後をついだ麻生内閣も似たようなもの。
 与党に改革の意思がないと察知したら、官僚はもう言うことを聞かない。お得意の「できません」のオンパレードだ。人事権を奪われることになる各省が強い抵抗を示し、具体的な制度設計作業はほとんど手つかずの状態で放置されていた。それを知りながら、政治家の誰一人、改革を推進するためのリーダーシップをとろうとしなかった。政治家の本心はこうなるのを望んでいたのだと思う。志の低い、もしくは志をもっていない議員を選んだ国民は、これからも改革とは名ばかりの改革もどきの政治を甘んじて受けなければならない。あぁ。

 そして与党は国民の目を欺くために、内閣人事局の設置を先送りする代わりに、「国家公務員制度改革のスケジュールを、当初予定していた5年間から、4年間程度に短縮した工程表をつくり、改革のスピードを遅らせない姿勢を打ち出す」らしい。
 改革の柱となるべき「内閣人事局」を先送りしておいて、何が公務員制度改革のスケジュール短縮か。こういう嘘偽りは漢字の読み間違いより、罪が大きい

 最近、我々は国語力にはより自信を深めている。「改革」とは「社会制度や機構・組織などを改め変えること」ですよ。麻生首相。
 首相! 省庁の縦割り意識を改めさせるために、人事に手をつけようということではなかったのですか?


この記事へのトラックバックURL

この記事へのコメント
我欲に不満し,真理の追究に情熱と好奇心を抱き,各人人生の終わりをどのように満足させればいいのか.そう思えば現時点で安心と生き甲斐が得られる.
ズル賢い方らと前者は半々と思っています.
小沢さんにはまだまだ我欲がある.ありすぎる面がうかがわれます.
麻生さんはなんら危機感が感じられない。そんな総理を認める国民はほぼ0に等しいと思われます。
Posted by 奈良のO at November 28, 2008 19:26
奈良のOさま

>霞ヶ関の官僚は賢く、簡単に動かない公式を持っているらしい.
「賢く」のところ、「ズル賢く」か「悪賢く」なら同意します。

>相手はもっとレベルが高いことを全く把握していないのですから.
これはその通りと思います。
小沢を好きな人も、嫌いな人も、ある種の能力の高さは知っているのです。

Posted by ユリウス at November 27, 2008 23:50
 論点からはずれるかもしれません.お許し下さい.
 霞ヶ関の官僚は賢く、簡単に動かない公式を持っているらしい.
 少し前から地方議員や地方幹部らと席を並べると彼らは昔よりは場で話せるようになった様子がうかがえます.それなりに公務員能力アップに実績があり、昔と違うのですが追いつかないらしい.

「社会制度や機構・組織などを改め変えること」ですよ。麻生首相。

 現場の実体を把握していないとしか捉えようがない.小職が身近に懸念するのは、どんなに努力しても普通と考える者が大変になったときに、これより能力不足の方々はもっと大変なのです.今、現在進行形なのでそういいたいです.麻生さんは素早くひっこんで欲しい.党首会談に意欲を見せる麻生さんはおかしい.相手はもっとレベルが高いことを全く把握していないのですから.
Posted by 奈良のO at November 26, 2008 22:00