July 15, 2007

「マルチな天才 −平賀源内」補遺

 6月20日のエントリー「マルチな天才 −平賀源内」で、天才ぶりを示すために「本邦初めて」という切り口で22項目を列挙した。

 書いてから一ヶ月もたたないのに、今日の読売の夕刊一面に「平賀源内 あたらしいもの好き」のタイトルで、源内がプルシアンブルーと呼ばれる緑がかったやや暗い青の人口顔料を源内の油彩画「西洋婦人図」で用いていることが分かったと報じているのを知って驚いた。これは23項目に加えなければなりません。
 これまでプルシアンブルーは19世紀の浮世絵に使われているとされていたのが、源内はこれをさかのぼること50年、国内最古の使用者だったのです。

平賀源内2
 新聞記事によると「西洋婦人図」などの作品に、可視光反射スペクトルと蛍光エックス線分析を実施して分かったという。さらに、このプルシアンブルーという顔料がわが国に1725年に輸入されていたことが、オランダ側の帳簿や積荷目録などから明らかになったというから驚きが倍加した。

 6月20日のエントリーの項目
12 本邦初めての物産分類書「物類品隲(ブツルイヒンシツ)」の出版
の中に、この顔料のことが記されているので、源内ファンはたまりません。

 そういう訳で、あらためて平賀源内の天才ぶりを再確認いたしました。源内について、あらゆる方面から徹底的に調べ尽くせば、面白い論文が書けるのではないでしょうか?


 なお、平賀源内の「西洋婦人図」などは21日から9月2日まで神戸市立博物館の「西洋の青」で公開されます。プルシアンブルーに興味を惹かれた方、平賀源内ファンの方、見に行きましょう。




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