February 15, 2008

沖縄の少女暴行事件 −片面だけの報道を排す

 沖縄の中3少女暴行事件について、言いにくいことながら、これだけは言っておかなければならない。物には両面があるということを。

2/12 報道第一報によれば
沖縄県北谷町で女子中学生(14)に乱暴したとして、県警沖縄署は11日未明、強姦容疑で、在沖縄米海兵隊キャンプ・コートニー(うるま市)所属の二等軍曹タイロン・ルーサー・ハドナット容疑者(38)を逮捕した。同容疑者は下半身を触った行為を認めたが、「性的暴行はしていない」と容疑を否認している。

 → 逮捕は暴行容疑である。

 その後、事実関係の推測記事はでたものの、報道では暴行の事実はあったという前提でなされ、世論の怒りが高まり、前回の事件と同じように沖縄の基地問題へ移っていく。
仲井真知事は「こういう事件が続くと県民の怒りが頂点に達し、今後の基地問題に深刻な影響を与えかねない」と強調。「被害者が14歳で中学生ということを考えると、強い怒りを感ぜざるを得ない」と述べ、不快感を改めて表明した。

 → この意見に不同意の人はいない。14歳でなくても、20歳でも力に物を言わすことに対して、強い怒りを感じるべき。しかしこれでも物事の一面しか見ていないことは確かである。

14日、仲井真知事は政府に対して、米軍への反発が広がっている地元の状況を説明し、米側に綱紀粛正と再発防止の徹底を申し入れるよう要請。首相は「沖縄県民の気持ちは分かる。要請を受け止めて最大限やっていく」と応じた。

 → これも反対意見はない。しかし一面からのコメントである。ここまでの報道は全て加害者を糾弾するもので、被害者のことに言及したものは見られない。

政府は沖縄の中3少女暴行事件を受け、再発防止策として、米軍基地周辺の繁華街などに地元自治体の了解を得た上で防犯カメラを設置する方向で検討に入った。

 → 物事の一面しか見ていないと、これで再発防止が出来ると思えるらしい。最善の策かどうかの検討もなされず、地元の反対がなければ実施するらしい。


 細かい事実関係は把握していないので(報道されてない)断定は避けたいが、きっかけは加害者の兵士が少女に声をかけて、誘われた少女が誘いに応じてついて行ったらしい。翔年はここがポイントと思う。

 親や教育者は「人を疑ったらいけません」、「世の中は善人ばかりだから、自分で判断せず、大人の言うことをよく聞きなさい」とでも教えていたのだろうか?
 14歳では起った結果を責めることはできないけれど、判断のできない子供なら、親や先生が少なくとも、キチンとした躾をしておれば、防げた可能性が高いと思う。大抵の女性はそうして身を守っている。

 そういう女性側の躾と知恵を備えたディフェンスがなければ、沖縄米軍がどんなに軍の規律を高めたとしても、少女は都会に出ることもあろう、外国に行くこともあろう。その時、男に声をかけられてホイホイとついていくなら、事件はまた起るであろうと容易に想像できる。ですから沖縄にいくら監視カメラを設置しても、範囲外の出来事は防ぐことはできないのです。

 その上、防犯カメラの設置で強姦事件を防ごうとするのは、別のマイナス面があることを心配しなければならない。市民を監視するカメラがあっちこっちに設置されれば、プライバシー侵害事件など、また別の大きな問題が発生することになろう。四六時中、警察に監視されることを許容しない方が望ましいのではないかと他地域のことながら心配する。

 だれも心の中で思っていても、この種の事件では被害者のことを慮って発言が一方に傾いたまま時が流れていく。安定した社会はものの両面をよくみ、利害得失をよく吟味した上で対策をしないといけないと強く感じます。




この記事へのコメント
あ様

本文を良くお読み下さい。
やさしく良くわかるように書いていますから。

Posted by ユリウス at November 10, 2009 21:10
一面しか見ていないと否定しておられますが、
否定するのならば、具体的な代替案を出すのが筋だと思います。
Posted by あ at November 10, 2009 20:52
奈良のO 様

>「逆に考え、逆に解く。」が考えられました。
なるほど、おっしゃるとおりですね。
ご教示、ありがとうございました。
クールなアメリカ人なら、感情的に反応するばかりで、同盟国としての責務をキチンと果たせない日本政府を冷ややかに見ているかもしれません。何とも頼りない同盟国だと。

Posted by ユリウス at February 16, 2008 00:13
「逆に考え、逆に解く。」が考えられました。
結果は米軍人個人の何らかの処罰以外になにもないはずで、組織までの処罰にならないので、日本側代表者は合法的な所見を述べるべきと思います。
判例として、ルーシー・ブラックマンさんやリンゼイ・アン・ホーカーさん殺人事件に在日韓国人や日本国人に対する民族批判を述べるまでの高位な職位のある諸外国人はいないように思えるのです。沖縄の事件は残虐な殺人事件より客観的に罪は軽く、また真実も明確ではないのですから、翔年のおっしゃるとおり、被害者側の身近な防備があって当然と思います。
民家に忍び込んで「強姦・殺人」なら大事件となりますが。
外相(あまり好感のもてない方ですが)の発言は「再発防止」と報道、これくらいかと思います。
Posted by 奈良のO at February 15, 2008 23:53