February 28, 2005

「慰安婦」報道 朝日に訂正記事要求 有識者ら300人シンポ

Sankei.Webの記事です。

 『戦時中の慰安婦をめぐるNHKの番組が政治家の圧力で改変されたと朝日新聞が報じた問題で、NHKと朝日双方の責任を問う有識者のシンポジウムが24日、東京・本郷の文京区民センターで開かれた。パネリストたちは「そもそも『慰安婦の強制連行』というこれまでの報道が誤報だ」として、朝日新聞に訂正記事の掲載を求める運動を行うことを確認した。
 約300人が参加。冒頭、藤岡信勝拓殖大教授は昭和天皇を「強姦(ごうかん)と性奴隷制」の罪で裁いた政治集会「女性国際戦犯法廷」の不当性を指摘。番組のビデオやカットされた部分を検証しながら、偏向した集会を取り上げたNHKを批判した。
 一方の朝日新聞も平成3年以降、「慰安婦は強制連行された」「強制性があった」との報道を続けてきた。同年8月、「女子挺身隊の名で連行された元慰安婦が重い口を開いた」とする記事を掲載したが、この女性が連行ではなく人身売買されたことが西岡力東京基督教大教授の指摘で判明。翌年1月には「朝鮮・済州島(現韓国)で『慰安婦狩り』が行われた」とする証言をコラムで紹介したが、作り話だったことが秦郁彦・元日大教授の現地調査で明らかになっている。朝日新聞はいずれも明確な訂正記事を掲載していない。』

 ようやく、市民レベルで朝日新聞の歪曲報道を正そうとする動きがでてきたことは喜ばしいことだ。もっとも、このシンポジウムはサンケイ以外では報道されていないです。

 翔年は思う。戦前、戦中に誤った判断や行動は多々あったであろうが、売春防止法が出来たのは戦後のそれも昭和32年のことであり、それ以前は公娼制度も人身売買も社会には堂々と存在していたのは事実なのです。戦争体験者の手記や小説などを読んだ翔年の理解では、「慰安所」は軍隊の周辺に存在しているが、当時、「慰安婦」というような言葉はなかったのは事実です。あったのは、喰うに困った親が娘を売ったり、家族を救うために自ら身を投げ出した娘がいたという事実です。この悲劇は戦争中だけでなく、飢饉の時や親の商売の失敗などの経済的困窮の際にもあったのです。ですから、軍隊が強制連行しなくても、民間が金で娘を集めることは可能だったと思われます。翔年は強制連行があったか、なかったかを判断する確かな材料は持ちませんが、朝日報道に事実以外の政治的意図があるのは感じます。


 翔年はこのような歴史的問題に対して、反朝日、親朝日のどちらのサイドに立つにしろ、現在の感覚で歴史的事実を判断しないでいただきたいと希望する。

 何故こんなことを言うかというと、こんなムチャな本が出版されているからです。

岡野幸江/長谷川啓/渡邉澄子共編 「売買春と日本文学」 2002年東京堂出版刊
売買春と日本文学
 この本では谷崎潤一郎も川端康成も「性差別構造というイデオロギー」の視点で断罪されています。文学者は人間を探求しますが、必ずしも善悪を問題にしない。なのにこの本のライター達は全ての文学作品を「性差別という視点から善悪で判断」しようとしている。
 文学作品はどんな読み方をしてもいいが、イデオロギーに当てはめて価値や善悪の判断をしてはなりません。作品に描かれた場所が戦場であれ、遊郭であれ、どこであれ、男女の美しい心の交流はありうるのです。無いとはいえません。少なくとも、歴史的な作品に対する謙虚で公平で懐の広い視点は絶対に必要であります。この本の編者たちは古典に価値を見出すことができない、心の狭い、心貧しい人たちに見えてしかたありません。翔年は若い人たちがこういうイデオロギー偏向本に騙されないようにしていただきたいと切に願う。


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この記事へのコメント
Shigeru Takehara さま

ありがとうございます。
ですが、このセンテンスはテーマに沿っていますよ。特に前半分はテーマそのものです。


Posted by ユリウス at March 02, 2005 23:56
ユリウス様、

そのメインテーマより、次のセンテンスのほうが、私は好きです。

"イデオロギーに当てはめて価値や善悪の判断をしてはなりません。作品に描かれた場所が戦場であれ、遊郭であれ、どこであれ、男女の美しい心の交流はありうるのです。"
Posted by Shigeru Takehara at March 02, 2005 12:42
大澤遼さま

>今さら、2002年に刊行され、ほとんど売れていない本をとりあげて批判してどうなると言うのですか
このエントリーの真中あたりに、「現在の感覚で歴史的事実を判断しないでいただきたい」と書いております。それがメインテーマです。その例示(酷い間違いをおかしている)として「売買春と日本文学」をあげています。

>男のセックス欲というのは・・・
テーマからはずれています。
いずれ別の場所で薀蓄をきかせてもらいましょう。

>結局、どちらかが朝日新聞でもう一方が産經新聞なのですよ。
そう簡単に二分割できるとは思いません。(国のあり方、天皇制、国際貢献、自衛権など)
ちなみに、翔年は「軍隊は容認、天皇制は廃止」論者です。
Posted by ユリウス at March 02, 2005 01:21
|冒頭、藤岡信勝拓殖大教授は昭和天皇を「強姦(ごうかん)と性奴隷制」の
|罪で裁いた政治集会「女性国際戦犯法廷」の不当性を指摘。

この政治集会は不当でしょうね。

ただ、天皇は、藤岡信勝氏らが主張されるほど聖人君主でなかったのも、多分、明らかでしょう。

これも、CNN、BBCとアルジャジーラを見比べるのと同じように、日本で常日頃喧伝されているもの(聖人君主としての天皇)と英国で喧伝されているもの(今度、BBCが日本人にとってかなり刺激的なものを制作したらしい)を見比べればおのずと、その実像がみえてくるのではないですか。
#結局、どちらかが朝日新聞でもう一方が産經新聞なのですよ。
Posted by 大澤遼 at March 01, 2005 03:35
翔年さん、今晩は。

今さら、2002年に刊行され、ほとんど売れていない本をとりあげて批判してどうなると言うのですか>翔年さん 何か特別な意図でもあるのですか。

中身は読んでいませんけれど、どうせ、男のよさも悪さもまったくわからない原理主義者の女性たちが書いた本でしょう。(ほっておくべきです) そんな本を従軍慰安婦問題と結びつけてもまったく意味をなしません。

男のセックス欲というのは(特に若い頃の)、昭和31年に赤線を禁止したって、実際には売春がなくなっていないように、仕方のないものなのです。それさえわからない女性たち、つまり売春を禁止すればすべてが解決するというむなしい幻想をもっている人達を相手にしたって・・・。(男たちは彼女たちが考えているような獣ではないけれど、哀しい煩悩をかかえているのも理解しないのなら、何をか言わんでしょう)
Posted by 大澤遼 at March 01, 2005 03:19