February 18, 2007

自分の眼で見て考えよ −先生の教え

 尊敬している中村桂子先生の生命誌研究館から「季刊生命誌52」が送られてきた。中に大阪大学名誉教授柴岡弘郎のこんないいお話が載っていた。

生命誌52

1 中学生の時、レンコンに穴があるのはどうしてかと先生に質問したら、「君がメガネをかけている理由は、君が教えてくれればわかるが、レンコンは聞いても答えてくれないから、穴が開いている理由は分からない」と言われました。

2 高校生の時は、「牧野植物図鑑」の向日葵(ヒマワリ)の説明に「太陽ニ向ヒテ廻ル事ナシ」とあるのが気になり、「ヒマワリは廻るんでしょうか」と普段は怖い顔をしている先生に尋ねました。すると急に明るい顔をされて、「どうだ、キミ見てみんか」と逆に問われたのです。

 こういう理科の先生は得がたい、ありがたい先生だと思う。 多くの先生は「本を読みなさい」とか「図鑑を見たら」とか「インターネットで調べてごらん」とか、安易な指導をしているのではないだろうか。


 柴岡教授は「本を読んだり人に尋ねることだけが知識を得る方法ではない、そう気づいて、世界中の全てが先生であり友達であると思ってなんでも自分で見る、確かめるようになりました」と述懐されている。


「自分の眼で確かめる」、「自分の頭で考える」は、学問をする人だけでなく、人間にとって基本的な大切なことだと思う。

 特に、自分の眼で見て、自分の頭で考える習慣は現代人には必須だ。
 この基本さえシッカリマスターしておれば、「振込め詐欺」に簡単に引っかかったり、TVの「あるある大発見」に騙されて右往左往することはないはず。「あるある」のTV局は下請けの下請け(孫請け)がやったことはチェックのしようがないと言っているらしいが、もし、そうだとしたら、TV局はなんと「ないない頭」が集まっているところだろうと思う。考える力が弱いために判断を放棄しているのであれば、公共の電波を扱う当事者能力の欠如と認定せざるを得ない。

 株式市場には「相場のことは相場に聞け」という有名な格言がある。反対に「早耳の耳だおれ」や「筋の耳打ちは信頼するな」という格言もあるように、手っ取り早い情報を鵜呑みにするのではなく、相場を自分の眼で見てよく観察して判断せよということ。
 もっとも、いくら眼を凝らしてみても、何も見えてこないときもありますが。


※1 ヒマワリを観察すると、花が咲き切るまでは、日中は東から西に廻り、驚いたことに日が沈んだ後も複雑に動いて日の出前に東を向いたそうです。そして、植物が日に向かって伸びるのは、光に反応して葉で作られる成長ホルモンの働きによること、これらのホルモンが、茎の細胞にある微小管と呼ばれる細胞骨格の向きを変えて、細胞が伸張する方向を決めていることを突き止められたのだそうです。(柴岡先生談)

※2 生命誌は申し込めば無料で自宅に送付してもらえます。

追記
※3 牧野富太郎の随筆集『植物知識』の「ヒマワリ」にはまったく逆のことが書いてあるのに気がついた。
「世人は一般にヒマワリの花が日に向こうて回るということを信じているが、それは全くの誤りであった。先年、私が初めてこれを看破し、「ヒマワリ日に回らず」と題して当時の新聞や雑誌などに書いたことがあった。」

※4 翔年は柴岡先生が正しように思いますが、自分の眼で確かめたわけではないから自信はない。どなたか、キチンとした判断材料をお持ちの方はいらっしゃらいますか?



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ありがとう【怪獣たろうの子育てダイアリー♪】at February 19, 2007 11:41
この記事へのコメント
奈良のO さま

ご教示、ありがとうございました。

>社会全体で浅井戸復活となる施策や蛍が棲む小川になるよう期待しています。
そう思います。
そのためには何から行動を起こすべきか? 
社会の構成員が行動を起こさなければ、よくなることは絶対ありえない。

Posted by ユリウス at February 22, 2007 08:27
ユリウス様
ご返事ありがとうございます。地下水脈は岩盤中の劣カ水と地下水盆下(お盆や茶碗の中のような)の帯水層(砂や礫など粗粒子の隙間の水の層)に大別されます。汚染があまり懸念されない井戸は濾過機能の勝る深井戸や岩盤水、そうでないのがおっしゃられているような表層水の浸透した浅井戸でもう既に被害は沢山出ていると思います。水質検査で環境基準が満たされない場合は使用禁止となっています。社会全体で浅井戸復活となる施策や蛍が棲む小川になるよう期待しています。なかなか難しいことではありますが、親水性の目的意識を高めて環境保全と再生に努めなくてはならないと常々思っております。またご意見など宜しくお願い致します。

奈良のOより
Posted by 奈良のO at February 21, 2007 14:58
奈良のO 様

日本の地下水脈の現状はどうなっていますか?
いずれ濾過機能を上回る不純物に汚染される井戸が増えてくるのではないかと心配しています。
産業廃棄物だけでなく、家庭から排出される少量の毒物や重金属類も、大半の人が無関心、無配慮なので、やがては問題を起こすのではないかと思われます。
その時になってはじめて、マスコミは大騒ぎするでしょう。
警鐘を鳴らすべき役目は学者、行政、マスコミにあると思いますが、学者は社会的発言力が弱い、行政は目の前のことで精一杯、マスコミは後追い記事に終始、という具合で、社会を健全な方向へ引っ張る力が弱い、弱すぎるように思われてなりません。



Posted by ユリウス at February 21, 2007 10:47
「自分の眼で確かめる」、「自分の頭で考える」は、学問をする人だけでなく、人間にとって基本的な大切なことだと思う。
→最近、国土交通省の「全国井戸台帳」がHPにて公開され、ありがたく思います。ある地域のこのデータに小生のデータを加えて、井戸水のどこがよく出る出ないの相関図を作成して公表すれば、単なるデータに終わらず一歩進んで役立つのではないかと思いました。自分も嬉しいし、観た人も嬉しくなって頂ければありがたいと思います。おっしゃるようにいろんな方々のやられたことを「自分の眼、頭で確かめ、考えること」は確かに基本的に大切と小生も思います。
Posted by 奈良のO at February 20, 2007 21:24