April 20, 2007

「恋の骨折り損」を観た

 シェイクスピア作、松岡和子訳、蜷川幸雄演出の「恋の骨折り損」を観た。恋愛が禁止された宮廷が恋に落ちた人々ばかりであふれかえるという内容の喜劇。予想以上に面白くて、満足。
 シェイクスピアの駄洒落や地口を日本語に置き換える苦労は大変だったらしいことは観劇してても分かる。でも、それが分かったとて、観劇中に楽しくなると言うものでもない。それより言葉のリズムが感じ取れる方が観客にとってはずっと心地よい。

恋の骨折り損より  Photo by 梅田芸術劇場
恋の骨折り損


 パンフレットには「LLL(Love's Lobour's Lost)のWWW(Words,Words,Words)」として、多くの言葉の解説もあった。そこから少し抜きます。

Are We not all in live? =みんな同じ穴の恋するムジナ
Now the number is even. =これで五分五分のおあいこだな
True,true,We are four. =うん、四人でしぶしぶ引き分けだ。(日本語の五分五分、四分四分の駄洒落)
LLL(Love's Lobour's Lost)は頭韻をふんでいる。知らなかった。

 舞台で新機軸があった。
 恋文を読む時、ラップのリズムで読むと言う斬新な試み。やりすぎという声もあったが、翔年はこういうリズムを利用するのは大好き、たのしくて、面白くて・・・。違和感は全然感じなかった。
 

 最後の劇中歌にある歌詞について。
1 『コッキー、コッキー、 おお、こわ、
女房もちには不気味だね。』
→「カッコー」は春を知らせる鳥。だが、他の鳥の巣に勝手に卵を産み付けることから、間男された夫のことを意味する。英語の"Cuckoo"はフランス語のコキュ(cocu←coucou)に通ずるらしい。

2 『そんな季節にギョロ目のふくろう、夜毎に歌う、
「ツーウット、ツーフー!」
陽気な音色だね、
垢まみれのジョーンは鍋かき廻す。』

→ フクロウの鳴き声"Tu-whit,to who!"は英語の"to it,to woo"(負かす、求愛する)に通じている。鍋をかき廻すのは吹きこぼれないようにするためだろう。意味はご想像あれ。


 ことほどさように、シェイクスピアの意図する意味を日本語で追うのは大変厄介。翔年は観劇後、柴田稔彦編「シェイクスピア詩集」を参考にして書いていますが、実際の劇中歌を耳で聞いて理解するのは到底不可能というものです。




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