May 24, 2006

「靖国をめぐる戦い」は小泉総理の勝ち

 新・日中戦争=「靖国をめぐる戦い」は小泉総理の勝ちで終わりそうだ。決して愉快な出来事ではないけれど、小泉総理と中国政府の戦いは、我々日本人に

1 外交とはどういうものか
2 隣国中国政府の真の姿はいかなるものか

を目に見える形で教えてくれる。

 翔年は文芸春秋6月号に掲載の中西輝政教授(京大)の「日中戦争はもう始まっている」と桜井よしこさんのあちこちに書かれたたり、言われたりした言論を参考に、小泉総理と中国政府の外交交渉にのみピントを絞って、事実を時系列に並べて、対中国外交を検証したい。


○ 2001/04/26 小泉純一郎、第87代内閣総理大臣に就任。
↑ 自民党をぶっつぶすと叫ぶ首相は前代未聞でした。

○ 2001/08/13 首相就任後、初の靖国神社参拝。
↑ これをきっかけに、中国政府は執拗に小ざかしい手練手管、時には明確な悪意をもって、我が首相に対してきた。すなわち、これまでと同じように「靖国問題」で小泉政権を屈服させようとしたのです。
 以下の一連の事実を見て、それでも中国政府を信用するべきだと言う人は、ご自身のめがねが曇っていないか、まず点検してください。

○ 2004/08/  北京で開催されたサッカー・アジア杯決勝戦において、中国人観衆が反日暴動とも言うべき暴力事件をおこした。
↑ これ以降、民衆暴動があちこちでおこりましたが、後に、これらは官製の反日運動であったことが明らかになりました。(政府公認の暴動とはあきれます)

○ 2004/11/  中国海軍の原子力潜水艦が日本の領海を侵犯した。
↑ この暴挙は、翌週の日中会談を不調にするために、仕組まれたのではないか、とも勘ぐれば勘ぐれますが、本当のところは分かりません。しかし、この事件で中国政府が不誠実であったことは間違いありません。(「技術的ミスで日本領海に入った」というだけの相手を信じるバカはいません。)

○ 2004/11/  当然、翌週の小泉首相と胡錦濤総書記のサンチャゴ会談は不調に終わりました。

○ 2005/03/  韓国の蘆武鉉大統領は「日本に外交戦争をしかける」と明言した。
↑ この大統領、北京の威を借りて、対日交渉で優位に立とうとしている。(中国に焦点をあてているので、ここでは深く追求しない)

○ 2005/春  中国各地で大規模な反日デモ・暴動起こる。
↑ 日本大使館などに対する暴力破壊活動に対して、中国政府がとった態度は日本人はよく記憶しておくべきです。(国際条約違反さえ意に介さない振る舞いでした)

○ 2005/05/  来日した中国の呉儀副首相は小泉首相との会談を「ドタキャン」して帰国した。
↑ 外交常識ではありえない非礼な行いである。

○ 2005/09/11 郵政解散総選挙は小泉自民党の大勝利となる。
↑ 日本国民もびっくり、中国はもっとびっくり、外交的には大打撃を受けたハズ。その証拠はまもなく、以下に示す戦略の変更となって現れる。

○ 2005/12/08 前原民主党代表(当時)はワシントンの戦略国際問題研究所での講演で、「中国の軍事力強化は現実的脅威だ」と言い切った。
その後で、北京を訪問し、「中国は17年連続で国防予算を10%以上増やしている。(中略)脅威を感じる。」と言った。
↑ 今まで、だれも恐ろしくて言えなかったことを、言った政治家として記憶されるべきでしょう。(偽メール事件だけを覚えていては、片手落ちですよ)

○ 2005/年末 王毅駐日大使は一ヵ月半の長期に亘って中国に帰国。何のためか、一切説明はなし。
↑ しかし、これ以後、わが国各地の講演で「民間交流」という言葉を使うようになった。中国は「靖国」で攻めても、攻めても、小泉政権が揺るがないので、「民間交流」というスローガンで、へなへなの政治家や民間人を懐柔する策にでてきた。
大使はこう言っている。「もはや小泉首相には何も期待しない。日本国民と、中国政府・国民という、われわれ三者で交流を盛んにしよう。」
 日本国民が小泉総理を支持しているのは知らん振りとはいい加減な大使ですな。中国の焦りを感じますね。


○ 2006/03/  中国は東シナ海のガス田について、日中の中間線でなく、尖閣諸島周辺と日韓大陸棚の周辺で共同開発しようと、とうてい日本が受け入れられないような共同提案をしてきた。
↑ これを梃子にして、次期首相候補選びに、あからさまな介入を策すつもりかもしれません。

○ 2006/04/19 日本政府は竹島周辺の排他的経済水域(EEZ)の海象測量調査を行うと発表
↑ 今日の日経夕刊では、日中外相会談では「ガス田協議、加速で一致」と報道されているが、わけが分からない。受け入れられない提案の協議を加速したって、どうなるものでもあるまい。壊れることが明らかな車を加速したら、早く壊れるだけのこと。

 
 翔年は願う。わが国の首相選びに中国の意向が決して入らないことを。政治家も財界人も国民も、虚心坦懐、自らの心の中をよく見て、自分たちにふさわしい総理を選びたいものだ。

もう二つ、外務省の大改革と自衛隊の役割明確化が成し遂げなければ、次期総理誰になっても、立派な外交をすることは難しいのではないかと危惧している。


5/27追記
先頃、神戸の畏友K氏が中国からお帰りになりました。早速、楽しいレポートを書いておられますが、その中に、現在の中国において、過去の抗日運動を民衆にどんな風に伝えようとしているかを窺い知る記述があります。現地で実際に見た方の印象記です。興味のある方はどうぞ。ここです。

この記事へのトラックバックURL