楽天とTBSとの攻防戦が持久戦になりそうだ。「経営統合しようよ」という楽天の提案なのだから、両社の経営陣であらゆる角度からシッカリ検討されたらいいと思う。
ところが、もう一つ別の問題が持ち上った。昨日のプロ野球実行委員会が楽天のTBS株大量取得を「協約違反」と判断したことだ。巨人の清武球団オーナーは「誰がみても違反行為をしたこと自体が問題だ」とコメントしているから、来月4日のオーナー会議も同じ結論を出す可能性が強まっている。
野球界はいろいろ変な論理がでてくるところなので、どこがどのように変なのか、資本の論理から筋を通した見方をしてみたい。
問題になった野球協約の第183条では球団、オーナー、球団株式の過半を持つ株主、球団の事実上支配権を持つとみなされる株主などが直接・間接を問わず、他球団の株式や、他球団の支配権を持つとみなされる企業の株式を所有することを禁止している。ただし、他球団の間接所有については、「他球団との利害関係が客観的に認められない」と実行委員会とオーナー会議が判断した場合は、違反しないことにするとしている。
さて、現状はこうなっています。
1 楽天は楽天イーグルスの100%オーナー、TBSの15.5%以上の株式を所有する筆頭株主である。
↑(翔年の意見)楽天が筆頭株主になるまで株を買い増している状態は、憲法、商法、証券取引法などに照らして違反していない合法状態です。違反しているのは、仲良し倶楽部的な閉鎖集団の作った野球協約183条違反だけです。
自分たちの作った協約による違反行為が現在あるわけだから、制裁権限をコミッショナーは発動すればいいのです。そうしたら、矛盾がよくわかる。
みなさんはどうなると思いますか?
○ 野球協約に違反したからといって、法律に違反していない楽天にTBS株の売却を指示できない。それは当然でしょう。
○ 野球協約では「違反状況を解消せよ」というコミッショナー指令を出すことができます。その場合、解消されるまでの間、違反球団(イーグルスとベイスターズ)の監督、コーチ、選手は全て野球活動を停止しなければならないのです。
野球協約に違反しているとプロ野球実行委員会が主張する以上、自らのルールに則って処理せよといいたい。(彼らにできるわけがありません。)
↑(翔年の質問)
a フジテレビジョン放送がヤクルトと横浜球団の株式を持っているは何故問われないのでしょうか?
b 巨人の親会社の読売新聞社は従来から読売系のメディアで巨人よりの記事を載せ、巨人よりのTV番組を流していますが、これらは新聞や放送の「公平な不偏不党報道」に抵触しないのでしょうか?
c 今、野球はファンのものという声が急激に高まってきたけれど、巨人の元オーナーは巨人軍というアイドル球団を私物化してきませんでしたか?
ご自分の胸に手をあててよく考えていただきたい。
d 阪神電鉄の株式を所有している村上ファンドの「MACアセットマネジメント」にはオリックスの資本が入っているのではないですか?
阪神とオリックスは問題ないのですか?
e お金に色はついていませんから、銀行系列でみれば、まだまだ多数の球団の親会社が複数の球団と関係していることがあるのではありませんか?
翔年は三木谷社長を援護しているつもりはありません。(どちらかといえば嫌いなタイプの経営者です)ただ、古い野球関係者のご都合主義を指摘し、話が変な方向にそれないように注意しながら、そもそもの根本問題(資本の元)からキチンと対応されるように、野球関係者にもの申しているだけです。