August 25, 2016

映画「トランボ (ハリウッドに最も嫌われた男)」

 見たい観たいと思いながら機会がもてなかった映画「トランボ」を、やっと21日に観た。 こういう言い方をしては、ハリウッド関係者に失礼かもしれないけど、ハリウッド映画にしては思想的な出来事を描いてよくできた映画だった。
セックスも暴力もなしでした。(笑)


トランボ

 ソ連との冷戦下にあった1947年、アメリカに吹き荒れていた「赤狩り」(世にいうマッカーシー旋風)の矛先がハリウッドにも向けられてきた頃の実話です。翔年は「赤狩り」は知っていましたが、それがハリウッドにまで及んで、こんなに酷いことになっていたとは露知りませんでした。

 今にして思えば、当時のハリウッド映画はほとんどが娯楽作品、対してフランス映画やイタリア映画は社会の矛盾を描いた優秀な映画があったので、レベルが上という認識が若者の間には定着してました。「赤狩り」の所為だったんでしょうね。


閑話休題。
 脚本家のダルトン・トランボがその赤狩りの標的にされた。そして「下院非米活動委員会」に呼び出され公聴会で証言を求められた。

「イエス、ノーで答えよ。」
「”イエス”か”ノー”で答えるのはバカか奴隷だ。」 
 
 こう言って証言を拒んだトランボは、「議会侮辱罪」という罪を着せられてしまう。そして国家への反逆者のレッテルを貼られてしまい、ブラックリストに載せられた人気脚本家は1950年に投獄されるに至ります。

 翌年出所はしたものの、彼の立場は公に活動できなくなってしまっていた。アメリカらしからぬ排除の論議が蔓延っていた。思想信条の自由を大事にする現代の感覚で見れば「無実の罪」をきせられたとしか思えません。映画には描かれていませんが、1952年には、あのチャップリンも同じような嫌疑で米国への再入国を拒否されています。そういう時代だったのです。これはハリウッドの汚点であり、アメリカ史の大汚点でもあります。

 このような嫌疑をかけられたのはトランボ一人にとどまらず、最初の標的となった監督と脚本家の10人は特別に「ハリウッドテン」と呼ばれ、理不尽な弾圧によってキャリアを失い、人生を破滅させられていったのです。
 
 「愛国」という言葉で大衆を煽り、「非国民」という言葉をかぶせて他者を排除する息苦しい社会はどの国でも経験していることです。そうなる危険は現代社会にもあるように見えます。




人間関係相関図(クリック2回して最大化すれば、歴史の中で誰がどんな役割を果たしたか、人名が読めます)
トランボ2

 面白いことに、この赤狩りをする「非米活動委員会」を支持する立場の映画人として、ジョン・ウェインやロナルド・レーガン(後の大統領)、エリア・カザン(監督)が実名で出てきます。(史実だから、大スターも大統領もしかたないでしょう。)

 赤狩りに協力した者、抵抗した者、主義主張を変えた者、仲間を裏切った者、政治に無関心で、金儲けしか目がない男の行為が、結果的にトランボを助けることになる人生の皮肉など、ハリウッドの内幕がビビッドに描かれていて、興味がつきませんでした。

 出獄後、愛する妻や子供たちの生活を守るために、いくつもの偽名を使い分けて密かに脚本を書き続け、不屈の戦いを繰り広げたトランボは、ついに「ローマの休日」と「黒い牡牛」で偽名のままオスカー賞をとる。その苦難の過程で、家族愛、家族の絆、夫婦愛、友情など、見どころはたっぷりありますが、それは見てのお楽しみということで…。(笑)

 一言付け加えるなら、この映画は被害者と加害者とを単純に区分けして描いていません。これが素晴らしいと思いました。時代の荒波の中で、それぞれが如何に懸命に生きたかを、善悪をこえた視点でみごとに描いており、出色の出来栄えでした。多様な見方を示すことで、見る者の心に生きるための何か大切なものを残してくれたことは間違いありません。







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August 21, 2016

スイスイ論語(4) -過ちて改めざる、是を過ちと謂う-

クリックして拡大すれば読めます。(読売夕刊 8/6)
スイスイ論語4

 アメリカ滞在中の8月6日の読売夕刊に安岡定子さんの「スイスイ論語」が掲載されました。(アップが遅れましたことをお詫びします)

子曰く、過ちて改めざる、是を過ちと謂う。

 諸橋鐵次先生の解説です。

孔子言う、人には、何人と雖も過ちのない者はないが、それを過ちと気付いて改めて行く事に依って、結局過ちなき姿に戻るのである。然るに過ちを犯しながら、その犯した過ちを改めないでおれば、それが真の過ちになるのであるから、これを過ちというのである。

 
 過ちに関連するこんな孔子の言葉があります。

子曰く、人の過ちは、各(オノオノ)其の党に於いてす。過ちを観ては斯(ココ)に仁をしる。

 諸橋先生の解説
 孔子言う、人の過失は、大体その人の性情に近いか或いは性情に類する方面にあらわれて来るものである。情け深い人は、情けのあり過ぎる点において過失を犯し、人情の薄い人は、人情のうすい点において過失を犯す。従って、人に過失を観察すると、その人の徳性の如何を知ることができる。
 この章は、人を観る方法を論じたものであろうし、又過失によって直ちにその人を捨て去ることを戒めた教えであろう。

→ 一般に世の中では「情け深い人」は善人で好まれるが、孔子は「情け深い人は情けのあり過ぎる点において過ちを犯す」とい言っています。また過ちの質をよく見よと。人間通でかつリアリストの孔子ですね。


党=仲間、同類のこと
仁を知る=仁とはその人の徳性というほどの意


本棚の論語本たち
本棚の論語
 論語は奥の深い書物です。生半可な読み方では不十分な理解にとどまってしまう恐れがあります。翔年が感銘を受け今も大事にしているを本を書きとどめておきます。

諸橋鐵次著 「論語の講義」大修館書店刊 
→ 論語の本の中で一番信頼を於いています。名著と思います。

吉川幸次郎監修 「論語 上、中、下」 朝日文庫刊 
→ 学術的に広範囲に論語の解釈が網羅されています。疑問が湧いたらこの本を見るにかぎります。

金谷治訳注 「論語」 岩波文庫刊 
→ 一冊によくまとめられているので、持ち歩きに便利です。




伊与田先生浄書の「仮名論語」
仮名論語

伊与田寛 浄書 「仮名論語」 成人教学研修所発行 
→ 翔年が初めて論語にふれた書です。四條畷市の成人教学研修所所長であった伊与田先生にこの本で学びました。先生が心をこめて浄書された書です。解説はありません。すべての漢字に仮名がふってあるので素読に適してます。

安岡正篤著 「論語の活学」 プレジデント社刊
→ 著者は安岡定子さんの祖父にあたり、「師友会」を設立し、政財界のリーダーの啓発・教化に努められた先生で、論語の活用を説かれています。

山本七平著 「論語の読み方」 祥伝社刊
→ 著者独特の論語の解釈が随所にでてくる。読み物として面白い。

井上靖著 「孔子」 新潮社刊
→ 孔子の弟子から見た孔子像を描いた小説です。たいへん親しみやすく読みやすい。

下村胡人著 「論語物語」 講談社学術文庫
→ 論語の心を著者が物語として描いたものです。


 

「スイスイ論語」の次回は9月3日の読売夕刊に掲載予定です。おたのしみに。
 




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August 17, 2016

今年の国際囲碁大会 -ジャパン・コングレス、ライフ子供、US Congress-

 今年の夏、翔年は三つの囲碁国際大会に出場する機会を得たので結構忙しかった。続いて休む間もなく、ブラジルのリオで行われているオリンピックでの日本選手の活躍振りが、連日24時間放映されており、そちらの観戦も目が離せません。
 その上、時差ボケに寝不足が重なって、自分でも頭がどうかならないかちょっと心配です。(笑)
 
 そんな訳で、とりあえず簡単な写真で記録を残しておきます。
 

 まず、7月15日~18日、「第一回ジャパン碁コングレス in 箕面」でした。


左から大会場、メキシコのキンテーロ氏、箕面市議会議長の石倉さんといろいろお世話いただいた関西棋院の岡橋さん、お二人とも笑顔が素晴らしい。
ジャパン碁コングレスin 宝塚Quintero石倉議長&岡橋



 次は、7月26日〜27日、「第3回ライフ国際子ども囲碁大会」が大阪市舞洲会場で9か国の子供たちを集めて盛大に行われた。

 翔年は「おじいちゃんをやっつけろ」というイベントに出席した。対局が終わってから、9か国の子供たちとバーベキュー料理をつっつきながら、手振り身振りでたのしい交流をしました。


左、対戦した女の子、1勝1敗、 右、この子も勝ったらしい。この日はおじいちゃん達の災難の日でした。(笑)
おじいちゃんをじいちゃん



 三番目は7月30日〜8月7日、マサチューセッツ州ボストンで開かれた「The 32nd US Go Congress in Boston(第32回全米囲碁選手権大会)」です。事務局の発表によれば今年は参加者が650人を超えていたそうです。
 
世界中から集まった囲碁愛好者がボストン大学のドミトリーに宿泊して、1週間囲碁漬けの生活を送るわけですから、楽しくないはずはありません。


左から、対局会場、対局者の中国の坊やは強かった(中押し負け)、アメリカ人(2.5目負け)、大会の最終成績は2勝4敗でした。
対局開始前9歳のぼ〜やお互い大満足


左から、成績発表の後のサヨナラパーティ、市内を流れるチャールズ川の眺め、この川を渡って徒歩30分でMIT Museumへいきました。
サヨナラパーティチャールズ川の眺め





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July 22, 2016

続アインシュタインに学ぶ -ユーモア&ウイット-

einstein2
 「ジャパン碁コングレスin 宝塚」(7/15-7/18)で久しぶりに多くの碁友と旧交を温めることができた。古い碁友の中に「もの言う翔年」の読者がいらっしゃるのを知ったことは、これまた意外で、望外の喜びでした。
 
アインシュタイン博士の名言にユーモア溢れるものがあるという話題に花が咲きましたので、それらを拾い集めてみることにしました。



 博士はアメリカ亡命後もドイツ語訛りがとれず、英語がなかなか上達しなかったそうです。右の舌を出している博士の有名な写真は、大学の講義で英単語のスペルミスを学生に指摘された時に撮影されたものだそうです。博士のお人柄の一端が浮かんできますね。

 もう一つ。博士は研究には熱心でしたが、私生活では面倒くさがりで、洗濯用石鹸で顔を洗い、雑巾で顔を拭き、灰皿に食事を盛りつけるなど常識外れの一面があった。いつも髪の毛はくしゃくしゃで、足の裏からの過度の発汗のために靴下を履くのを極度に嫌われたそうです。
※ このエピソードは弓場隆訳「アインシュタインの言葉」(デスカヴァー・トゥエンティワン刊)を参考にしました。



 まずは「物理学ネタ」からはじめましょうか。

人々が恋に落ちるのは重力のせいではありません。(Gravitation is not responsible for people falling in love.)

→ 日本語では「恋」は人間が能動的に「する」ものですが、英語表現では人間は「恋」になぜか意図せずとも「落ちる」ものなのです。物理学で万物が落ちるのは「重力」があるからと教えられるのは世界共通ですから、物理の時間に先生がこういう冗談を若い学生に言ったら、きっとうけたに違いありません。(笑)

 その上、私生活でも博士は「落ちやすい体質」であったという節も随所に見受けられるのでなおさらです。因みに最初に落ちたのは学生の時に知り合ったハンガリー出身の3歳年上の女性で、母親の大反対を押し切って23歳の時に結婚されています。

 それに言わずもがななのに、最初の奥さんと二度目の奥さんを比べてこんなことを言って笑いをふりまいています。

前の妻は科学が理解できたが、今度の妻は科学が理解できないので助かる。

→ その助かった二番目の奥さんが死去された後、別の女性と交際していたといいます。



可愛い女の子と一時間一緒にいると、一分しか経っていないように思える。熱いストーブの上に一分座らせられたら、どんな一時間よりも長いはずだ。
相対性とはそれである。

(When a man sits with a pretty girl for an hour, it seems like a minute. But let him sit on a hot stove for a minute - and it's longer than any hour.That's relativity.)

→ 普通の人には理解が難しい特殊相対性理論と一般相対性理論を構築された博士の言葉だけに、このウイットに味わいが出てますね。



 次は「結婚」、「常識」、「失敗」、「自責の念」、「ユーモア」などについての博士一流のジョークを並べます。

ある偶然の出来事を維持しようとする不幸な試みを結婚という。

→ いかがですか? 反論のある方はコメントをお願いします。


異教徒どうしの結婚は危険です。いや、よく考えれば、どんな結婚でも危険です。

→ 博士は別のあるところでこうこぼしている。家庭をあずかる奥さんは家具や散らかっている物を片づけることに意を注いでいるので、「旅行に行ったとき博士を片づけたがるので困る」と。どうやら博士にとって構われたり、細やかな愛情を注がれたりするのは迷惑で、自由放任の結婚生活に憧れがあったらしい?


結婚に際して、女性は男性が変わることを期待していますが、男性は女性が変わらないことを期待しています。両者が失望するのは当然です。

→ 博士も我々と同じように経験からいろいろ学ばれているらしいです。(笑)



常識とは十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう。

→ いつも自分のあたまで物事の根本から考える博士のような自由人にして言える言葉だと思います。


間違いを犯したことのない人というのは、何も新しいことをしていない人のことだ。

→ 我が国のサラリーマンの定年退職挨拶の常套句は「お陰様で大過なく……」ですね。博士のようなクリエイターからみたら、間違いを犯さなかったということは、何の挑戦もしなかった無能者の恥ずかしい挨拶に見えるでしょう。


どうして自分を責めるんですか?他人がちゃんと必要な時に責めてくれるんだからいいじゃないですか。

→ 確かに、近年の傾向として、やけに他人を攻撃する人が増えているように思えますが、どうでしょうか?


唯一の救いは、ユーモアのセンスだけだ。これは、呼吸を続ける限りはなくさないようにしよう。

→ 博士はべつのところで「自分と相手とを真剣に受け取らないように心がけている」と発言されている。確かに巧みなユーモアやウイットは人間関係の衝突や軋みを巧みに緩和する技術だと思う。「唯一の救いは…」とおっしゃっているところを見ると、博士の敏感かつ繊細な心には人間関係で耐えられないものが数多くあったのではないかと推察できます。


わたしは医者に手伝ってもらわなくても死ぬことができます。

→ これだけは博士と全く同じ考えです。翔年が日本尊厳死協会に入っているのはそのためです。医者に無用な延命措置をしてもらいたくありませんから。




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July 09, 2016

アインシュタイン博士に学ぶ(3) -人類社会の問題解決にむけて-

アインシュタイン博士

 これまで2回のエントリーで、尊敬するアインシュタイン博士の数々の名言を学んできました。そして今回が最後です。大きな示唆を含んだ預言であると思います。


もしユダヤ教から預言者たちを排除し、イエス・キリストが教えた本来のキリスト教から弟子たちの教えを排除するなら人類のすべての社会問題を解決できる教えが残るでしょう。



→ これを読んで、ハッとしました。 翔年は昔から無神論者なので、宗教的な気づきではありません。
 あぶない「一神教」やら「何やら教」を離れて、「世界中のあらゆる人たちが共感できる人類社会の諸問題を解決するために必要な共通の規範があるのではないか」ということです。




修身のすすめ
 思い当たるところがあって、34年前に読んだ竹内均先生著「『修身』のすすめ」講談社刊を本棚から引っ張り出してきました。(笑) 竹内先生は地球物理学の世界的権威で東大教授でした。また、科学雑誌「ニュートン」の創刊者であり、科学啓蒙家としても有名だった方です。

 竹内先生は「あらゆる倫理や法律の基本となる教え」はキリスト教では「黄金律」と言う。これが「世界の三聖人」の言葉の中にあると書いておられます。さすが、三聖人様! 竹内先生様!


何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ。   -キリスト-


そのように他人にとってもそれぞれの自己が愛しいのである。それゆえに、自分のために他人を害してはならない。   -釈尊-


己の欲せざるところを人にほどこすことなかれ。   -孔子-



→ これは誰にでもよくわかる教えですね。神や仏を信じなくても、大人は子供たちに教え諭すことが可能です。
 しかしながら、この黄金律はよくよく読んでみると、凡人にはなかなか守りにくい。とくにキリストの教えは翔年には無理。(笑) それを見越してか、竹内先生はこんな提案をされています。

福沢諭吉の「人生訓」、サミュエル・スマイルズ著、中村正直著「西国立志編」、「フランクリンの十三徳」および内村鑑三の「代表的日本人」を参照して、私は私たち凡人の守るべき徳目として

「勤勉・貯蓄」、 「正直・中庸」、 「感謝・報恩」

を数えあげたい。
いずれもすこぶるクラシックな感じのする徳目である。しかし、これらはいずれも、神がかったところや、ある宗教にかたよるといったところがない。



→ 先生が自賛されているとおり、これなら自分に適したやり方でなんとか実行できそうです。翔年はこの徳目を大人たちが実行するとともに、次世代の子供たちに伝えて行く事が大切と思います。


人と生れ、自分自身や一家や国の平和や幸福を望まないものはいないはずである。それを得る方法はただ一つしかない。それは勤勉、正直、感謝から始まる修身の実行である。私自身の経験、これまでの人生で私の見てきた個人、家、会社などの団体、社会さらには世界の動き、これまでに私の読んだ古今東西の国々の歴史にかんがみて、私はこのことだけは確信をもっていう事ができる。
 栄えるものには栄えるだけの原因があり、滅びるものには滅びるだけの原因がある。その原因はただ一つ、修身を実行するか否かだけである。


→ 先生はこの修身は経済問題とも深くかかわっているとおっしゃる。鈴木正三や石田梅岩や、カルビンやアダム・スミスが言ったことは正しいと。
 そして自然科学者らしく、それはチャールズ・ダーウィンの進化論における「適者生存」の原理にかなっていると。

 本の「まえがき」を竹内先生は次の言葉で結ばれています。
この本をよんだみなさんが、ほんのすこしでも私に共鳴して下さるとしたら、私の喜びこれにすぎるものはない。(昭和56年 初秋) 



→ 先生に共鳴して下さった方は、この修身を実行に移しつつ、是非ご家族や仲間たちとこのことをよく話し合ってください。今の世がちょっとでもよくなるために……。そうすることで、世界中から、憎しみによる殺し合いや争いが減るはずです。

 かつてアインシュタイン博士が日本を賞賛してくださったように、世界中の心ある人々から多くの賛同を得られるに違いありません。
 読者のみなさん! 微力ながら先生に代わりよろしくお願いしたします。


 
 
   
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July 07, 2016

アインシュタイン博士に学ぶ(2) -真摯な平和主義者-

「ひとはなぜ戦争をするのか」 (アインシュタインとフロイトの手紙) 講談社学術文庫
なぜ戦争をするのか

 1932年7月30日 A・アインシュタイン ⇒ S・フロイトへの手紙(書き出しのごく一部です)
「(前略)国際連盟の国際知的協力機関から提案があり、誰でも好きな方を選び、いまの文明でもっとも大切と思える問いについて意見を交換できることになりました。(中略)

『人間を戦争というくびきから解き放つことはできるのか?』 

これが私が選んだテーマです。」


→ お二人は天才物理学者と天才心理学者で、かつともに平和主義者です。それにドイツ語圏に住むユダヤ人で、やがて第二次世界大戦がはじまる時期ですから、二人にとっては勿論、世界中の人類にとっても切迫した大問題だったと思われます。(お二人はこの後、ナチスの家宅捜索を受けたりし、最後にはアメリカと英国にやむなく避難されました)

 このエントリーでは長文の手紙は割愛して、アインシュタイン博士がが戦争と平和について、さまざまな時期に述べられた言葉から、真の平和主義者の立場を学びたいと思います。

 なぜなら、現在の地球上は紛争の絶えない状態が続いており、それを解決するのに非常に大きな困難が横たわっているからです。IS国のテロ、戦後の国境線を力で変更を企てている独裁政権の中国の覇権主義、何を目的としているのか理解不能な北朝鮮の政治的不安定など。世界はこれらに対抗する手段を探しあぐねている状態です。国連も有効な機能を発揮できていません。これらの国の暴挙を決して許してはなりませんが、今のところ、関係国の集団的自衛以外、これらの暴力行為を防ぐ有効な手立てはありません。




 わが国内には、未だに米ソの冷戦時代に唱えられた一国平和主義の論調が数多く見られます。明らかに時代は大きく変化しているのに、ピントのズレた議論に終始しているわけにはいきません。とにかく、アインシュタインの戦う平和主義から、何かを学びたいと思います。

 引用文は主に"Einstein's Voice" (弓場隆訳)によりましたが、他の名言集や多くのWebsiteにもお世話になりました。この場をかりてあつく御礼申し上げます。

einsteinvoice


わたしは以前とおなじように熱心な平和主義者です。
しかし、ヨーロッパで兵役拒否をふたたび提唱するためには、攻撃的な独裁政権が民主主義国家に脅威を及ぼさなくなることが絶対条件です。
1920年代には独裁政権は存在していなかったので、わたしは、「兵役を拒否すれば戦争を回避できる」と提言しました。
しかし、いくつかの国に威圧的な状況が現れたとき、もし多くの人が兵役を拒否すれば、攻撃的な国がそうでない国より優位に立つことを直感しました。
        (1941年12月30日、NY Times紙インタビューより)
-A・アインシュタイン-(以下の引用はすべてアインシュタイン博士の言葉です)

→ 世界情勢の危機を読み取って、熱心な平和主義者は、この時から闘う平和主義者の道を一歩踏み出されたのでした。


わたしはガンジーの見解にはほぼ全面的に賛成です。しかし、もし自分や自分の家族を殺したり、生活をおびやかしたりする動きがあれば、暴力に訴えてでも抵抗するつもりです。
        

→ 博士はガンジーが「無抵抗主義」ではないことを、十分理解してこのコメントを出されいると思います。
自分の家族が危害を加えられるのを黙って見過ごすことは、人間性に反することですから、耐えられないのは当たり前のこと。弱腰の無抵抗ではなく、凛とした積極的非服従主義と理解します。


原爆製造に関して私が果たした役割は、ルーズベルト大統領に原爆製造の可能性を調べる大規模実験の必要性を訴える書簡に署名したことです。
わたくしは、もしこの試みが成功したら人類に大きな危険が迫ることを十分に認識していました。
しかし、ドイツが原爆製造に取り組んでいて成功する可能性があることを知り、ついに踏み切ったのです。
わたしは徹底した平和主義者でしたが、それ以外に打つ手はありませんでした。
        
→ どうしても強力な武器をナチスドイツよりも先に、連合国のアメリカが手に入れなければならないと考えられたのでしょう。この爆弾は戦争の抑止力としての価値も非常に大きいものですから。 
 まさか、原爆が博士の愛する日本に二つも落とされることになろうとは、この時、博士は夢にも考えられなかったに違いありません。


私は平和主義者であるだけでなく軍事的な平和主義者ですから、平和のためなら喜んで戦うつもりです。
戦争という自分にとって不本意な状況に苦しむより、平和という自分の信念のために死ぬほうがいいではありませんか。
        

→ 筋金入りの平和主義者! 拍手!
 

偉大な文化を持つ小国が、正義を侮辱する勢力によって破壊されるのをじっと見ているのは、大国にふさわしい態度ではありません。


→ 十分な武器を持たず、独立自尊の精神が乏しい小国日本は、米国の核兵器の抑止力によって守られています。二重の歴史の皮肉です。


世界中の人々の理解を深める以外に原子力をコントロールする方法はありません。わたしたち科学者は、原子力エネルギーに対する人々の理解と社会への応用を促進する重大な責任を担っていることを認識すべきです。そうすることによってのみ、わたしたちは安全と希望が実現できます。


→ これは理解力不足から無用な核アレルギー反応をおこしやすい大衆にたいして、科学者として冷静な正論だと思います。


知識に基づかない信念は迷信にすぎず、したがって排除すべきです。


→ これだけ明確に知識が判断の基であることを表明されたら、気持ちがいいです。 図に乗って嫌なことを言うようですが、最近のTVや新聞で原子力発電の安全性や放射能の危険度合いなどを声高に語っている人たちは、「自分の理解できない事項についてはなんでもけなす」傾向があると見ています。加えて、大声を張り上げたり、激烈な言葉を使ったりして、自分の論拠のなさを覆い隠そうとしている傾向の人も見かけますね。(笑)





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July 02, 2016

スイスイ論語(3) -温故而知新-

クリックすれば拡大して読めます。 (読売夕刊07/02)
スイスイ論語3

 今日の読売夕刊に「こども論語塾」の安岡定子さんの「スイスイ論語」の三回目が掲載されました。


 子曰(シイワ)く、故(フル)きを温(ダヅ)ねて新しきを知れば、以って師と為す可(ベ)し。 

            
 以下は、諸橋鐵次先生の『温故而知新」のゆきとどいた解説です。(安岡さんの解釈と若干違います)

 孔子言う、昔得た知識を再びよく考えたずねて、そこから新しい知識を導き出し、古い事実を尋ね極めて、そこから現在将来の新しい道を導き知ることの出来る人であれば、その人を師として仰いでもよろしい。




論語の講義


 人には古きをたずねる傾向の人と、新しきを知る傾向の人とがある。前者はとかく伝統にかかわって頑固に陥りやすく、後者はややもすると新奇にはせて時流を追いがちである。
 
 由来、人間の思想でも社会の事項でも、前と後ろとは一連のものであり、過去と未来とは連続したものである。

 従って、古きをだずねる人は古きに捉われてそれにのみ止まるべきでなく、それによって新しきを知る工夫を凝らさねばならぬ。

 又、新しきを知る人は、その新しさが古きに根ざすことに思いをいたし、過去をたずねることを怠ってはならない。

 このことは一個人についても、また殊に現下国民の思想生活についても重要な点であると思う。温故と知新との間に「而」という字を入れて、温故が知新の原因となり、知新が温故の条件であることを示す点に注意すべきである。


1. 温は尋であって、たずねる意。
2. 師とは、もちろん人の模範となる者の意であるが、当時は卿大夫或いは士の身分の者が退官後、郷里に帰って上師・下師の任に就くことがあった。従って、ここでは真にその上師たり、下師たる資格のある人という意味に用いたのであろう。


 次回の新聞掲載は8月6日の予定です。が、翔年はその頃、ボストンで行われる"US Go Congress 2016"に行っております。「スイスイ論語」(3)がアップできるのは10日ぐらいになると思います。悪しからず。




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June 26, 2016

アインシュタイン博士に学ぶ (1) -日本絶賛の巻-

 アインシュタイン博士(1879-1955)が初めて来日されたのは1922年(大正11年)のことでした。その1週間前の航海中の船上で、「一般性相対理論」によってノーベル物理学賞授賞の知らせを受け取られた時の言葉は

 『もし私が日本という国を自分自身で見ることのできるこのチャンスを逃がしたならば、後悔してもしきれないというほかありません』

でした。


 そして初来日、わが国をご自分の目で見、さまざまな体験をされて、率直なべた褒め言葉をあちこちで連発されました。それが、博士の胸のうちから溢れ出ているので、現代の日本人はちょっと気恥ずかしくなりますよ。(笑)

 まぁ、博士の言葉をじっくり聞きましょうか。

アインシュタイン博士


〇 近代日本の発展ほど世界を驚かせたものはない。
   → 明治維新後、西欧文明を必死に猛スピードで取り入れましたが、技術などの「物」は西欧化しても、心は日本人でいるという難しいスタンスを成功させていたからです。キーワードは「和魂洋才」でした。


〇 日本人は、これまで知り合ったどの国の人よりも、うわべだけでなく、すべての物事に対して物静かで、控えめで、知的で、芸術好きで、思いやりがあってひじょうに感じがよい人たちです。
   → 当時の日本人はE・アランの「国によって慣習は異なる。しかし、表情をくずさぬことが、すべての国に共通の礼節の第一法則なのである。まして、予想もできない激しい感情の動きをあらわすことは、どこにおいても無作法である。」という言葉を期せずして体得していたようですね。



〇 日本人以外にこれほど純粋な人間の心を持つ人はどこにもいない。この国を愛し、尊敬すべきである。
   → 博士はこのように、明治から大正時代の日本人を高く評価していたのでした。


 それが戦後、博士の表現はこのように希望的表現に変わっています。
〇 以前に日本人が持っていた、生活の芸術化、個人に必要な謙虚さと質素さ、日本人の純粋で静かな心、それらのすべてを純粋に保って、忘れずにいてほしい。
   → 博士、ありがとうございます。 次回は世界の平和について、あなたのお考えを教えてください。

 次回は平和主義者の博士の叡智に学びたいと考えています。




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大きな想定ミス二つ  -英国EU離脱とソフトバンクの後継者-

 「将来予測をするのが好きだ」と言ったら、「大口をたたくのはよせ!」とお叱りを受けるかもしれません。が、実際好きなのです。

 それで、このBlogでも、たまに大きな「地球環境問題」、「エネルギー問題」、「食糧問題」や政治課題、「マスコミ批判」や「人物評」など、非力を顧みず臆せず書いてきました。

 ところが、今回は大きな判断ミスを犯しました。それは詳細に検討して判断するまでもないと判断していたからです。(笑) 年のせいにはまだしたくありません。



EU離脱?

第一のミス: 英国のEU離脱
 英国のEU離脱の投票結果をミスりました。 本来、EUは二度の世界大戦を経験したヨーロッパ諸国が「国の枠を超えて戦争を起こさないように、できるだけ域内のヒト、モノ、カネをうまく経済運用しよう、できれば通貨も一つにしよう」として構築されています。翔年は基本的に次の戦争を回避できる素晴らしい人類の英知であると思っています。ただ、現実には理想が非常に高いと考えざるを得ません。国の独立性の制限、文化的背景の差異、経済力の強弱など異質な国が集まって、果たしてEU域内をうまく経済運営できるのか、これは人類にとっての大きなテストケースでしょう。リーダー層の相当の努力と叡智が発揮されなければ、いずれ団結はほころびが生じるのではないかとと危惧してます。

 今まで表面に現れたのは、通貨の単一(ユーロ)問題、すなわち経済競争力の弱いギリシャなどの国の財政問題でした。通貨が一つに統一されているので、国の主権である独自の通貨政策がとれません。経済強国のドイツやフランスは現在の通貨レイトは非常に楽、国際競争力では負けるはずがありませんが、経済基盤の弱い国は青息吐息です。
 
 例えば日本では東京や大阪の大都会が稼いだお金が日本政府を通じて沖縄や鳥取に流れますが、EUでは国が違うのでドイツからギリシャにはお金は流れませんから。




イギリスのEU離脱手順

 ところが、イギリスはちょっと違います。イギリスはEUには加盟していますが、統一通貨ではなく、自国通貨のポンドを確保しています。だからイギリスは国としての主権制限や移民問題があるにせよ、国として独自の通貨政策は取れるのだから、残留派が勝つだろうとたかをくくって見ていました。

 あいかわらず、マスコミは連日離脱問題を報道してましたが、離脱だ、残留だ、離脱になったら大変と騒いでいるだけと軽視してました。(データーに基づく分析がほとんど無し)
 それで、23日の朝のWebで、残留派が2ポイントほど優勢という最新情報を確認し、株式市場も寄付きから小幅上昇傾向にあったのを見て、安心して大阪へ出かけました。大甘でした。(笑)

 最近のグローバル潮流の「新帝国主義」(特に中国やロシア)、「各国に芽生えている新ナショナリズム」や「IS国」や「政治的ポピュリズムの蔓延(いい例が米国大統領選、マスコミが加担)」などを軽視していたと反省しています。






ニケシュ退任

第二のミス:ソフトバンクのニケシュ副社長の突然の退任
 ソフトバンクの株主総会が22日にありました。ところがその前日にソフトバンクから、副社長のニケシュ・アローラ氏が突然退任するという情報がもたらされた。それによると、孫社長とニケシュが話し合って決めたという話でした。

 株主総会の第2号議案は二人の再任(取締役は全部で8人)が会社提案としてすでに株主に通知されていたのですから、これは異例中の異例なこと、何かあるのでは?と思いました。

 2014年9月にグーグルの役員だったニケシュを氏を孫社長が後継者候補として迎え入れたばかりでした。もともと、孫さんの経営手腕は抜群でしたが、それだけにワンマンの後継者が育っていなくて不安がありました。特にソフトバンクが米国のスプリント社を傘下におさめて世界一の通信会社を目指すためには、どうしても必要な人材がこの人だったのですから。(世界中に人脈あり、特にインドに強い)

 孫社長は株主総会で自分のわがままだ。やり残した仕事があるので、あと5年〜10年は社長をやりたい…。こう説明したそうです。

 実情は分かりませんが、自分で相応しい後継者を見つけて、他社から引き抜いて高額報酬でもてなし、彼に海外企業の買収など、彼の人脈を使って相当の仕事をさせて、さてこれからという時に、クビにするとは我が儘ではすまないのではないでしょうか?

 悪く考えたくないですが、ニケシュ氏から見たら騙されたとも見えるでしょう。翔年はまだ若い(59歳)孫さんだけど、判断力は大丈夫?と疑念がよぎりました。(笑)

 それでも22日の株主総会は波乱なく終わったそうですし、23日朝がたの株式市場もこの異例ともいえる事件にも平静な受け止めをしているようでした。この辺はどなたも孫社長に抜群の信頼感をお持ちなのはうなずけます。翔年も同じように考えましたが、当面は大丈夫としても、大国際企業への道を踏み出しているソフトバンクにやや疑問符が付きました。    

 ここへきて孫社長にこんな意思決定の乱れがでるとは想像もしていませんでした。かつて故松下幸之助さんも、高齢になってから「朝令暮改」事件がありました。さすが、経営の神様、すぐに風波は収まりましたが…。




蛇足:汚名挽回、といっても過去のはなしです。(笑)
 今回は想定ミスを二つもしましたが、例えば東京都知事関係では下のエントリーで、舛添知事が何のために韓国大統領に会いに行ったのか、この男に何ができる?と人物を見て書いています。
 もし、この時点から、マスコミが東京都知事として韓国大統領とどんな話をし、何をギブ&テイクしたのか? 東京都知事としてその仕事内容はふさわしいものであるのか、きちんと取材で裏付けた見識ある報道をして欲しかったと思います。都議会も取材して評価すれば、今回の事件は防げたと思います。 そういう力のあるクオリティ紙があれば高くても買いたい! 残念ながらわが国にはありません。

(過去データ)
2014/01/19 『おかしな都知事選挙 -話題だけが先行』
2014/07/26 『恥ずべき姿 -舛添東京都知事-』 





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June 19, 2016

京都鉄道博物館 -大人も十分楽しめた!

 小3の鉄道博士?の孫にせがまれて、学校の創立記念日の17日(金)に4月のオープンした「京都交通博物館へ行った。

 蒸気機関車から新幹線まで貴重な車両を50両以上も見ることができた。勿論、見るだけではなく、SLに乗れたし、いろんな体験ができるように工夫されており、大人も十分楽しめた。 

 塩小路は元々機関区のあった場所で、今も在来線とつながっており、引き込み線で展示車両の入れ替えが簡単にできる構造になっていて、また新しい車両をみに来ようという気にさせる博物館だった。

 三階のスカイテラスからは、新幹線も在来線も指呼の間にあって、ジオラマ以上の迫力ある眺望でした。


※クリックすれば拡大して読めます。
京都交通博物館京都交通博物館2京都交通博物館、凛士





シネマの名匠と旅する「駅」

 三階の「図書資料室」は前もって予約が必要で、断念せざるを得なかった。大切な資料が閲覧できるのだろうけど、このルールはちょっといただけない。大不満です。

 次回は来る前に忘れないように予約しよう。実は翔年は中学生のころは鉄道模型ファン(Oゲージ)だったので、どんな関連資料があるのか確かめたかった。

 その代わりと云うわけでもないが、売店で「シネマの巨匠と旅する「駅」臼井幸彦著を買った。
 デヴィッド・リーン監督の「旅情」のラストシーンなど、よくもまぁ調べたものだと感心するほど、映画の中のシーンの駅の実名が明らかにされている。自際に撮影に使われた駅と映画の中の駅とことなるのもあるが、こういう細部に至るまで、著者は調べ上げている。
 
 こんな映画の楽しみ方もあったんだ。(笑)







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June 12, 2016

ジャパン碁コングレス2016 in 宝塚  -参加のお誘い-

Q1: 「ジャパン碁コングレス2016 in 宝塚」って一体何?
A:  碁コングレス(Congress)とは、まぁ規模の大きな「囲碁大会」のことです。わが国では記念すべき第1回が、今夏7月15日〜7月18日の4日間、宝塚市で開催されます。

Q2: 世界にどんなコングレスがあるの?
A: 「ヨーロッパ碁コングレス」「US碁コングレス」があります。どちらも永い伝統を持ち、毎年一回開催されています。参加者は前者が約1000人、後者は約400〜500人です。 どちらの大会も囲碁が打てれば誰でも参加できます。このオープンマインドを見習いたいです。(老若男女、棋力が強かろうと、弱かろうと、どこの国の何人であろうと、大歓迎されます。大会のどこにも排除の論理はありません)

このスナップは、ある年のUS Go Congressの会場風景です。
IMG_0689

ヨーロッパは今年第60回大会が7月23日〜8月6日(2週間)、ロシアのペテルスブルクで開かれます。


アメリカは今年第32回大会が7月30日〜8月7日(10日間)、ボストンで開かれます。


 翔年はアメリカのコングレスは1994年の第10回大会に初めて参加して、大会の素晴らしさに魅了されました。以来、事情が許す限り参加しています。今年で16回目の出場です。(笑)
 この20年間で、アメリカ人は勿論、会場で囲碁を囲んだ世界中の囲碁愛好者と友達になりました。日本という島国に住んでいると、井の中の蛙になりがちですが、アメリカにもヨーロッパにも中国にも囲碁友達ができたお陰で視野が広がり、いろいろと蒙が開かれ啓発されるところが多いです。



「第1回ジャパン碁コングレス2016 in 宝塚」の概要は下のとおりです。が、その前にこの碁コングレスの企画から実施までのオーガナイザーである関西棋院プロ前田亮六段からの最新情報をお届けします。

参加予定の外国人: 125人です。(登録済み)
国籍: 中国、台湾、タイ、アメリカ、メキシコ、フランス、ドイツ、イギリス、北アイルランド、スイス、ベルギー、ルーマニア、韓国、南アフリカ共和国。(これ以外にもまだ、インドネシア、香港、韓国から問い合わせが来ています)

日本人: 150人ぐらいの参加を期待しています。が、今、徐々に参加者が増えつつある状況です。(もっともっと多くの日本人の参加を期待してます)


 参加の外国人はみんな日本人との対局や楽しい交流を期待していると思います。たくさん対局し、観光もし、日本文化にも触れたい等いろいろな思いを抱いて、はるばるやってきているのです。どうか、日本の囲碁ファンが一人でも多くこの大会に参加して、囲碁を通じた国際交流に一役かっていただきたいと願っております。
 前田プロは出来たら日本人参加者も4日間を通して大会を盛り上げて欲しいとおっしゃっていました。翔年は16日(土)は別の囲碁イヴェントのため、コングレス参加は15、17、18日の三日になると伝えた際の反応でしたが…(笑)
 
 
 この第1回大会を成功裏に終わらせ、来年からの「ジャパン碁コングレス」が世界中の囲碁ファンの憧れの囲碁大会になるよう、どうか皆様の多数のご参加をお願いいたします。

 

       

 
    ジャパン碁コングレス2016 in 宝塚
      (詳細はここをご覧ください

日 時 : 平成28年7月15日(金)〜18日(月、祝)

場 所 : 宝塚市ソリオホール

参加資格: 全年齢対象、囲碁ファン

参加料 : 一日5000円、(4日間とおしでは1万6千円)、別の催しには別途費用が必要なものあり

定 員 : 一日約300名(日本人+外国人)

出場棋士: 関西棋院棋士多数参加

内 容 : 第1回ジャパンオープン 無差別クラス、段位クラス(6クラス)、級位クラス(複数、ハンデ戦)
      スイス方式採用、4日間 6局
      その他、ジュニア棋戦、棋士の指導碁、棋譜解説、ペア戦などいろいろの催し

申し込み: HPをご覧ください。

主 催 : ジャパン碁コングレス実行委員会

その他 : 下記諸団体の後援、協賛をいただいています。
【共催】一般財団法人関西棋院、宝塚市、宝塚市国際観光協会
    公益財団法人宝塚市文化財団、こども未来プロジェクト
【後援】公益財団法人日本棋院、公益財団法人日本ペア碁協会
    兵庫県阪神北県民局、宝塚市教育委員会、(特)宝塚市国際交流協会、大阪商業大学
【協賛】阪急電鉄株式会社、東和薬品株式会社
    NPO法人メセナ・スポーツ振興協会、ダイキン工業株式会社




   
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June 06, 2016

スイスイ論語(2) -読売夕刊より-

論語:読売夕刊より(画像をクリックすれば拡大して読めます)
スイスイ論語2

 4日の読売夕刊に論語塾の安岡定子さんの「スイスイ論語」の二回目が掲載された。

子曰く、学びて思わざれば則(スナワ)ち罔(クラ)し。 思ひて学ばざれば則ち殆(アヤ)うし。(「論語」為政第二)

(諸橋先生訳)
 孔子言う、或いは先輩について学び、或いは書物によって学んでも、その学んだところを自分の心に問うてよく考えてみないと、学んだことがぼんやりしていて、本当の意味は了得(リョウトク)されない。これに反して、自分の乏しい知識をもととして、ただ心の中に思い詰めるだけで、広く他人の言に学び、或いは古人の教えに学ぶことをしないと、的をはずれた方向に進みがちで、危険この上ないものである。


罔し=ぼんやりして明らかでないこと。
殆うし=危ないこと。



中国古典名言事典
諸橋轍次編「中国古典名言事典」ではもっとわかりやすく意訳されています。
 人はいろいろなことを学ぶ。とはいえ、それを深く思い、自分自身の上にあてはめ、また、時勢にあてはめて考えることがなければ、学んだこともぼんやりして不安定であり確乎とした形をとることができない。真に身についた学問とならない。

 考える、思い詰める、それはよいことだ。けれどもそれだけで、もし学ぶことがなかったら危険だ。
 これは、ことに若い人々の心にとめてほしいことばである。知識も視野も浅く狭い。それが思い詰めて、しかも学ぶことを怠ったばあいは、的外れの強弓に矢をつがえているようなものだからだ。




 これ以上何もつけ加えることはありません。

 スイスイ論語の次回読売掲載予定は7月2日です。楽しみに待っています。


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June 05, 2016

映画「マクベス」を観た -新解釈も納得-

マクベス
 
 先日、イギリス映画の「マクベス」を観た。監督も俳優も女優も全部知らない人達だった。肝心のマクベスはどうだったか。新解釈のマクベスだったが、十分納得できる出来栄えだった。


 白状すれば翔年は活字人間なので舞台芸術は(感の鈍さが災いして)苦手なのだけれど、シェイクスピア劇は好きだ。TVドラマなんかの悪人は悪いことはやるが、そのことについてちっとも悩まない。単純人間。そこへ行くとシェイクスピアの描く人間は悪人でも善人でも、本当によく悩む。(笑) 人間の心理劇だ。作者の人間理解、舞台監督の人間理解、それを演じる俳優たちのそれぞれの解釈があって、観客に多様な見方や考え方を訴えかけてくる。台詞には二重、三重の意味が託されている。優れた芸術はみんなそうしたものだろうが……。


 舞台のことはさておき、映画のマクベスは意外な導入部から始まった。あれれっ、マクベス夫妻の幼い息子の埋葬シーン。(舞台の第1幕第1場は三人の魔女の登場のはず)

 その後はストーリィもセリフも、かなり原作に忠実に作られている映画だった。外国映画は字幕頼りの鑑賞だが、今回は古い英語(韻文?)らしくて、ほとんだ聞き取れなかった。ところが字幕のセリフは脚本や舞台のセリフと同じ見覚えあるフレーズが随所にあった。(シーンに合わせて上手く嵌めこんであった)




マクベス (2)

  帰宅途上の電車の中で、映画の名シーンを反芻していると、マダムマクベスが悪の権化みたいな一方的な描かれ方ではなかったなぁと気が付いた。もちろん人殺しを主人マクベスにするように仕向け、なにかにつけ悩み、弱気になるマクベスを、強烈に煽る基本的役回りは変わらないけど…。 どうやら、冒頭のシーンと関係がありそうだ。


 想像をたくましくすると、マクベスは武将だから、多分家庭はおろそかにせざるを得なかっただろう。企業戦士だった現在の我々がそうだったように…。ひょっとしたら、戦いの遠征中で最愛の息子の死に目にも会えなかったかもしれない。そういう状況で最愛の息子をなくしたとしたら、マダムマクベスの「喪失感」は大きく、夫への失望感も大きかったにちがいない。心を病む遠因になった可能性がある。 夫婦の間の亀裂も生じた……。

 これがこの映画監督ジャスティン・カーゼルの新解釈だったのではないだろうか?
 
 シェイクスピアも、城と妻子を置き去りにして外国へ逃げた城主マグダフのことを夫人にこう語らせているから、あながち見当違いではないと思う。
マグダフ夫人: 「分別! 妻を捨てて赤ん坊たちを捨てて屋敷も財産もそのまま捨てて自分だけ逃げることが? 愛がないのですよ。情なしなのですよ。鳥のうちでも一番小さいみそさざいさえ、巣の中の雛を守るためならふくろうとだって闘います。(以下略)」

 小さい小さい私事ながら、初孫の誕生の時、翔年はアメリカで碁を打っていて、すぐに赤ん坊の顔を見に産院に行けなかった。これをヒドイ男だと何かにつけて蒸し返されてる。(笑) 女とはそうしたもの?

 
 それにしても、イギリス映画の風景シーンは荒涼としていて暗いなぁ。ストーリィとはピッタリだけど…。

 



男というものはいつもそうだが、わが家から離れているときが、いちばん陽気なものだ。
          -シェークスピア−

女には、どうしてもわからないテーマが一つある。おとこは仕事に注ぐだけの情熱をなぜ家庭にそそげないのか、ということだ。
          -D・デックス-




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May 26, 2016

Inpromptu(即興詩)  -中野重治-

  この「即興詩」は翔年が 高校三年(1960年1月頃)の時に書いたノートからコピーしたものです。 生意気盛りの19歳、中野重治の詩がお気に入りでした。

 詩だけでなく、当時読んでいた小説や評論から、気に入った文章をところかまわず抜萃したノートが2冊あります。 ノートは黄ばんで痛んでいるし、青インクは黒っぽく変色していますが、55年以上たっているのにちゃんと読めます。当たり前? 


 ちょっと長いですが、この歳になって読んでもちょっといいなと思いました。いや、今の自分にぴったしかも…。(笑) 

impromptu



Impromptu    中野重治

  
高い書物を買いこんで
おれは又もや気がふさぐ
そうしておれは思い出す
おれの先祖のだれ一人
おれに書物はくれなんだと
なるほどお経は伝わったが
あれはお経で本じゃない
けれどおれはやるだろう
おれがじじいになっちまい
息子があるいは娘が大きくなった時
  「これはとっつあんが若い時 
  こんなわけで手に入れて
  胸ときめかして読んだもの
  受けた影響かぞえれば
  これこれこれといったとこ
  お前にや向かぬか知れないが
  まあ持ってって読んでみな」
初嵐抜萃ノート
息子の拒絶おそれつつ
いささか照れて言いながら
更にもおれは欲張って
その上こんなに考える
おれの息子も孫を生み
そいつが大きくなった時
じじいになった息子めが
ある日孫めをつかまえて
  「これはとっつあんが若い時
   じさまがわしをつかまえて
   こんな説教鳴らしつつ
   このとっつあんにくれたもの
   そしてやっぱりとっつあんが
   胸ときめかせて読んだもの
   受けた影響かぞえれば
   まずこれこれといったとこ
   お前にや向かぬか知れないが
   まあ持ってって読んでみな」 
孫めの拒絶おそれつつ
いささか照れて言いながら
例の本をば出すだろう

してみれや本はやすいもの
世間のおやじよおふくろよ
また息子よ娘らよ
高い本などつい買って
お前の気分がふさいだら
たとえ子持ちでなくっても
お前をとっつあん又はかあちゃんに仕立て上げ
息子や娘を配置して
そして気分を直すがいい
それがほんとの本好きの
本を大事にする仕方
してまた子孝行孫孝行
人の人たる気慰め
社会的衛生といったもの
-----なんかんとおれが手の中の
買った本をば眺めつつ
頬っぺあたりをさすりみる


  
そんじょそこらの若い衆が
しゃれたネクタイ咽喉にさげ
鞄に弁当おしこんで
午後の天気を気にしつつ
気をひったてて出かけ行く
それをばおれは賛美する
つらい苦しいこの世では
とかく元気がことのもと
げんきにさえなることならば
靴もみがけ歯もみがけ
胸のかくしのハンケチも
はなハンケチが別にあれゃ
青いのなんかもわるなかろ
ばあさまなんぞがごとごとと
いってることはみな違い
そうではないと知っている
詩人のおれが君たちの
月賦の折り目の弁護人
どこどこまでも引受ける
    


 この詩の20ページほど後ろに、◎印つきのパスカルのこんな章句が書いてありました。

 ◎ 人間のむなしさを十分に知ろうとするならば愛の原因と結果を考えてみさえすればよい。その原因は「何だか私にはわからないもの」であり、またその結果はおそるべきものである。   -パンセ−

 

蛇足
ノートの題名「初嵐」について: 初嵐とは立秋後はじめて吹く風を言う。当時、何か心身に強風を受けた感覚があったのかもしれません。




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May 20, 2016

Amazonでたった一円の本を買った -現代の円本?-

 Amazonで古本をたった一円で買った。実際のところは、本題が1円、配送料が257円もかかるから、しめて258円の出費。まぁ古本屋で260円の本を買ったと思えば納得はできる。(笑) でも、古本屋さん、大丈夫かなぁ??

 円本の歴史は、大正15年に改造社が一冊一円で「日本文学全集」を売り出したのが一円本のはじまり。それまで本は高価なものであったが、これを機に各社も相次いで一円の本を売り出して結構な数が売れたという。ようやく庶民の読書欲がみたされる時代が到来したということだったのだ。そして、このての本は「円本」と総称された。


 実は一円本を買ったのはこれで2冊目だった。 翔年は古本屋さんには昔からお世話になってきた。この一円本は、なんか古本屋さんに申し訳ないような気持ちが消えません。

巌谷大四著「文学歳時記」 TBSブリタニカ刊 1984年4月25日 第8刷 定価1200円 
文学歳時記

一円で商売がどうして成り立っているのか、ちょっと考えた。

1. 客寄せのための商品 → 古本商売はお客がきてくれなければ、話にならないからこれは宣伝費か?

2. 利益圧縮のための商品 → 仕入れは100円〜200円くらいだろうから、1円との差額は原価割れの大赤字だ。売れない本は書庫に眠らせておけば保管費が嵩むだけ。捨てたら産業廃棄物として処理費がいる。売るに売れず、捨てるに捨てられず、ではないか? 
唯一、考えられるのは、もし古本屋に他の高価本販売で利益がでているのなら、この赤字で利益圧縮して税金対策にはなるのかな??

 商売にうとい翔年はこれぐらいしか、一円本が流通している理屈がわかりません。 

 古本屋さん、なんとか智慧を絞って商売を続けてくださいね。お願いします。



Isaac Asimov 著 奥田隆一他編 "Words from History 1" 2002年5月1日 第6刷発行 定価1600円
wordsofhistory

 アシモフの本が1円で買えるのなら、あと1、2冊は買いたい!


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May 15, 2016

なんと呼ぼうと薔薇はバラはの香りがする!

     玄関先のつる薔薇  by iPhone(05/15)
つる薔薇

 毎朝、起きてすぐ新聞をとりに玄関を出たとたん、薔薇の香りにまとわりつかれる幸せに浸ってます。(笑)
 今年もたった一本のつる薔薇が見事に咲いてくれました。


 たくさんの薔薇の花の香りにつつまれながら、前の道路に出て写真を撮っていると、先日お亡くなりになった故蜷川幸雄演出の「ロミオとジュリエット」の名シーンが少しずつ蘇ってきました。


 思い出したシーンの台詞はこんなやさしい英語だそうです。が、名前と実体との関係は、なかなか哲学的で難しい。
"That which we call a rose by another name would smell as sweet."
 
 梅田の芸術劇場で観たのは松岡和子さんの新訳でしたけれど、あいにく手元にない。中野好夫訳でどうぞ。




「ロミオとジュリエット」 第二幕第2場 キヤピユレット家の庭園
(ロミオは夜の庭園に忍び込んで窓辺を窺っている。そこへジュリエットが二階の舞台の窓に現れ、苦しい胸の内を表白しはじめるシーンから)

ジュリエット:「ああ、ロミオ様、ロミオ様! なぜロミオ様でいらっしゃいますの、あなたは? あなたのお父様をお父様でないといい、あなたの家名をお捨てになって! それとも、それがおいやなら、せめてわたしを愛すると、宣言していただきたいの。さすれば、わたしも今をかぎりキャピュレットの名を捨ててみせますわ。」

ロミオ:(傍白)「黙って、もっと聞いていようか、それとも声をかけたものか?」

ジュリエット:「仇敵(カタキ)はあなたのそのお名前だけ。たとえモンタギュー家の人でいらっしゃらなくても、あなたにお変わりはないはずだわ。 モンタギュー --- なんですの、それが? 手でもなければ、足でもない、腕でもなければ、顔でもない、人間(ヒト)のからだについた、どんな部分でも、それはない。 後生だから、なんとか他の名前になっていただきたいの。 でも、名前がいったいなんだろう? わたしたちがバラと呼んでいるあの花の、名前がなんと変わろうとも、薫りにちがいはないはずよ。 ロミオ様だっておんなじこと、名前はロミオ様でなくなっても、あの恋しい神のお姿は、名前とは別に、ちゃんと残るにきまっているのですもの。ロミオさま、そのお名前をお捨てになって、そして、あなたの血肉でもなんでもない、そのお名前の代わりに、このわたしのすべてをお取りになっていただきたいの。」

ロミオ:「お言葉どおり、ちょうだいしましょう。ただ一言、ぼくを恋人と呼んでください。すれば新しく洗礼をうけたも同様、今日からはもう、たえてロミオではなくなります。

ジュリエット:「まあ、たれ、あなたは? そんな夜の闇にかくれて、人の秘密を立聞くなんて?」
(以下は劇場か脚本で楽しんでください)


「ロミオとジュリエット」の稽古場の故蜷川幸雄、彩の国さいたま芸術劇場にて(1997年) by 東京新聞
蜷川幸雄2本棚のシェイクスピア

 蜷川演出によるシェイクスピア劇は史劇の「リチャード三世」「コリオレーナス」、喜劇の「間違い続き」「じゃじゃ馬ならし」「空騒ぎ」など、シリアスな悲劇の「ハムレット」「オセロ」「マクベス」など、たくさん楽しませてもらった。

 最高の舞台劇だったけど、その他にも、若い男優ばかりで演じられたリ、台詞がラップのリズムになっていたり、日本語で本場イギリスで公演して大好評を博したり、いつも話題がいっぱいでした。 

 もっともっと、たくさん観ておくべきでした。 もう蜷川演出のシェイクスピアは観られない。

 ご冥福をお祈りいたします。(合掌)



蛇足: 「ヘンリー六世」を見た時の事です。主演は大竹しのぶのダブルキャスト(マーガレットとジャンヌダルク)だった。その名演技の余韻に浸りながら、彼女の後援会のアンケートに記入していたところ、末尾に「無料の後援会に入りませんか」とあった。翔年は無料に弱い。でも、人生、何が幸いするかわからない。(笑) そのおかげで、この間、彼女の「エディット・ピアフ」を観ることができました。



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May 12, 2016

ガンの治療に一筋の光! -免疫薬のオプジーボ-

 旧聞に属すことなのでちょっと気はずかしいのですが、「文芸春秋五月号」の特集記事「最新医療に乗り遅れるな」に、京大名誉教授の本庶佑(ホンジョ タスク)先生と評論家の立花隆氏の対談が掲載されている。

 翔年は抗がん剤治療は原理的に強烈な毒性をもって正常細胞も壊すので、この治療には否定的な気持ちを持っている。が、ニポルマブという新薬は大いに期待できると信じます。医学にまったく素人ですが、期待するに十分な根拠があると思うので、そのことだけ記しておきます。


文芸春秋201605

 ます記事のタイトルは「がんを消す免疫薬の真実」で、対談は下の三つの柱の構成です。

1. 抗がん剤との比較実験で圧勝
 本庶先生のチームが発見した「PD-1」は人間の持つ免疫細胞の表面にあって、免疫細胞に「攻撃ストップ」を命じるブレーキのような働きを持つ分子だという。

 がん細胞というヤツは免疫細胞からの攻撃を受けるとこのブレーキを踏む分子「PD-L1」を出したり、他のまだ未知の仕組みで免疫細胞をストップさせる巧妙な技をもっているらしい。がん細胞が生き残るための戦略なのでしょうね。

 だが、先生もさるもの、もし免疫細胞にブレーキがかからないようにすれば、がん細胞は困るのではないかと考えたのです。そしてブレーキを踏めないようにする返し技を開発された。(笑)
 それがニボルマブという新薬です。免疫ブレーキを解除するメカニズムとすばらしい臨床試験結果(これまでの薬との比較)の詳細は文芸春秋の記事をご覧ください。

 事実だけ記載します。
 ・ 2014/7月; メラノーマ(悪性皮膚がん)の治療薬としてニボルマブは厚生労働省から薬事承認を受ける。

 ・ 9月; 「オプジーボ」として発売される。

 ・ 12月; 胃がんと血液のガン(ホジキンリンパ腫)の薬事申請。

 ・ 現在; 世界でニボルマブの臨床試験が約二百種類も進められている。その中には胃がんも喉頭がんも、膠芽腫(脳腫瘍のなかで最も悪性)も、卵巣がんも入っている。いろいろながんに効く可能性があるという点がこれまでの薬と違う

 問題点; 薬が効く人には非常によく効くのに効かないひとには効かない? これは患者本人の免疫力を活用する薬だと考えれば十分納得がいく。免疫にも個体差があって、免疫力の強い患者と弱い患者がいることは間違いないのですから。今後、事前に効く患者と効かない患者の見分けがつけられたら申し分ありませんね。

 翔年は今まで免疫療法は効かないという通説がひっくりかえされたと確信しました。

2. 偶然の発見から世界的新薬へ
 本庄先生のご専門は「免疫」です。免疫には生まれたときから備えている「自然免疫」と特定の異物の刺激に応じて攻撃すべき相手を記憶していく「獲得免疫」の二種類がある。人間は後者をつくれるので、非常に高度な防御システムが出来上がっている。ですから、細胞のコピーミスでおこるがん細胞はできたらすぐに免疫系に殺されると考えられている。

 ところががんのヤツもさるもの、免疫系の力を抑え込む仕組みをどこかの時点で獲得しているのです。それが先ほど述べたブレーキです。

 ところがどっこい、学者先生は偉い! 本庶先生は24年前にこれらの仕組みにかかわっているPD-1を(偶然に)発見されていたのです。凄いことですね。 偶然に発見されたエピソード、複雑な免疫系の興味深いストーリィ、研究と実験中に示された先生の慧眼などは、とっても面白いので全部割愛(笑)して「文芸春秋」にゆずります。


3. 厚労省と製薬会社は時代遅れだ
 こういうテーマが好きな攻撃型マスコミ関係者、評論家、識者?はたいへん多い。巧みに大衆に迎合しながら、相手のミスを徹底的に叩いて、大衆の不満を煽ったり、大衆の快感をくすぐる書き方のうまい人も多い。あまり好きになれません。(笑) で、敢えてこの項目については書きません。


 替わりに、医学の進歩に期待の持てそうな分野を列挙します。

1. 免疫系と神経系、或いは免疫系と代謝系というこれまで別の制御システムととらえてきたものが、実はつながっているらしいことが分かってきた。もっと生命体系全体を広くみる医学に立ち返ってほしい。

2. 本庶先生によると「糖尿病や大腸炎、リウマチなど原因がわからず治療法が見つからなかった難病には、実は自己免疫疾患が多い」ことが分かってきたらしいです。
 
3. したがって、「今後、免疫系の治療薬が登場してくる可能性は大いにある」そうですから、期待しましょう。


 最後の最後、先生がご不満に思っておられるこのことだけは書き忘れてはならない。
「『ウオール・ストリート・ジャーナル』(2012/6/2)がトップ記事として『人類とがんの長い戦いに終止符を打つ期待の最新研究が始まった』と報じました。全然話題にしなかったのは、日本のマスコミだけでしたね。」
本庶先生のお小言、キツイ一発でした。(笑)




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Posted by mtmt0414 at 17:02Comments(0)TrackBack(0)Science

May 09, 2016

スイスイ論語 -夕刊読売新聞より-

 インターネットが発達したおかげで、最近の新聞はニュースが遅く感じられるようになって、世界のニュースはネットに頼ることが多くなっている。そういうわけで、新聞は文化欄、文芸欄の気に入った記事を丹念に読む機会が増えてきた。
 
 先週土曜日の読売新聞夕刊に「スイスイ論語」というこども向け(本当は親向け?)記事が目につきました。


「スイスイ論語」  5/7夕刊読売新聞より(クリックで拡大、読めます)
論語(読売)


性、 相近し。 習い、相遠し。(陽貨17)

とあって、こどもにも分かるように、訳はちょっとやさしめに書いてあった。翔年の読者は年配者が多いはず(笑)なので、最も信頼している諸橋鐵次先生の訳をコピーしました。

(諸橋訳)
人間の天性(これは恐らく気質をも含めて言ったものであろう)は、甲の人と乙の人との間に大差のあるものではなく、大体似たり寄ったりである。ただその後の習慣によって甲の人と乙の人との間に大きな距離の差が創られて行くのである。

 これは性善説に近い思想だと思う。もっと教育の大切さをキッパリと言い切った次の言葉はどうでしょう? 翔年はこの言葉がとても好きです。


教えありて 類なし。(衛霊公15)

(諸橋訳)
人はいかなる種類の人でも、教育の善悪によって支配されないものはない。

(諸橋解説)
「類」は種類であり、例えば人の貴賤、老少、或いは気質・習俗の相違などはすべて「類」である。貴い人も賤しい人も、老人でも年少者でも、すべて教育の善悪によって支配せられ、これはこの種類の人であるから絶対に移らぬという差別はないとの意で、教育の力の偉大さを述べたものである。




論語の類書(翔年の本棚の一部,5/9)
本棚の論語

 すいすい論語の記事を書いたのはこども論語塾講師の安岡定子という人らしい。安岡正篤先生と関係があるだろうと推察してググったら、果たして先生のお孫さんにあたる方らしい。彼女の公式HPはここ です。
 子供たちに論語を教える塾をあちこちで開催したり、講演会を各地で開催したり、論語の普及活動に励んでおられる素晴らしい方とお見受けしました。

 読売新聞の「スイスイ論語」の次回は6月4日に掲載予定です。どんな語句が掲載されるか楽しみです。それについてまた書きたいと思っています。




追加:人間にとってどれほど教育環境が大事かということは、いくら言い過ぎても言い過ぎることはないと思います。ドロシーさんのおっしゃる通りです。

『 子供は大人の鏡』
子供は、批判されて育つと人を責めることを学ぶ
子供は、憎しみの中で育つと人と争うことを学ぶ
子供は、恐怖の中で育つと、オドオドした小心者になる
子供は、憐れみを受けて育つと、自分を可哀相だと思うようになる
子供は、馬鹿にされて育つと、自分を表現できなくなる
子供は、嫉妬の中で育つと、人を妬むようになる
子供は、引け目を感じながら育つと、罪悪感を持つようになる
子供は、辛抱強さを見て育つと、耐えることを学ぶ
子供は、正直さと公平さを見て育つと、真実と正義を学ぶ
子供は、励まされて育つと、自信を持つようになる
子供は、褒められて育つと、人に感謝するようになる
子供は、存在を認められて育つと、目標を持つようになる
子供は、皆で分け合うのを見て育つと、人に分け与えるようになる
子供は、静かな落ち着きの中で育つと、平和な心を持つようになる
子供は、安心感を与えられて育つと、自分や人を信じるようになる
子供は、親しみに満ちた雰囲気の中で育つと、生きることは楽しいことだと知る
子供は、周りから受け入れられて育つと、世界中が愛で溢れていることを知る
       -ドロシー.L.ノルテ-




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Posted by mtmt0414 at 18:25Comments(0)TrackBack(0)

May 07, 2016

第18回高槻ジャズストリート -KKBが素晴らしかった-

第18回高槻ジャズストリート (写真はすべてここ高槻ジャズストのオフィシャルサイトから借用しました)
ジャズスト2016グランド

 「高槻を音楽があふれる楽しい街にしよう」という思いを抱いた人たちが集って、1999年に始めた「高槻ジャズストリート」は毎年ゴールデンウイーク中に開催されてきた。

 今年は第18回目で60会場、4000人以上のジャズミュージシャンによるライブが3日、4日の二日間、街中ところせましと行われて、それらは全部無料で楽しめるのでした。

 主催は「高槻ジャズストリート実行委員会」というボランティアのみなさん、この委員会のもとで、企画・運営から資金集め、交通整理、ゴミの分別まで、本当に何から何まで、すべてボランティアの手によって続けられてきているという、他に例をみない素晴らしい市民活動です。




高槻現代劇場
ジャズスト2016現代劇場2

今年の目玉は高槻現代劇場の夜の部、KKBバンドのみなさんが出演した4日の夜でした。KKBってどんなバンド? 

 翔年は聞いたことありませんでしたが、かつて日本のジャズ界をけん引してきた名プレイヤー、原田忠幸、五十嵐明要、杉原淳、箱石啓人、宗清洋、古谷允などが「後期高齢者バンド」というしゃれた?名前で今活躍中のバンドなのだとか…。

 それに特別ゲストとして、クラリネットの北村栄治、ボーカルの宝田明、阿川泰子を迎えて、ジャズストではおなじみの箕輪博之トリオ(feet.岸ミツアキ)と共演するという豪華さ、にぎやかさ。

 このメンバーの平均年齢は81.25歳といいますから驚きでした。忘れかけている名前も混じっているので、ガイドブックを見ながらメモしています。みなさんも名前を見て懐かしんでいただければ幸いです。



高槻現代劇場(ボーカルは宝田さん)
ジャズスト2016現代劇場

阿川泰子(vo): 1978年にデビュー。アルバム「SUNGLOW」はジャズシンガーとして異例の60万枚の大ヒット。

五十嵐明要(as): 音楽生活65周年を迎えて益々の活躍という。

大山日出男(as): クラリネットから15歳でアルトサックスに転向。82年に渡米。教則本の出版もある。

片岡雄三(tb): 「原信夫と♯&♭」など多くのビッグバンドにも参加していた。コンボのソリストとしても有名。

岸ミツアキ(pf): 第1回高槻ジャズストから毎回出演。翔年は彼の演奏スタイルは大好き。マイクをもたせたらその語り口も一品、誰もが魅了される。CDもメジャーから出ている。

北村栄治(cl): 世界的なジャズクラリネット奏者。2007年「旭日小授賞」を受賞。暖かく深みのある音色と独特のフレーズは聴くものを酔わせてくれる。

杉原淳(ts): 「大橋巨泉とサラブレッズ」を結成。「11PM」のレギュラーを16年間も務めた。最近はプロデューサーとしても活躍。

宝田明(vo): 1954年東宝のニューフェース。芸術奨励賞やゴールデンアロー賞などを受賞、文化庁芸術際賞大賞も受賞した。ミュージカル俳優。

箱石啓人(tp): 国立音大卒。「チャーリー石黒&東京パンチョス」などで活躍。音楽理論や吹奏楽の指導、後進の育成にも尽力。

原田忠幸(bs): 「原信夫と♯&♭」に入団。1966年渡米。

古谷允(ts): 関西が誇るジャズ界の重鎮。高槻ジャズストの常連。

宗清洋(tb): 1969年「北野タダオとアロージャズオーケストラ」に入団。現大阪音楽大学客員教授。

 レジェンドのみなさん、それぞれ味わいのある演奏をありがとうございました。みなさん、熟成した高級ワインのような味わいがありました。齢と共にワインのように立派になるのは少数派、たいていは酢になってしまう。(笑) 気をつけよう!



 音楽で人と人、人と町がつながり、笑顔あふれる楽しい時間を共有できる「高槻ジャズストリート」、みなさん、来年もきっとご来場ください。またお会いできるのを楽しみにしています。





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Posted by mtmt0414 at 02:33Comments(0)TrackBack(0)

May 03, 2016

面白い研究 -口答えする子供は成功する-

 何とも面白い研究を見つけた。その結果にも翔年は大満足です。(笑)

 その研究結果とは

1 口答えする子供は成功する可能性が高い。(Adolescents who talk back are more successful adults)
→ 真面目な親が持てあましている? (笑)

2 よくしゃべる子供は成績がよい。(Talkative kids do better in school)
→ 規律好きの教師が教室運営がたいへんとよくこぼしている! (笑)

3 ルールを破る子供は人並み以上の成績を収め、高収入の大人になる。(Childhood rule breakers become overachieving, higher-earning adults)
→ 企業の人事部は内申書の成績のいい生徒を採用しては、従順だが覇気に乏しいと毎年嘆いている。(笑)/span>

 というものです。(→以下:翔年が我が国の現状を観察した結果です。角を矯めて牛を殺すような教育が行われていなければいいのですが…)


権威に耳をかさない子供(将来グンと伸びる可能性大?)
反抗的な子供ほど優秀


 これは米国の心理学会の『Developmental Psychology』に発表された研究です。内容は12歳の子供を観察し、その40年後に再度観察をした結果、上の三点が分かったといいます。

 研究者たちは「権威を無視する子供の方が大人になってより成功する理由については、明確な答えをもっていない」と控えめなコメントですが、翔年はこの研究結果に我が意を得た気持ちです。

詳しくはこちらに記事をどうぞ

 確かに大人が自己主張の強い子供をコントロールするのは大変骨の折れることですが、子供は気長に、おおらかに、たくましく育てるほうが、小賢しく、小さく、型にはめて育てるより、社会の宝をよい多く作り出すと思うのです。

 我が国の教育界にも社会にとっても、この研究は不都合なものだろうか? そんなはずはないと思うが、新聞でこの良いニュースは見なかったなぁ。

 残念なことに、大人の社会も教育界によく似たところがある。いわゆる「出る杭は打たれる」という現象がしょっちゅう起こっていますから。


 リクルートの創業者の江副浩正氏は「リクルート事件」で、ライブドアの創業者の堀江貴文氏は「ライブドア事件で、さらにソフトウエア開発者にして情報工学者の金子勇氏は「ウイニー事件」で、三人とも司法と社会とマスコミを相手に理不尽な戦いを強いられたことは記憶にあたらしい。

 特に金子氏に至っては、つまらぬ裁判に長期間ひっぱりまわされ(最高裁では当然無罪でした)、あたら大才が開化する間もなく、43歳で急死されたのは残念で残念でなりません。




〇 人に何かを教えることは出来ない。出来るのは、自分自身の中に何かを発見する手助けだけである。    -G.ガリレイ[1564-1642](天文学者)-

〇 Education is what remains after one has forgotten everything he learned in school. The aim must be the training of independently acting and thinking individuals who see in the service of the community their highest life problem.      -Albert Einstein(1879-1955)-

(教育とは、学校で習ったすべてのことを忘れてしまった後に、自分の中に残るものをいう。そして、その力を社会が直面する諸問題の解決に役立たせるべく、自ら考え行動できる人間をつくること、それが教育の目的といえよう)


〇 親のいうこと、ようきく奴は、所詮親不孝。     −田辺聖子-






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Posted by mtmt0414 at 23:55Comments(0)TrackBack(0)Culture & Education