5月9日と12日に「お茶」について書いた。ちょっと書き過ぎたかなと思わないでもなかったが、テニス仲間のA氏からも、囲碁仲間のS氏からもご挨拶があったし、神戸のYさんからはメールで下のようなご質問をいただいた。このような読者の熱意に応えて、もう一回だけ、「お茶」について書きます。
「茶のことで今ひとつお聴きしますが、”お茶の子さいさい”(たやすいこと)とは
どこから来ているのでしょうね。教えてください。
お茶の子さいさいでしょう!」
ちょっと挑発的な感じがしますが、まぁいいでしょう。
「お茶の子」とは昔、茶道にあって、「喫茶・お茶」の時に食べた「菓子」のこと。昔は中国語の「点心」に仮名を振って、「ちゃのこ」と読ませたりしていました。腹にたまらない軽いものから転じて、ごく些細なこと、小事を意味するようになったらしい。「朝飯前」と同じ意味です。
後ろに付いている「さいさい」は、こまごましたという意味の「細細」かも知れませんし、はやし言葉かも知れませんが、よく分かりません。
この関連語では、朝、茶を飲む前にとる少量の食物のことを「朝茶の子(アサジャノコ)」というそうです。
さて、「乳繰りあう」が「茶」の関連語だといったら、ちょっと意外でしょうか。意味は「男女が密会して戯れあうことをいう」でしたね。日本語には当て字が多い。これも例に漏れません。本来は「ちゃちゃくる」と言っていましたが、イチャイチャするんやったら、これがええんちゃうと、誰かが「乳」を当てたらしい。これが大当たり。「ええやん、ええやん」、「ええ、ええ」という声が大きくなって、「乳繰りあう」が定着したようですが、本来、乳房とは関係ないんです。
ちなみに、これを博多地方では「ててくりあう」と言うそうです。むしろ、こっちに「手手繰りあう」と当てた方がいいですか?
ここから先、臍が茶を沸している位置から三寸下がります。お嫌でなかったら、「続きを読む」をクリックしてください。