April 21, 2008

二足のわらじ−俳句と微生物研究の飴山實

 玉川和正氏(たまさん)のライフワーク「人生のセームスケール」(略して「人セム」)に、時々人物のリクエストをしてバイボ(Biographic Box)に納めてもらっている。

 先ごろ、俳句で高名な飴山實氏が日本を代表する微生物学者であることを知って、人セムにリクエストした。ところが、リクエストの後、氏の学者としての情報を集めようとしましたが、あんまり見つけることが出来ませんでした。俳句の業績に比べてあまりにもアンバランスに感じたものです。
 多分、たまさんも情報収集に苦労されるのではないかと思ったので、中西貴之著、技術評論社刊「へんな細菌すごい細菌」から、飴山先生の学者の側面に光を当ててまとめておくことにしました。

飴山實
飴山實:1926年、小松市の醤油醸造家に生まれる。1950年、京都大学を卒業後、大阪府立大学農学部助手、静岡大学助教授、山口大学教授、関西学院大学教授を歴任され、わが国の応用微生物研究の楚を築く。この間、醗酵食品の要であう酢酸菌の分離同定に尽力されるとともに、遺伝子資源として酢酸菌株の保存・整備の中心人物として活躍さる。
1968年、パスツールが報告した酢酸発酵を世界で始めて酵素化学的に解明、この功績は国際的に極めて高く評価されている。また、酸化細菌の研究中、酸化還元酵素の新しい補酵素PQQを見つけ、さらに哺乳類にもPQQがあることを発見。PQQには細菌の生育作用があるので、これを用いて様々な物質の工業的発酵生産性を著しく高めることに成功。
1988年、「酢酸菌の生化学的研究」で日本農芸化学会功績賞を受賞。

 翔年は学者先生であることは知っていましたが、これほどのご経歴の大化学者とは知りませんでした。俳句のご高名の影に科学者が隠れてしまっていたようなことになっていたのかもしれません。

 好きな俳句を少し抜いておきます。

水の香の早乙女といますれちがふ

この峡の水を醸して桃の花

残生やひと日は花を鋤きこんで

年酒して獅子身中の虫酔はす

うつくしきあぎととあへり能登時雨



最後の句、あぎととは顎のこと。翔年も若い頃、能登でうつくしいあぎとに会ったことがある。お話もしました。その人は関西で焼き物の勉強をされてから、能登に帰って、夫婦で焼き物の店を出しておられた。やきものの作品にも、お人柄にも、何ともいえない品を漂よわせていた人でした。あの店は今もあるのだろうか?


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