May 31, 2006

重職心得箇条

 ふらっと入った古本屋で、いいものを見つけた。一つは佐藤一斎の「重職心得箇条」。一斎先生については2004年12月1日に書いている。今、重い仕事についている政治家や官僚や会社勤めの人たちに是非読んでいただきたい。いや、今ついていなくても、将来つこうと思っている方々で、まだの方も読んでいただきたい。


重職心得箇条


 どんなことが書いてあるかというと、17箇条の心得を諄々と説いている。例えば14番目の「手数を省く事肝要」はこんなふうです。(若い人はちょっと説教くさく感じるかも知れませんが、ハウツゥものではなく、心構えのことで、よくよく吟味するとなるほどと思えることを言っていますから、しばらくご辛抱ください。)

 「政事と云えば、拵(コシラ)え事繕い事をする様にのみなるなり。何事も自然の顕(アラワ)れたる儘(ママ)にて参るを実政と云ふべし。役人の仕組事皆虚政也。
 老臣なと此風を始むべからず。大抵常事は成べき丈(ダケ)は簡易にすべし。手数を省く事肝要なり」

 政治は今も江戸時代も、大して変わらないようですね。「役人の仕組事皆虚政也」とは辛辣。役職についている人間はとかく慣習、因習にとらわれて内容のないことにしてしまう弊害があると見抜いている。仕事は複雑にせず、なるべく簡易にしなさいと云う提言も的を得ている。平成の役人を予言してるように読めます。

 社会保険庁は大勢の役人が、忙しそうに動いていますが、未納率を上げるために、自分たちで勝手に、納税免除者をどんどん増やしていたのですね。そして、こんどはその数がどのぐらいか精査するために、また忙しく動いています。そのうえ、役人の調査結果は誰も信用しないので、今度は社外の組織に金を払って調べてもらうらしい。屋上屋を重ねる仕事振りは、あきれるやら、感心するやらです。これ以上言いたくありません。



大阪弁おもしろ草子

 もう一冊は、田辺聖子さんの「大阪弁おもしろ草紙」。ぱらぱらっとめくったページが15日に書いた「ちちくる」でした。その下に「上方弁の淫風」とあったから、読者のために買いました。




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