今日は時間が空いたので、万博公園の梅を見に行ってきました。梅園を入ったたら、まず芳しい梅の香が迎えてくれました。
万博公園のしだれ梅(画像をクリックして拡大してご覧下さい)
「太陽の塔」は万博時代にも変に思ったけど、今も変なままここにある。梅にはそぐわないけど、岡本太郎に免じて写真の奥に入れておきました。
梅は遣唐使が中国からもたらした花木です。百花に先駆けて早春に咲くこと、花が清雅であること、香が高貴なことで、忽ち日本人に愛されました。天平二年(730)正月13日、大宰府の長官大伴旅人は自邸に全九州の高官を集め梅花を賞する園遊会を開いたのですね。そのとき詠まれた歌は万葉集にあるそうです。
時代が下がって平安時代になっても、弘仁三年(812)嵯峨天皇の勅命で、左近の梅が桜に植え替えられるまで、梅は上流社会の流行花木でした。それかあらぬか、古今集はたくさんの梅の歌で溢れています。
君ならで誰にか見せむ梅の花色をも香をもしる人ぞしる 紀友則
春の夜のやみはあやなし梅花色こそみえね香やはかくるる 凡河内躬恒
現代の俳句にも梅の名句は多いですね。翔年の好きな三句をどうぞ。
紅梅の紅(コウ)の通へる幹ならん 高浜虚子
勇気こそ地の塩なれや梅真白 中村草田男
相逢ふて語らで過ぎぬ梅の下 夏目漱石
帰宅して夕刊を見ると、西武の堤義明元会長が逮捕されたニュースが載っていた。
梅花は雨に 柳絮は風に 世はただ嘘に 揉まるる 閑吟集