November 30, 2004

次世代DVD戦争 -がっぷり四つ-

 昨日、東芝はNECなどと共同開発している次世代DVD(デジタル多用途ディスク)規格について、米タイム・ワーナー(TW)など米映画4社の支持を取りつけたと発表した。ソニーや松下電器などは別の規格のブルーレイ・ディスクを推進しているので、両陣営の争いは目が離せなくなってきた。今の状況はかつて1950年代初めに争われたVTRの「VHS対ベータ戦争」に似てきた。

 消費者の視点からいうと、両陣営のどちらの機種を買うかは大問題で、ハード会社がソフト供給会社を自分の陣営にとり込んでいるので、見たいソフトが自分の機種では見られないような事態も起ると思われるから要注意だ。

 一方、投資家の視点で見るともっと深刻だ。2陣営並立時代は暫くは続くだろうが、両雄並び立たずはいつの時代でも真理だ。敗者陣営は市場からすごすごと引き挙げることになるだろう。VTRの時代とは違って、パソコンに搭載されるデバイス方式でもあるので、敗者のダメージは相当深刻なものになるはずだ。

 二つの陣営の技術的折衷案も考えられなくはないが、ディスクに記録する深さが0.6个0.1个塙渋い異なるので難しいと見る。


 将来を見通すために、今時点での両陣営のハード会社とソフト会社を整理しておきたい。

HD DVD 陣営(特長は光ディスクの製造コストが安い、現行の4倍の記憶容量)
機器メーカー  東芝、NEC、三洋電機
IT       マイクロソフト、IBM
映画      タイム・ワーナー、ユニバーサル・ピクチャーズ、パラマウント
光ディスク   メモリーテック

ブルーレイ・ディスク陣営(特長は光ディスクの記憶容量が大きい、現行の5〜6倍の記憶容量)
機器メーカー  ソニー、松下電器、シャープ、サムスン電子、フィリップス
IT       ヒューレット・パッカード、デル
映画      20世紀フォックス、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
光ディスク   TDK

 両陣営の大手を挙げましたが、投資家としてはこれに繋がる部品メーカー、製造装置メーカー、関連素材供給メーカー等にも目を光らせる必要がありますね。具体的には半導体、IC、ピックアアップレンズ、蛍光表示管、抵抗器、ディスク射出成形機、ディスク製造用金型、DVDドライブ、ディスク取出し用ロボット等々ハイテク製品だけに裾野は物凄く広いです。社名は省略しますが(よく分らない)、40〜50社はあります。

 皆さんはどちらの陣営が勝利をおさめるように思いますか?
要注意なのは東芝は昨日の発表記者会見にワーナー幹部の出席を求めたが「断られた」という記事が日経にありました。天下分け目の決戦を制するのは何処かの裏切り行為に端を発するかも知れませんね。

 この段階でマーケティングのプロが如何なる戦略を取るべきか、キーワードは何か、など明快に語ってくれたら素晴らしいのだけれど・・・。勝敗の帰趨が分らない段階で熟慮断行できれば、大儲けも夢ではありません。

 「偉そうな口を利くお前はどうだ」と言われれば、「もう少し考えさせてもらいます」としか言えません。スミマセン。
 ただ、技術的に見てブルーレイ・ディスク陣営の記憶方式は0.1个凌爾気傍録するのだから、記憶容量が大幅にアップできるウルトラCの可能性があるのではないかと見る。パソコンなどで編集する場合のことを考えると、コスト高を跳ね返す鍵は記憶容量の増大にあるような気がしています。



  

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November 29, 2004

1945年のクリスマス -憲法草案秘話- 

ベアテ・シロタ・ゴードン著 平岡磨紀子(構成・文) 「1945年のクリスマス」
1945年のクリスマス
ベアテ・シロタさんからいただいた署名
ベアテ・シロタの署名
 今までに、マッカーサーの占領政策下で我国の憲法がどのような道筋を辿って成立したか、ということについて、日本人側(敗戦国の人間)の日記や証言などを幾らか読んだことはあるが、この本は全く反対サイドからの記述だ。GHQ民生局(アメリカ占領軍)に勤めていた若いアメリカ女性が日本国憲法の立案に奇しくもたずさわった激動の1週間を書いている。日本側の記録とつじつまが合っているから、ここに書かれていることは事実であると信じる。それにもましてGHQ民生局のメンバーが優秀な上に、志も大変高かった人たちだったということが強く印象にのこる。彼らは本気で理想的な日本国憲法を作ろうと努力している。それは戦争放棄条項だけではない。人権や女性問題にも熱い思いが込められて日本国憲法草案は作られたのだ。
 例えば、こんなくだりがある。

草案の第四条
この憲法の後日での改正と、将来できる法律、法令は、すべての人に平等と正義、権利を廃止したり、限界を設けることはできない。
公共の福祉と民主主義、自由、正義はいかなることがあろうとも、将来の法令によって侵されない。(以下省略)

 この条文は当時民主主義や権利意識の希薄な我国が憲法を改正して元の木阿弥にならないようにという思いでかかれているのだが、それに対してケーディス大佐がこのように発言して反対している。
「これは暗黙のうちに、この憲法の無謬性を前提としている。一つの世代が、つまりわれわれのことだが、他の世代に対して自分たちの手で問題を解決する権利を奪うことになる。原案のままだと、権利章典の改正は不可能になる。つまり、権利章典の変更は、革命を起すしか方法がなくなる。とても賛成できないね。」

 この言葉には感動した。我国の政治家で、護憲派であれ、改憲派であれ、法にたいしてこれだけ深い見識をもっている議員は何人いるだろう?
逐条、このような真摯な討議が深更に及んで繰広げられているのは、彼らの立派な憲法を作りたいという真心であり、日本人なら感謝しないわけにはいけない。最期はGHQの力による押付け憲法と言われてしまう運命にあるのだけれど、草案を作った人たちの努力は素晴らしいと思う。
 それとこの草案作成時に22歳だった著者は女性の人権や地位向上に対して並々ならぬ思いを込めて、草案つくりをしているのもすばらしい。その努力のかいがあったのだろう、日本国憲法103条の内、人権条項は31条もあって、全体の三分の一を占めている。そして彼らは、後日日本人が自らの手でこの憲法を改正も改悪もできる権利を日本人の手に残しておいてくれたのだ。

 トップシークレットであったため、その秘密を50年以上もの間、一度も口にしたことがなかった彼女が明かした真相は衝撃的です。歴史はいろいろな側面をもっています。この本のように戦勝国側から見た、それも組織の下のほうに位置していた一人の日本通の若い娘が体験した憲法草案作成の記録は貴重です。
 我国はこれから、憲法改正について国民的議論をはじめなければなりません。この機会に若い人にこの本を読んでいただきたいと思いました。  
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November 28, 2004

碁友の結婚式

高岡和宏.jpg 長年の碁友がやっと結婚。心からおめでとう。新婦のおかあさんへのお礼の言葉に思わずもらい泣き。結婚式で泣いたのは初めて。

帰宅途中、空にはおりからの満月が祝福してくれていました。


  
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November 27, 2004

若いときみたいにしてくれ!

 以下のちょっといい話は9月6日、9月27日、10月30日のエントリーで紹介した玉川和正氏の「人生のセイムスケール」に翔年が昨日投稿した文です。
art random - 人生のセイムスケール

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 若い頃(1968年)に著書「都市の論理」に出会っているので、羽仁五郎は反体制の教祖みたいに思っていました。ところが赤瀬川原平氏の本によると、晩年はなかなかかわいいおじいちゃんだったらしいです。
藤沢市民病院に入院中、死の1週間前、説子さんがいつものように額に接吻をして帰ろうとすると、羽仁五郎は「若いときみたいにしてくれ!」とねだった。夫82歳、妻80歳でした。
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 現在、氏の「人生のセイムスケール」は1659人が収録されています。(毎日、増えています)誰でも好きな故人をリクエストすれば、墓守を任じておられる玉川氏が調べてキチンとまとめてくださいます。私は神谷美恵子さん他何人かをリクエストして納めていただきました。
また、辞世の歌とか言葉や上のような人生の最終章のエピソードなどを書いて送ると、関係のあるところに投稿者のネームを付して収録されます。
 氏はこの大変な作業を「おつとめ」と称されて、ライフワークとされています。誰でもこんな立派なデータベース作りに拘れるのだから、うれしいですね。

  
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November 26, 2004

またしてもタックスイーター

 先月、タックスイーターについてはさんざん書いたので、あんまりこういうことばっかりクドクドと書くのもどうかという思いもあって、タックスイーターを見つけてもダンマリを決めていました。
 ところが今朝の読売新聞を見て、これはもう一回書かなければならないと思いました。道路公団の天下りについて、官僚達のずる賢いというか、恥知らずというか、嘆かわしいというか、何とも表現のしようがない姑息な手談を弄しているのが分ったからです。

 日本道路公団とファミリー企業の不透明な経営関係(独占的、排他的)が問題となり、現在この癒着構造をぶっ潰すための改革が進められているとばかり思っていました。ところがこの2年間の成果はこんなものだったのです。

(1)公団からファミリー企業への天下り社長 60人 → 17人
確かに天下り社長は減っているのですが、喜ぶのはまだ早い。次の数字を見たら喜びが怒りに変ります。
(2)社長以外の天下り代表取締役 17人 → 51人
表向き退任した社長が、新設した代表権のある副社長ポストに居座っている例や代表取締役相談役になりすましている輩もいるのです。この数字は昨年は29人、今年は51人と年を追って増えています。それにしても、副社長ならいいと誰が決めたのでしょうか? 大臣や国会議員はこのような官僚の振舞いをチェックしなければならない義務を負っているはずですが、この責任は誰がとるのでしょうか?
(3)このような偽装退任によるからくりで代表取締役は105人 → 124人
に増加しているのです。
(4)その上、日本道路公団は借金漬けの大赤字なのに、ファミリー企業は余剰金を内部留保しています。

 我々はこのようなことに怒りを感じなければなりません。その甘い蜜にあつまるハエどもに鉄槌を下さねばなりません。庶民に出来ることは、このような事態を監視することと、こんなことをさせない議員を国会に送ることしかありません。この国の「政」と「官」と「業」の癒着構造をこのままにしておいたら、次世代は大変な苦労を背負込むことになります。どうか若い人たちが立ちあがって投票行動で「ノー」を示してもらいたいと願ってやみません。

  
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November 25, 2004

京都賞受賞 パソコンの父-アラン・ケイ

今年の京都賞先端技術部門は「パソコンの父」としてよく知られているアラン・ケイ(米・64歳)が受賞した。
京都賞について

アラン・ケイ (photo by wikipedia)
アラン・ケイ
その関連で昨日、読売新聞朝刊にアラン・ケイ博士のインタビュー記事が載った。インタビュ-の中に輝く言葉を見つけた。

「科学は遊びの一種。楽しむことが大切なんだ。」

「科学を学んだからといっていい人になれるわけではない。」

「科学や数学、音楽を学ぶことは遺伝子に書かれていない。環境を整えて、適当な時期に教えてあげることで、子供たちは学ぶことができるようになる。」


 短いインタビュウの間にこれだけ本質的な言葉をキチンと語れる人は少ないと思う。さすが、彼の「アルト」を手本にしてマックは生まれたのだし、「オブジェクト指向」なる言葉も彼が初めて使ったというから天才は違う。もともと創造者であり、教育者である彼が京都市の小・中・高校で「スクイーク」を利用した「ALN-Kプロジェクト」(先進学習ネット)を始めたというから、成果が今から楽しみだ。
  
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November 24, 2004

ヨーロッパの三人、能を見学

「羽衣」”The Robe Of Feathers"
能-羽衣
 Tさんとヨーロッパからの三人、(フランシス、ミヒャエル、マニュエラ)と5人で観世流能師範のNさん宅を訪ねる。外人にも分るようにと英文で説明したり、ビデオや実演を混ぜたりしながら、羽衣のサワリの部分に限定して何度も味わえるように配慮していただいたので、3人とも大満足でした。説明に「春日大社」を聞いて囲碁の「大斜定石」の「タイシャ」をイメージしているような、ヨーロッパ人ですから果してどのような理解であったのかは誰にも分りません。(後で、日本語は同じ音で意味の違う言葉が多すぎると文句を言われました。)

「能のお勉強」
能の見学
 翔年は日本人の端くれ、横で聞かせてもらって、能のアウトラインがぼんやりと分りました。特に能舞台背後にある松に神が降臨し、能を舞うということは神に見てもらうのだという本来の意味を教わって、歌舞伎などの遊興とちょっと違う雰囲気が能にあるのがよく納得できました。
  
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November 23, 2004

暦の改革運動(2)

固定歴と世界暦
 11月18日のエントリーの続きです。現行の暦の弱点を補おうとする「固定歴」という考え方がある。この暦は1927年に国際連盟が改暦試案を募集した時の応募作の一つで、次のような特長を持つ。
(1)1ヶ月は28日、一年は13ヶ月とする。
(2)元旦=特別な無曜日とする。(28×13=364で一日余るのでやむをえない)
(3)四年に一度の潤年はもう一日増やしてこれも無曜日の休日とする。(これもやむなし)
(4)この結果、元日の翌月を1月1日とし、これを日曜日とすれば、毎月1,8,18,22日が日曜日になる。ということはその他の曜日も勿論毎月同じだから大変便利である。、(5)一旦上のように決めてしまえば、曜日で動いている現代社会では来年も再来年もいつの年でも8日は日曜日となって固定できる。
(6)無曜日はキリスト教国には受入れがたいらしい。(今、自分たちの文化を他民族に押しつけている反省はありません。)


 これほど簡単化しないけれど、現行歴をほんの少し修正した「世界暦」というのもある。
(1)1月(31日)、2月(30日)、3月(30日)
   4月(31日)、5月(30日)、6月(30日)
   7月(31日)、8月(30日)、9月(30日)
   10月(31日)、11月(30日)、12月(30日)とする。
(2)やはり1日余るから大晦日を無曜日とする。
(3)閏年にはもう1日無曜日(ワールドデイ)を置く。
(4)この案では月ごとの曜日は一致しないが、年毎の曜日は一致する。1月、4月、7月、10月の1日は日曜日と決るのです。

 この暦なら使ってもいいかなと思う。が、過去に国連で世界暦の議案を取上げたことがあったそうだけれど、簡単に流れたという経緯がある。便利だけがいいとはいかないらしい。
 大勢の人に新しいものを受入れさせることほど難しいことはないということか。
  
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November 21, 2004

塾にヨーロッパからお客さん

フランシス(英)とミヒャエル(独)
Francis&Michael
マニュエラ(独)
Mnuela






 20日のいきいき塾例会にヨーロッパから3人のお客さんの訪問があった。国際的に活躍されている知人のTさんが、わざわざ車で大阪から京都の田舎までつれてきて下さったのです。

 ヨーロッパの段位でフランシスは四段、ミヒャエルは三段、マニュエラは2段。一般的にヨーロッパの段位は辛くて、我国の並の五段はヨーロッパの五段にはとうてい勝てないといわれている。欧米人の中には碁の本場の日本人と対戦して、あまりの弱さに拍子抜けした経験者は多い。これは日本の段位は日本棋院や関西棋院が本来棋力の強さを表す段位なのに、お茶やお花の家元制度の免状と同じようにお金(寄付金)の領収証みたいにしてしまっていることが原因である。

 幸い、翔年とTさんとフランシスが全米囲碁協会の会員で、それぞれAGAポイント(強さのレベル)が明かなので、3人の相対的関係から塾の全員が適正な手合割り(ハンディキャップ)で力一杯の対戦を楽しむことが出来た。

 フランシスは音楽をはじめ文化に造詣が大変深く、日本語も話せるし漢字も数百は読めるなど、日本文化に対する興味も並々でないものを感じた。将棋も知っているというので対局したが、ヨーロッパの7級というだけあって、なかなかのものだった。
 ミヒャエルの碁歴は10年、若いマニュエラは2年というから、その進歩の速さには驚く。ミヒャエルは数学とコンピュータ、マニュエラは生物学とコンピュータを学ぶ学生なので、これからどこまで強くなるか楽しみな二人である。

 3人は塾で宿泊した初めての外国人になりました。(勿論、畳の上でフトンで)23日には知り合いの能楽師のお宅に連れて行って、日本の伝統芸能を味わってもらうことにしている。このような時、何時も感じることは、自分が日本の古典芸能や日本文化についてあまりにも知識が乏しいことです。乏しいというより、若いときから古いもの、伝統的なものに背を向けてきた結果、その咎を受けているといった方が当っています。日本を深いところで理解しようとしている外国人にチャンと対応するには残念ながら翔年は力不足です。
  
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November 19, 2004

テニスの森田あゆむ、破れる

 テニスファン注目の14歳の森田あゆむがユニバ代表の道慶に6-2,6-7,4-6の接戦で破れ、全日本女子シングルスのベスト4進出はならなかった。新聞によるとマッチポイントを握っていたのに、相手の浮き球をスマッシュミスしてペースを狂わせたらしい。若い選手にはよくあること。
 破れはしたが、フォアもバックも両手打ちの強打はプロ相手にも十分通用することを印象付けた。これから精進して大きく世界に羽ばたいて欲しい。若さからして、先輩の伊達、杉山の上を狙える逸材に心からの声援を贈りたい。
  
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November 18, 2004

暦の改革運動(1)

「こよみ事典」 柏書房刊
こよみ事典

 「フランス革命歴」という暦があることを知った。現在世界中でつかわれているグレゴリオ暦はもっとも簡便で正確な暦法だそうだが、欠点もあると思っていたので、ちょっと暦のことを調べてみた。







 まず、比較する前に翔年が考える現行グレゴリオ暦の欠点を挙げておきたい。
1 各月の日数が不ぞろいである。(小学校で初めて暦を習った時「なんでや?」と思った。)
2 毎年曜日が移動する。(新しい手帳を手にとるたびに、不便だなと思う。)
3 年の前半、後半、四季などの日数が一致しない。(個人的な好みだけど、分割に整合性がほしい。)
4 キリスト教的要素が強い。(個人的にこの傾向は排除したい。)
5 新年の位置に意味がない。(フランス革命歴をみよ!)

フランス革命歴は王制廃止が宣言された1789年9月、数学者のラグランジュを始め、詩人や天文学者など当代一流の人々で構成された改暦案起草委員会で立案された。
それはこのような革新的な暦でした。
1 一年はパリにおいて太陽が秋分点を通過する日に始る。(こんなのは絶対反対です。)
2 第一年の制定、これは省略です。(フランスの国内の出来事を定めているから無視します。)
3 1ヶ月を30日、一年に5日の余白を年末設ける。(あんまりよくないナ)
4 週を廃止し、1ヶ月を10日ごとの三旬(デカード)に分け、10日、20日、30日を休日とする。(別途休日を増やす手だてが必要ですね)
5 1日を10時間、1時間を100分、1分を100秒とする。(面白い。・・が世界中が大混乱に陥るだろう。5時に腹を空かせることができるかな? この暦を受入れられたらメートル法も全世界に受入れられると見る。)

 如何にも仏蘭西人らしい発想に満ち満ちており、こう自国中心主義(中国もこれがある)が鼻については失敗はいたし方ないところといえます。
けだし、偉大な実験であったことは事実です。
 この後、「固定歴」や「世界暦」の提案が続くのですが、それらは次の機会にします。
  
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November 17, 2004

現代短歌大賞に佐佐木幸綱氏

昨日のAsahi.comより
 『第27回現代短歌大賞(現代歌人協会主催)は、佐佐木幸綱氏の歌集「はじめての雪」(短歌研究社)並びに過去の全業績に決まった。副賞30万円。授賞式は12月9日午後6時半から東京・神田錦町の学士会館で。』

「佐佐木幸綱歌集」 国文社刊
佐佐木幸綱
 祖父に信綱、父に治綱という「歌の家」に生まれ育ったこの人の受賞はうれしい出来事だ。家系がどうのこうのという訳ではないが、祖父の父広綱もまた多くの門下生を擁する国文学者であり、歌人であったと聞くと血筋は争えぬものかとも思う。
 そんなことは兎も角、幸綱氏は「男の歌」を歌うから強く魅かれる。下の歌に本当に全身が痺れた女性を翔年は知っている。





ゆく水の飛沫(シブキ)渦巻裂けて鳴る一本の川、 お前を抱く    佐佐木幸綱

 同じモチーフの歌をもう二首。

噴き出づる花の林に炎えて立つ一本の幹、お前を抱く    佐佐木幸綱

天の色たちまち川を染め上げて男荒れたる後の淋しさ    佐佐木幸綱


 下の歌はもう少し柔かいですが、やはり男歌にちがいありませんね。

よき事に終りのありといふやうにたいさん木の花がくづるる    佐佐木幸綱

泰山木(写真は青木繁伸氏、Links参照)
泰山木

 翔年はこの歌を知ってから、植物図鑑を調べたり、はては泰山木のあの豊な白花を求めて神戸の森林植物園に行ったりもしました。




 ちなみに、おじいさんの歌をどうぞ。

ぽっかりと月のぼるとき森の家の寂しき顔は戸を閉ざしける    佐佐木信綱

蛇足
幸綱氏の早稲田大学時代の教え子が「サラダ記念日」の俵万智さんです。こちらの方が有名かも知れません。
  
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November 16, 2004

蛤(ハマグリ)

 先日、小津安二郎の映画を見た。「秋日和」と「彼岸花」の二本、久しぶりに映画を堪能した。小津映画は色んなところで誉められ、愛されているから、翔年がつけ加えるべきことはない。ただ、台詞回しの面白さも見所の一つではないでしょうか。「秋日和」に江戸川柳をふまえたこんな会話があったのを見逃しませんでしたよ。中年のオジサン連中の会話だから、下世話になるのはやむをえません。

 全編を通じて亡夫の七回忌を終えたばかりの未亡人の結婚話と婚期を迎えたその娘の結婚話が同時平行に進行している。
亡夫の級友三人が寿司屋にいるシーン。(佐分利信、中村伸郎、三上真一)
A 「はまぐり!」
B 「蛤は初手か」
それを聞いていたCが暫くしてから、
C 「赤貝!」
A,B 「おれも赤貝」

蛤は初手赤貝は夜中なり     江戸川柳

 お目出度い席に出る蛤の吸物は初めのほうに出るご馳走だ。それから、蛤も赤貝もその形状の連想から、女性器を指しているといったら鑑賞の助けになるだろうか?

 閑話休題。
 翔年は蛤の句ならもっと上品な川柳を知っているので、ついでに鑑賞しましょう。

蛤の出るまで捲る潮干狩り    江戸川柳

(表)潮干狩りでは浅いところで掘っていても「あさり」とか「烏貝」しかでてこない。「蛤」を取るにはもう少し深みに行かなければならない。そのために裾をもっとまくり上げなければなりません。

この手の話題のお好きでない方はここから先へ進まないで下さい。  続きを読む
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November 14, 2004

危機管理体制 -どこかおかしい-

Yomiuri-Onlineは次のように報じている。
 「政府は13日、中国海軍所属の原子力潜水艦による領海侵犯事件で初動の対応が遅かった反省を踏まえ、潜水艦の領海侵犯に対応する政府部内のマニュアルを作成する方針を固めた。」と。

 政府は「潜水艦の情報が防衛庁内の担当部署や首相官邸の一部にとどまっていた。対応の指針もなく、防衛庁、官邸が協力した行動ができなかった」と分析しているというが、「本当か?」、「タガがゆるんでいないか?」と強く問いただしたい。

 「一般の不審船対策としては、政府は1999年に起きた北朝鮮工作船事件を受け、海上保安庁と防衛庁などの連携方法をまとめた『共同対処マニュアル』をすでに作成しているから、対処できるというのだが・・・。
それで、今度は原子力潜水艦のマニュアルを作るのだと。

 オイオイ、危機管理とはそういうものでは絶対にないはずだ。領海が侵されたら直ちに国の最高責任者まで情報が行くのがあたり前だ。不審船であれ、原子力潜水艦であれ、なんであれ、領海侵犯という事件への対応の基本は同じであろう。

 マニュアルがないからといって、こんな初動も取れないようでは、国防関係予算をいくら組んだところで何の役にも立たないではないか。全く危機対応ができてない。
 小泉首相、シッカリしてくださいよ。

  
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November 13, 2004

学校教育の改革

 今夜のNHK-TVで学校教育の改革についてやっていた。民間校長の取組みや地域住民による学校運営協議会の設置など、さまざまな教育改革が行われ始めているのを知って、大変うれしかった。やっと手をつけ始めたのかとの思いはある。文部省、教育委員会、学校の先生は何故ここまで教育がひどくならないうちに改革しようと思わなかったのだろうか? 

 もう一つ、音楽教育に関するいいニュースがあった。
 今、単純なリズム楽器、あのカスタネットが小学校で人気が出ているという。人気の源は中村彩子さん(27)が作曲した「スペインのカスタネット」という合奏曲にあるらしい。この曲、長さ約3分、曲調はフラメンコ風で情熱的、カスタネットの4パートはリズムの追いかけっこをしたり、、重なったりして立体的な響きを作るそうだ。翔年は是非聴いてみたいと思う。
 小学生が「つまらない楽器と思っていたけど面白い。お母さんはうるさいと言うけど、うちでも練習している」と話しているから、これはホンモノだと思う。音楽の根源的な楽しさを子供に体感させる音楽教育はすばらしいと確信する。こどもがいきいきしている学校はいい学校に違いない。
  
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Skypeは使える!

 過日、ライブドア-が無料提供しているSkypeをクロマチックハーモニカの木谷悦子先生と試してみた。10月25日のエントリーの続きの実験です。

木谷先生側  WindowsXP Skype(日本語版) 
翔年側    WindowsME Skype(英語版)
両者ともブロードバンド接続の環境です。
試用の結果、Skypeは使えると思いました。

今までの試用結果をまとめると次のようになります。
           音声      画像      ファイル
Skype         ◎       ×       ◎
MSN Messenger     ×       ◎       ◎
ヤフーメッセンジャー  ○       ○       ◎

OS付属のサウンドレコーダー  ◎(音楽に使えるレベルにある)

 SkypeはTV画像が送れないので、MSN Messenger のwebcamで動画像を見ながら、Skypeを使いました。この使い方なら遠隔授業がなんとか可能であると先生は判断されました。残念なことに、会話は問題ないのですが、高調波を多く含むハーモニカの音はざらついた感じでもう一つでした。この点はOSに付属のサウンドレコーダーとかテープとかMDを使うことで何とかクリアーできる。Skypeは来年1月ごろには映像も送ることが可能となるということなので、それを楽しみに待つことにします。

 木谷悦子先生のハーモニカはここで試聴できます。
クロマティックハーモニカ木谷 悦子ホームページ!



 近所の喫茶店に活けられていた珍しい花、名前はカンガルー・ポーというそうです。翔年ははじめて見ました。
「カンガルー・ポー」 写真は青木繁伸氏(Links参照)
カンガルー・ポー  
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November 12, 2004

天然ダム → 河道閉塞?

 asahi.comからの引用です。
『新潟県中越地震の地滑りで、山古志村と小千谷市を流れる芋川にできた「天然ダム」について、国土交通省は12日、今後は「河道閉塞(かどうへいそく)」と呼ぶことを決め、関係機関にも同調を求め始めた。地元から「『天然』という言葉にはプラスイメージがあり、被災のひどさが伝わらず、違和感がある」との声が挙がっていた。
 同日の閣議後記者会見で北側国交相が明らかにした。』

 河道閉塞? よく分らないなぁ。天然ダムなら誰でも分る。どうしてこういうバカなことを直に実行するのか分らない。災害で被害を被った方はお気の毒です。でも、気の毒な被害者=弱者(敢えて言います)からの意見だからといって、そこまでハイハイと聞く必要はない。
本来、「天然」は自然に出来たモノやコトにつける美しい日本語です。ただし、天然痘というように忌わしい病気にも冠せられることもある。北側国土交通省の決定に従うとこの病名もプラスイメージがあるから変えなければならないの? 変えるの???  大臣は何時もやさしさを演出しているの?

 このような言葉に価値観を持ちこんで言葉の使用を制限するようなこと(言葉狩り)は止めてもらいたい。こんなことをすることは「やさしさ」とはなんの関係もありません
  
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国籍不明?の潜水艦

 国籍不明の潜水艦が領海侵犯事件を起した。
 政府は国籍が特定できているのに言葉を濁しているように思う。この領海を侵犯されたという事態への対応、中国に対する我国のスタンスが定まっていないから、このような醜態になる。それとも防空識別圏(ADIZ)の外に出たら、分らなかったとしてウヤムヤにするつもりなのか? そんなバカな!

 後日、この問題がどう処理されたかを考える時、絶対に必要になるので、中国の言いぐさを列挙しておきます。
曽副主席「事件は報道で知った。自分たちは関心を持っており、調査をしている。」
曹国防相「問題を拡大するのでなく処理していこう
中国外務省章啓月副報道局長「中国の全ての関係部門が注意深く注目し、事態を理解しようとしている。気ままな推測をしないように希望する

これらの発言から中国は事件が自分たちの問題であることを知っている日本政府の弱腰につけこもうとしているのはあきらかですね。日本政府はこけにされていると思うのは翔年だけではないでしょう。
  
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続・続・創造性を育む

 若い世代の理科離れの問題意識から、独創性や創造性を育むため学校教育を改革しているという新聞記事に関して、翔年は学校教育が記憶力に偏りすぎていることを憂えてきました。
11月8日、9日のエントリーに対して、Oさんからつぎのような素晴らしいご意見のメールをいただきました。
理科は現場でどう感じるかで、基本的に教科書はいらないと思うのです。植物や小さな虫から、突然出てきたイタチやイノシシなど自然を体験することから、好奇心があるかどうかと思うのです。』
 Oさんのご意見に賛成です。理科をおっしゃるように観察や体験重視で好奇心を刺激しながら教えることができる力量をもった先生が多くいて欲しいと思います。この方式だと理科嫌いはなくなるかも。

 今日は記憶のことではなく、思考力、創造性の涵養について言わせてもらいます。翔年は思考ゲームの囲碁が大好きなので、囲碁の学び方と学校の勉強の仕方を比べて論じたいと思います。囲碁をご存じない方は将棋など類似のゲームとかスポーツとか作曲とか絵など創造性の高い遊びをアナロジー的に考えてください。

A 学校教育の特長
 1 目指すところは知識の獲得、暗記重視、せいぜい思考力は類題解き程度
 2 先生は手取足取り教え込む、教える量が多い、サボる生徒を監視、評価はつまるところ記憶力テスト
 3 生徒は学び覚えるが、学習は苦痛、試験勉強は更に苦痛
 4 生徒の特長は物知りで類題解きが上手になる

B 囲碁教室の特長
 1 目指すところは技量の向上、記憶より思考力創造力重視
 2 先生は教えすぎない、生徒の力を引きだす碁が嫌いにならぬよう最大限配慮、評価は実践対局を先生が観察(記憶力テストはない
 3 生徒は学び覚えそれを実践で試す、学習は面白くて楽しい。試験勉強不要
 4 生徒の特長は挑戦的で向上心旺盛になる

 比較してみるとこのようになるのですが、皆さんはどのようにお考えですか?
翔年の周りには囲碁を子供たちや主婦や定年後の高齢者等に教えておられる方が大勢いらっしゃいますが、みなさんが異口同音におっしゃるのが、碁が好きになるように、嫌いにならないように最大限の配慮をしていると。その上、みなさんボランティア活動に心が燃えていらっしゃいます。
学校の先生は生徒が勉強が好きになるような配慮、学校の生活が楽しくなるような配慮を第一に考えていただいているのでしょうか? 翔年は成果を追い求めすぎているように感じてなりません。

 いうまでもないことですが、人間は皆伸びようとする欲望を持っています。ですから、「伸びる喜び」を感じるし、「知る喜び」と「考え出す喜び」とを感じるのです。学校教育は知る喜びまでで、考え出す喜びを味わうことをなおざりにしていると思います。

 最期に教育の原点は生徒に火をつけることです。そのためには先生自身が燃えていなければならないことは申すまでもありません。
  
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November 11, 2004

拉致問題に対する姿勢 -我国と米国の違い-

 第3回日朝実務者協議は10日、平壌で二日目の協議を続行した。ただ、新聞の扱いはきわめて小さく、TVなどはほとんど無視している。これは国民もマスコミも誰もがこの協議が本気で行われていないと感じている結果ではないのか。大事な交渉(主権を侵された状態)なのに、我国に真の交渉力がない。力(軍事力、経済力、国際世論)を背景とした長期的戦略を持たず、安易な御土産外交(人道的支援と称する食料などの支援)やってしまったので、相手国は今回お土産の期待が持てないので、のらりくらりの態度で交渉を始めているように見える。

翔年は改めて先月18日、ブッシュ大統領が署名して成立した米国の「北朝鮮人権法案」を評価したい。この法案は拉致問題の解決を目指す大きな力になると思われるから。
 法案全てに目を通すわけにはいかないので、週刊ダイヤモンドに載った櫻井よしこさんの文章を参考にします。ネットではここです。[blog] Yoshiko Sakurai.


彼女はいいます。
『北朝鮮の人権、民主主義、法治主義、市場経済の促進を図るNGOには特別の助成を与える権限を大統領に付し、北朝鮮国民に情報を行き渡らせるために、1日12時間を目指して北朝鮮向けのラジオ放送を行う。』
さらに北朝鮮への支援の前提条件は
『「拉致された日本人、韓国人に関する情報をすべて開示すること」「そうした拉致被害者が、家族とともに北朝鮮を離れ、本国に帰る完全かつ真の自由を認めること」であると、はっきり宣言したブッシュ政権は拉致問題を力強く後押しする』と。
 そしてもう一つ大事なことは拉致問題に断固たる姿勢をとらない中国と国連にも注文をつけていることを評価して、次のようにまとめている。
『「脱北者が難民かどうか、救助を必要としているかどうかを判断するために、国連難民高等弁務官(UNHCR)が難なく彼らに接触することができるよう、中国政府はその機会を提供する義務を有する」「中国政府は北朝鮮難民への義務を積極的に果たすべきである」「もし、中国政府がUNHCRと北朝鮮の脱北者との接触を拒否した場合、UNHCR事務所はただちに動議を発動し裁定官を任命する」「動議の発動に失敗することはUNHCRの基本的責任の放棄につながる」。』

 法案に筋が通っているので、ある種の清清しさがありますね。翔年はこの米国の中国に対する姿勢は中国政府の人権政策の批判になっているから素晴らしいと思う。我国政府は今だに中国に頼って北朝鮮への影響力を行使しようとしているが、人権問題の解決を中国に頼ってどうするのだと言いたい。国連中心の外交とは国連の決定に従うだけではなく、国連に正しい軍事行動や人権擁護の行動をとらせるように積極的に働きかけることが重要と信じる。政府と外務省は今一度、対北朝鮮基本戦略を見直すようお願いしたい。

 日本国民は主権を侵し続けておきながら、その見返りに御土産を期待するような国とは安易に国交正常化を急ぐことはできないと腹をくくるべきだろう。と同時に米国の上院と下院が出席者全員の賛成を得てブッシュ大統領が署名したこういう法案を素直に評価する正常な感覚を持つべきと強く思う。この点、マスコミの感覚はズレているというか、見識がなさすぎる。また、財界には中国や北朝鮮と早く仲良くして、儲けたい意図がミエミエだけれど、これほどさもしい根性はない。主権を平気で犯すような国とは、堂々と論陣をはって、ある距離をもって是々非々でつき合うのが常識である。


  
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November 09, 2004

続・独創性(創造性)を育む

 ノーベル賞を狙えるように理科教育を改革するという新聞記事から出発したので昨日のエントリーは「独創性を育む」という凄いタイトルになっていますが、翔年はそんな大それたノーベル賞を狙う教育でなく、ごくごく一般的な生徒や学生や市民のレベルの創造性を論じたいので、次回からは「創造性を育む」というタイトルにして、何回かに分けて書くつもりです。創造性といい、独創性といっても、それを育む教育の精神は同じだと信じますので。

 今日は学びの基礎となる「記憶力の不思議」について考えたいと思います。
 無から有は生じないのですから、豊かな創造性を発揮するためには、まず、物事を知り、理解することが必要なのはあたり前です。翔年は高校生のころ、人文地理のこまごました事項や歴史の年号を覚えるのは苦手でした。特に興味のないことを覚えるのは大変苦痛でした。試験の成績のためだけに必死に暗記する苦痛は誰もが嫌いなはずです。
 でも、興味を魅かれることだったら、苦もなく覚えられるのではないでしょうか。そして覚えたものはなかなか忘れない。

 子供が怪獣の名前を全部覚えたり、虫の名前を良く知っていたりして大人たちを驚かす例は枚挙に暇がありません。そのとき親が誉めてやれば子供の興味の範囲が明かに広がりますね。自分の例を出して恐縮ですが、「子供の科学」という雑誌を見たことがきっかけとなって、「鉱石ラジオ」に興味を持ち、その組立てを通じて目に見えない電波や電気にドンドン惹きつけられて行きました。多分、小学校高学年から中学生で当時の大人たちよりラジオについては詳しかったと思います。(自慢に聞えたらごめんなさい、単に、真空管の種類がわかり、ハンダ付けの配線ができた程度で、電気理論を理解していたわけではありません。)

 大人だってそうです。あんまり勉強が好きでなかった女性がTVタレントの名前やその交友関係やスキャンダル等を、それこそレポーター並に驚くほどよく知っていることはよくある。男なら好きなスポーツ選手の記録や高額の契約金や日常の動向などについて、あるゆるメディアからいち早く情報を得て、正確に記憶している。

 決して、好奇心がないわけでも、記憶力が悪いわけではない。だが、学校の先生たちは暗記物の試験を強いて、点数順に並べて成績の悪い児童や生徒を出来の悪い子、もの覚えの悪い頭の良くない生徒としてランク付けしている。翔年はここに矛盾を感じます。

 先生が力を注ぐべきは「教えている内容を如何に生徒に興味を持たせるか」でなければならないと思います。例えば、「なぜ、花はこんな形態をしているのか?」、「虫は何に感じて花にやってくるのか?」、「虫が花にやってきたら何が起るのか?」、「花が実になり、実が落ちたらどうなるのか?」、これを熱意を持って語る先生がいれば、児童の目が輝かないはずはありません。理科離れで困ることは無いと信じます。「Aの花弁は何枚か?」、「Bのガクは何処にあるか」なんてことを無理やり教え込んで、生物の授業を暗記科目にしてしまっては何にもなりません。
 今の学校教育が好奇心を良い方向に伸ばさず、理科離れをおこさせ、ひいては勉強嫌いの子供を大量に作り出しているような気がしてなりません。
  
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November 08, 2004

独創性を育む

 今日の日経にタイトル、「理科教育、独創を育む」、サブタイトル、「ノーベル賞 日本人受賞者ゼロ」とした8段抜きのけっこう大きな囲み記事が載っている。記事自体はそう目新しいものではなく、「若い世代の理科ばなれ」を防ごうという動きを追っている。
「独創的な頭脳」はどうしたら育つのか。教育現場の新しい試みはこんなものだ。

(1)スーパーサイエンスハイスクールの指定
対象校は現在72校、指定された対象校は裁量で理科や数学の授業を増やせる。理科好きの生徒を増やすために、大学から第一線研究者を招き指導を依頼しているところもあるという。「生徒のやる気を引き出せたのが大きい」という当該校の先生の評価はあたり前。一流の研究者や一流の人物は周りの人間に素晴らしい影響を与えずにはおかないと思う。(それにしても役所がつける名称は相変わらずカタカナ文字で長たらしいですね。)

(2)飛び級入学の新制度
大学の授業の門戸を高校生に開いて単位を認定、入学後は大学を3年で卒業できる仕組もあるそうだ。ここでは入学試験に実験を採り入れて独創性を評価するという。

(3)小中学校の理科の授業を変革
自治体や特定非営利活動法人(NPO法人)、企業の技術者OBが主体になって正規の授業に実験をとり入れたりしている。教育委員会の指導室長が「理科教諭は指導要綱などに縛られて柔軟な発想ができないが、外部の人材が授業を担当すると子供たちも目を輝かせる」と言っているのは事実だとしても「オイ、オイ!」といたい。指導要綱で縛っているのはご自分じゃないのかな、子供の目が輝かないような授業をする(教室は毎日が拷問だろうナ)先生を放置している責任者はご自分だという自覚をせめて持っていただきたいものだ。記者が目に見えた成果が上らない学校も多いといっているのは十分肯ける。これだけでなく、効果があると思えることはもっともっと試みて欲しいと願う。

 ただ、翔年は理科教育という分野だけでなく、もう少し視野を広げて、我々の社会そのものの中に独創性の発揮を妨げる要因が多いことを憂いている。記者はノーベル賞受賞者が昨年と今年ゼロだったことを問題にするが、ノーベル賞はなにも科学に限らない。
 かなり旧聞に属することになるが、OECD(経済協力開発機構)が我国の社会科学分野において独創的研究成果が乏しいことを指摘している。科学分野はまだましな分野なのです。教育問題や理科教育の問題として問題を矮小化してはなりません。
 横並び主義で、出るくいは打たれる我々の社会に問題があると認識せざるを得ません。いずれこの問題は項を改めて論じたいと思います。
  
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November 06, 2004

ゲマインシャフトとゲゼルシャフト

にっぽんよ!
 何だか難しげな標題を掲げて申し訳ありません。実は囲碁仲間のTさんから、彼の高校の一年先輩、高倉ミチオさん著「にっぽんよ!」を借りて読んだのですが、その感想を述べるにはこのキーワードがどうしても必要なのでお許し願います。

 高倉ミチオ氏は昭和15年生まれ、ラグビーで有名な大分舞鶴高校卒、東京の大学を中退し、帰郷してサラリーマン生活、それから心機一転、家族でパラグアイへ移住というちょっと変った経歴の持主、現在の肩書ははオイスカ・インターナショナル国際理事と奥付にあります。

 海外へ渡った成功者の例にもれず、この方も海外から現在の日本や日本人をみて「元気を出せ」、「日本人は優れている」、「複眼でものを見て、海外の日本人と協力して国際社会に貢献しよう」と呼びかけておられる。
 我国がともすればアメリカ一辺倒になってしまうことを危惧されたり、ネコも杓子もというように中国詣でをする企業群を危惧されたり、食料自給率が極端に低いことに警鐘をならしたり、氏の日本を愛する気持がにじみ出ているし、その論点は決して的をはずれていない。翔年もこれらの論に反対を唱える気持は毛頭ありませんが、これらを推進する為の方策提言については、一言いっておきたい。

 我国のODAが徐々にその形を変えて、草野根参加型の援助方式に移行しつつある。NGOやNPOや地方自治体などが、援助をにない始めているのも事実でしょう。そこから、著者は海外にいる「邦人の県人会が開発NGOに変身しなければならない」と主張する。

 翔年はちょっと待って下さいと言いたい。県人会といえばたまたま生まれたところが○○県だったという地縁で構成された人々の集りである。こういう社会のことをテンニースはゲマインシャフトと呼びました。血縁で繋がっている家族とか同族で集団を作っている社会も同じようにゲマインシャフト。
 ゲマインシャフトが家族や村落のように人々がなんらかの形で共同生活を営み、その一体的な融合のなかで愛しあい慈しみあって、互いに離れがたく結びあっているので、「血族愛・近隣愛・友愛による全人格的な融合の社会」といわれる所以です。

 一方、企業やNGOやボランティア団体のように、同じ目的の下に集って作っている社会はテンニースはゲゼルシャフトと呼びました。この社会は血のつながりや生まれた場所や住んでいる所を重視しない。そんなことよりもミッション(目的や使命)やそれに基く契約(約束)によって個人個人が意識的に団体に所属している近代的な組織体です。
この社会の特質は、孤立であり,利益的結合であり、合理精神に基づく契約です。

 これらのことに鑑みて、翔年は高倉ミチオ氏の「邦人県人会をNPOに変身」という主張に首をかしげる者です。

  
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November 05, 2004

新札の樋口一葉は怖い?

 1日から発行された新しいお札は順調に流通しているらしい。翔年の財布にもようやく野口英世の千円札が廻ってきた。天下の廻り物とはいえ、樋口さんや福沢さんが貧乏人のところへ廻ってくるには、もう少し時間がかかるのかな。

 今回の新札は偽造防止のためだそうで、最新の技術が使われているという。
1 ホログラム(一万円と五千円札)
 見る角度を変えると、画像の色や模様が変化して見える。
2 潜像パール模様(千円札)
 角度を変えると異なる模様が浮ぶ。
3 すき入れバーパターン
 光に透かすと、すき入れられた縦棒が見える。

 さて、このお札のうち五千円札が問題です。日銀券に女性が採用されたのは樋口一葉が初めてだそうだ。ところがこの樋口一葉の画像の評判が良くない。特に若い女性は拒否反応だ。「恐い」といっている。
 翔年は実物を見たことがないので、断定するのは慎みたいが(こういう時、悪いことをした政治家や経済人は「指し控えたい」という表現をよく使います。)、手元にある日銀の新札PR資料を見る限り、評判は当っていると思われる。
人物画像をよく見ていただきたい。

「新しいお札」(画像をクリックすれば拡大できます)新札

野口英世も福沢諭吉も二人ともどうってことない普通の肖像だ。樋口一葉だけが表情が固く、のっぺらぼうだ。

翔年の持っている新人物往来社刊、「美人帖」にある樋口一葉はこんな女性です。
お札の顔と下の写真とよく見比べてください。
下はなんともいえん、いい顔でしょう?



「樋口一葉」(「美人帖」より)
桶口一葉

 翔年は去年の12月20日のエントリーで、日銀当局が「樋口一葉は若くして死んだので顔に皺がなく描きにくい」といって発行を延期したことを書いている。「顔に皺がないから描きにくい」とはなんというケチのつけ方だとそのときは怒ったものだが、今回はもう「少し表情豊に描けんのか」と文句を言いたい。
せめて目元、口元にもっと陰影をつけてクッキリし過ぎないような配慮が欲しいと思うのは翔年だけではあるまい。どうしてこういうことになったのだろう。これは残念ながら失敗作だ。  
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November 04, 2004

ブッシュ氏が再選さる

 YOMIURI-ON-LINEによれば「米大統領選で再選を果たした共和党のジョージ・ブッシュ大統領(58)は3日午後(日本時間4日早朝)、ワシントンで勝利宣言した。」そうだ。下馬評どおりの大接戦となった米大統領選挙ではあったが、「仮投票の未確定」などの問題もあって、ちょっと後味は良くない。ブッシュ氏は、全米得票総計では51%を獲得し、ケリー氏の48%に350万票あまりの差というから、米国の世論は完全に二分されていたことは間違いない。

ちなみに、我国の場合、先の7月の選挙の自民党と民主党の相対得票率は次のようであった。(7月12日のエントリーで書いてます。)
民主党      37.79%
自民党      30.03
民意を反映するのが民主主義の基本とするなら、制度の違いが有るとはいえ問題があることは確かだ。
我国の最大の問題は「一票の格差」がひどすぎること。たとえば2月12日のエントリーで翔年は次のように怒っている。

(以下は再掲です。)
『ここで参議院議員の一人当たりの有権者数より、「現状の一票の格差」がどのくらいあるのか確認しておこう

東京都選挙区:1,216,607人
島根県選挙区 : 242,448人
一票の格差= 5.02倍 !
程度の差こそあれ、同じような違憲状態が多くの選挙区である。
これだけの格差が生じていても、憲法14条一項に『すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、又は社会的関係において、差別されない』と書いてあっても、最高裁判所の判断は合憲なのである。
法衣を着て、神妙な顔つきで、おごそかに
 『1=5 である。』
と告げられたら、純真な小学生は「おっちゃん、アホちゃうか」と即座に返すことだろう。』

これが是正されない限り、翔年の怒りはおさまらない
  
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November 03, 2004

法事 & 逆説法

法事とは無沙汰の顔の揃うとき    多屋三笑

 今日は母の7回忌、父の13回忌、祖父の50回忌を三つまとめておこなった。川柳では「無沙汰の顔の揃う時」とある。本来は日頃ご無沙汰の人々をお招きして集うのが「仏縁」を大事にするということだと承知しているが、翔年は義理のお付合いは避けることにしているので、ごくごく内輪の法要である。

 お坊さんは二十歳台、今日の集いの中で最年少。車を運転する関係で酒抜きの食事だったけれど、翔年としては坊さんの本山(永平寺と総持寺)での修業、寺と檀家のゴタゴタ、最近の寺の世襲制、伝統を守ることと改革すること、若い坊さんの悩みなど、興味ある話題は尽きませんでした。

 仏教界はもっともっとグローバルに目を開いて、キリスト教やイスラム教などの一神教とは違う考え方や文化があることを世界に発信すべきと若い坊さんに強調したことでした。これは「逆説法」か?
  
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November 02, 2004

馬上枕上厠上

馬上枕上厠上(バジョウチンジョウシジョウ)とは考え事をするのに最も適した場所をさす言葉である。

馬上は車上とか車中とかに読替えたら、現代にも十分通用すると思う。車中では人間観察派と読書派と居眠派があると思われるが、翔年はどちらかと言うと読書派である。読書派といってもドンドン先へ先へと読破するタイプではなく、読む時は著者と対話しており、鉛筆で下線をひたり、◎とか×とか?などの記号を書き込んだりしている時も多い。そんなところを知り合いに見つかって、「お勉強ですか?」とか「随分熱心に読書してますね」なんて言われて困ったこともある。特にあんまり立派な本を読んでいないときは慌てますね。

枕上は頭が枕の上だから、たいていの人が寝る前のしばらくの間、一日の反省をしたり、明日の予定を考えたりしているのではないだろうか。最近の翔年は目覚めてから起きだすまでの十数分をあれこれ思いを巡らす時間として大切にしている。

厠上は厠(カワヤ)=河屋(元は河の上に板を渡して用を足した)の中にいることだけれど、最近の人には意味が通じない。早く言えばトイレで坐ったり、しゃがんだりの時だ。ウンと踏ん張る人は別にして、普通の人には心静かに考え事をするのに最も相応しい場所だと言われる。第一、邪魔がはいらない唯一の場所でもありますから。

厠の日めくり
さて、その厠の利用法のことだけど、翔年は長らくの間、家族への教育的配慮から、福沢諭吉の十カ条の人生訓を前の壁に貼っていたのだが、いつだったか、夫婦喧嘩の余波で女房が引っ剥がしてしまった。以来その手の張り紙はなかったのだが、今年は娘が英語の単語の勉強ができる日めくりにカレンダーを吊るしている。翔年はこれが大変気に入っている。
  
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November 01, 2004

ヒトゲノムに思う

2003年6月にヒトゲノムプロジェクトが全塩基配列の解読を終了して、さてこの先はどうなるのかと思っていたところ、生命誌研究館の中村桂子所長の「ゲノム再考」によると最近の知見ではゲノム数は22,000であるという。
生命誌研究館ホームページ

以前はヒトは10万ほどの遺伝子を持つと言われていたから、意外に少ないなという印象である。
内訳は・・・というとなんかお金の勘定みたいで変だけれど、20,000が正当なヒトのもの、他の生物との重なりから出されたものが2,000、しめて22,000なのだそうだ。

これまでに
線虫=19,000
ショウジョウバエ=14,000
が発表されているから、ヒトの22,000と比べて翔年は首をかしげたくなる。あまりにも下等な動物(線虫さん、ゴメン)と数が違わないから。
線虫との比率を示せば、 22,000/19,000=1.158
即ち、ヒトはたったの16%程線虫より遺伝子数が多いだけなのだ。ショックですね。(多いほど高等だと信じていましたから)

線虫といえば人間のお腹に寄生する「回虫」とか松くい虫に寄生する「マツザイセンチュウ」が知られている。何れも寄生虫だ。

ところで、このBlogの読者は「タックスイーター」という国に寄生する人間寄生虫の繁殖振りをよくご存じだ。そして、翔年とともに、ウッカリしたら自分たちもタックスイーターになりかねないという恐れを抱いた方たちだ。
遺伝子数で見る限り、われわれは線虫達と近いというべきか、それとも16%ほど高等なのだと威張るべきなのか?

もう一つところで、回虫は人間の腹に寄生するが、宿主の人間を殺す所までの悪さをしない。いわば良心的な虫だ。
マツザイセンチュウは松くい虫に寄生し、その松くい虫は宿主の松を遂には枯らしてしまう。今、この良心的でない方の虫がはびこり始めている

翔年はせめて人間寄生虫も、宿主である国家や自治体を殺してしまうことのない良心的寄生虫であることを願わずにはいられない。


明日は米国大統領選挙の投票日だ。地球上にこれほどまでにアメリカの文化が浸透してくるのなら、我々にも投票権が欲しいものだ。
メディアは互角の勝負と報道しているが、翔年はブッシュが勝つと見ている。


  
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